ゲド戦記ー今を語る物語２ | 豊かさの女神と天使たち

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2006.08.27

ゲド戦記ー今を語る物語　２

そのための大切な要素が、親から虐待され捨てられた少女テルーです。心に深い悲しみを持つ少女は、ハイタカの友人である魔法使いの女性に育てられます。共に野菜を作ったり牛やヤギの世話をしながら生活しているのですが、彼女の歌を耳にしたアレンは、とめどもなく涙を流します。同じ不幸な、傷ついた魂を持つもの同士だからこそ共感できる思い。まさに癒しが二人の間に起こります。

【さいはての島】で語られる世界が、今の私達が生きる世界である事に気付かれた方も多いと思います。
そして、自分の中のアンバランスさや分離された理性、ゆがめられた価値観、そして方向を見失った感情。私達は、そのような不安定な状態の中で生きているのです。

そして、その不安定な状態から自分を統合するためのキーポイントが２つありました。
一つは、大切な人を助けたいと言う切なる思い・・・・
アレンはテルーの自分を育ててくれた女性と大賢人ハイタカを救うために、アレンに魔法の剣をわたし、一生懸命アレンを勇気付けます。その思いによって、アレンは自分の心の中にある恐怖や悲しみから自分自身を救い出すのです。そのテルーの祈りは、私達にも自分自身を統合する事の大切さを、訴えかけてきます。まるで、マリアや観音様のメッセージのように。

そしてもう一つは、「真実の名前」といわれるマントラです。これはその人の魂の名前です。その名前を呼ぶと、その人の魂の力が現れるようです。私達が、女神様のマントラをとなえて、女神様のお力を頂く事と同じです。

しかし、この「真実の名前」は、悪用すれば相手の意思を無視して自分に従わせるための道具ともなります、魔法使い「クモ」が、アレンや兵士たちに使用した力は、その真実の名前を悪用したものでした。

私達はよく、自分の力を他人に委ねてはいけない。また他人を支配してはいけない、という事を、よく学びます。自分自らが、自分に対して責任を持たなければ、魂の成長はありえないということです。「真実の名前が意味する事もきっと同じでしょう。

でも、アレンがテルーの「真実の名前」を呼んだ時、大きな竜がず～～んと出てきたときはビックリしました。
つい、「観音様と紫雲の竜」のマントラを唱えそうになりました（私だけでしょうか・・あたりまえだ！！）
テルーの本質は、竜（ドラゴン）だったのですね。

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