挫折と失意と狼狽と赤面の記憶

Sep 3, 2022
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カテゴリ: 終い支度

行列のできる設計屋などとお道化た自分の中では殿堂入りしたプリンター 2台を無料回収屋さんに引き渡した。

カバーを外した状態の画像にモザイクを掛けたが、係わった方々が一目見ればメーカーやモデル名がバレルかも知れない。



1980年代一世を風靡したドットプリンターで、自分の担当は画像右側のパワー回路だ。

ANK印字プリンターから漢字印字へアップグレードするスペックで、従来のトランスと同じサイズでチャレンジした回路ユニットだ。当時殆ど普及していなかったMOS FET型パワートランジスターを採用したことで実現した。

現在のスマートパワー ICなど存在せず、手作り感満載のディスクリート回路で苦しみながら量産に漕ぎ着けた。当時の自分ではベストセラー的なモデルであった。

その後グループ会社内外から引き合いが多くなり、出張先でウロウロしているとアチコチから声が掛り行列ができる状態になった。

このブログであれもやったこれもやったと書くと個人が特定されるので紹介できないが、この期に及んで 1件だけ・・世のお役に立たなかった反省を込めて書きます。

その昔 NTT以前の電電公社時代の黒電話をそのままデジタル化するINS実験プロジェクトが有り、東京三鷹・武蔵野地区で試験運用した時期の元祖デジタル電話(死語)のパワー回路を担当した。偶然に発見し空気で動きますと説明した回路方式を提案、当時関係業界トップメーカーの先生と仰いでいた御方と1対1のコンペで自分が勝利したことを忘れない。

今流の表現ではブラックな働き方と認めるが、自分なりに解決しようと昭和最後の年末に退職した、

ヘッドハンティングと言えばカッコ良いが、その後はいい加減な働き方改革だったので、 顧みれば挫折と失意と狼狽と赤面の記憶しか残っていない。

自宅の倉庫に無意識に仕舞い込んでいた、使いみちが全く無いレトロなプリンターをこの後誰が処分するだろうか?

我が子と最期の別れと同じ心境で、自らの手で送り出そうと決意した。

これまでの拙い職務経歴も棚卸しして無料回収屋さんに託したい気持ちが湧いた。

今後、行列のできる設計屋とは名乗りませんと誓います。

何十年か前のわが身を顧みれば日々、挫折と失意と狼狽と赤面の記憶しか残っていない。

往生際の意味を知れ!







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Last updated  Sep 3, 2022 02:22:47 PM
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