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Aug 25, 2015

回想録　Sochaczew(ソハチェフ)の奇跡

テーマ：楽天写真館(354716)

カテゴリ：ジョグ＆スケッチ

回想録 04.Łodź(ウッチ)→Warszawa(ワルシャワ) 04_01 story(3938)2015.8.25
徒然の記　剪定作業
留守中、カミさんも少々は庭いじりをした。道具がすごい。すべてピカピカの諸道具。昨日はイスまで届いた。腰かけてじっくり雑草を取るための新兵器である。車輪までが付いている。少しづつ移動するためのものであろうか。
顔に被るネットや手袋はもちろん完全防備の上で庭に出る。毎日１時間ほど庭仕事をしたという。それでも雨が降ると元の木阿弥で雑草が生い茂るのだと。緑というものを大変憎んでいる。「どうして成長が止まらないのか」と。
そこで今日は軽石が届いた。これをまけば雑草は生えてこないのだと。特製の小石は音が出るように作られている。泥棒よけにもなるという触れ込みだ。
本文・・
ポーランド・ドイツ・ベルギー・フランスの旅　回想録 04_1 Głowno(グウォブノ)、Sochaczew(ソハチェフ)　　
Kamieńsk(カミエンスク)の教会の牧師に「庭にテントを張らせてください。」という内容の文章をポーランド語に訳して貰った。これを見た人たちが態度を急に改めて小生を見る。
一体全体どういう内容が記されていたのであろうか。 この印籠を 日本に帰ってから手書き文章を翻訳してみた。『私は、ポーランドからドイツを経て、フランスへ巡礼の旅をしています。すでにフランスから聖ヤコブの墓があるスペインへの道は旅しました。一晩ここでテントを張らせていただけないでしょうか。どうかお願いします。』続いて司祭からの挨拶状。『この者は、日本から来た非常に穏やかな善人です。どうか願いを聞いてあげてください。Ks.M』

(tue)26 May Łodź(ウッチ)からGłowno(グウォブノ)
大都市ウッチを抜け出していく。14号線を北東に。道は郊外に来るに従ってそれが細くなり、ついには歩道がなくなるという何時ものパターン。雨まじりの寒い天候。イチゴ売りが店を開けている。箱売りで百個くらい入ったものが400円などと。一つ買い求めた。なかなか美味しい。

Głowno(グウォブノ)では湖畔にお墓があり今日はその近くでテントを張る予定。しかし教会に行って暖を取らねばならない。余りにも寒い。ミサまで教会のなかでじっとしていた。当方は最後列に座っていたが、ここにも人が溢れだした。大きなリュックは教会の玄関に置いたままである。貴重品のみ持ち込んだ形になっているため何回かは様子を見に行く。ミサの合間にも、スーパーに買いだしに行かねばならないが、市内を長時間ほっつき歩くことは出来ない。
雨の中をすぐに戻ってこれそうな範囲で。ケバブの露店が一軒だけ店を開けていた。テイクアウト用に所望し教会に戻る。ミサが終了したので、スタンプも貰わねば。ダメ元でテントの相談もと。気ぜわしいがやることは多い。そこで上記「印籠」と巡礼手帳を見せた。な、なんと。態度が一転。司祭たちが礼拝のあと軽食を食べる部屋に案内された。
bigos(ビゴス)のいい匂いがする。お皿に盛ってくれて食べよと言う。パンなどをかじりながら皆と歓談。終わってみると今度は迎賓館のような素晴らしい部屋に案内される。自由に使えと。部屋からの庭を通して池が見える。びっくりする景観である。 第2のミラクル。

(wed) 27 May Głowno(グウォブノ)からSochaczew(ソハチェフ)
翌日は雨。来客台帳を持ってきた。サインをしろと。プレゼントした絵も一緒にして。
Sochaczew(ソハチェフ)までは48kmもある。18kmはパスをしたい。Łowicz(ウォビチ)まではバスを利用することにした。混んできたのでリュックを胸に抱きかかえるようにし息だけは吸えるようにと。ぎゅうぎゅう詰めの小型バスであった。降りぬ前からGoogle Earthで現在位置確認ができあがているで降り立てばすぐ歩きはじめる。便利なものである。さてウォビチからソハチェフへ真っ直ぐな道。能率がよいが旅の風情と言うものがない。道路わきの草道を”My camino道”として進む。
本日は聖ローレンス・ディーコンと殉教者の教会にお世話になろうと思っているので、あらかじめスケッチを2枚したためる。一枚はスケッチブックから剥して使うため大判の画用紙に描くのである。

さてミサに参列し、スタンプを貰おうと牧師や司祭がわんさか居る小部屋に進み出た。ミサは大勢の牧師を伴って行う大々的なものであった。事務を専門に行う牧師を紹介され、スタンプを貰う。このとき例の印籠を見せたが、ここで問題が。事務棟入口の緑地を紹介される。ここにテントを張れと。道路脇である。まぁしょうがないかと。荘園のように広い裏庭があるではないかと言いたかったが施錠などややこしいシステムなのであろう。教会の周りをうろついたが細かく区域が分けられ全て施錠がしてある物々しいもの。１時間ほどその場所で逡巡していると、帰り支度をした女性が駐車場から歩いてきた。「どうしたのか？」と。かくかくしかじかでこのスペースにテントを張れと言われて困っているのだと。ここで例の印籠を見せればよかったのであるが、単なる旅行者とみられたようで「それは困る。こんなところではテントは張れない。警察にでも相談に行け。」と言うではないか。
現地便りにも書いたが、このあとは警察署と教会の間を往復することに。警察沙汰になればことは厄介なので、夕闇が迫る時間を待って当初の「指定された場所」にテントを張るつもりでベンチで日記を書いていた。時間稼ぎである。

とそこへ現れたのが救世主。アルタンカに住む青年実業家。「何か困っているのですか。」「さきほど大きなリュックを担いで歩いているのを見た。」と優しい声を掛けてくれる。かくかく云々と説明。テントならわが家ではどうか。と言ってくれるがここからの距離が問題である。毎日32kmは歩いているのでそれ以上遠くなると明日の行動に影響する。聞くとこの近くと言う。それではと車に乗った次第。家に付くと３匹の犬がお出迎え。これは大変なことになった。庭でテントを張るも、夜中は放し飼いにするため危険であろうと。後で帰ってきた父親がコメントをくれる。ならば家の中へと。ここでシャワーなど浴びて家に隣接する会社の作業室で寝ることに。
まぁ、天国のような接待を受けた。 第3のミラクル である。先ほど描いた絵は彼にプレゼント。

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