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2019年12月20日映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」、公開、第1作公開から41年の歳月を経て、遂に完結!<「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」予告編> 2019年12月30日、映画「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」が遂に公開されました。長年のスター・ウォーズファンのリュウちゃん、早速、近所の映画館に、初日の第1回目の上映に駆けつけました。リュウちゃんが初めてこのシリーズを観たのは1978年に公開されたエピソード4「新たなる希望」でした。当時、リュウちゃんは32歳、「新たなる希望」公開当時リュウちゃんは新婚ホヤホヤ、リュウちゃんの結婚生活は「スター・ウォーズ」と共に始まったのだ!「新たなる希望」公開から41年、やっと今回のエピソード9「スカイウォーカーの夜明け」で、無事、この大河スペース・ファンタジーオペラが完結したという次第です。この映画シリーズは、エピソード1~エピソード9の9作品がありますが、1978年(昭和53年)に最初に公開された「「新たなる希望」は「エピソード4」です。つまり全体の物語の「中盤」から先に公開されたのです。<ジョージ・ルーカス>(ジョージ・ルーカス)「スター・ウォース」シリーズ全体の原作者であり、シリーズ最初の作品、「エピソード4~新たなる希望」の製作総指揮・監督・脚本を務めた人物です。「新たなる希望」が、全体の構想では「エピソード4」に当たり、全体が9部作になることは、「新たなる希望」公開当初からアナウンスされていました。その「壮大な構想」を知った32歳のリュウちゃん、これは凄い構想だ!30代のリュウちゃんにとっても、エポック・メイキングな映画になりそうだ!と思ったものでした。何故、ジョージ・ルーカスは当初から9部作の構想を持ちながら、実際の映画製作では「エピソード4」から始めたのか?これは今でもリュウちゃんにとりましては<「スター・ウォース」シリーズの最大の謎」>なのです。このためにリュウちゃんのシリーズの知識は混乱しています。本ブログを書こうと思ったきっかけは、このシリーズを改めて「時系列に沿って辿る」ととによって、混乱を解消しようと思ったからなのです。結局、ジョージ・ルーカスは「エピソード5~帝国の逆襲」は製作総指揮、「エピソード6~ジェダイの復讐」は脚本・製作総指揮を務めたのみで、監督はしませんでした。1999年~2005年に公開された「エピソード1~3」では制作総指揮・脚本・監督を務めましたが、2015年~2019年に公開された「エピソード7~9」では、ジョージ・ルーカスは「原作・キャラクター創造」のみクレジットされ、制作・脚本・監督からは一切手を引いてしまいました。これは、ジョージ・ルーカスが自分の映画を製作するために1971年に設立した製作会社「ルーカスフィルム」が、2012年にウォルト・ディズニー・カンパニーによって40憶5000万ドルで買収されてしまい、ためにルーカスは「ルーカスフィルム」から身を引いてしまったことが原因です。永遠の映画少年ルーカスが「スター・ウォーズの製作から身を引いてしまったこと、返す返すの残念、<「スター・ウォーズ」シリーズの時系列的回想>リュウちゃんは1978年の「新たなる希望」から今回の「スカイウォーカーの夜明け」までの9部作を全部、公開とほぼ同時に映画館で観ました。しかし、「エピソード4」から公開されましたので、今だにリュウちゃんのこのシリーズの知識は混乱の極みなのです。ここでは「エピソード1」から「エピソード9」まで、物語の時系列に沿ってこのシリーズを振り返って見て、リュウちゃんの「混乱の極み」を解消したいと思います。<エピソード1~フォースの覚醒><予告編> (データ)★日本公開日:1999年7月10日(リュウちゃん53歳)★製作総指揮・監督:ジョージ・ルーカス★製作費:1億1500万ドル、★世界興業収入・10憶2700万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 共和国の政治は腐敗の道を進んでいた。辺境惑星と貪欲なヌート・ガンレイ率いる通商連合の間で貿易関税率をめぐる論争が繰り返されていた上、腐敗が進む元老院は本来の機能を失い、無為無策の極みにあった。業を煮やした通商連合が惑星ナブーを見せしめとして威嚇包囲するに至り、元老院最高議長ヴァローラムは、共和国の守護者ジェダイに紛争仲裁のための助力を求める。(登場する主なキャラクター)<アナキン・スカイウォーカー>(少年時代のアナキン・スカイウォーカー)「スター・ウォーズ」の物語全体の主人公の一人、「惑星タトウィーン」で奴隷として生まれ、幼い頃から「スクラップ屋」として働いている。9歳の時に危険な「ポッド・レース」(この様子は上記<予告編>のハイライト・シーンになっています)に出場、他の選手の執拗な妨害にも拘わらず、見事に優勝する。この「見事な業績」は、アナキンが潜在的に強い「フォース」(「スター・ウォーズ」作中の主要概念の一つで、理力・念力・超能力のこと)を持っていると認められ、ジュダイ・マスターに見いだされ、厳しい修行の末に「ジュダイの騎士」として成長してゆく。(エピソード2に登場する成人したアナキン。スカイウォーカー)「エピソード2」でアナキンは「ジュダイの騎士」として大活躍するが、次第に「フォースの暗黒面」に惹かれるようになり、最終的には、ダークサイドに堕ちてしまい、「悪の帝王ダース・ベイダー」として再生する。(ダース・ベイダー卿)また、アナキンは、幼い頃から憧れていた惑星ナブーの元女王「パドメ・アミダラ姫」(後述)と恋に落ち、「エピソード2」のラストで結婚し、「エピソード3」ではパドメはアナキンとの間に男女の双子(息子の「ルーク」と娘の「レイア」)を出産、この2人が「エピソード4~6」の主人公となる。<パドメ・アミダラ~ナタリー・ポートマン>(アミダラ姫)「エピソード1~3」のヒロイン、14歳で選ばれて「惑星ナブー」の女王になる。しかし惑星ナブーは侵略に遭い、難を逃れたパドメは途中、惑星タトウィーンに立ち寄り、少年時代のアナキンと出会う。その後、銀河共和国の元老院議員になったパドメは、共和国の有力者として活躍するが、その過程で成長し、「ジュダイの騎士」となったアナキンと知り合い、恋に落ち、秘かに結婚、しかし、その後アナキンはダークサイドに堕ちてしまい、パドメは絶望し、孤立した小惑星「ボリス・マサ」で秘密裏に「ルーク」と「レイア」の双子を出産、直後に命を落とす。享年27歳、美人薄命、かつ「悲劇のヒロイン」だった。<パドメを演じた女優・ナタリー・ポートマン>(ナタリー・ポートマン)50歳を過ぎたリュウちゃん、「スター・ウォーズ~エピオード1」を観て、一遍にナタリー・ポートマンのファンになってしまいました。彼女のデビュー作「レオン」は劇場で観たのですが、強い印象はのこりましたが、この時、彼女は13歳の子供でしたので、「美女」という印象は持てなかったのです。「エピソード1」は彼女が芳紀18歳の時の出演作、何で清楚で美しい女優さんなのだ!まるでグレース・ケリーかイングリッド・パーグマンのようだ!それから彼女の主演映画をちょっと追いかけました。「宮廷画家ゴヤは見た」、「ブーリン家の姉妹」、「ブラック・スワン」、、、しかし、やっぱりパドメ・アミダラがベストというのがリュウちゃんの結論となりました。<オビ=ワン・ケノービ>(「エピソード1~3」のオビ=ワン・ケノービ=ユアン・マクレガー)(「エピソード4~6」のオビ=ワン・ケノービ=アレック・ギネス)誇り高き「ジュダイの騎士」であり、数少ない「ジュダイ・マスター」(弟子を取れる大騎士)である。「エピソード1~3」では、アナキンを弟子として指導、しかしアナキンがダークサイドに堕ちた時、オビ=ワンはアナキンと決闘して彼の両足と片腕を切り落とす。「エピソード4」でオビ=ワンはベン・ケノービという変名を使い惑星タトウィーンに隠棲、そこで、「ルーク・スカイウォーカー」を助ける(ルークこそはアナキンの息子だったのだ!)、オビ=ワンは以後、ルーク達と行動を共にして、ルークに父アナキンと同じように「ジュダイの騎士」になるべく指導し、「フォース」を授ける(つまりオビ=ワンはアナキン、ルークの親子二代の「師」なのだ)「エピソード4」のラストで、オビ=ワンはダース・ベイダーとなったアナキンと再び対決、しかし今回はダース・ベイダーのライトセーバーがオビ=ワンの胴体を切り払うが、直後オビ=ワンの肉体は消失してしまう。「エピソード5~6」では、オビ=ワンは霊体になってからも、守護霊のようにルークを守り続けるのだった。う~ん、映画を観ている時には、アナキン、ルーク、オビ=ワンの関係は混沌としていたが、こうやって整理してみると、少し明瞭になって来たぞ。<アレック・ギネスについて>「スター・ウォーズ」で、オビ=ワンを演じたアレック・ギネス(1914年~2000年)、リュウちゃんの好きな男優の一人です。「スター・ウォーズ~エピソード4~6」も世界的名優の彼が出演したことによって、格調高いSFファンタジー映画になったと思っています。リュウちゃんが初めてアレック・ギネスの映画を観たのは、高校2年生の時、デヴィッド・リーン監督の「戦場にかける橋」でした。この映画でアレック・ギネスは日本軍の捕虜になったイギリス軍の将校を見事に演じていました(これは主役)。その後、同じデヴィッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」では、アラブ反乱の主導者「ファイサル王子」(後の初代シリア国王)、「ドクトル・ジバゴ」では主人公ユーリ・ジバゴの義兄イエブグラフ・ジバゴ、「インドへの道」ではインドの哲学者と、デヴィッド・リ―ン監督の大作で、イギリス人、アラビア人、ロシア人、インド人の4か国人を見事に演じ分けました。(「アラビアのロレンス」のアレック・ギネス)そのイギリスの名優アレック・ギネスが、何と、「スター・ウォーズに出演したことは、私の俳優人生最大の失敗」と、後悔している事を知り、ビックリしました。この後悔の真意は不明ですが、他の若い俳優や映画インタビュアーの無知な質問に辟易したのかも知れませんね。でも、彼の格調高い演技が、この映画の成功を陰で支えていたとリュウちゃんは固く信じているのです。<ヨーダ>(ヨーダ)800歳を超える「生きる伝説」と称されるジュダイ・マスター。「ジュダイ評議会の長」として数多くの「ジュダイの騎士」を育てた(オビ=ワン・ケノービは直弟子ではないが、実質的には弟子同様である)。最後の弟子はルーク・スカイウォーカー、ルークは「エピソード5」で初めて隠遁生活をしていたヨーダに出逢い、ヨーダは最後の務めとしてルークを「ジュダイの騎士」として鍛え上げる。「エピソード6」では、病気により衰弱したヨーダは、ルークにこれまでの全ての事実打ち明け、直後、自らの肉体を消滅させ、900歳の長い生涯を終えた。ヨーダは身長66センチ、映画のクレジットには、「ヨーダ=フランク:オズ」となっています。当初、リュウちゃんは「フランク・オズ」という小さい人が着ぐるみを着て出演しているのかな?と思っていましたが、実際には「エピソード5~6」では「パペット(繰り人形)」をフランク・オズが操作、「エピソード1~3」ではCGでヨーダを造形しているのだそうです。ヨーダの台詞の「声」は全てフランク・オズが担当しているようです。<パルパティーン議員=ダース・シディアス>銀河共和国最後の元老院議長であり、銀河帝国の初代皇帝、皇帝ダース・シディアスとなり、銀河帝国はダーク・サイドの帝国となる。彼自身は「黒幕」として銀河帝国を支配するが、弟子であるダース・ベイダーが彼の手足となって恐怖政治を行う。「黒幕」であるので、映画での出番は非常に少ない。「エピソード6」のラストで、ダース・ベイダーから立ち戻ったアナキン・スカイウォーカーによって滅ぼされ、ここに22年に及んだ恐怖政治の銀河帝国(シス帝国は終焉を迎えた。<R2-D2とC-3PO><R2-D2(右)とC-3PO(左)>3POは二足歩行する人間型ロボット、600万を越す宇宙言語が組み込まれていて、どんな言語でも通訳出来る通訳ロボットである。また各民族の儀礼にも精通、暗号解読にも高い能力を発揮する。C-3POは少年時代のアナキン・スカイウォーカーによって廃品を集めて作られた。外装はパドメ・アミダラによって装着され、アナキンに引き取られた。パドメとアナキンの結婚後には、パドメの従者として仕えた。パドメの死後は、パドメの娘であるレイア・オーガナに(後述の)R2-D2と共に仕え、その後、「エピソード4」ではR2-D2と共にルーク・スカイウォーカーに仕えるようになった。C-3POは、いわゆる「着ぐるみ」で、ロボットの中に、アンソニー・ダニエルズという俳優が入って演じています。R2-D2はナブー王室専用機に備え付けられた宇宙船や電子機器のオペレートを主目的としたロボットである。高度な電子頭脳を持ち、宇宙船などの操縦、電子、機械修理からソフトウエア航法ナビゲート・機関制御・暗号解読からクラッキング、ホログラム映像の録画再生や送受信および転送、膨大な量のデス・スター設計図を丸々コピーするほどのメモリー能力など、様々な機能を持兼ね備えている。真空の宇宙空間から灼熱の砂漠や極寒の雪原・果ては水中まで、高い環境適応力で活躍できるように設計されている。基本的に三本足に装備されたキャタピラで移動する。段差の低い階段の上り下りも可能。無重力の宇宙空間でも脚部を船体に吸着させて自在に移動して見せる。人間や他のドロイドがしゃべる自然言語は理解できるものの、様々な音程からなる電子音による機械語しかしゃべることはできない(通訳は相棒のC-3POが務めることが多い)。R2-D2も「着ぐるみ」で、実はケニー・ベイカーという身長112センチの成人俳優が演じているのだそうです。(ケニー・ベイカー)リュウちゃん、R2=D2はパペットだと思っていたのですが、「着ぐるみ」だと知って、ちょっと感動しました。R2-D2はもともとは、ナブー王室の所有物であったが、その後、宇宙船修理の功績とその勇気が気に入られたことが縁で、パドメ・アミダラの個人的な所有物となる(ここで上記のC-3POと一緒になり、「エピソード4」ではロボット・コンビとしてルーク・スカイウォーカーに仕えることになる)<ライトセーバー>(ライトセーバー)「ジュダイの騎士」やダースベイダーのような暗黒枢卿によって使われる刀剣型の武器、抜くと上の写真のように光を発し、強力な武器になる。