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私
:転居のときに、売却せずに持ってきた本の中に 吉川英治
の「 宮本武蔵
」があるね。
装丁本の立派な箱入り本で、 6巻
ものだね。
それに、 徳川無声
が朗読した「 宮本武蔵
」の カセットテープ20巻
がある。
これも捨てずに持ってきたね。
徳川無声
の「 宮本武蔵
」の朗読はテレビのないラジオ時代のシリーズもので、小学校、中学校からよく聞いていて、このラジオ放送で「 宮本武蔵
」を知ったと思う。
この本と放送での 武蔵の生き方
は俺の人生に影響を与えたね。
A氏 : 吉川英治 の「 宮本武蔵 」は 佐々木小次郎 との 巌流島の試合 で勝って終わっているね。
私
: 武蔵が29歳
のときだという。
これが 真剣勝負の最後
になったようだね。
著者の魚住氏は 1953年(昭和28年)生
まれだから、徳川無声のラジオ放送で武蔵を知ったという世代ではないね。
著者はむしろ「 五輪書
」を読む機会があり、 そのショックで武蔵に入り込む。
そのせいか、この 岩波新書赤本
の「 宮本武蔵
」は、 巌流島以降の武蔵、特に「五輪書」に焦点
をあてている。
武蔵の「 五輪書
」に至る道だが、それに至る人生は吉川英治の「 宮本武蔵
」と違った 研究者、求道者としての人生
だね。
このほうも素晴らしい人生だね。
A氏 : 宮本武蔵 は 絵でも一流 だね。
私
:高校生ぐらいのときに、武蔵の「 もず
」が一本の枯れ木の頂点にとまって、獲物をにらんでいる 絵
を見て、 背筋に寒気を感じるほど感動
したね。
「 一芸に通ずる者は、万芸に通ず
」だね。
「 五輪書
」の考えでもあるね。
この書は武蔵の最後の書だが、今でいう論文だね。
しかし、 参考文献などない。
A氏 : 自分の経験と独自の思考の産物 だね。
私
:死ぬとき、手元にあったのは「 五輪書
」と「 独行道
」だけだね。
A氏
: 君は昨日のブログで死ぬときは、1冊の本を残して死ぬのが理想
だと言っていたが、武蔵は 2冊
を残したのかね。
私:もっとも死期を察して、「 五輪書
」の草稿を死の2,3日前に弟子に渡しているというから、正確には、手元にあったのは、「 独行道
」くらいなのかね。
武蔵の人生の圧縮の書
だね。
「身ひとつに美食をたしなまず、末代物なる古き道具を所持せず」
まさに「 独行道
」の人生だね。
こういう日本人
が増えて欲しいね。
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