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Ryu-chan6708

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2008.11.02
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カテゴリ: 歴史



日中戦争期における経済と政治

私: この本は著者の博士論文のもとになったものだという。
 300頁の小さな字がピッシリ埋まった専門書だね。
  専門家でない俺は、もちろん、 全部、読むつもりはない。
これを図書館から借りたのは、 簡単な知的興味 からだね。
  それは、「 広田弘毅 の本で、 近衛声明 の「 今後、国民政府を対手とせず 」が出る経過が書いてあり、その辺の事情をもっと知りたいという知的興味がわいたからだね。

A氏 :この「 近衛声明 」は日本が太平洋戦争に踏み込んで行くきっかけとなったものだね。
  日本の近代史を後から振り返ってみると、 その後の日本の運命を決めた大きなターニングポイント だね。

:中心となるのは「 トラウトマン工作 」だね。
  これについて、この本では 10頁程度 、ふれているので、これに知的興味をもったね。
  これをまとめておきたいと思ったね。
  それが終わったら、図書館に返すよ。

  しかし、この本のこの部分は、時系列が相前後して読みにくいね。
  読みにくいと 博士論文 にならないのかね。スマイル

    ところで、この本によると、「 トラウトマン工作 」に対しては、 最初、広田や日本の外務省は乗り気でなかった とあるね。

A氏 ドイツ は、 蒋介石軍に武器を提供 し、かつ、上海事件ではドイツは 軍事顧問団 まで派遣していて、日本は苦戦するという苦い経験があるね。

私:しかし、一方、ドイツ側は、中国が戦争とともに 共産化 することを恐れてきた。
ドイツ ソ連に有利に展開する心配 が出てきた。
 だから、必ずしも 日中戦争を日本に有利な形で収拾しようというものではなかった。
むしろ、 中国に巨大な権益 を持ち、中国にとっても関係の深い 英国を利用 して、日中和平をはかったほうが、 日本有利の形で停戦になると日本の外務省は考えていた んだね。
広田外相 は、 1937年11月2日 ドイツ大使に日中和平条件を正式に伝える前日 にも イギリスの仲介にまだ未練 があったという。
  この辺の経緯は「 広田弘毅 」の本にはないね。

A氏 外務省はイギリスを重視 していたんだね。

イギリス頼みの広田 が、 ドイツに変った経緯 は、 高木惣吉海軍省臨時調査課長 の集めた 極秘情報 広田外相の講和条件提示に関する経緯 」になまなましく書かれているという。
   それによると、当初、 杉山陸相が広田外相に和平工作を頼み、 広田は英国の仲介工作に乗り出す。
1937年か9月から10月初旬
にかけて、 英国 クレーギー英国大使 を通じて 広田外相の和平条件 を中国に伝えたが、 蒋介石の拒絶 にあって終わっていた。
英国 は、当時は 外交 米国と共同歩調 を取っており、 日中戦争への介入に消極的だったアメリカ に合わせて、あまり和平には積極的でなかったようだね。
  しかし、 日本外務省 としてはこのルートによる和平調停の継続を強く要望していた。

  ところが、 陸軍省 権力争いをしていた参謀本部 陸軍省とは別に 、ドイツ外務省とではなく、 ドイツ軍に対して和平交渉を始めた んだね。

:陸軍の「 下克上 」だね。
   その結果、 陸軍内部からの突き上げを恐れた杉山陸相 広田外相に依頼していた英国を通じての和平交渉を断念 したという。

A氏 :列強が駆け引きしていて外交の難しい時期だね。
  それにしても、 日本軍の内部分裂 はひどいね。

:陸軍内部では 参謀本部内 武藤章作戦課長らの中国に対する強硬派 と、 参謀本部の石原莞爾作戦部長などの不拡大派の対立 があったね。
今村均 陸軍大将 の回顧録・「 今村均回顧録 」によると、石原が武藤章に日中戦争反対を説くと、武藤は「 私はあなたが、満州事変でとった行動を真似しているだけです 」と言い返したという。
武藤がそういうや否や、他の青年将校が口を合わせて哄笑したという。

A氏 :軍の中では 石原は不人気 だったんだね。
  武藤は後の 東京裁判で死刑判決 を受けるがね。

:実は「 トラウトマン工作 」は、日中戦争拡大を阻止したい、その石原が熱心だったようだね。

 明日はそのへんから、話しを進めよう。






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Last updated  2008.11.02 08:48:40
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