ライトセーバーは「ジュダイの騎士」にとっては「神聖な武器」であり「象徴」である。この武器は強力なフォースを身に付けないと、自由に使いこなすことが出来ないからである。ジョージ・ルーカスはR2-D2とC-3POのコンビを、黒澤 明監督の「隠し砦の三悪人」の百姓コンビ、太平(千秋 実)と又七(藤原釜足)から発想したとされています。<映画「隠し砦の三悪人」の太平(左)と又七(右)>また、このコンビだけでなく、ストーリーや他のキャラクターも、かなり共通したものがありますね。「隠し砦の三悪人」は落城した秋月藩を再興するため、藩の侍大将だった真壁六郎太(三船敏郎)が秋月家の生き残り・雪姫(上原美佐)を伴い、同盟国である隣の早川領に逃げるという、山中峯太郎の「敵中横断三百里」のようなストーリーの映画です。<映画「隠し砦の三悪人」 特報+予告編<「隠し砦の三悪人」の真壁六郎太(三船敏郎)と雪姫(上原美佐)>「隠し砦の三悪人」侍大将・真壁六郎太=ルーク・スカイウォーカー、「隠し砦の三悪人」の雪姫=レイア姫という次第です。また「ライトセーバー」も、この映画から着想したのではないかとリュウちゃんは考えています。映画の中で、疾走する馬に乗り、馬上から敵を切り捨てるという「名シーン」(下の画像)がありましたが、多分ジョージ・ルーカスはこのシーンを観て、ライトセーバーを思いついたのだとリュウちゃんは勝手に想像しているのです。<「スター・ウォーズ」エピソード2~クローンの攻撃>(予告編) (データ)★日本公開日:2002年7月13日(リュウちゃん56歳)★製作総指揮・監督:ジョージ・ルーカス★製作費:1億2000万ドル、★世界興業収入:6憶4800万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』より約10年後、旧態依然として腐敗による機能低下が進む銀河共和国を見限り数千の星系が離脱を表明、元ジェダイのドゥークー伯爵を中心に分離主義勢力を形成して共和国との間に緊張状態を生じていた。この事態に対して、共和国の軍隊保有の是非を問う元老院議会での投票のため惑星コルサントを訪れたパドメ・アミダラ元老院議員は爆破テロに遭遇し、パドメ自身は難を逃れたものの多数の侍従が犠牲となる。(登場する主なキャラクター)主なキャラクターは「エピソード1」で殆ど紹介してしまいましたので、特にありません。<エピソード3~シスの復讐> (予告編)(データ)★日本公開日:2005年7月9日(リュウちゃん59歳)★製作総指揮・監督:ジョージ・ルーカス★製作費:1億1300万ドル、★世界興業収入:8憶8400万ドル遠い昔、遥か彼方の銀河系で…。 クローン戦争の勃発から約3年が経過し、戦争は銀河共和国優位の情勢にあった。しかしそんな中、パルパティーン最高議長が惑星コルサントに襲来した独立星系連合軍に捕らえられてしまう。コルサント上空で繰り広げられる艦隊戦の中をパルパティーン救出に向かうオビ=ワン・ケノービとアナキン・スカイウォーカーは、パルパティーンが捕らえられている敵の旗艦インビジブル・ハンドに突入し、再びシスの暗黒卿ダース・ティラナスことドゥークー伯爵と対決、アナキンはこの戦争で鍛え上げられ遥かに力を増し、以前は自身を圧倒したドゥークーを体術を織り交ぜた戦術で両腕を切り落とし勝利する。パルパティーンはドゥークーに止めを刺せとアナキンを扇動し、アナキンはドゥークーの首をはねてしまう。墜落寸前のインビジブル・ハンドからオビ=ワン、アナキン、パルパティーンは無事生還する一方で、分離主義勢力のリーダー格であるグリーヴァス将軍も無事脱出していた。 (登場する主なキャラクター)この作品も新しいキャラクターの紹介は無しとします。以下、「エピソード4」に繋がって行くラストシーンの記述を貼り付けます。パドメは息子「ルーク」と娘の「レイア」を産むと息を引き取る。 アナキンはパルパティーンに救われ、コルサントの医療機関で大火傷の手術を受け、生命維持装置を取り付けダース・ベイダーとして暗黒卿の姿へと変貌する。 最後のシーンでダース・ベイダーとパルパティーン皇帝は巨大宇宙要塞「デス・スター」の建設作業を査察する。 そしてレイアはベイル・オガーナ、ルークはタトゥイーンのオーウェン夫妻に引き取られる。<エピソード4~新たなる希望>(予告編)(データ)★日本公開日:1978年6月24日(リュウちゃん32歳)★製作総指揮・監督:ジョージ・ルーカス★製作費:1100万ドル、★世界興業収入:7憶7500万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 ジェダイ騎士団と旧銀河共和国が滅亡して久しい時代、かつて平和だった銀河系は銀河帝国による圧政下にあった。そんな中、反乱同盟軍のスパイが帝国軍の誇る宇宙要塞である初代デス・スターの極秘設計図のデータを密かに盗み出す事に成功した。帝国の皇帝であるダース・シディアスが最も信頼を置くシスの暗黒卿のダース・ベイダーは、設計図奪還と反乱軍の本拠地の早期発見を命じられる。 (登場する主なキャラクター)<ルーク・スカイウォーカー~マーク・ハミル>(ルーク・スカイウォーカー)「エピソード4~6」の主人公、父はアナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)、母はパドメ・アミダラ、父の故郷である惑星タトウィーンで普通の家庭で善良な養父母に育てられた。或る日、養父が農作業用のロボットとしてR2-D2とC-3POを購入、ルークはR2-D2の映像データにオビ=ワン・ケノービへのメッセージがあることを発見、このデータを近くの澄んでいる老人ベン(隠遁生活をしていたオビ=ワン・ケノービ)に届けたことにより、ルーク4は「ジュダイの騎士」として修業し、屈指のフォースを身に着け、成長していく。当初ルークはダース・ベイダーが父のアナキンだったこと。レイア姫(後述)が双子の妹であることを知らなかったが「エピソード6」で霊体となったオビ=ワンからこのことを告げられる。「エピソード6」のラストでは父であるダースベイダーと対決、彼の手を切り落とす。直後ダース・ベイダーは改心し、元の「ジュダイの騎士」であるアナキン・スカウォーカーに戻るが、まもなく息を引き取る。ルークもこの時、皇帝ダーク・シディアスの誘いによって危うくダークサイドに堕ちるところだったが、父の改心を知って踏みとどまり、「ジュダイの騎士」として生きていくことを選択する。「エピソード7~8」では、ルークは隠遁生活を送っているが、このシリーズのヒロインである「レイ」に発見され、彼女の指導者となる。「エピソード8」のラストでルークの命は尽き、かつての師オビ=ワン・ケノービのように、その実体を消してしまう。<レイア・オーガナ(レイア姫)~キャリー・フィッシャー>(レイア姫)「エピソード4~6」のヒロイン、銀河共和国が滅び、銀河帝国は誕生した時に、アナキンとパドメの娘として誕生した(ルークは双子の兄である)。誕生後すぐにルークとレイアは引き離され、レイアは惑星オルデランの王室のオーガナ夫妻に引き取られ、「レイア・オーガナ」として成長する。18歳の時に惑星オルデランの女王に選出され、やがて最年少で帝国元老院議員になったレイアは銀河系の各地に点在していた帝国への反乱組織(レジスタンス)を支援、女王の特権を生かして孤立していた各地の反乱組織を統合し、レジスタンスの輪を広げていく。そしてルークやハン・ソロ(後述)などと協力して、ジャンヌ・ダルクのようなレジスタンスの指導者になる。「エピソード6」では、ジャバ・ザ・ハット(後述)に捕らえられ、半裸体の姿で拘束されるという衝撃的なシーンがありました。まさに「美女と野獣」ですね。(ジャバ・ザ・ハットに拘束されたレイア姫)「エピソード7~9」ではレイアはレジスタンスの将軍となり、銀河帝国の残党「ファースト・オーダー」を壊滅させる。<ハン・ソロ~ハリソン・フォード>(ハン・ソロ)「エピソード4」以降、ルーク、レイア姫と並ぶ最大のヒーロー、相棒のチューバッカ(後述)と共に宇宙船ミレニアム・ファルコン号を操り、密輸業をやっていたが、ルークやレイア達と知り合いになってからは銀河帝国と戦う反乱軍の主要メンバーとして活躍、後にレイアと結婚し、息子「ベン」をもうけるが、ベンは成長してからダークサイドに堕ち、「カイロ・レン」として祖父のダース・ベイダーの後継者となる。「エピソード7」でハン・ソロはダーク・ジュダイになったベン(カイロ・レイ)に殺害されてしまう。(ハリソン・フォード)「スター・ウォーズ」に出演した新人俳優の中で、最も成功したのがハリソン・フォードです。彼は1980年、「スター・ウォーズ~帝国の逆襲」出演の翌年の1981年、「スターウォーズ」と並ぶ当たり役となったインディ・ジョーンズ・シリーズの第1作「インディ・ジョーンズ~失われたアーク」(監督:スティーブン・スピルバーク)に主演、(「インディ・ジョーンズ」のハリソン・フォード)その翌年の1982年にはリドリー・スコット監督のSF映画「ブレードランナー」で主演(リック・デッカード役)、また1985年にはヒューマン・ドラマの名作、ピーター・ウィアー監督の「刑事ジョン・ブック~目撃者」で主役の刑事ジョン・ブックを演じました。リュウちゃん、この映画が大好きです。特に物語の中盤で彼が口づさむサム・クックの「ワンダフル・ワールド」は今だに耳の奥に残っているのです。 <サム・クック「ワンダフル・ワールド」~刑「刑事ジョン・ブック」より><チューバッカ>(「チューバッカ」~一番左)ハン・ソロの相棒、ミレニアム・ファルコン号の副操縦士、類人猿型人種、常にハン・ソロと共に行動し、「エピソード7」ではハンソロがカイロ・レンに殺害された現場にいて、激高してカイロ・レンを負傷させる。<エピソード5~帝国の逆襲>(予告編)(データ)★日本公開日:1980年6月28日(リュウちゃん34歳)★製作総指揮:ジョージ・ルーカス、監督:アーヴィン・カーシュナー★製作費:2500万ドル、★世界興業収入:7憶9800万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…ヤヴィンの戦いから3年。デス・スターを反乱同盟軍に破壊された銀河帝国軍の反撃は激烈を極めた。反乱軍は帝国軍によりヤヴィン秘密基地から撤退を余儀なくされ、氷の惑星ホスにエコー基地を設立したのである。ダース・ベイダーは反乱軍、そしてルーク・スカイウォーカーを捜索するため調査用のプローブ・ドロイドを銀河系の各地に大量に放っていた。(主なキャラクター)「エピソード4」とほぼ同じなので、ここでは省略します。この映画、女房殿同伴で新宿で観ました。<エピソード6~ジュダイの帰還>(予告編)この作品、公開時のタイトルは「ジュダイの復讐」でしたので、ポスターも「ジュダイの復讐」と表記されています。 (データ)★日本公開日:1983年67月2日(リュウちゃん37歳)★製作総指揮:ジョージ・ルーカス、監督:リチャード・マーカンド★製作費:3250万ドル、★世界興業収入:5憶7300万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』より1年ほどの月日が流れた。ルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナ、そしてランド・カルリジアンは、惑星タトゥイーンに根城を構える犯罪王ジャバ・ザ・ハットの宮殿に潜入。ルークは、惑星ベスピンにてシスの暗黒卿ダース・ベイダーに敗北し己の未熟さを痛感、過酷な修業を積み、ジェダイの騎士として大きく成長した。ルークとレイアはいったん捕まるが、反撃に転じたルークの活躍で、その場にいたジャバらギャング一味は壊滅、ハン・ソロを無事に救出する。(主なキャラクター)<ジャバ・ザ・ハット>(ジャバ・ザ・ハット)惑星タトウィーンに本拠を置く犯罪組織「ハット・カルテル」のボス、地球で言えば「マフィアのボス」(かってハン・ソロもこの組織で働いていた)、エピソード6」では、捕らえられ冷凍漬けにされたハン・ソロをレイア姫が解凍し助け出すが直後ジャバ・ザ・ハットに捕まってしまい、半裸姿で鎖で拘束され、奴隷にされてしまう。ジャバ・ザ・ハットの宮殿に侵入したルークは、レイアに助けられたハン・ソロと協力してレイアを助け出す。その際レイアは繋がれていた鎖でジャバ・ザ・ハットを絞殺、犯罪組織「ハット・カルテル」は崩壊する。ジャバ・ザ・ハットは隊長3,9n、体重1,4トンの巨漢です。下半身はヒキガエル、顔ままさにギラギラしたマフィアのボスまたは「蛇」、このキャラクターは、約1トンの「パペット」で作られ、数人掛りで操作されて実現したようです。(ジャバ・ザ・ハットの操作図)ジャバ・ザ・ハットの顔は誰かに似ている?製作の関与した人達の中では、当初、「チシャ猫」、「オーソン・ウェルズ」、などがよく似ているといわれていましたが、リュウちゃんは「ゴッド・ファーザー」でマーロン・ブラントが演じた「ドン・コルレオーネ」が少し(役柄の上で)似ていると思っています。しかし、ドン・コルレオーネはジャバにような下卑た感じはしません。名実共にジャバ・ザ・ハットに似ているのは、トランプ大統領だ!?日本人では、最近マツコ・デラックスがジャバに似ていると云われています。政治家では小沢一郎氏、浜田靖一氏、公明党の冬柴鉄三氏などがよく似ていると言われることがあります。リュウちゃんは浜田靖一氏の父で衆議院議員だった浜田幸一氏(通称:ハマコー)がよく似ていると思っています。ハマコーはトランプ大統領ともよく似ている! 最近、安倍晋三首相もジャバ・ザ・ハットに似てきましたね。<イオーク>(イオーク)森林の惑星エンドァに住むテディ・ベアに似た種族、身長1m位、二足歩行する。原始的な生活をさいているが身体は強靭で、勇猛な戦士でもある。「エピソード6」の後半では、ルークたち反乱軍と協力して帝国軍を打ち破り、ラストは惑星エンドアの森の中で祝宴を挙げる。最新作「エピソード9」にも登場する。「イオーク」はシリーズのなかでも一番の「可愛いキャラクター」ですね。人気者なので、本編とは別に「イオーク・アドベンチャー」という映画も作られました。<エピオソード7~フォースの覚醒>(予告編) (データ)★日本公開日:2015年12月17日(リュウちゃん69歳)★製作総指揮:トミー・ハーパー、監督:J・J・エイブラムス★製作費:2億ドル、★世界興業収入:20憶6200万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で...。 エンドアの戦いから約30年後。