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獣害を防止するためにも田を起こそう。対策が功を奏して減少しつつある鳥獣による農作物被害。農水省発表によるその被害額は こちら ↓。■ 鳥獣による平成29年度の農作物被害 被害金額が約164億円で前年度に比べ約8億円減少(対前年5%減)、 被害面積は約5万3千haで前年度に比べ約1万2千ha減少(対前年 18%減)、被害量が約47万4千tで前年に比べ約1万3千t減少(対 前年3%減)しています。 主要な獣種別の被害金額については、シカが約55億円で前年度に 比べ約1億円減少(対前年2%減)、イノシシが約48億円で前年度 に比べ約3億円減少(対前年6%減)、サルが約9億円で前年度に 比べ約1億3千万円減少(対前年12%減)しています。減りつつあるとはいっても、まだまだ大きな被害。動物たちとの良い関係を保つためにも、獣害はなるべく減らしてていったほうがよい。そんな獣害の原因ですが・・・ 鳥や獣などの動物を呼び寄せている一番の原因は、 ひこばえ にある と、10年ほど前から いわれはじめました。ひこばえとは収穫後の作物の切り株や根元から生えてくるイネの若芽のこと。とくにイネ刈り後の水田に残っている切り株から生えてくるヒコバエが要注意です。栽培しているお米や野菜とちがって、放置されているひこばえなら、ヒトは 動物が食べてもさほど気にならない。こういった 心のすき間に、動物達が忍び寄る のです。ちなみに 10ヘクタールの田んぼのヒコバエなら、 100頭のシカを ひと月養えるほどの餌となるというデータがあります〔1ヘクタールでは10頭・10aで1頭の割りになりますよ〕。つまり ひこばえの放置は、ある意味で動物の餌付けをしているもの と 考えなければなりません。そんなひこばえが生えてくるのを防止するには、収穫後のこまめな耕運が効果的です。田を起すことで、株を土中にすきこみ、ひこばえが生えてくるのを予防するわけですね。そうすることで 動物たちが集落に近づかないようにする。ということで今回は、獣害被害の多い集落では田の耕運といった農業の基本的な作業を部落をあげて励行することが、まずはなによりの獣害予防方法となり、それはまた結果的にヒトと動物との良い関係性を構築することになるというおはなしでした。 バインダーで刈られた長いままのワラの場合は、大雨などで 田から流出すれば、排水路を詰まらせることにもなりかねま せん。 水害を予防するという観点からも、田起しは重要になります。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 31, 2020

ヒラズがきたっ。多発するとハウス栽培のピーマンやキュウリなどの果実の品質、とくに見た目に大きな被害を与えるアザミウマ類。そんなアザミウマの生息数が極端に増えていたのが、ここ宮崎県です。その生息数ですが・・・11月末に県が発表した発生予察注意報によれば、過去10年間で最も多い 10花当たり25.8頭! 平年の生育数は10花当たり6.1頭 といいますから、ざっと考えても現在のところ4倍以上の頭数が存在していることになります。 “10個の花に対して1頭が寄生したしても防除が必要となる“というアザミウマ類ですから、その被害たるやもう大変といってもよい状態。 発生予察第5号 → そんなアザミウマの大発生の原因ですが、やはりなんといっても一番の原因、それは気温が高すぎること。例年よりも平均気温で0.92度も高いとなれば、ハウス外の虫の死亡率は低下するでしょうし、さらにハウス内に侵入してきた虫の生存率はあがっていきますものね。そしてもうひとつ。今回のアザミウマ大発生の原因は、アザミウマの種類が異なっていたことがあげられます。気温が高いという条件のもと[天敵のスワルスキーカブリダニで防除ができる]ミナミキイロアザミウマだけではなく、ミナミキイロアザミウマよりも身体が大きいヒラズハナアザミウマ もまた生き残り、生息数を増やしていたのです。こうなると大変ですよ。例年なら天敵を使うことでミナミキイロアザミウマを中心に防除すればよかったものが、そうもいかなくなる。