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<目次>
第1章 メタファーを読み解く
第2章 資本主義がつくる悪
第3章 軍国主義がつくる悪
第4章 能力主義がつくる悪
第5章 無自覚になされる悪
第6章 自分の悪を受け入れる
『ねじまき鳥クロニクル』 は、人間の根源悪の問題を考える上で、深い示唆を与えてくれる物語です。(P21) まあ、こんな書き出しです。小説の舞台である 現代社会 を 「資本主義」、「軍国主義」、「能力主義」、「自己責任論」 といった鍵言葉を持ち出して分析する方法で読解を進めようという、講義形式の 「解説本」 です。さすがに、同志社です(笑い)。学生さんの反応は真面目で、よく勉強している印象です。
「わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。もし、わたしが望まないことをしているとすれば、それをしているのは、もはやわたしではなく、わたしの中に住んでいる罪なのです。」(ローマ人への手紙) で、 佐藤優 自身の結語はこうです。
いちばん難しいことは、自分の内側にある悪と向き合うことです。この小説をきっかけに、ぜひ自分の内なる悪について考えてもらえればと思います。(P194) さて、この講義が 村上春樹 の 『ねじまき鳥クロニクル』 の、具体的にはどこに注目したのかについて、まったく触れないで 案内 していますが、そのことが気がかりな方は本書を手に取っていただいて、 村上 の作品を読み直していただくのがいいかと思います。初めての方は、まず、 村上の作品から お読みいただいて、面白ければ本書を、という順番がおすすめです(笑)。
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