最後のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーが姿を消した。その間に帝国軍の残党から新たに“ファースト・オーダー”が台頭し、再び銀河に脅威をもたらすと同時に彼の抹殺を計画していた。彼の双子の妹であるレイア・オーガナ将軍は、新銀河共和国の支援の下で独自の軍事組織“レジスタンス”を指揮してファースト・オーダーに立ち向かうと共に、彼の行方を捜索していた。 (登場する主なキャラクター)<レイ~デイジー・リドリー>(レイ)「エピソード7~9」のヒロイン、幼い頃から惑星「ジャクー」でスカベンジャー(クズ拾い)で独りで生活をしている若い女性、レジスタンスのエース・パイロットの「ポー・ダメロン」、ストームトローパー(銀河帝国の機動歩兵の「フィン」それとロボットの「BB-8」が惑星ジャクーに逃れて来て出会い、以後、彼らと共に「ファースト・オーダーと戦うレジスタンス(新共和国)に参加する。「エピソード7」のラストで、隠遁生活を送っているルーク・スカイウォーカーに出逢う。「エピソード8」では、レイはルーク及びレイアの下で修業、高いフォースを身につけた。「エピソード9」ではレジスタンスの中心戦士になって、「ファースト・オーダー」を殲滅した。<BB-8>(BB-8)まるで「雪だるま」のような形をしたロボット、「エピソード7~9」の一番人気のキャラクターである。R2-D2と同じ「アストロメク・ドロイド」(宇宙船の修理・整備を行うロボット)、R2-D2とは違い、丸い胴体を回転させて移動する。元々は「ポー・ダメロン」が所有していたが、ポーとフィンが惑星ジャクーでレイと合流してからは、主にレイと行動を共にすることが多くなる。<カイロ・レン>(カイロ・レン)「エピソード7」で初登場したダーク・ジュダイ、「エピソード4~6」のダース・ベイダーにあたる悪役キャラクター。出生名は「ベン・ソロ」、ハン・ソロとレイア姫の間に生まれた息子である。銀河帝国軍の後継組織「ファースト・オーダー」の幹部として「レジスタンス」殲滅のために戦う。直属の戦闘部隊「レン騎士団を持っている。<最高指揮者スノーク>(最高指揮者スノーク)「エピソード7」で初登場したダーク・ジュダイ、「ファースト・オーダー」の最高権力者である。「エピソード1~6」のパルパディーン(ダース・シディアス)にあたる存在(カイロ・レンは「エポソード1~6」のダース・ベイダーにあたる存在である)。CGキャラクター。<エピソード8~最後のジュダイ>(予告編) (データ)★日本公開日:2017年12月15日(リュウちゃん71歳)★製作総指揮:J・J・エイブラムス他、監督:ライアン・ジョンソン★製作費:2億ドル、★世界興業収入:13憶3200万ドル遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 最高指導者スノークが率いるファースト・オーダーと新共和国のレイア・オーガナ将軍が率いる私設軍隊レジスタンスの戦闘が激化。行方が分からなくなっていた伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーが発見され、戦況が好転するかに思われたが、予想以上に攻撃が激しいファースト・オーダーにレジスタンスの戦士たちは押されていた。(主要なキャラクター)「エピソード7」とほぼ同じなので省略します。この映画は「レイ」がフォースを身に付け、「ジュダイの騎士」として成長してゆく様がダイナミックに描かれます。<エピソード9~スカイウォーカーの夜明け>(予告編) (データ)★日本公開日:2019年12月20日(リュウちゃん73歳)★製作総指揮:カラム・グリーン他、監督:J・J・エイブラムス★製作費:2億ドル(?)、★世界興業収入:?遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。 今は亡き皇帝パルパティーンの言葉に従い、カイロ・レンはムスタファーでシスのナビゲーターを手に入れた。これはカイロを星図に載っていない惑星エグゼゴルへと導くものであった。古いシスの寺院でカイロはパルパティーンと会った。パルパティーンはファースト・オーダーを操り、カイロをダークサイドへと誘うための操り人形としてスノークを作り上げていたのである。ルーク・スカイウォーカーに次ぐ「ジュダイの騎士」に成長したレイは、レイア・オーガナ将軍率いる「レジスタンス」の先頭に立ち、ダークサイドの生き残りである「ファースト・オーダー」を殲滅する。戦いが終わったあと、レイは惑星タトウィーンのルークの出生地を訪れ、そこにルークと自らのライトセーバーを埋める。通りがかりの人に名前を聞かれた時に、レイは以下のように答える。「私はレイ・スカイウォーカーよ」(完)(まとめ)最初の「エピソード4」から41年を経て完結、リュウちゃんの新婚時代から始まり、後期高齢者になる直前に完結、やはりある種の感慨が込み上げてきます。★リュウちゃんは幼い頃から映画が好きで、東映のチャンバラ映画が大好きでした。初めて東映チャンバラ映画を観たのは、多分、中村錦之助・東千代之介主演の「紅孔雀」(小学校3年生)、でも、リュウちゃんは中村の錦ちゃんや東の千代ちゃんよりも、「久美」を演じた「高千穂ひづる」さんに惚れてしまったのです(心だけは「おマセさん」だったのですね)以後、無数の東映チャンバラ映画を観ましたが、殆どは勧善懲悪の話、つまり「正義の人間はどこまで行っても100%正義、悪の人間はどこまで行っても100%悪人」、中学生の低学年頃までは、この「善悪完全二分」の世界にハマっていたのです。★小学校の高学年になってから、ジューヌ・ベルヌやH・G・ウェルズや手塚治虫の「鉄腕アトム」などのSFものにハマりました。特に小学校の低学年の時に連載が始まった「鉄腕アトム」は幼いリュウちゃんの空想を掻き立てました(アトムの誕生日は2003年4月7日と設定されていたのです!)まだ宇宙開発は黎明期だったのですが、この頃、「20世紀は宇宙開拓の世紀だ」と思っていたのです。★中学3年生の時、ソビエトのガガーリン大佐は初めて宇宙飛行に成功、★高校生になってから、クラシック音楽にのめり込みました。当初はベートーベンなどの古典音楽でなく、マーラーやワーグナーの後期ロマン派の音楽がお気に入りで、当時は全曲を聴くことが出来なかったのですが、ワーグナーの楽劇「ニーベルンクの指輪」に憧れました(社会人になってから、やっとレコードを買うことが出来るようになり、約15時間掛る全曲を聴けるようになりました)★昭和43年、初めてリアルな宇宙空間を写した映画「2001年宇宙の旅」公開、この映画、ア―サー・C・クラークの原作と共に、感激しました。★昭和44年、社会人1年生の時、アポロ12号が月着陸に成功、アームストロング船長は人類として初めて月の大地を踏みました。★昭和53年、「<スター・ウォーズ」エピソード4>日本公開。う~ん、この映画こそ、リュウちゃんのゴッタ煮の好奇心の殆ど全てを満たしてくれる稀有な映画なのだ!壮大でリアルな宇宙空間。そこで繰り広げられる大チャンバラ、素晴らしいヒーロー達それ以上に素晴らしい三代のヒロイン、★この映画はアナキン~ルーク~レイの三代に渡るヒーローの年代記であると共に、パドメ~レイア~レイというヒロインの三代に渡る年代記でもあるのです。ワーグナーの「ニーベルンクの指輪」がウォータン~ジーグムント~ジークフリートの三代に渡る年代記であるのと同じ構想ですね。恐らく「スター・ウォーズ」を構想したジョージ・ルーカスの頭の中には、ワーグナーの「指輪」があったに違いないとリュウちゃんは思っています。<ワーグナー「ワルキューレの騎行」~ニーベルンクの指輪より>東映のチャンバラ映画はほぼ図式的な勧善懲悪、白黒がはっきりしていましたが、「スター・ウォーズ」では「ジュダイの騎士」はすぐダークサイドに堕ちる、善と悪の境界は定かではなく、全体的にも「善と悪との葛藤の物語」なのですね。この点がリュウちゃんに取りましては非常に新鮮だったのです。そして、全9作の音楽を作曲したジョン・ウィリアムス!映画の中で彼の音楽は、ワーグナーの「指輪」と同じように、途絶えることなく滔々と流れるのです。ジョン・ウィリアムスの「スター・ウォーズ」は20~21世紀の「指輪」なのだ!<ジョン・ウィリアムス「スター・ウォーズ組曲」>「エピソード9」のラストで、ヒロインのレイは、「私はレイ・スカイウォーカーよ」と叫びました。では、レイはルークの娘なのか?残念ながら、それは「謎」なのです。(レイ・スカイウォーカー)
2020年01月06日
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https://www.youtube.com/watch?v=wrffB5vzk4o「シェイプ・オブ・ウォーター」=「水の形」「水の形」って何だろう?本年度アカデミー賞4部門受賞作、早くも日本公開、3月5日、第90回米アカデミー賞授賞式が開催されました。結果、13部門でノミネートされていた話題作「シェイプ・オブ・ウォーター」が作品賞・監督賞の主要2部門と美術賞・作曲賞の計4部門で受賞、今年のアカデミー賞の最多受賞作品となりました。この映画はアメリカでは昨年の12月8日に公開されましたが、全米公開の前の2017年8月に第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞である「金獅子賞」を受賞しました(ヴェネツィア映画祭の「金獅子賞は、かって昭和26年・黒澤明監督の「羅生門」、昭和33年・稲垣浩監督の「無法松の一生」と、日本映画として2度受賞、日本映画の質の高さを世界に喧伝しました)また、昨年11月2日に第30回東京国際映画祭の招待作品として上映され、話題を呼びました。さて、「シェイプ・オブ・ウォーター」の予告編です。(予告編のURLを貼り付けようと試みたのですが、うまくいきませんでした。ご覧になる方は、PCで検索して下さいね。いつまでもPC音痴のリュウちゃん、情けなやぁ~!です)「予告編」のナレーションを文字起こししてみます。言葉を持たないプリンセスの話をどう語るべきか?「予告編」を2月末に観たリュウちゃん、公開初日の3月1日に近所のシネコンにこの映画を観に行ったのです。下のスチル写真は、この映画の主人公、イライザです。イライザは、東西冷戦下の1962年(昭和37年)、首都ワシントンの近郊の大都市ボルチモアにあるアメリカ政府の極秘の航空宇宙研究所で深夜勤務の清掃員として働いている中年の独身女性です。画面ではよく判りませんでしたが、彼女は白人ではなく、多分、アメリカで差別を受けている「プエルトリカン」か「メスティーソ」(白人とインディオの混血=メキシコ人の60%を占める)だと思いました(アメリカではプエルトリカンが差別されていることは、1961年の映画「ウエストサイド物語」のジョージ・チャキリス、リタ・モレノの演技で印象に残りました)、<映画「ウェストサイド物語」のリタ・モレノ>彼女は幼い頃の「事故」で声帯を損傷し、発声が出来なくなり、他人の声は普通に聞こえるのですが、自分は話せない、従いまして友人との会話は手話と表情、しぐさで行っています。彼女は幼い時に両親を亡くし、天涯孤独でボルティモアの映画館の傍の古いアパートで白人の老人と共同生活を送っているという人物設定になっています。映画の巻頭、彼女がこの老人と、その映画館で、映画を観るシーンがあります。2人が観た映画、多分、1960年公開のスタンリー・キューブリック監督の「スパルタカス」だ!?(「スパルタカス」)痩せギスでしがない清掃婦の中年女のイライザ、でも、凛とした気品を漂わせるイライザ、年金生活者のしがない老年男のリュウちゃん、映画の前半で凄く魅力を感じてしまったのです!この映画のメキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督は、イライザを演じたサリー・ホーキンスに「オードリー・ヘプバーンとのように演じて欲しい」というリクエストを出したのだそうです。オードリー・ヘプバーンの代表作の一つ、「マイ・フェア・レディ」の役名はイライザなのだ!<「マイ・フェア・レディ」のイライザ>以上、ちょっとこの映画の主人公・イライザについて長々と書き過ぎてしまったかも知れません。でも、彼女の出自、生活環境が、このエキセントリックな物語を体感する上でとても重要なファクターだと思いましたので、あえて少し長目に紹介して見ました。次のスチル写真はイライザと職場で一緒に清掃の仕事に携わっている黒人女性ゼルダです。ゼルダを演じたオクタビア・スペンサーは、この映画でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。航空宇宙研究所のセットがおどろおどろしい!まん丸お目目のゼルダちゃん、リュウちゃん、彼女の顔を見て、「風と共に去りぬ」の黒人メイド、「マミー」を思い出しました。<「風と共に去りぬ」のマミー>「マミー」を演じた女優ハティ・マクダニエルは、この映画でアカデミー助演女優賞を受賞、黒人初のアカデミー賞受賞者として映画史にその名を残しました。映画「シェイプ・オブ・ウォーター」の舞台となったボルチモア市は1960年代、総人口930万人という大都市で、人種構成は白人32%、黒人(アフリカ・アメリカン)64%、ヒスパニックを含むその他人種及び混血が6%という「圧倒的黒人社会」だったようです。勿論、富裕層の大半は白人で占められ、多数派の黒人の多くは貧困層だったと思われます。<ストーリーの概要>さて、映画のストーリーはこの極秘研究所にアマゾンで捕獲された「半漁人」(モンスター)が生きたまま水槽に入れられて運び込まれることから始まります。研究所の中に巨大水槽が設置され、ここで半魚人は飼育されることになりますが、深夜、監督者が誰もいない研究所で清掃の仕事をしているイライザは、自由に水槽に近づき、半魚人との交流を深めて行きます。どうやらこのモンスターは高い知性を持っている!交流が深まるに従い、孤独なイライザにとりましては、交流から「愛」に変貌していくのでした。この辺りは、ディズニー作品などで有名になった「美女と野獣」に設定が似ていますね。この物語の「野獣」は、魔法の力で変貌させられた王子様という設定ですから、実際には人間どうしの愛の物語であって、異種生物の愛の物語とは言えないのですね。<「美女と野獣」>ところが、研究所のボスは上層部(ペンタゴン?)からこのモンスターの遊泳のメカニズムを解明するために、解剖せよ。という指示を受けます。この「指示」を偶々知ることになったイライザ、このままではモンスターは殺されてしまう!助け出さなきゃいけない!どうやってこの研究所からモンスターを連れ出そうか?