またアザミウマ対策として天敵を導入しているハウスでは、天敵類の健康を考えて薬剤を散布する回数も減らし・散布できる農薬の種類も限定して使用しているわけですから、そのあたりの管理状況もまた ヒラズハナアザミウマに有利にはたらいた。結果として「天敵を導入しているハウスほどヒラズハナアザミウマの発生が多い」という状況になっているといいますから、ヒラズハナアザミウマとしては してやったり。例年どおりのスリップス対策を実施していることで安心していた農家さんたちの裏をかいて大発生した・・・といえる状態になってしまったわけです。さて、そこでそのように難敵のヒラズハナアザミウマ対策です。主として花の内部で生活する[より薬剤がかかりにくいですよね]ヒラズハナアザミウマですから、 ここはひとつ花の数が少ないときを狙って防除すること、これが防除のコツになります。加えてよく薬が効くように展着剤も入れたいところですよね。また花に潜り込みやすいという性質ですから、開花する花の多い生長点付近に、青色粘着トラップなどを集中して仕掛けることなどもよい方法だと思われます。予察のでた12月はじめから依然として気温の高い状況がつづいている南九州ですから、ここはしっかりと対策していきたいところですねよ。ということで今回は、[同じアザミウマといえども種類がちがえば対策も変わってくるのですから]天敵のあるなしにかかわらず、現場の観察をよくおこなって虫の種類をよくよく確認し、そのうえで対策を練っていくことが肝要である というお話でした。それにしても、そもそもの原因はなんといっても予測できない高温です。簡単にコントロールできる代物ではないので、これからもいろいろな現象を引き起こしていくのだろうと思うと、かんがえるだけで頭が痛くなってしまいます。。ちなみに関連記事として、イチゴのタンソ病ににた症状をひきおこす虫、温暖化が引き起こす意外な虫の害についてのはなしはこちら。 アザミウマ類の名まえの呼び方ですが、 当地ではミナミ キイロアザミウマを スリップス。ヒラズハナアザミウマ は ヒラズ 。 と呼ぶ方が 多いです。 ちなみに虫の 名まえについてのはなしは こちら。よろしかったら。。「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 30, 2020

2月にやる追肥のご提案。2020年01月27日分のDМより 施設ハウス用の、2月にやる追肥・春にやる追肥のご提案の回 となります。バックナンバー分として、前回12月25日分のDM分である「暖冬傾向のなかの追肥管理」は こちら 。つけくわえまして、作物の生育に応じた基本的な追肥の考え方である「いまどんな肥料をやればいいのか」の回は こちら となります。 1月上旬のつかの間の寒波は どこへやら。1月23日には みぞれまじりの雨の降る成田から宮崎空港に帰ったのですが、 到着した23日宮崎の温度は、熱気をかんじる驚きの24度!! ところによっては5月並の気温であったそうで、❝この高温下 であれば害虫や病害が多発するのもあたりまえだな❞と、おも ってしまいました。ちなみに本日は、まるで台風なみの風雨。 この前線が通りすぎたら、すぐの病虫害対策が必要ですね。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 28, 2020

アフリカ豚コレラウイルスが国内で発見されたのは。高い感染力を持つ アフリカ豚コレラウイルスの生きたウイルスが、日本国内で初めて確認されたのは、昨年2019年1月下旬に中国から愛知県の中部国際空港に持ち込まれた豚肉のソーセージからでした。こんなかんじ。 この事態を重く受け止めた農水省は感染源となりうる違法な畜産物の持ち込みを防ぐため、それまで33頭だった検疫探知犬を7頭増やして40頭態勢とし全国の空港などに配備、派遣していますが・・・ 違法な持ち込みが 確認された例は、2018年の1年間だけでも 93957件にも及んだ ということで、現場では万全な対策が取られているとは言えない状況[その後アフリカ豚コレラウイルスが確認されたケースは2019年12月までで86件]が継続しています。ちなみに[ウイルスが存在しているかもしれない]違法な農産物持ち込みに関する国別・地域別違反件数のグラフは こちら。