星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2022.04.03
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​ ロシアのウクライナ侵攻が始まって1ヶ月が過ぎ、ロシアのサンクトペテルブルグにある「エルミタージュ美術館」を訪れる人は現在どのくらいいるのかと考えます。

 2011年に3日間エルミタージュ美術館に通いながらも、ロシア革命前にマティスのパトロン的存在だった「セルゲイ・シチューキン」が鬼集した印象派の絵画を直に見ることが目的だったため、膨大な所蔵品の中の有名な絵画もさっと見た程度の物がかなりあったと思います。

 そして今でも忘れられない絵がオランダ人画家「レンブラント  1606-1669」の「ダナエ」です。レンブラントは「光と影の魔術師」と称され、「フェルメール  1632-1675)」とほぼ同時期に「バロック芸術(17~18世紀、それまでの宗教画に代わり傑作と言われる肖像画や風景画が描かれた時期)」の巨匠と呼ばれた画家です。


1636年 

 ちょうどこの絵の前に立った時、日本語で解説する声が聞こえ振り向くと日本人の団体ツアーの方々がいました。「この絵には硫酸がかけられて~」の説明が聞こえ「えっ・・」と思ったのですが、じっくり見ることなく写真だけ撮って次の絵に進んでしまったことが今でも悔やまれます。

 昨年遅まきながら「ギリシャ神話」に興味を持ち「ダナエ」が神話に登場する女性であるということを知りました。
ダナエの父であるアルゴス王の「アクリシオス」は「孫によって殺される」と予言を受けたためダナエを幽閉するものの全能の神「ゼウス」に見初められ黄金の雨に姿を変えたゼウスと結ばれ子を宿すことになります。

 ダナエの右手の横にゼウスの姿が暗い色調で描かれているのとは対照的にダナエの裸体は喜びで光り輝くような色彩で描かれています。子は成長して英雄「ペルセウス」となり怪物「メドゥーサ(三姉妹の3女)」を退治したことで有名ですが、予言通りにダナエの父を殺してしまいます。

 「ダナエ」の硫酸事件ですが 「エルミタージュ見学ガイド」には『1985年6月15日、この日はオランダの巨匠の作品「ダナエ」の最後の日になるところであった。絵に硫酸がかけられ、2ヵ所にナイフの傷を受けた。早急に「レンブラントの部屋」に呼ばれた修復の専門家たちは、キャンバス上に部分的に泡状になった絵の具を見た・・」とあります。

 修復作業は約12年間続けられ、完全な修復は叶わなかったものの再び鑑賞者の前に姿を現すことになりました。ネットで調べてみると犯人は「精神疾患を抱えた青年」とありますが、敢えてこの絵を選んだのには何かそれなりの理由があったのかと考えてしまいます。もっとじっくり絵を観賞していたら完全な修復が出来なかった箇所が分かったのかなぁと今更ながらに思います。






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最終更新日  2022.05.04 11:52:43
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