連れ出しに成功したとしても、彼の「安住の地」は何処にあるのか?映画の後半はモンスター救出劇のシリアスなサスペンス・ドラマに一変するのです。<閑話>監督のギレルモ・デル・トロは、この映画を、幼少期に鑑賞した映画「大アマゾンの半漁人」の<「ギルマン」(半魚人)と「ケイ」(ジュリー・アダムスが演じたヒロイン)が結ばれていたら」、という考えから構想したのだそうです(ウィキペディアの記述)。映画「大アマゾンの半魚人」は、昭和29年、日本で公開されました。<「大アマゾンの半魚人」・アメリカの映画ポスター><「大アマゾンの半魚人」、半魚人ギルマンとヒロイン、ケイのスチル写真><ヒロイン、「ケイ」を演じたジュリー・アダムスのピンナップ>この映画は当時、かなり評判になり、映画評論家の山田宏一とイラストレーターの和田誠の共著「たかが映画じゃないか」の中でも取り上げられていて、本の中で和田誠が(確か?)ギルマンとジェリー・アダムスの素敵なイラストを描いていたという記憶があります。モンスターが人間の美女に恋する物語でリュウちゃんの印象に残っている映画があります。1976年に製作された「キングコング」、この映画では、モンスターのキングコングは、ジュシカ・ラング扮する美女ドワンに恋に近い感情を示します。<キングコングの掌に乗るジュシカ・ラング>リュウちゃんが幼時に読んだ山川惣治の絵物語「少年ケニヤ」、下の図は第4巻の表紙絵です。恐竜王国であるアフリカの地底で、白人美少女ケートはこの世界の王者である恐竜ティラノザウルスに上掲のキングコングと同じような感情を抱かれ、地底世界から地上世界まで追いかけてくるのですが、ここで身を滅ぼすことになります。リュウちゃん、ジェリー・アダムスよりもジュシカ・ラングよりも、「少年ケニヤ」のヒロイン、美少女ケートのファンなのです(苦笑)閑話休題、再び予告編のナレーションに戻ります。言葉を持たないプリンセスの話をどう語るべきか?「言葉を持たないプリンセス」、これ、アンデルセンの童話「人魚姫」だ!「シェイプ・オブ・ウォーター」のイライザは「人魚姫」だったのだ!ーーーーーー<特報>将棋の藤井聡太六段、師匠の杉本七段に恩返し!(左:藤井聡太六段。右:杉本昌隆七段)3月8日、将棋の中学生棋士、藤井聡太六段が、王将戦一次予選で師匠の杉本昌隆七段と公式戦初対局、千日手指し直しの末、111手で師弟対決を制しました。将棋の世界では弟子が師匠に勝つことを「恩返し」と言います。藤井六段は僅か15歳にして、49歳の師匠に「恩返し」をしたのですね!これで藤井六段の今期(3017年4月1日~2018年3月31日)の通算成績は70戦59勝11敗、勝率8割4分3厘、前年の29連勝に続き、現在14連勝と、再び連勝街道を驀進中です。今期の藤井六段の対戦予定は、最多であと6局のようです。これを全勝で乗り切れば、今期最終成績は76戦65勝11敗、勝率8割5分5厘になります。もし、そうなれば、年間勝率の新記録なのだ!残念ながら、2017年度はタイトル獲得には至りませんでしたが、きっと2018年度はタイトル奪取が実現することでしょう。これまでのタイトル獲得の最年少記録は、屋敷伸之現九段の18歳6ヶ月(棋聖位)、藤井が来期中にタイトルを獲得すれば、屋敷の記録を2年近く縮めることになります。2018年度も藤井聡太から目が離せないリュウちゃんなのです。
2018年03月10日
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孫達と観た2回目の「アナと雪の女王」素晴らしかった!前回の「アナと雪の女王」のブログを公開した翌日、郡馬から2人の孫ちゃんが奈良に遊びに来ました。リュウちゃんの孫ちゃんは2人共、女の子です。上の孫ちゃんは小学校2年生(7歳)、下の孫ちゃんは幼稚園の年中組(4歳)です。孫ちゃん達は4日の午前中にリュウちゃんの家に着きました。リュウちゃんは所用があり、午後1時に家に帰ったのですが,家に帰って、すぐ目に飛び込んできたのが、孫ちゃん達がPCの前で聞き覚えのある歌を歌っている光景でした。何を歌っているのだろう?と思ってPC画面をみましたところ、流れていたのは、松たか子が歌う「アナと雪の女王の主題歌「ありのままで(Let it Go)」でした。http://www.youtube.com/watch?v=4DErKwi9HqMまた、これだけでは飽き足らないのか、以下の世界各国の「Let it Go」のビデオクリップも夢中で見ていました。http://www.youtube.com/watch?v=PQYHO3hHr2Y「Let it Go」は、日本人には「れりごー」と聞こえます。娘(孫の母親)は、オリジナルの英語の音をひらがなで書いた「れりごー」の歌詞カードをコピーし、孫ちゃん達は英語ヴァージョンでも歌っていました。また、「れりごー」だけでなく、以下のミュージカル・ナンバーも次々にネットサーフィンして歌ってくれました。「雪だるまつくろう」http://www.youtube.com/watch?v=4KvlewF0-Kg「生まれて初めて」http://www.youtube.com/watch?v=3a0JOOMzWBg「とびら開けて」http://www.youtube.com/watch?v=aDr_NcI_vjU「あこがれの夏」(雪だるま「オラフ」の歌)http://www.youtube.com/watch?v=8AOLZUd5a-g(雪だるまのオラフ君)これだけ歌うのだから、きっと孫ちゃんたちはこの映画を観たのだろう?と思って娘に聞いたところ、「観ていない」とのこと。観ていないのに、これ程熱中するとは「アナ雪現象」、恐るべし!当初は、5日は近所の「生駒山上遊園地」に遊びに行く予定でしたが、急遽予定変更。リュウちゃんと女房、娘と2人の孫ちゃんの5人で、近所のシネコンに「アナ雪」を観に行くことにしました。聞けば、孫ちゃんが映画館に行くのは、生まれて初めての体験だとのこと、午前9時20分に劇場に着いたのですが、ロビーは大混雑、「アナ雪」フィーバー、聞きしに勝る凄さだ!しかし、娘が前日の夜、ネットで「いい席リザーブ」してくれたので、スンナリと入場することが出来ました。リュウちゃんにとりましては、2回目の「アナ雪」体験だったのですが、今回は孫ちゃん達と散々音楽を楽しんだ後だったので、歌を中心にこのアニメを存分に楽しむことが出来ました。前回のブログで、「アナ雪のお姫様キャラ」がイマイチと書きましたが、このキャラは、ピクサーアニメの傑作、「モンスタース・インク」の赤ちゃんキャラ、「ブー」からきているのではないかと思いました。冒頭の写真の「アナとエルザ」と、下記の「ブー」のキャラを比べて見て下さいね。「モンスターズ・インク」予告編「http://www.youtube.com/watch?v=XM4vszeWDCw(「モンスターズ・インク」のブー)ディズニーの長篇アニメは、大抵がミュージカル仕立てになっています。以下に懐メロリュウちゃんの記憶に残るディズニー・アニメのミュージカル・ナンバーを幾つか挙げてみました。「アナ雪」にハマられた皆様も楽しんで頂きたいと思っています。「ハイホー」(白雪姫)http://www.youtube.com/watch?v=avBmFn0vvBg「夢はひそかに」(シンデレラ)http://www.youtube.com/watch?v=p3VyhqTYiFk「ビビディ・バビディ・ブー」(シンデレラ)http://www.youtube.com/watch?v=2oYIIJjAf1c「いつか夢で」(眠れる森の美女)http://www.youtube.com/watch?v=Dwq-fORMprw「アンダー・ザ・シー」(リトル・マーメイド)http://www.youtube.com/watch?v=xMNhWbU9ckk「美女と野獣」(美女と野獣)http://www.youtube.com/watch?v=Bjxv1fhZ-7g「自由への扉」(塔の上のラプンツェル)http://www.youtube.com/watch?v=IOtr8Tp_SLs孫ちゃん達は楽しい思い出を残して、翌、5月6日に群馬に帰りました。孫ちゃん達来年の正月には、「アナ雪」のDVDで、「れりごー」を一緒に歌おうね!
2014年05月11日
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華麗な映像、少し違和感はあったが、素晴らしい作品だ!先日、世界中で大ヒットしているディズニーアニメの新作「アナと雪の女王」を観てきました。「アナと雪の女王」公式HPhttp://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/anayuki#videoAreaこのアニメは、今年のアカデミー長篇アニメ賞受賞作です。宮崎駿の「風立ちぬ」と賞を争ったのですが,「風立ちぬ」は賞を逃してしまいました。宮崎アニメファンのリュウちゃんといたしましては、とても残念なことでした。やはりアカデミー賞はアメリカの映画賞なので、日本のアニメより自国のアニメに票が入ったのかな?リュウちゃんはこのアニメを2D・吹き替え版で観たのですが、アカデミー主題歌賞を受賞した評判の曲「Let It Go」は松たか子が歌っています。http://www.youtube.com/watch?v=AoUxjQOQW7AこのフルCGアニメ(ディズニーの長篇アニメは、1991年公開の「美女と野獣」から、CGアニメになりました。セル画を使った最後のアニメは、1989年公開の「リトル・マーメイド」です)、映像は華麗で、主題歌も素晴らしく、リュウちゃんにも充分楽しめたのですが、オールドファンの故か、はたまた宮崎駿ファンの故か、少し違和感を感じました(宮崎アニメは全て膨大なセル画を使ったセル・アニメなのです)(違和感その1)アンデルセンの原作を大きく変えてしまったこと、アンデルセンの「雪の女王」の主人公は、カイという少年とゲルダという少女です。2人は大の仲良しでしたが、ある日、カイの目と心臓に氷の破片が突き刺さり、カイの性格は一変、その後。カイは「雪の女王」に連れ去らわれてしまいます。ゲルダはカイを助けるために、長い旅に出て、「雪の女王」の支配する国にに着き、カイを助け出す、というのがアンデルセンのオリジナルの物語ですが、「アナと雪の女王」は、まったく別の物語になっています。1957年、ソビエトでオリジナルに忠実なアニメが制作されました。リュウちゃん、このアニメが大好きで、この作品が頭の中にあったので、今回の「アナと雪の女王」に違和感を持ったのかも知れません。(ソビエト版「雪の女王」全編)http://www.youtube.com/watch?v=8Vwcjcan9Iw以下のサイトによれば、ソビエと版「雪の女王」は宮崎駿の「運命の作品」なのだそうです。http://www.ghibli-museum.jp/snowqueen/intro/(違和感その2)2人の「お姫様キャラ」がイマイチだった。リュウちゃんは「ディズニーアニメ」の大ファンです。中でも、最愛の作品は。昭和27年公開の「シンデレラ」、リュウちゃんは小学校3年生くらいの時に観て大感激、以来、ディズニーアニメに強い憬れを持つようになりました。未だにディズニーアニメの「お姫様キャラ」では、「シンデレラ」が一番好きなのですが、「アナと雪の女王」の2人の「お姫様」、エルザとアナのキャラは老年になったリュウちゃんにとりましては、あまり魅力を感じませんでした。シンデレラのような清楚な色気が無い。ここで、歴代のディズニーアニメの「お姫様」を回想します。(1)「白雪姫」:1937年公開の世界初の長篇アニメ。「白雪姫」のキャラは丸顔、目も小さい。子供キャラで、成人女性の色香は無い。(2)「シンデレラ」:1950年公開、[白雪姫]に続くディズニーの「お姫様アニメ」第2作。リュウちゃん最愛のお姫様キャラです。マリリン・モンローの容貌(顔の形)とグレース・ケリーの気品を持っているキャラだとリュウちゃんは密かに思っています。((3)「眠れる森の美女」:この映画、ディズニー初の70mアニメです。リュウちゃんは中学1年の時に道頓堀の「松竹座」のロードショウで観ました。主役の「オーロラ姫」は面長.目はパッチリ、ジュリア・ロバーツに似たキャラでした。(4)「リトル・マーメイド」のアリエル:ウォルト・ディズニー死去の後の初めての「お姫様」アニメ、アンデルセンの原作「人魚姫」は、悲劇的な物語ですが、このアニメのアリエルは赤毛で、陽気なヤンキー姐ちゃんのキャラ、悲劇を期待していたリュウちゃん、見事に裏切られてしまいました.この作品でリュウちゃんのディズニーアニメへの憧れは少し冷めてしまったのです。この作品はディズニーアニメ最後のセルアニメのようです。(5)「塔の上のラプンツェル」:21mもの金髪を持つお姫様、久々のリュウちゃん好みのキャラですが、性格は「リトルマーメイド」のアリエルと同じ「陽気なヤンキー姐ちゃん」、でも、あの超ロングな金髪にはクラクラしてしまいました」笑)((6)「アナと雪の女王」のアナとエルザは、「白雪姫」のような「丸顔」ですが目が異常に大きく、少し病的な感じがしました。このキャラがリュウちゃんの好みではなかったので。「2つめの違和感」になりましたが、映画を観ている内に、段々と違和感は薄れ、見事な映像に没入する事が出来ました.でも、やはり「シンデレラ」がアラカンリュウちゃんのベストキャラなのです!この映画の宮殿の絵画室に飾られていた一枚の絵に見覚えがありました。18世紀後半のフランス・ロココ時代の画家・ジャン・オノレ・フラゴナールの「ブランコ」です。「アナと雪の女王」は日本でも大ヒットし、社会現象になっています。アラカンリュウちゃんのややこしい感想は抜きにして、この素晴らしいアニメを楽しんで欲しいと思っています。
2014年05月03日