中国に関する違反件数が半数近くに上ることがみてとれます。そしてそのような綱渡り状態ともいえる ある意味危機的な状況のなかで、本日1月24日から始まるのが40日間で延べ30億人が全世界を移動すると予想されている春節における中華系民族大移動です。日本国内で働いている中国系の実習生や労働者が本土に里帰りするのに加え[再び訪日されるときが問題になります]、より注意しなければなのが 最近増えている中国からの観光客のみなさん。中国最大手の旅行社のランキングによれば、昨年はタイ国についで2位の人気であった日本が 今年は1位。昨年の春節と比較すると日本への旅行を希望する人が51%も増加しているといわれる中国からの観光客の移動[2019年は75万人]がはじまるのです。 ● ヒトの移動とともに違法に持ち込まれるかもしれない肉製品 に含まれるアフリカ豚コレラウイルス ● 日本国内のブタやイノシシが、その肉製品を口にすれば感染 してしまう恐れのあるアフリカ豚コレラウイルス ● 日本で発生中の豚コレラとはちがって]有効なワクチンの存在 しないアフリカ豚コレラウイルスこのウイルスの国内侵入を、訪日客急増という状況のなかにあって昨年の春節シーズンと同様に今年も水際で阻止できるのか・・現場では、ぎりぎりの対応がつづいています。惜しむらくは 検疫探知犬の増頭計画。20年度中に140頭まで増やすという発表されましたが、スピードアップが望まれるところ。なにせ急がないと 8月にはもっともっとヒトとものがやってくるオリンピック・パラリンピックが開催されるのですからね。 わたくし、昨日1月23日に成田空港の第三ターミナル にいたので、国際線の第二ターミナルにもいってみたの ですが、すでに かなりの人出が ありました。ちなみ にセコムの対テロのロボットふうの機械はみましたが、 「肉製品持ち込み禁止」関係の 検疫探知犬キャラの 「クンくん」 は みつけられなかったです。残念。。「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 24, 2020

ジャンボタニシや草の防除には“田起こし”が有効。Hやっぱり暖冬なのかなとおもっていたなかでの寒波襲来。そんなせっかくの寒波を防除にしっかり利用しようというおはなしです。おそらくはもっとも寒い節気。やるなら いま だなと。 ↓『ジャンボタニシや草の防除には“田起こし”が有効。』壁一面に産み付けられた ショッキングピンクの卵・たまご・卵 !!悲しいかな、いまやこれは日本の日常になりつつある光景なのです。この卵から孵ってくるのは、ジャンボタニシ こと スクミリンゴガイ。昭和56年頃に海外から食用として日本に持ち込まれて野生化し、関東以西の水稲やレンコンに大きな被害を及ぼしている貝になります。画像は こちら 。 このスクミリンゴガイは繁殖力が極めて旺盛、汚水にも強く、用排水路やクリークで増殖しながら移動分散し続けています。この急速な増加に伴い、「昨年までは見なかったけれど、今年になってからの増殖ぶりには驚いた」などと農家さんがおっしゃるのは日常温茶飯事のこととなった感が大いにありますよ〔地区の一斉防除で数十キロとれたり〕。さて、そして。そんなスクミリンゴガイの防除に最適な時期、それが 彼らが眠りつく いま、 トラクターで田を起こすこと なのです。そう、収穫の終わった水田の土の中、5センチ程度の深さで休眠を図る彼ら地中の貝の貝殻を回転するトラクターの爪で破壊、もしくは地表にかき出して凍死させる・・・。この機械的な防除は けっこう効果があるんです。効果を高めるにはコツとしては・・・ ■ ロータリーの回転数を上げる こと ■ そして 低速で耕うんする ことが挙げられますよ。この処置を施した水田においては、じつに 90パーセント以上の駆除率があった とする試験結果もありますので、心当りのある地区では、ぜひ この防除法もお試しくださいね。そしてもちろん、雑草防除にも田起こしは有効[宿根草の地下部を破壊したり、地表に出すことによる寒さによる防除]です。 もちろんジャンボタニシのはなしも取り上げて↓ ます。「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 20, 2020

