ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2016.03.27
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カテゴリ: 国際経済
クロニクル 日産・ルノーと提携

1999(平成11)年3月27日

17年になるのですね。業績不振に陥り、98年度には累積赤字が2兆円に達していた日産自動車は、この日フランスの自動車大手ルノーと提携関係を結んだことを明らかにしました。

ここに日産は、ルノーの下での再建に活路を見出そうとしたのです。この時、ルノーが日産再建の切り札として送り込んできたのが、カルロス・ゴーンCCO(最高執行責任者)でした。

日産のがん細胞は、強すぎる労組にありましたから、労組とのしがらみを断ち、経営再建に邁進することは、日本人の経営者では難しいと考え、ゴーンCCOの派遣を受け入れた、日産の経営陣の判断は的中しました、

ゴーンCCOは、リバイバルプランを作成し、部品購入における系列との取引の見直し、早期退職の実施など人員の削減、ルノーとの車台の統一、部品の共通化などによる経費の削減など、考えられる合理化を徹底的に追求しました。他方で、残った従業員の提言など、社内の意見を良く聞いて、社内の風通しを良くして、社内のやる気を鼓舞するなど、従業員の支持と協力を取り付けました。

こうした努力の結果、2兆円を越えていた累積赤字は、5年後の2003年には、その全額を返済することに成功したのです。
問題は、その後にあります。日産・ルノーの関係はその後逆転し、リーマンショック後の欧州の経済危機で、今やルノーは青息吐息、日産からの高額配当やその他の支援を受けて辛うじて生き延びている状態にあります。

露骨な表現をあえて使うとすれば、日産の儲けをルノーが食いつぶしているのです。ルノーとの資本関係を早めに逆転させないと、日産も苦しいですね。研究開発に回るはずの資金がルノー救済に使われてしまっているのですから…。ゴーン氏が日産、ルノー両者の代表となっているのが、実は曲者なのですね。







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最終更新日  2016.03.27 12:03:53
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