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華麗なる朝鮮歴史絵巻全60話、息もつかせぬ面白さ! 「トンイ」NHKのHPhttp://www9.nhk.or.jp/kaigai/toni/ 今、韓流連続テレビドラマ「トンイ」にハマっています。リュウちゃんはテレビ大好き人間なのですが、普段は殆どテレビドラマは観ない人間です。「トンイ」は昨年の1月からNHK地上波で放映され始めましたが、リュウちゃんがこのドラマを観始めたのは昨年の暮頃からで、大体、40話を過ぎた頃からです(2月2日:第50話が放送されます) 最初は、まるで絵巻物のような美しい映像に魅かれて観ていたのですが、その内に、主人公「トンイ」を演じる韓国若手女優・ハン・ヒョジュの可憐な美しさ、特にそのこぼれるような笑顔の素敵さにすっかり魅せられてしまいました。 (ハン・ヒョジュの「トンイ」) (ハン・ヒョジュのポートレート) (ハン・ヒョジュ、インタビュー動画)http://www.youtube.com/watch?v=3dxJJDbiNgQ 観始めた当初は、まるで大輪の花のように美しい画面と、ハン・ヒョジュの美しさに目を奪われて、ドラマのストーリーはそっちのけだったのですが、観る回を重ねる度に、段々、ドラマ自体の面白さにハマって行きました。特に毎回の終りに、ドラマのクライマックスが設定されていて、次回はどうなるのだろうという興味がそそられ、一度きちんとドラマを追うと、絶対、次回を観たくなるというエンディングの作り方になっています。 この手法、大昔のハリウッド映画の連続活劇の手法だ! で、第48話(NHK:2014年1月19日放映)をNHKテレビで観たあと、次の放映日が待ちきれなくなりまして、近所のレンタルビデオ店で49話~60話(「トンイ」は60話で完結です)のDVDを一挙に借りてきて、それからは終日「トンイ漬け」になったという次第です。 最終の第60話を見終わると、今度は、最初の第1話から観たくなりまして、またレンタル店に直行、1月末までに第1話から第44話(DVDは1巻2話収録なので、新たに最初から22巻)を借りてきまして、昨日、遂に全60話を観終わったという次第です。 ほぼ2週間で全編見終わったのに、益々興味津々もう一度観たい! リュウちゃん、韓流歴史ドラマにハマったのは、これが3回目です。最初にハマったのは「チャングムの誓い」(全54話)、これは群馬に嫁いだ長女から「チャングムって面白いよ!」と言われ、先ず女房がハマり、ついで、かなり後からリュウちゃんもハマりました。チャングムに扮した「イ・ヨンエ」が、昔、片想いをした女性に似ていました。(イ・ヨンエのチャングム) 次にハマったのが、「ホジュン~宮廷医官への道」(全64話)、こちらも女房が先にハマり、リュウちゃんが後追いしました。 「チャングム」、「ホジュン」共に最初はテレビで観ていたのですが、途中から次の放映日が待ちきれなくなり、レンタルビデオ店でDVDを全巻借りて、くる日もくる日も観ていた記憶が残っています。 「トンイ」のドラマの語り口、「チャングム」、「ホジュン」とよく似ているな。 と思ってウィキペディアで調べましたところ、何と!「トンイ」、「チャングムの誓い」、「ホジュン」3作共、韓国時代劇の巨匠といわれるイ・ビュンフン監督作品だったことが判りました! イ・ビュンフン監督(1944年生まれ)の時代劇を以下に制作年代順に紹介致します。★ 「ホジュン~宮廷医官への道」(1999年)→(韓国)最高視聴率63,7%★ 「宮廷女官チャングムの誓い」(2003年)→最高視聴率57%★ 「イサン」(2007年・全77話)→最高視聴率38,9%★ 「トンイ」(2010年)→最高視聴率33,1%(第26話)★ 「馬医」(2012年・全50話)→最高視聴率23,7%(第37話) 特に「チャングムの誓い」は韓国のみならず、日本、中国、台湾、香港、東南アジア、イラン、東欧、ジンバブエなどでも一大ブームを巻き起こしたようです。NHKの大河ドラマが大苦戦している中、イ・ビュンフンの大河ドラマの勢いは凄まじいですね、これこそ、正に「国民的大河ドラマ」といえるのではないでしょうか。 次回のブログでは、「トンイ」のストーリーの内容に立ち入って、このドラマの魅力を探って見たいと思います。 (以下、「韓流ドラマ「トンイ」の魅力(2)」に続きます)
2014年02月02日
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オサマ・ビン・ラ=ディンを追いつめたのは一人の女性だった!女流監督・キャスリン・ビグローが描く壮絶なドキュメンタリー 「セロ・ダーク・サーティ」予告編http://www.youtube.com/watch?v=gI7TxhnzXrU 「ライフ・オブ・パイ」に続いて、先日、今年のアカデミー賞6部門にノミネートされた話題作「「ゼロ・ダーク・サーティ」を観てきました。監督は、今年62歳になるアメリカの女流監督・キャスリン・ビグロー(下の写真) 彼女は1983年の「ラブレス」以来、男性監督も顔負けのスケールの大きいアクション映画を撮り続けているハリウッドでも数少ない女流監督です。イラクを舞台に、アメリカの爆弾処理班の苦闘をドキュメンタリー・タッチで描いた「ハート・ロッカー」は、前夫であったジェームズ・キャメロン監督の「アバター」とアカデミー賞を争い、結果は「ハート・ロッカー」が主要6部門で受賞、彼女は女流監督として史上初のアカデミー監督賞を受賞したことは記憶に新しいところです。 「ハート・ロッカー」予告編http://www.youtube.com/watch?v=J22-8Bu4mHw 「ハート・ロッカー」は、上の予告編のような緊迫したシーンが全篇続いています。主役は、前任者の殉職で、新たに爆弾処理班に編入された「命知らず」の二等軍曹ですが、班のメンバー全員が主役のような感じで、いわば、「集団が主役」のように、当時観たリュウちゃんには感じられました。あの時の感じでは、爆弾の処理のデティルに目が奪われ、個々の人格は余り見分けることは出来ませんでした。 今回の「ゼロ・ダーク・サーティ」、全体の映像の印象は前作の「ハートロッカー」と類似していますが、以下の2つの点で、「ハート・ロッカー」よりも後々に強い印象の残る映画になると感じました。(1) 映画の内容が、2001年9月11日のアメリカの同時多発テロの首謀者とされたアルカイーダの指導者・ウサマ・ビン・ラーデンの殺害であり、「ハートロッカー」と違い、テーマが実に明確であること、(承知のようにビン・ラーデンは、米国の同時多発テロから丁度10年目の年(2011年5月2日)にパキスタンの地方都市アボッターバードの豪邸で、アメリカ軍によって殺害されたとされています)(2) ビン・ラーデンの居場所を長期に渡って追跡し、遂に居場所を突き止めた「功労者」が、若く美しいCIA分析官のマヤ(ジェシカ・チャステイン=1977年アメリカ生まれの女優)であったこと、「ハート・ロッカー」の「集団主役」と違って、この映画は明確に彼女が主役です。 つまり、テーマが明確、主役が美しい女性、リュウちゃんのような中東の現代史に全く疎い人間であっても、容易に作品の世界に入り込むことの出来る映画なのです。 映画のタイトル「ゼロ・ダーク・サーティ」は、直訳しますと「深夜0時30分」2011年5月2日、ビン・ラーディンが潜伏しているとされた豪邸への突入作戦が開始された時間を指しているようです。この作戦の詳細につきましては下記にウィキペディアに掲載された文章を一部省略して下記に引用します。 2011年5月2日、アメリカ軍による作戦が開始される。目的はあくまでビン・ラーディンの殺害であり、生け捕りはほぼ想定されていなかった。 一部報道によれば、これに参加したアメリカ海軍の特殊部隊を中心とした約15人(25人説もあり)のメンバーは、ビン・ラーディンとその家族がいると推定された建物の敷地内にロープをつたって降下、建物を急襲して2階・3階部分には午前1時ごろ突入、側近が応戦したが、約40分の銃撃戦ののち邸宅を制圧した。ビン・ラーディンは武器を持っておらず、応戦したともしなかったとも報じられ[、頭部と胸部を撃ちぬかれ死亡。米軍は遺体を収容した。他にビン・ラーディンの子息と思われる20歳の男性、また別に兄弟2人の男性と1人の女性も死亡。女性は夫人の1人と報じられたが、後に「別人で夫人は負傷した」と訂正された。アメリカ軍側に人的損害は出なかった。その死はパキスタン政府当局によっても確認されている。 映画の前半は、ビン・ラーディンの部下ないしは関係者と思われる人物への、CIA担当官の凄惨な拷問のシーンが連続します。この拷問シーンについて、アメリカの上院議員らは、「ビン・ラーディンの所在を割り出すためCIAが拷問を用いたという印象を与える」として製作したソニー・ピクチャーズに抗議したそうですが、戦場でこのような非人道的な行為が行われることは常識であるとリュウちゃんは思いましたので、「よくぞここまで徹底的に戦場の非人間性を表現できたもの」だと感じました。 いわば、CIAの、ひいてはアメリカの恥部を暴きだす映画表現、キャサリン・ビグロー監督の英断に敬意を表したいと思いました。 映画の後半のクライマックス部分は、上記の豪邸への突入作戦を、実際のドキュメンタリー・フィルムを見ているような真迫の描写で見せてくれます。前作「ハート・ロッカー」で培ったキャサリン・ビグロー監督のハードなドキュメンタリー手法が見事に結実した画面だったと思います。 この非情な映画の中で、唯一人、美人分析官のマヤは常に冷静で、タフな男でも過酷と思われる任務を淡々とこなして行きます。しかし、冷静ではあっても、決して冷酷な人間ではない。分析官マヤを演じたジュシカ・チャステインは見事にこの難しい役を演じていたと想います。(ジュシカ・チャステイン) 非情な任務を成功裏に終えて、特別機で一人アメリカに帰って行くラストで、彼女が涙を流すシーンが印象に残りました。いい幕切れだったと思います。 あのラストの涙、彼女の心には、そんな感情が揺曳していたのでしょうか?
2013年02月25日
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虎が出てこない漂流譚果たしてどんな物語だったのか?リチャード・パーカーとは何物だったのか?(テオドール・ジェリコー「メデューズ号の筏」) 「少年タイガー」第11巻(簡潔編・表紙絵)漂流している時のパイ少年は、ベンガル虎のことを、常に「リチャード・パーカー」と呼んでいます。「リチャー」ではなく、「パーカー」でもなく、常にフル・ネームの「リチャード・パーカー」、これは、この破天荒な物語を読み解くキーワードに違いない筈です。 少年が虎を、常にフルネームの「リチャード・パーカー」と呼んだ真の意味は何なんだろう? リュウちゃん、前回のブログでは、18世紀末、イギリスで起こった「ノアの反乱」の首謀者の名前から取ったものではないかと推定したのですが、どうも見当違いだったようです。前回(2)のブログを更新した後に買い求めた映画のパンフレットには、「リチャード・パーカー」の名前の由来について、一つの小説と一つの実話の話が出てきます。以下にその話を書いてみます。 (「リチャード・パーカー」についての2つの話) (1) エドガー・アラン・ポーの長編小説「ナンタケット島のアーサー・ゴードン・ビムの物語」(小説):この小説は、1838年に発表されたポー唯一の長編小説です。この小説の前半のエピソードに以下のような話が出て来ます。 「海洋の真ん中で4人の男が遭難し、一隻のボートで漂流することになる。僅かな食料も尽き果て、このままでは4人共、ボートの上で餓死するのは必至の状態、そこで彼らは一人でも生き残るために、クジをひいて、クジに当たった男を殺し、その男を食べて飢えをしのごうとする。不幸にもこのクジ引きに当たったキャビンボーイはその場で殺され、3人に食べられてしまう。この不運なキャビンボーイの名はリチャード・パーカーであった。(2) 1884年の「ミニョネット号事件」(実話)1884年、イギリス船籍のミニョネット号が難破、乗組員4人(船長、船員2人、給仕の少年)が救命艇で漂流することになったが、僅かな食料はすぐに枯渇、漂流19日目、船長は仲間のためにその身を捧げる人をクジ引きで決めようとしたが、一人だけ反対者がいたのでこれは断念、しかし翌日、給仕の少年が海水を飲んで衰弱した為、船員がこの少年を殺し、その死体は残った3人の食料になった。この哀れな17歳の少年の名はリチャード・パーカーだった。 映画を観ている時には、余り気にしなかったのですが、後で考えて見ると気に掛かった点が二つあります。一つは、難破した船から投げ出されたパイの両親はどうなったのか?という点、もう一つは、メキシコのトマトランの海岸に漂着した時、虎のリチャード・パーカーは後も振り返らずに密林に消えてしまうという点です。この二つ目の気掛かりな点につきましては、若し成人したパイが作家に語った「虎と漂流した話]が事実であったとするならば、きっとパイを救助した人達は、この虎を捕獲しようとする筈です。映像では、そうはせずに、密林の中に消えていく虎を漫然と見送っていただけなのです。この映像から、パイが話した「虎と漂流する話」の信憑性が疑わしくなり、「虎の出てこなかった漂流譚」こそが、少年パイが実際に体験した事実だったのかと、映画を観終わったあとでリュウちゃんは思いました。映画「ライフ・オブ・パイ」の原作「パイの物語」(原題:Life of Pi)は、カナダの作家ヤン・マーテルによって2001年に発表され、翌2002年にイギリスの権威ある文学賞であるブッカー賞(長編小説に与えられる文学賞)に選ばれました。唐沢則幸氏が訳し、2004年に出版された日本語版ハードカバーは479Pの大長編小説です。 映画では語られなかった「「虎の出てこなかった漂流譚」は、原作では詳細に語られているようです。リュウちゃんは原作を読んでいませんが、読んだ人の話を総合すると、救命ボートに乗り込んできた動物は以下のように置き換えられているようです。 瀕死のシマウマ=日本人の船乗り、オラウータン=パイの母親ハイエナ=コックベンガル虎のリチャード・パーカー=少年パイ そして、ただ一人生還したのは、ポーの小説や「ミニョネット号事件」とは逆に、リチャード・パーカーとして語られた「厳格なベジタリアン」だった少年パイだけだったのです。 少年パイがこのような形で生還出来たのは、幼い頃から育んだギンドゥー教、イスラム教、キリスト教の3っつの宗教を受容した類い稀な自由な精神と、円周率に象徴される近代的知性の持ち主だったからだとリュウちゃんは思いました。 この話と共通した話をリュウちゃんの知っている限り以下に挙げてみます。(フィクション)ロード・ダンセイニ「二瓶のソース」(短編ミステリー)ヒッチコック劇場「特別料理」(TVドラマ)(ノン・フィクション)1816年「メデューズ号の筏」事件1944年、北海道羅臼町の「ひかりごけ」事件(武田泰淳の小説「ひかりごけ」)1972年、「アンデスの聖餐」事件 アン・リー監督の映画では、この「虎が出てこない残酷な話」を、映像には出さなかったことによって、本当は残酷な筈だった「パイの物語]を、「残酷なまでに美しいアドベンチャー映画」に仕上げたと、リュウちゃんは感じました。 もうすぐ2013年アカデミー賞授賞式です。11部門でノミネートされた「ライフ・オブ・パイ」、果たしてどんな結果になりますことやら?
