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A氏
: 18日の朝日新聞
で「 第三の開国
」と題して、 TPP
参加問題
を論じていて、 このブログ
でもとりあげたね。
その時は、 TPP参加 賛成意見
は 戸堂康之
東大教授
。
反対意見
は 中野剛志
氏だったね。
今朝の朝日新聞
では、その 続編
ということで、 賛成意見
が「 内向きが続けば素通りされる
」という 伊藤元重
東大教授
。
反対意見
が「 国家の枠組みを固めるのが先だ
」という 佐伯啓思
京都大教授
。
私
: 賛成論
の人に不思議に多く出る言葉は「 開国
」や「 鎖国
」だね。
どうも抽象的だね。
問題となっている 農業対策も抽象的
で、従来の「 農業保護政策
」で甘やかされていたという発想だね。
現実は、 農家の高齢化による後継者不足
と 荒れた農地の放棄
だね。
佐伯
氏は、 農業の衰退の本当の理由
は 若者が都会に出てしまった
ということであり、それによって、 日本は近代化
したという。
その通りだと思うね。
A氏 :それに 稲作 だって、 機械化 はかなり進んでいるものね。
私 : 伊藤氏 は、来年、再来年に 完全自由化 でなく、 10年 かけて段階的に進めるし、 例外品目を認めさせる とか、 交渉事項 はいくらでもあるという。
A氏
:それでは、 関税全面撤廃
という TPP
の「 開国
」の意味がないではないの?
何か 論理的に矛盾
だね。
私 : 伊藤 氏と 佐伯 氏と根本的に発想が違うのは、 佐伯 氏は、 自由貿易のメリット は 生産要素 が国を越えて移動できないときのもので 、現在は、 グローバル時代 では、 自由貿易で各国が等しく利益を得ることはないという考え だね。
A氏
: 中野剛志
氏と同じ立場だね。
現代の自由貿易
は「 近隣窮乏化
」になるという学者もアメリカで多く出ているという。
私
:もう一つ、 大きな違いは
、 根底
に日本は今、 「下り坂社会」になっている国家
だという 認識
が 佐伯
氏に明確にあるが、 伊藤
氏にはないように感ずるね。
日本は先進国にさきがけて「 人口オーナス
」社会に突入しているという認識だね。
いつまでも、 高度成長
で 世界を走り回った時代
を追いかけるのでなく、「 人口オーナス
」で大きく変化する国家の 新しい枠組み
を固めることが根本的に必要だね。
A氏 : 昨日の朝日新聞のオピニオン欄 では、 日本の歴史にかってなかった「 孤族社会 」 をとりあげていたが、この対応も遅れているね。
私
: GDP世界2位
となるという 中国
も、 後5年
くらいで「 生産年齢人口
」はピークになり、 2030年
には 総人口が減り出し
、日本を追いかけて 少子高齢化社会
になるね。
日本よりもっと大きなスケールで問題が出るかもしれないね。
ところで、この同じ紙面の「 私の視点
」欄で 農業県の新潟県の泉田裕彦知事
が「 コメの例外品目化を軸に
」と題して TPP参加問題
で寄稿しているね。
コメの例外
が認められないときは、 交渉から撤退
し、 EPA
や FTA
といった 二国間協定を模索
すべきだとしているね。
A氏: これも「 開国 」論者からすると「 コメ鎖国 」論だね。
私
:「 開国
」だ、「 鎖国
」だと大きな声をあげながら、 交渉
で「 コメはなんとか例外になりそうだ
」という 楽観論
は 手前勝手
な「 開国
」論だね。
明治の 福沢諭吉
の「 開国論
」も、 関税自主権
の確立
など、 国家の利益を配慮
していたね。
明治の「 第一の開国
」に学ぶべきだね。