果形から作物の生育状態を知る。 終盤にはいった今季のハウス施設栽培。ハウスキュウリ農家さんから生育状態判断についてのご質問いただきましたので、当ブログの関連回を再掲載してみました。 ↓ 『キュウリの果形から、作物の生育状態を知る』 キュウリは曲がっているのがあたりまえ、いえ曲がっているほうが良い・・・とさえ、思われている消費者さんもおられます。しかし、この考え方は、キュウリという植物の生育から見た場合には疑問符がつく考え方だといえるでしょう。 キュウリの定植から収穫終わりまでの生育全体を見た場合に、キュウリ果実の曲がりの発生が多くなるときは、キュウリの樹が疲れてきたとき に多くなることが統計上報告されています。 具体的には たとえば ● 葉が繁りすぎて、光が充分に葉にあたらないとき あるいは、 ● 病気や虫などの影響で葉の機能が落ちたとき、 ● 天候が悪いとき、 ● 一度にたくさんの果実をならしすぎたあと、 ● 肥料や水が不足して、樹にストレスがかかったとき といった状況で果実の曲がりが多くなることが判明しています。 せっかく読んでいただけているのですから、土壌栄養学的に特化して曲がり果が起きるときの土の状態を説明しますと、 ● 実の上部が細いもの肩こけ果は石灰欠乏 ● 尻が太いものは、下葉が枯れてきたとき ● 2本つながりや、実に葉の奇形果は、ホウ素欠乏 ● 果実が縦に割れる裂果は、根が弱っているとき、 ● 食べて苦い苦味果は、 乾燥が影響 している ということがわかっています。このようにキュウリ果実は なんらかのストレスが、作物にかかるときに曲がる のです。 したがって対処法は・・・作物にかかっているストレスを取り除いてやること。 その方法ですが、土壌栄養学的には 不足しているミネラル類を補うことで対処します。また、全体的には最初に述べた作物管理の適正化に努めることで、“曲がり”に対処していきます。 すっとまっすぐに育ったキュウリの樹から取れる、素直なキュウリの果実は、 ミネラルのバランスとれているので、とてもおいしいですよ。 よろしかったら、ご参考に。 良品を継続的に出荷できることが、農業経営におけるいち ばんの 経営安定策だとおもうんですよね。「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 17, 2020

ミネラルにも派閥があって。Kひつづきミネラルのはなしです。 土壌検査をしてみると、圃場の土のなかに作物の成長に必要なはずの ミネラルの量は問題なく充分にあるはずなのに、いざ作物を栽培して みると それでも苦土やホウ素・石灰が効きにくいといった生育をしがちな作物のケースも、よくあります。さらに効き にくいといった程度ではなく 苦土欠乏やホウ素欠乏・石灰欠乏がおこる というケースが実際問題としてある。 土の中にミネラルはあるのに、なぜ効かないのだろう と思うのです が、こういった現象の原因のひとつとして考えられるのが各ミネラル のあいだの 拮抗作用 だといわれています。 拮抗作用とは・・・簡単にいうと「ミネラル同士の喧嘩」。たとえばカリの場合ですが、カリが土の中に多く存在すると、作物へ のマグネシウム/苦土の吸収を抑えるとされています。そのために土のなかにマグネシウム/苦土がたくさんあったとしても、作物の生育の過程でマグネシウム/苦土の欠乏症状がおこるばあいがあるという わけですね。また カリは[マグネシウム/苦土と同様に]作物へのカルシウムや ホウ素の吸収を阻害しやすいことも知られています。そんなミネラルのあいだの相互関係[要素の相互作用といわれていま すよ]を図示したものが こちら 。 ののののの 直線は 拮抗作用。そして点線は、作物に吸収れるのを助けあうとい う相助作用をあらわしています。そうなんです、ミネラルはお互いに喧嘩するばかりではなく、協力し あう場合もあるのですから、おもしろいものですよね[そんな相助効 果は、たとえばリンとマグネシウムの関係で知られています]。と、いうことで今回は、お互いのあいだに好き嫌いが存在するために土の中にたくさんあったとしても、特定のミネラルが作物に吸収され にくいこともある[逆に土のなかに少ない場合でもなぜか良く効くこ ともある]という・・・ 人間とおなじように、ミネラルにも派閥がある みたいな、そんな おはなしでした[カリや塩素が多くなってしまう原因については こちら]。 そして連想されませんでしたか、 旧約聖書のアダムのはなし を。 そう「アダムは、神によってその息吹と土から創造された」という あの一節です。・・・ひとに派閥があるのは、土のミネラルの作用 なのかも/笑。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 16, 2020