2013年02月17日
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少年パイと虎の漂流、余りにも美しくリアルな映像、しかし、残酷な真実の予感(「ライフ・オブ・パイ」オフィシャルサイト)http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/ (「少年タイガー(第2巻)表紙絵」) 1960年生まれのパイ、両親はインドで動物園を経営していましたが、パイが16歳の時、動物園の経営が成り立たなくなり、一家はカナダに移住を決意、日本船籍の貨物船で、動物と一緒にカナダに移住することになります。 う~ん、この辺りの話は、旧約聖書の「ノアの箱舟」を思い起しますね。この設定にも、原作者ヤン・マーテルの何らかの意図があるのかも知れません。 航海の途中、嵐に巻き込まれ、貨物船は難破、少年パイは洋上に投げ出されます。やっと一艘の救命ボートにたどり着き、乗り込みますが、そこには、瀕死のシマウマ、ハイエナ、オラウータンが乗り込んでいます。 救命ボートに乗り込んだ動物が、シマウマ、ハイエナ、オラウータン、この3種類の動物の選択にも、作家の深い意図があるのかな? 少年パイが救命ボートに乗り込んだ後を追うようにして、海に投げ出されたベンガル虎がボートに乗り込んで来ます。虎はいち早く先に乗り込んでいたシマウマ、オラウータン、ハイエナを食べてしまい、パイを狙います。パイは、ボートにあった浮き輪とオールで、更に小さい救命イカダを作り、それをロープでボートと繋ぎ、一時虎から難を逃れます。ボートの中には数十日分の非常食と水、これを虎の隙を覗ってボートに取りに帰り、当面の命を繋いで行きます。 少年と虎は、かって父親が経営していた動物園で飼育されていましたので、全く初対面という訳ではありません。少年は動物園で、この孤高にして雄大で美しい動物に畏敬の念を抱いていました。一度だけ、虎に近づこうと思い、虎に肉を与えようとするのですが、もう少しで虎が少年の手から肉を食べようとした時、両親に発見され、肉を与える行為は失敗に終りました。あのシーンで、リュウちゃんは、虎と少年が、多少の近親の念をお互いに抱き、ボートで漂流する時にも、その近親感から、虎が少年を襲うことを少し躊躇したのではないかと解釈しました。 少年は、動物園時代、虎に「リチャード・パーカー」という名前を密かに付けていました。漂流の時にも、虎に呼びかjける時には、常に、「リチャード」ではなく、「パーカー」でもなく、フルネームの「リチャード・パーカー」と呼びかけたのです。 「リチャード・パーカー」この名前に、この物語を解き明かす鍵がありそうだぞ? 試みに、「リチャード・パーカー」をネットで検索しましたところ、先ず出てきたのが以下の記述です。 リチャード・パーカーは、イギリス海軍の水兵であり、1797年にイギリスのノア泊地で発生した大規模な反乱(「ノアの反乱」)の首謀者、絞首刑に処せられた(ウィキペディアより転載) 「ノアの箱船」と「ノアの反乱」、う~ん、共通点がありそうだぞ? 漂流して数十日が経過し、ボートに備蓄されていた食糧も水も尽きて、虎も少年も体力が消耗し、小康を保っていた少年と虎の関係も、最後の危機を迎えた時、海中から無数のトビウオが飛び立ち、船はトビウオで満たされます。トビウオを追いかけてきた大きなマグロもボートに飛び込んで来て、虎と少年の危機一髪の関係は解消されます。厳格なベジタリアンだった少年も、行き抜くためにはトビウオやマグロを躊躇なく食料品にして生き抜くことになります。 このトビウオが乱舞するシーン3Dの効果満点、素晴らしい映像だ! かって、映画「アバター」(予告編は下記)で、3D映画に新境地を極めたジェームズ・キャメロン監督はこの映画について、「これこそ3D映画のあるべき姿」と大絶賛していますが、リュウちゃんもこの意見に全面的に賛成です。「アバター」に続き、素晴らしい3D映画が誕生したと思いました。 「アバター」予告編http://www.youtube.com/watch?v=8-XXDzOJ1m8 このシーンあたりから、映画は、幻想的な海の神秘を描いた素晴らしい映像が連続します。海から壮大な波飛沫を上げて舞い上がるクジラ、ボートの底を悠々と泳ぐジンベエザメ、夥しいミーアキャットの群れる不思議な島、、、 この映画の漂流の部分の映像は、観る者にとりましては実写としか見えませんが、大半がCG(コンピューターグラフィックス)で作られているそうです。 極め付きは、虎のリチャード・パーカー、どう見ても実物の虎に演技させているとしか見えないのですが、ほぼ100%CGで作り出されたものなのだそうで、少年を演じたスラージ・シャルマは、撮影では一度も虎と絡んでいないのだそうです。 この素晴らしいCGを担当したのは、「猿の惑星~創世記」、「ナルニア国物語」などを創り出した視覚効果スーパーバイザーのビル・ウェスティンホファー、今年のアカデミー賞(視覚効果賞)にノミネートされました。 成人したパイは、映像で表現されたように虎との227日間の漂流の話をカナダ人の小説家(多分、原作者のヤン・マーテル)に話し終えるのですが、作家はこの途方も無い話に疑念を抱きます。 この途方もない話は、本当にあった話なのか? 作家の疑念を察知したパイは、次のように話します。 実は、もう一つ、「虎が出てこない話」があるのだ。 映画では語られなかった「虎が出てこない話」この話こそ、映画で少年パイが虎のことを常に「リチャード・パーカー」と呼び続けたことに関連する、恐ろしい話のようなのです。 この話につきましては、次回、「話題の映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」を観る(3)~エピローグ」で話して見たいと思います。 (話題の映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」を観る(3)~エピローグ」に続く)
2013年02月10日
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これは実話か?寓話なのか?奇想天外なアイディアで放つ美しき海洋ファンタジー「ライフ・オブ・パイ」予告編http://www.youtube.com/watch?v=ez2PIXi30zY 映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」につきましては、早くから劇場で予告編が放映されていて、本編を観る前に何度も予告編を観ました。 う~ん、これは虎と少年が仲良くなる話なんだろうか? リュウちゃん、昔から、こういった話が大好きでした。その原点は、幼年時代に熱中した山川惣治の絵物語でした。「少年王者」、「少年ケニヤ」、「少年タイガー」、「少年エース」、、、 中でも、「虎に育てられた少年の話」という設定の「少年タイガー」は、小学校の時にリアルタイムで全11巻を読みました(下記は、第1巻の表紙絵です) 「少年タイガー」のストーリーにつきましては、下記サイトに詳しく語られていますので、興味を持たれた方はご参照して下さい。http://www.jttk.zaq.ne.jp/minawa/taiga-f-1-1.htm 「動物に育てられた人間」の話は、古くはローマ神話に出てきます「ローマ建国の王」といわれるロームルスとレムスの双子の兄弟の話、双子は狼に育てられたという伝説があります。 比較的新しい話では、1930年、インドで発見された狼に育てられた狼少女、「アマラとカマラ」のの話が有名です(この話の詳細は下記サイトでお読み下さい)http://members.jcom.home.ne.jp/invader/works/works_7_j.html イギリスの作家・ラドヤード・キップリングは、1894~95年に「ジャングルブック」という15の物語から成り立っている短編小説集を発表しました。この内、8編は狼に育てられた少年モーグリの話、この物語では、モーグリの宿敵は虎の「シア・カーン」、保護者は黒豹のバギーラ、山川惣治の「少年王者」の宿敵・「ライオンL」と、保護者の「黒豹ケルク」を連想させられます(山川惣治の絵物語は、明らかに「ジャングルブック」の影響が大きいと思われます) 「ジャングルブック」は、何度か映画化されました。1967年公開のディズニー・アニメが有名ですが、以下に1942年に製作された実写版を貼り付けます)http://www.youtube.com/watch?v=EO1gLAoEZRA 「ジャングルブック」は、アメリカの作家・エドガー・ライス・バローズの「ターザン」シリーズ」に大いに影響を与えていると考えられます。ターザン・シリーズの第1作「類猿人ターザン」が発表されたのは1912年、ジャングルブック」が発売されてから18年後でした。尚、バローズが「類猿人ターザン」と同年に発表した処女作「火星の月の下で」(「火星シリーズ第1作」)は昨年「ジョン・カーター」という3D映画として公開されました。 「ジョン・カーター」予告編」http://www.youtube.com/watch?v=n1AMVbr2UBY う~ん、冒頭から大脱線してしまいました。以上は「ライフ・オブ・パイ」の予告編ということで、ご勘弁頂きたいと思います。 1月251日の朝日新聞の夕刊の、ノンフィクション作家・沢木耕太郎のコラム「銀の街から」で、「ライフ・オブ・パイ」を取り上げていました。そのコラムの冒頭に、以下のような文章がありました。 「インドの少年が、船の難破によって、ひとり救命ボートで漂流する。ところが、そこに、船で輸送中だった獰猛なベンガルトラが乗り込んで来てしまう。そんな虎と227日間も漂流するなどということが可能なのか。いや、その前に、そんな途方もない物語を観客に信じ込ませることができるものなのだろうか?」 リュウちゃんも沢木さんと同じ興味でこの映画を観ました。 「少年タイガー」や「ジャングルブック」のような神話的な話ならともかく、現実的な物語として、どんな展開になるのか? この話は実話なのか? どのように撮影したのか? 3D効果はどうなのか? 「ライフ・オブ・パイ」は、カナダの小説家・ヤン・マーテルが2001年に発表したファンタジー小説「パイの物語」の映画化です。 小説「パイの物語」でも同様のようですが、映画「ライフ・オブ:パイ」でも、物語は、漂流から生還し、大人になった少年パイの後日譚として、パイがカナダ人の小説家のインタビューに答えて話すという形で物語が進行します。 パイが話す物語の、「生い立ち」の部分で、リュウちゃんが面白いと思い、虎と漂流するクライマックスの伏線になっていると思ったエピソードは以下の2点です。(1) パイの一家は動物園を経営していて、両親も彼を実学的なことを学ばせようとするが、少年パイはそのような形而下的なことには一向に関心がない。関心があるのは形而上的な宗教、それも、元からのヒンドゥー教のみならず、イスラム教、キリスト教などにも等しく親愛の念を抱く。 まるで、「インド独立の父」、マハトマ・ガンジーのような人間だ! そして、彼は厳格な菜食主義者なのです。 (2) 本名が同級生から揶揄されるのを嫌って、中学校に上がった時、同級生の前で黒板に円周率(π:パイ)を1000桁位、延々と書き連ねる。以来、彼の綽名は「パイ」となる。 πは、「3,1415926535897932384626,,,,,,,と、どこまでも無限に続く循環しない小数で、「無理数」です。無理数であるばかりでなく、代数方程式の「根」にならない「超越数」なのです。殆どの「実数」は超越数で、例えば0~1の間にも、無限個の超越数が周密に存在するのですが、それにも拘わらず、具体的に発見された超越数は、円周率πなど、ごく僅かなものに過ぎません。 つまり、「超越数」は、宗教と同じように、無限であり神秘的で、一般の人間にとっては、形而上的なものと考えられる存在なのです。 以上のような思想を持っているパイが、難破した船から救命ボートに投げ出されて、後から船に乗り込んできた虎と、如何にして227日も漂流出来たのか? これは、次回に書いて見ようと思います。 (話題の映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」を観る(2)に続く)
2013年02月06日
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ああ無情!ジャン・バジャンの無償の愛に感動! (「レ・ミゼラブル」予告編)http://www.youtube.com/watch?v=cl9gni_N_hk 先日、12月21日公開の映画「レ・ミゼラブル」を観てきました。昭和21年うまれのリュウちゃんにとりましては、小学校4年生の時に読んで感動し、リュウちゃんの海外小説の原点となった物語だったのです。 リュウちゃんはこの物語を、「講談社・世界名作全集」の第1巻で読みました。この全集は、昭和20年代の初期から刊行され始め、下記サイトのように昭和25年頃には200巻近く刊行されていました。http://homepage1.nifty.com/ta/0ka/kodan/mei_1950.htm リュウちゃん、この「世界名作全集」で小学校時代に世界中の物語に魅了されたのです。上記サイトにリストアップされた世界の名作で、この全集で読んだ作品を出来るだけ挙げて見ます (このリストは長くなりましたので、コメント欄に書き込みます)おお!、上記、昭和25年時点で発売されていた全180巻の「世界の名作」の内、何と50巻以上も小学校4年から中学校の低学年までに読んでいたことになる、 我ながら凄い! フランスの文豪・ヴィクトル・ユーゴーが1862年に著した「レ・,ミゼラブル」は日本では明治時代に黒岩涙香の手により、「噫無情(ああむじょう)」として翻案され、戦前から戦後にかけて広く読まれるようになりました.. 戦前の日本でも度々映画化されたようで、ウィキペディアには、9本の映画が挙げられています。 リュウちゃんが「レ・ミゼラブル」の映画を始めて観たのは、1957年制作のフランス映画で、ジャン・バルジャンを名優ジャン・ギャバンが演じた作品でしたが、観た時が小学校時代で、その後再見する機会も無かったので、印象はあまり残っていません。ジャン・ギャバンのジャン・バルジャンのみが印象に残っています。 今回観たミュージカル版の「レ・ミゼラブル」ですが、リュウちゃんは以下のような感想を持ちました。 (1) 少年時代に読んだ「ああ無情」が、そのまま映画になった。映画のストーリーは昔読んだ「ああ無情」そのままで、何の違和感も感じなかった。(2) 今回の映画では、男性陣よりも女性陣が印象に残った。特にコゼットの母親ファンティーヌを演じたアン・ハサウェイの神々しい美しさは圧巻だった。少女時代のコゼットを演じたイザベル・アレンも素晴らしい。黒澤明監督「赤ひげ」の二木てるみを彷彿した。 成長したコゼットを演じたアマンダ・サイフリッドの清楚な美貌にも大満足だった(彼女の写真は、冒頭の映画のスチル写真でご覧下さい)(3) 主役のジャン・バルジャンを演じたヒュー・ジャックマン、マリウスのエディ・レッドメインは共に不満だ残った。ジャベールを演じたラッセル・クロウは流石に素晴らしいと思った。(4) このミュージカルは「サウンド・オブ・ミュージック」などと違い、全編歌いっぱなし、普通に語る部分も音楽が付いている。語りの部分は古典時代のオペラのレチタティーヴォであり、ミュージカルでは「シェルブールの雨傘」や「エビータ」のような形式である。 以下にYou-TubeにUPされているミュージカルナンバーを幾つか貼り付けてみます。映画で一度聴いただけではどの曲も印象が薄かったのですが、改めて聴いてみますと、いい歌が多いなと思いました。(A) プロローグ「囚人の歌」http://www.youtube.com/watch?v=IZdjz6lLngU (B)「夢やぶれて」(ファンティーヌのアリア)http://www.youtube.com/watch?v=3Nu7A_nwiSQ (C) 「雲の上の城(Castle on a Cloud)」(幼いコゼットのアリア)http://www.youtube.com/watch?v=glnoF9LKfKw(D)「星よ」(ジャベールのアリア)http://www.youtube.com/watch?v=fB1OgS0MuBs(D)「愛は心に溢れて(A Heart Full of Love)」(コゼット、マリウス、エポニーヌの三重唱)http://www.youtube.com/watch?v=25QIme76Rh8(E)「彼を帰して」http://www.youtube.com/watch?v=UaI9BPKhExk(F)「One Day More」http://www.youtube.com/watch?v=fvF-6lRFqSA 悔い改めてからのジャン・バルジャンの無償の愛の行為、幼い頃に読んでリュウちゃんの心の中の古典となった「ああ無情」が、再び今回の映画で新しい心の古典になったような気がしました。凡人のリュウちゃんはとてもジャン・バルジャンのような聖人にはなれそうもありませんが、いつも心に彼の無償の愛を刻んでいたいと思っています。
