つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2018.01.20
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カテゴリ: 数学・サイエンス
いささか古い本 ​だが、算数・数学の入門書として、また教師用図書としては今でも十分役に立つ本である。
著者の主張する水道方式や、タイルを使った乗除の計算方法は、今でも、知的障害児用の算数・数学の教科書に「定番」として紹介されている。

ということで、ときどき読み返す本の一冊。

この本はまず「量」から始まる。著者によれば数もまた分離量であり、分離できない量を連続量と定義する。英語で言えばmanyが分離量で、muchが連続量だ。この考えは非常にわかりやすく、​ 分数の割算も数ではなく量(たとえば面積)を割るのだと考えれば納得がいく。

四則演算は計算の基本だが、子どもたちはつまづきやすい。どこでつまづくのか、わかりやすく解説してあるのもありがたい。暗算より筆算が安し。

集合論と形式論理の関連性についての説明もわかりやすい。なるほど、集合:補集合=真:偽である。
ローマ字表などの直積=マトリックス(行列)。これも、成程と思った。

空間と図形では、ユークリッド幾何学に偏重した数学教育の害が説かれる。
曰く、定規とコンパスより物差しと分度器。
曰く、方眼紙を使えば基礎解析への導入になる。
ユークリッド幾何学は平面幾何であるが、地球は丸い。すなわち球面幾何の思考法が必要になる。

鶴亀算への批判も舌鋒が鋭い。これは当たり前の話で、連立二元方程式を立てれば簡単に解けるものを、わざわざ難しく考えることはないのである。


◆◆数学の学び方・教え方 / 遠山啓/著 / 岩波書店





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Last updated  2018.02.14 00:48:34
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