ミネラルは大切。K 厳寒期をむかえたハウス栽培でめだってくるのが、微量要素の欠乏症 状・・・ということで、そんな要素欠乏がおこる原因をおさらいして みることにしました。よろしかったら、ご参考に。 ↓『ミネラルは大切。』こういった表現を 読まれたことはないですか。 「野菜が健康に育つには、土も健康で なくてはならない。植物が健康に 育つためにはミネラルも必要だ」 確かにそうだと思います。ミネラルは大切なのです。それでは ミネラルとはなにものなのでしょう・・・・ じつは ミネラルとは 無機物である鉱物を指す言葉 なのです。したがって ミネラルを補給したければカリ鉱石やリン鉱石、あるいはマグネシウムやカルシウムなどを圃場に入れればよい。そのいろいろの種類のなかから、自分の圃場につくろうとしている作 物の必要とする種類と必要とする量を[過度にいれすぎないように]あたえていけばよいわけです。 実際に施用する場合は、カリ鉱石・りン鉱石・マグネシウムやカルシ ウム、そのほかいろいろな種類のミネラルが配合され、しかも成分調 整されているものを、作物の生育状態を見たり・土壌分析をしたりし たうえで、圃場に適量いれていくことになります。たとえば ● 苦土欠が出る場合などは マグネシウムを増やす ● ホウ素欠乏が出る場合は ホウ素をふやす ● 石灰欠乏が出やすい場合は カルシウムを増やす といった対策をとっていくことになります。つづく。 「状態をみていれるものをかえていくのが農業」の回は こちら。「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 14, 2020

温暖化で増えるといえば、意外な虫の害。イチゴ栽培において28度前後の温度が高い時期に、株のクラウン部に発病するのが、 ↓ イチゴの炭疽病[たんそびょう]です。 まずイチゴ葉の外縁が黄化・褐変し、そのあと外葉が枯死する株がみられ、最終的に上記の写真のような株そのものの褐変から枯死に至るというふうに病状がすすみます。とはいったものの長年にわたってイチゴ栽培を手がけておられる農家さんたちにとっては、さして恐ろしい病気といったものではなく、季節がすすんで次第に高温期が過ぎたり、病斑を確認する初期の段階での適切な薬剤散布をおこなったり、かん水の量を少なくして加湿を避けることなどによる適切な処置で防げる病気のはずなのですが・・・本作にかぎっては 宮崎のイチゴ農家さんにとって勝手が違いました。いつものように 適切な炭そ苗対策をおこなっても効果がないのです。新芽がのびず、展開した葉の葉柄が赤味を帯びてきて、葉の縁が黄化や褐変し、症状が重くなると、株や根までもがが枯死してしまう。これは大変ということになり、県外のイチゴのにたような事例を調べてその原因がわかったのは、11月もおわるころになってのこと。。じつはこの症状は虫の害。ハエの仲間であるチバクロバネキノコバエ[チビクロバネキノコバエとも]の幼虫による食害だったのです。イチゴに寄生するこのハエの幼虫は透明といってもよい体色をしており、大きさも最終的な段階でも四ミリほど。成虫は透明ではなく頭が黒で身体は褐色ではあるものの体長が約2ミリ前後しかないのですから、これではなかなか見つけられなかったのも いまとなってはよくわかります。ちなみにこのハエの生活史は ❝未熟な有機物に誘引された親が産卵、卵から成虫になるまでの時間が25度Cの気温条件で2週間ほど❞といいますから、今作のような気温の高い気象条件であれば 順調に世代交代しながらその生育数を増やし、結果的にイチゴの地下部や地際部をも食害・加害していった ということなのでしょう。さてそこで、このハエに対する防除方法です。