2012年12月24日
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パリ駅の大時計の中からエッフェル塔を見つめる少年、その燃える瞳は遠く未来を見つめる。 「ヒューゴの不思議な発明」予告編http://youtu.be/oYxtCC8rA74 毎年、アカデミー賞の季節になると映画が観たくなるリュウちゃん、今年は例年になく、観たい映画が揃ったように思います。この前、「ドラゴンタトゥーの女」に感激したばかりですが、またまた面白そうな映画がいっぱい揃って来ました。 先週はスピルバーグの「戦火の馬」、今週は、アカデミー賞に11部門にノミネートされた前評判の高いマーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」の3D版を観てきました。 リュウちゃんにとりましては、「三丁目の夕日64」に続く今年2本目の3D映画、はたして、どんな映像のマジックを見せてくれるかと、ワクワクしながらスクリーンを見ましたところ、 巻頭はエッフェル塔が霞んで見えるパリの空、カメラはそこからグングンと下降し、パリ駅コンコースに下り、そこから大勢の乗降客で賑わうコンコースを、まるで人々の体を貫通するように直進、駅の中央にある大時計の前でピタリと止まる、大時計の中から青白い顔をした大きな目がこちらを凝視する。 これは「三丁目の夕日」の巻頭とまるで逆の導入部だ!しかし、同じようにスリリングな導入部だ!パリの街に降り注ぐ粉雪が3D効果で見事!3Dって凄いな! 物語は、大時計の中に住んでいるヒューゴ少年、少年が見下ろす大時計の下の玩具店の老人ジョルジュ(名優ベン・キングスレー)、ジョルジュの養女で、本の虫、好奇心いっぱいの少女イザベルの3人、それとヒューゴの亡き父が残した謎のからくり人形1体が主役、ヒューゴ少年は父の形見のゼンマイ仕掛けの壊れたカラクリ人形に秘められた謎を解こうとする事で物語が進行します。 リュウちゃん、この映画に強く魅かれました。この映画に魅かれた理由の一つ目は、少年ヒューゴと少女イザベルの澄んだ真っ直ぐな視線です。二人共、本を愛しています。少年は「ロビンフッドの冒険」、少女は「デヴィッド・コパンフィールド」、また、少年は映画を愛しています。少女はジョルジュ叔父さん夫妻に何故か映画を観ることを禁じられています。 ある日、二人は映画館に忍び込みます。そこで上映されていたのは、アメリカの3大喜劇王の一人、ロイド眼鏡で有名なハロルドロイドの「用心無用」(1923年)http://youtu.be/QEcTjhUN_7U これで少女も映画熱に火がつきます。 二つ目は、サイレント映画への純粋なオマージュである点です。ロイドの「用心無用」を皮切りに、リュミエール兄弟の世界最初の実写映画「工場の出口」、「ラ・シオタ駅への列車の到着」(1895年)、バスター・キートンの「トレイン」、チャップリンの「キッド」、D・W・グリフィスの「イントレランス」など、サイレント時代の名作が次々と紹介されます。 そして、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」(1902年)http://youtu.be/HSZ8QmCOAX4 この映画は、世界最初のプロの映画監督と云われるジョルジュ・メリエスへの誠実さ溢れるオマージュ映画なのです。 三つ目は、この映画のもう一つの主役とも云えるカラクリ人形です。IT時代の現代と違って、動力はゼンマイバネ、歯車と糸を使って、現代のロボットのように精巧な動作を行います。日本でも江戸時代に「弓曳き童子」や「茶運び人形」などのからくり人形が作られました。 父の形見の壊れたからくり人形にはどんな謎が秘められているのか?そのからくり人形に秘められた謎がどう「月世界旅行」のジョルジュ・メリエスと結びつくのか? 主人公のヒューゴ少年はパリ駅の大時計の内部で暮らしています。映画のシーンの半分くらいが、この大時計の内部です。ここには大小無数の歯車とゼンマイが縦横に交錯している機械仕掛けの世界、ITロボットと違って、動力が目に見える世界、マーティン・スコセッシ監督は最新のCG技術を駆使して、昔懐かしい機械仕掛けのファンタジーワールドを創り上げたと云えますね。 この映画は、テレビが無い時代に育ったリュウちゃんから上の世代の人間にとって、イタリア映画「ニューシネマパラダイス」のような魅力に満ちた作品です。いわば、「オールドシネマパラダイス」、しかし、「ニューシネマ」の少年は無邪気で明るい、しかしヒューゴ少年の眼差しは不安そうで暗い。 ヒューゴ少年の暗い眼差し、どこかで見た事があるな、どこで見たのかな? そうだ!デューラーの銅板画「メランコリア」の天使の眼だ!ーーー サティ:グノシェンヌ第1番(1890年、この映画で使われたクラシックの曲)http://youtu.be/rEyWAN7J2rs バスター・キートン「トレイン」http://youtu.be/6B0HQuFopC8 チャーリー・チャップリン「キッド」(1921年)http://youtu.be/qNseEVlaCl4 D・W・グリフィス「イントレランス」より「バビロン編」(1916年)http://youtu.be/GF7ho_-1aWo フリッツ・ラング「メトロポリス」(1937年)http://youtu.be/rtzTcqekPZI W・ディズニー「花と木」(1932年公開、世界初のカラー映画)http://youtu.be/CAn5XQBu34I
2012年03月09日
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ルーニー・マーラ様貴女は新しいディーヴァ様だ! 先日、話題の映画「ドラゴン・タトゥーの女」を観てきました。「ドラゴン・タトゥーの女」予告編http://youtu.be/xv3TDfGCjQo 事前に映画についての情報を殆ど知らずに観るのがリュウちゃん硫、今回も事前知識は監督がデヴィッド・フィンチャーである事、原作がスウェーデンの作家・スティーク・ラーソンのベストセラー小説「ミレニアム3部作」という事くらいでした。 デヴィッド・フィンチャー監督の映画はこれまで「エイリアン3」、「セヴン」、「ファイトクラブ」、「ソーシャルネットワーク」くらいしか観ていません。昨年観た「ソーシャルネットワーク」は、facebookを創立したマーク・ザッカーバーグの実話に基づく映画でしたが、ネット音痴のリュウちゃん、半分くらい寝てしまいました。しかし、昨年暮れにリュウちゃんもfacebookを開設、こちらもブログと並んで楽しんでいます。 因みに、リュウちゃんのfacebookは以下です、http://www.facebook.com/profile.php?id=100003156287532 さて、映画の巻頭、荒々しいパンクロックの流れるクレジットタイトルが終わると、物語が始まります。 (物語の骨子)経済誌「ミレニアム」の発行責任者で経済ジャーナリストのミカエルは、資産家のヘンリック・バンゲルから40年前に起こった少女ハリエットの失踪事件の真相追究を依頼される。ミカエルは、背中にドラゴンのタトゥをした天才ハッカーのリスベットとともに捜査を進めていくが、その中でバンゲル家に隠された闇に迫っていく(~ネットの「映画com1より転載」 リュウちゃん、映画が始まって30分くらいは、かなり退屈しました。 スウェーデン人の名前はややこしいな、原作を読んでいないと、複雑な人間関係がよく判らないな、主役のミカエル(ダニエル・クレイグ)が地味過ぎるな、 などと思って観ていまして、あわや睡眠状態に入ろうとしたその時!それまで、物語の中で脇役で少ししか登場していなかった謎の女性・背中にドラゴンの刺青、顔面に数箇所のピアス、いつも全身黒づくめの天才ハッカー、リスベットの激しいレイプシーンに、いっぺんに目が覚めてしまいました。 この天才女性ハッカー、リスベット・サランデルを演じた女優が、もうすぐ26歳になるハリウッドの新星・ルーニー・マーラなのです・ 素顔はリュウちゃんの好きなオードリー・ヘップバーンや、「愛と宿命の泉」のエマニュエル・ベアールに似たスレンダーな美人さん、彼女の父親はニューヨークジャイアンツの副社長、ニューヨーク大学で心理学を学んだ才媛、昔風に云えばブルジョア階級のお嬢さんですね、 彼女が映画のメインのキャラクターになってから、この映画は俄然面白くなって来て、寝ているどころではありませんでした。息もつかせぬストーリー展開、思わず前の席まで身を乗り出して見入ってしまいました! リュウちゃんの以前の会社の同僚で、畏友でもあります「F・K」氏という男性がいます。彼はネット上で「ジャズとミステリーの日々」というコラムを書いています。彼の2009年12日20日付けコラムで、原作の「ミレニアム3部作」について触れていますので、以下転載致します。 http://caprinet.msheritage.com/past.html#20091220 ベストセラーになった3位の「ミレニアム」3部作は今年一番の話題作だろう。たしかに面白さは抜群だ。謎解き、冒険スリラー、スパイ謀略、法廷サスペンスと、さまざまな要素が詰まっている。そしてヒロインの刺青女リスベットがいい。彼女の人物像は際立っており、じつに印象深く、ボディガード・アティカス・シリーズに出てくる女探偵ブリジットを彷彿とさせる。だが、主人公のミカエルはじめ、それ以外の登場人物たちが、いろいろと活躍するわりには、どうもキャラクターとして影が薄いし、生きた人間として心に響いてこない。"21世紀のベスト・ミステリー"などと騒がれているけど、そこまで褒めちぎる気には、ぼくはなれない。 F・K氏の上記のコラムは、実は映画を観てから読んだのですが、リュウちゃんが映画を観終わっての感想とほぼ同じです。 さすが海外ミステリー通のF・Kさん、貴方の小説の感想はハリウッドの新星・ルーニー・マーラの体当たりの演技によって見事に映像化されましたよ! この映画の味わいは、ジョディ・フォスター主演「羊たちの沈黙」と似ているように感じました。日本の小説では、服部真澄の「龍の契り」、山田風太郎の「くノ一忍法帖」、アメリカ映画ではユマ・サーマン主演の「キル・ビル」、アンジョリーナ・ジョリー主演の「トゥームレイダー」などを彷彿致しました。もっとも、これらの作品の大半はかなりカリカチュアライズされていて、「ドラゴン・タトゥーの女」のようにシリアスな作品ではありませんが、、、 この映画は激しいバイオレンスとセックスの表現があります。また、視覚的に動物愛護者、とりわけ、猫ちゃんファンにとりましては、おぞましいシーンがありますが、これらのシーンは映画表現上で必然的なものだと思います。猫ちゃんファンは「あのシーン」で一瞬、目を背けて下さいね。 ルーニー・マーラはこの映画で2012年のゴールデングローブ賞及びアカデミー主演女優賞にノミネートされています。アカデミー賞授賞式は2月27日、 リュウちゃん、今回はルーニー・マーラが主演女優賞を獲得する事を期待します。 ルー二ー・マーラ様貴女はリュウちゃんの新しいディーバ(女神)なのです!ーーー マーラー:交響曲第7番「夜の歌」より、第3楽章(スケルツォ)http://youtu.be/_U4kq2qLL2Y 梶芽衣子「修羅の花」http://youtu.be/rxI2peZiAsc
2012年02月24日
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ジュームス・エドガー・フーヴァーアメリカの歴史を裏で繰った凄まじい男の生涯、 「J・エドガー」予告編http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover/index.html#/home 先日、クリント・イーストウッド監督の新作「J・エドガー」を観てきました。クリント・イーストウッド81歳、リュウちゃん、彼と、一つ年下の山田洋次監督のファンなのです。 2004年「ミリオンダラー・ベイビー」2006年「硫黄島からの手紙」2008年「グラン・トリノ」2009年「インビクタス(敗れざる者)」2010年「ヒアアフター(来世)」そして、2011年「J・エドガー」、 日本では昨年2月19日に公開された「ヒアアフター」は、冒頭の津波のシーンが、直後に起きた東日本大震災を連想させるという理由で、3月11日で上映が打ち切られてしまいました。 あれからほぼ1年後の新作、リュウちゃん、いつものように何の予備知識も持たず、劇場に出かけました。 ひぇ!、37歳のレオナルド・ディカプリオが、77歳のFBI長官のフーヴァーを演じている。凄い老け役だ! この映画は、1924年から1972年まで48年間、FBI(アメリカ連邦捜査局)の長官を務めたJ・エドガー・フーヴァーの口述筆記による回想録という形でドラマが進行します。全て実在した人物が登場、中でも、ケネディ大統領の弟・ロバート・ケネディ、第37代大統領リチャード・ニクソン、大西洋単独無着陸飛行に成功したアメリカの英雄、リンドバーグ、フレッド・アステアとミュージカル映画で共演した女優ジンジャー・ロジャース、1930年代の名子役で、その後共和党政権下で外交官として活躍したシャーリー・テンプルなどが実名で登場します。 この映画に出てくるエピソードについて、少し整理して見ました。 (1) 1919年司法長官邸宅爆破事件(2) アル・カポネ、出リンジャーなどのギャングの摘発(1930~40年代)(3) リンドバーグの子息誘拐殺害事件(1932年)(4) キング牧師のノーベル平和賞受賞阻止画策事件(1934年)(5) ジョン・F・ケネディのスキャンダルと暗殺(~1963年) フーヴァーが弱冠29歳でFBIの前身の司法省捜査局(BOI)の長官に就任した時以来、指紋などの科学的捜査手法の導入、捜査での武器使用、捜査対象者に対する盗聴などによる非合法的な情報収集などの手段によってFBIの勢力の伸ばし、自らの地位も確固たるものにしていきました。 特に、FBIの公式情報とは別に、「フーヴァー・ファイル」という非公式に盗聴などの手段で集めた政治家達ののスキャンダルのファイルを保持、これによってジョン・F・ケネディなどの政治家を牽制、また、キング牧師のノーベル賞受賞阻止などを画策しました。 映画のキャッチフレーズ、「8人の大統領が恐れた男」は、アメリカ政界を影から牛耳ったフーヴァー長官の力の源泉が、この「フーヴァー・ファイル」にあった事を如実に示していると思いました。 日本での反・原発の急先鋒の論客、広瀬隆氏の著書に「億万長者はハリウッドを殺す」という、20世紀アメリカの裏面史を書いた面白い本があります。この本は、アメリカの歴史を金の力で繰る「ゴールドフィンガーは誰か?」というテーマで書かれていて、広瀬氏の結論は、モルガン、ロックフェラーの両財閥こそが、アメリカの政治を裏から操る「ゴールドフィンガー」だと結論付けます。この本の下巻155ページに以下のような記述があります。 アメリカ政府は、副大統領以下が本物の投機業者であり、大統領はその力の無い人物が据えられる。ことに一番重要なポストは財務長官と商務長官であり、銀行家、石油業者などの直接のボスがこれらのポストを独占し、国家の財政と商工業の為ではなく、モルガン=ロックフェラー連合の投機ビジネスの為に政策を打ち出してきた。 FBIに関しては、下巻157ページに以下のような記述があります。 FBIの使い道についても、ロバート・ケネディはまるで分かっていない。FBIがUSスチールの持ち物だという歴史さえ知らないのか。FBIの監督官は、E・P・モルガンだったのだ。 この映画を観た直後、「億万長者はハリウッドを殺す」を思い出し、久々にそのページを繰り、「日本のゴールドフィンガーは誰か?」という事に思いを巡らせました。リュウちゃんの結論は、 金の力で政府・官僚・学会・マスコミを支配している電力会社と、その後ろで豊富な資金を提供している旧財閥を軸とする財界こそが、日本のゴールドフィンガーである。 この映画は、大半の日本人にとって馴染みのないアメリカの政治史の裏面を真正面から取り上げた作品です。従って、ディカプリオ演じるフーヴァー長官を始め、全ての登場人物に観る者は共感出来ません。映画作品としても感動とは程遠い視点で創られています。但し、このような権力の中枢にあった人物を、その毀誉褒貶も含め、全て赤裸々に描いた作品が、ハリウッドのメジャーの会社で製作されたという点に、アメリカ社会のある種の健全性を感じました。 正力松太郎を正面から描いた佐野眞一の「巨怪伝」は、日本では映画化不可能だ! この映画の音楽はクリント・イーストウッド監督自ら担当、簡潔なピアノ・ソロを基調とした音楽を付けていました。中にバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を2曲使用、1曲は有名な「アリア」、もう1曲は第6か第9変奏曲だと思うのですが、現時点で確認出来ていません。どなたかお判りになった方、教えて頂ければ幸いです。ーーー バッハ「ゴルトベルク変奏曲」より「アリア」~第7変奏http://youtu.be/g7LWANJFHEs 同m第8~14変奏http://youtu.be/vPIS5yvvT2Y
