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向かって右のページのシーンにはこんなキャプションがついています。
昭和 20 年 8 月 15 日、中国奉天(現瀋陽市)父が働いていた印刷工場の中庭で泥遊びしてました。
左のページにはこうです。
列車から降ろされ線路伝いに歩く人々
動けなくなりうずくまる人々も。
ちばてつや
のファンであれば、このシーンは、いつか見たことがあるシーンだと思います。それも一度ならずです。しかし、 マンガ家自身
は、 2022
年の 8
月 15
日
に 想起
したシーンをお書きになっているわけで、決して、同じ絵を使いまわされているのではないでしょう。それが、幾たびも書かれた絵だったとしても、これは、 今年
の 8
月 15
日の絵
です。
そういう迫力が、このページにはあると思います。
骨折、心不全、あれこれ、あれこれ
で、入退院を繰り返していらっしゃる日々の 日記
です。一方で 「あしたのジョー」
をお書きになったころの思い出が挿入されています。病気も、作品制作の思い出も、淡々とのんきです。 力石やジョー
を戦いの末に殺してしまわれた作品で、青年だったぼくのような人間の心を鷲づかみされたマンガ家なのですが、彼の作品を支えてきたのは 生きていることを素直に肯定する思想
なのだということを、読み手のぼくも素直に感じる様子です。
どうか、この 「ひねもす」
な日々が、一日も長く続くことを祈らずにいられませんね。
追記2024・08・19
第1巻
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・
第4巻
・ 第5巻
・ 第6巻
の感想はこちらをクリックしてくださいネ。
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