2012年02月02日
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クリント・イーストウッド79歳新作「ヒアアフター」、映画表現益々冴える!クリント・イーストウッド。1930年(昭和5年5月31日生まれ、現在79歳、今年の誕生日に80歳、若い頃は「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」などのマカロニ・ウェスタンのアクション・スター。1971年(昭和46年)「恐怖のメロディ」で映画監督初体験、以降、殆んどの作品は監督兼主演、時には音楽も担当、まるで往年のチャップリンのような映画創りをずっと続けています。リュウちゃんが初めて彼の作品に感動したのは、1995年の「マディソン郡の橋」からです。新作を必ず映画館で観るようになったのは2004年の「ミリオンダラー・ベイビー」からです。2006年「硫黄島からの手紙」、渡辺謙演じる栗林中将の生き様に感銘を受けました(何故、この題材を日本の映画界が映画化出来なかったのか、)2008年「グラン・トリノ」、ずっと自動車工場で働いていた頑固一徹な老人の死に様に、イーストウッド自身の死生観が強く投影されているように思われました。この映画で、俳優イーストウッドは引退しました。昨年公開された「インビクタス(負けざる者たち)」、南アフリカ共和国でラグビーワールドカップ開催を進めたネルソン・マンデラ大統領の死生観にまた感銘を受けました。そして、今年公開の「ヒアアフター(来世)」以下は予告編です。映画は以下の三つの物語りが別々に並行して進みます。(物語1)パリで活躍する女性テレビキャスター、マリー(セシル・ドゥ・フランス)の物語休暇で恋人と東南アジアに旅行中に津波に遭い、九死に一生を得ますが、死の淵から生還する際に、いわゆる「臨死体験」をします。(物語2)ロンドンで一卵性双生児の兄と母親の3人で暮らすマーカス少年(ジョージ・マクラレン)の物語 ある日、マーカス少年は交通事故で兄を失います。同時に母親は麻薬中毒で病院に収監、孤児同様になり、里親に預けられますが、そこから逃げ出し、ネットで観たチャネリングの出来る超能力者に、亡き兄との交流を依頼する旅にでます。(物語3)かってチャネリングが出来る超能力者としてサンフランシスコで活躍していたジョージ(マット・ディモン)の物語 ジョージは、自分の超能力が負担になり、チャネラーを廃業し工場労働者として働いていましたが、不況で解雇されます。再びチャネラーとして活躍することを強く勧める兄の下を去り、新しい人生を求めて、ロンドンに旅立ちます。映画は、以上の3つの別々の物語が、最後に見事に一つの物語になるという構成になっています。「硫黄島からの手紙」以来、クリント:イーストウッド監督のテーマは、「人間は如何に生き、如何に死ぬか」という一点だったようにリュウちゃんは感じています。今回の企画はスティーブン・スピルバーグが持込んだもので、マット・ディモン演じるジョージの超能力は本物であるという物語設定が、「死後の世界の実在」を前提とした物語になっているようです。リュウちゃんが唯一尊敬するジャーナリスト、鳥越俊太郎氏は、クリント・イーストウッドの大ファンとのことで、この映画の記事広告を先週、何回かに分けて書いていました。また、最近、イーストウッド監督とのインタビューを実現させましたが、そのインタビューの中で、イーストウッド、鳥越の両氏共、「人間は死んだらただの土塊に戻り、死後の世界は有り得ない」旨の発言をしていました。 リュウちゃんも鳥越さんやイーストウッド監督と同じように、死後の魂の存在は全く信じられません。その意味で、無神論者・無宗教者です。しかし、この歳になりますと、何時訪れてもおかしくない「死」は正直怖い、死後の世界を信じ、宗教に縋りたくなる気持ちは勿論あるのですが、やはり信じられない。以前、立花隆氏の「臨死体験」という著書を読みまして、死に臨んだ人間の多くはこの映画のマリーが体験したような「臨死体験」をすることを知りました。これらの「臨死体験」から、死ぬことはちっとも恐ろしくはないなとも感じましたが、よくよく考えて見ますと、これらの「臨死体験」は、「死ぬ間際とは云え、まだ生きている人間が体の極度の衰弱の中で見る夢のようなものではないか?」と今では考えています。相変わらず「死の恐怖」は少しも薄まらないのです。映画の冒頭、いきなり大津波のシーンが凄い迫力!このシーンの衝撃で、ドラマに没入出来ました。マット・ディモンの優しい目は、画家で元吉本のお笑いタレント、ジミー大西を連想しました(笑)ジミーちゃんの目、優しいのです。双子の弟は、スピルバーグ監督の映画「AI」のディビッド少年を連想しました。しかし、あちらの子役は、演技が上手いですね!この映画のラストはハッピー・エンドです。例によって、音楽を入れます。シューベルト「三つの小品第2番、D-946-2」(ピアノ)アルフレッド・ブレンデルシューベルトが31歳の死の年に作曲した奇跡的な名曲、10分余りの曲の中に人生の不安と豊かさがギュっと凝縮された稀有な音楽です。「らいしょらいしょ」(歌)中島みゆきこれぞ日本版「ヒアアフター(来世)」!アメリカと日本では「来世」に向かい合う感性もかなり違いますね。「TUNAMI(津波)」(歌)」サザンオールスターズ映画の冒頭で、東南アジアの大津波シーンが出て来ます。映画の内容と関連は無いのですが、前回の「二人紅白」でUP出来なかったので、ここでUPしてみました。しかし、この歳になりますと、何時訪れてもおかしくない「死」は正直怖い、死後の世界を信じ、宗教に縋りたくなる気持ちは勿論あるのですが、やはり信じられない。以前、立花隆氏の「臨死体験」という著書を読みまして、死に臨んだ人間の多くはこの映画のマリーが体験したような「臨死体験」をすることを知りました。これらの「臨死体験」から、死ぬことはちっとも恐ろしくはないなとも感じましたが、よくよく考えて見ますと、これらの「臨死体験」は、「死ぬ間際とは云え、まだ生きている人間が体の極度の衰弱の中で見る夢のようなものではないか?」と今では考えています。相変わらず「死の恐怖」は少しも薄まらないのです。映画の冒頭、いきなり大津波のシーンが凄い迫力!このシーンの衝撃で、ドラマに没入出来ました。マット・ディモンの優しい目は、画家で元吉本のお笑いタレント、ジミー大西を連想しました(笑)ジミーちゃんの目、優しいのです。双子の弟は、スピルバーグ監督の映画「AI」のディビッド少年を連想しました。しかし、あちらの子役は、演技が上手いですね!この映画のラストはハッピー・エンドです。例によって、音楽を入れます。シューベルト「三つの小品第2番、D-946-2」(ピアノ)アルフレッド・ブレンデルシューベルトが31歳の死の年に作曲した奇跡的な名曲、10分余りの曲の中に人生の不安と豊かさがギュっと凝縮された稀有な音楽です。「らいしょらいしょ」(歌)中島みゆきこれぞ日本版「ヒアアフター(来世)」!アメリカと日本では「来世」に向かい合う感性もかなり違いますね。「TUNAMI(津波)」(歌)」サザンオールスターズ映画の冒頭で、東南アジアの大津波シーンが出て来ます。映画の内容と関連は無いのですが、前回の「二人紅白」でUP出来なかったので、ここでUPしてみました。 桑田佳祐9年振りのオリジナルアルバム「MUSICMAN」、本日発売です。
2011年02月23日
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リュウちゃん、先日、クリント・イーストウッド監督の新作「インビクタス(負けざる者たち)」を観て来ました。クリント・イーストウッドは、リュウちゃんの世代の人間には、約45年前のマカロニ・ウェスタン、「荒野の用心棒」、「夕陽のガンマン」などを観られた方も多いかと思いますが、残念ながら、リュウちゃんは、ほとんど知りません。リュウちゃんが「男はつらいよ」シリーズを観始めた昭和46年に第1作が公開された「ダーティハリー」シリーズも、ほとんど観ていません。リュウちゃんがイーストウッドの映画に注目するようになったのは、平成7年の「マディソン郡の橋」からです。この映画は、ベストセラーとなったR・J・ウォーラーの小説の映画化、還暦を過ぎた男と、中年にさしかかった女の燃えるような恋を描いた作品でした。監督兼主演のイーストウッドは、この時65歳、共演のメリル・ストリープは、この時46歳、この映画の公開時、そろそろ50歳に手が届く歳になりましたリュウちゃん、この映画のラストでは、不覚にも涙でウルウルになってしまった記憶があります。クリント・イーストウッドが、映画界最高の巨匠であり俳優だなと実感したのは、平成16年公開の「ミリオンダラー・ベイビー」です。この映画のラスト・シーン、ヒラリー・スワンク演じる女子プロボクサー・マギーを安楽死させた後、どこともなく姿を消すエンディングに、男(THE MAN)生き様、男(THE MAN)の死に様に、イーストウッドの美学を見ました。この、イーストウッドの「美学」は、その後の「硫黄島からの手紙」の栗林中将の「美学」となっていきます(余談になりますが、「硫黄島からの手紙」のような映画が何故、谷口千吉、黒澤明、熊井啓、小泉堯史のような日本人の監督の手で映画化出来なかったのでしょうか?リュウちゃん、この点に関しましては、日本の映画界の貧しさが感じられて仕方が無い思いが致します)昨年公開された「グラン・トリノ」は、クリント・イーストウッドの「THE MAN」の美学が、極限に達したような映画であると思いました。映画「インビクタス(負けざる者たち)」は、モーガン・フリーマン演じるネルソン・マンデラが、1990年に27年間に渡った獄中生活から釈放されるところから始まります。時に、マンデラ71歳、マンデラを演じたモーガン・フリーマンは、この映画撮影時には71歳、年齢・風貌共に、まさにマンデラ役には、これ以上は望めない適役でした。釈放後、4年目の1994年4月にマンデラは、南アフリカ共和国の第9代大統領に就任します。南アフリカ共和国は、1814年にイギリス領になり、1910年、南アフリカ連邦(自治領)となり、1961年、南アフリカ共和国と国名を変更、イギリス連邦から脱退し、独立国として歩み始めますが、「アパルトヘルト(人種差別)政策」という言葉が象徴するように、政権はイギリスからの移民の白人が支配し、公用語は英語、先住民である黒人はカラードと呼ばれ、様々な面で白人との差別を受けていました。1918年生まれのネルソン・マンデラは、1944年、大学在学中にアフリカ民族会議(ANC)に入党、以降、「反アパルトヘイトの闘士」として名を馳せますが、1862年、反アパルトヘイト活動の罪で逮捕、1964年、国家反逆罪の罪で終身刑となり、収監されていましたが、全世界での南アフリカのアパルトヘイトに対する批判の高まり、第8代大統領デクラーク(もちろん白人)の、(国際的なアパルトヘイト政策に対する批判を受けたのか)先住民である黒人に対する融和政策もあって、上述した様に、マンデラは1990年に、27年間に及んだ獄中生活から開放されたのです。映画は、釈放され、1994年に第9代大統領に就任したマンデラが、如何にして、実質的な、アパルトヘイト撤廃を推進していくのか、という点にドラマの焦点を合わせます。その大きなものとして、大統領就任の翌年(1996年)に南アフリカで開催されるラグビーのワールドラップを成功させよう、弱小であった南アフリカのラグビー・チーム、「スプリングボクス」を、強いチームに生まれ変わらせよう、というマンデラの行動が、ドラマの中心となります。ラグビーは、サッカーと違い、イギリス発祥の、いわゆる紳士のスポーツとされていて、「スプリングボクス」のレギュラー15人の内、14人は白人、黒人は一人だけ、大統領であるマンデラは、このメンバーの人種構成や、「スプリングボクス」の名称、ユニフォームの変更を一切せずに、ワールドカップに臨むように持って行きます。ある日、大統領の官邸に「スプリングボクス」の主将(マット・ディモン扮する)を招待し、歓談します。この二人の歓談のシーンが、この映画の第1の見所、マンデラは、若い主将に対し、声高に檄を飛ばすわけではなく、静かに、淡々と、自分の計画を話すのですが、この歓談の後、若い主将は、すっかりマンデラの人柄に魅了されてしまいます。大統領という権力による強圧ではなく、無私で誠実な人柄と、静謐ではあるが情熱溢れるマンデラの言葉が、「アパルトヘイト」の世界に安住していた白人の若者の前途を大きく変えてしまったのです!そうです、この映画の魅力の一つは、マンデラのダイアローグの美しさにあると思います。一度観ただけでなので、具体的にどこが魅力的であるのかは、お伝え出来ませんが、再度観る機会がありましたら、この静謐なダイアローグの細部に細心の注意を払いたいものだと思っています。魅力の第2番目は、それまで白人のスポーツであったラグビーを、ワールドカップ開催というビッグ・チャンスを機会に、黒人達にも親しみのあるスポーツにしていくという過程の面白さではないでしょうか、マンデラは、「スプリングボクス」のメンバーに、黒人居住区に出向き、そこに住んでいる貧しい黒人少年達に、ラグビーの指導をするように要請します。その要請を受けたメンバー達は、初めは渋々と黒人居住区に指導に行くのですが、少年達に指導している内に、黒人達との一体感・連帯感が生まれます。その連帯感が、人種の垣根を越えて、南アフリカ共和国の国民的スポーツになって来たラグビーで、ワールドカップ優勝という、とてつもない偉業達成に繋がっていくのです。しかし、何と言っても、この映画の最大の魅力は、モーガン・フリーマン演じるマンデラの生き様です。この映画でのモーガン・フリーマンの存在感は、それこそ圧倒的で、本物のネルソン・マンデラさんさえ凌いでいるような錯覚さえリュウちゃんは覚えました。モーガン・フリーマン=ネルソン・マンデラを2時間余り観るだけでも、この映画を観る価値は充分にあるなと、リュウちゃんは感服しつつ、思ったのでありました。今年はサッカーのワールドカップが南アフリカ共和国で開催されます。この映画での15年前のラグビー・ワールドカップのような奇蹟が、また南アフリカの人々を、新たな奇蹟に導く事になるのでしょうか?
2010年02月11日
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