ハウスイチゴ栽培においては、交配にミツバチを使っているケースが多いので、なるべく薬剤に頼らない方法をとるということになれば ● ハウスの開口部[入口や換気部分]に1ミリ目あいのネット展張 ● 圃場の周辺にある雑草の処理や作物の残さの片づけ ● 圃場の周りにある場合には、たい肥舎などの消毒などといった対策に加えて、なんといっても ● 未熟な有機物を圃場に大量に使わないことこれが 大切なポイントとなります。 炭疽病とおもって対策を実施して効果がなかったはず だなと、原因が分かってしまった現在ならおもえるの ですけれど・・・まさか原因が虫だったとは。。という ことで 農業はプロファイリング の回は こちら。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 9, 2020

いつのまにやら害虫に。過去分ですが、次回分参考として。よろしかったら。↓『いつのまにやら害虫に。』芽だったころのホウレンソウの葉が、縮れたり、こぶ状の小突起ができたりといった症状になり、ひどいときには芯どまりになって成長しない・・そんな経験はありませんか。 じつはこれ、新芽部に寄生する体長約0.6mm前後の小さな虫、ホウレンソウケナガコナダニの仕業であることが多いんですよ。 こちら 。 この虫がホウレンソウの芯の部分に寄生し食害することにより、商品価値を低下させ、特に春作と秋作では収量低下の大きな原因となります。またこの虫が土壌中にもっとたくさんいるときは発芽することさえままならない場合もあるということなので、注意が必要です。 問題になりはじめたのは2005年以降。 2008年には、2度にわたって日本農業新聞が、このホウレンソウケナガコナダニの被害が全国に広がっていることをトップ記事で報じて話題になりました。記事の内容はつぎのようになります。 2008年6月13日分トップ記事。↓ 『ホウレンソウを食害するホウレンソウケナガコナダニによる被害が、全 国39都道府県に広がっていることが12日、本紙の調査で分かった。 環境保全型農業の拡大とともに、同ダニの餌になる未熟堆肥(たいひ) や有機質肥料の利用が進んだことが要因。関係者は「国を挙げて試験 研究に取り組んでもらいたい」と訴える。』 と、いうことでした。 つまり・・・これは環境保全型農業、いわゆる有機栽培における〔生の有機物使用の〕弊害が出た顕著な例のひとつなのです。 本来土壌中に生息する有機物分解者であったはずのホウレンソウケナガコダニが、環境の変化によって害虫とされてしまった。 ホラーですね。 そして、どれだけたくさんの未熟有機物が全国の耕地で施用されているのかと、心配させられる話でもあります〔土壌に保持できなくなった分は水に乗って環境中に放出されるわけですからヒトにとってもホラーです〕。 ということですから・・ 有機物の耕地への施用に関する、質と量そして回数の規制がない現状としては、「ホウレンソウケナガコダニの被害がでるほ場では、未熟有機物の使用を控えてもらえませんか」と、いまのところは農業者の良心におねがいするしか方法がないわけです。 ということで、本年2016年8月18日の農業新聞↑にも載っている被害の実態の記事をお知らせして、人為的に生態が変えられてしまったダニのはなしはおしまいです。 『現代農業』誌の推奨された農法、「土ごと発酵」が盛んになって から確実に被害が増えた気がしますね、この虫の被害は。 「土の状態を見て入れるものをかえるのが農法」の回は こちら 。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 8, 2020

菜園では要注意なタネバエ。2014年分ですが、次回参考としてよろしかったら。 ↓『菜園では要注意なタネバエ。』ダイズなどの豆類 や、きゅうりなどのウリ類 など、いろいろな作物を食害する小さなウジ虫が出て困られたことはありませんか。 それは タネバエ です。 こんな姿 。 ちょうど全国的にみて、寒さの和らぐ春先から梅雨時期が発生の適期に当たるんです。 鶏フン・豚プン・牛ふんといった動物質のふんや、植物質の作物の残さや生のコメヌカなどといった未分解有機物の腐敗臭 に誘われて成虫がやってきます。 雌成虫は、1個体だけでも700-1000個もの卵を産むっていいますから、いちど出ちゃったら、たとえ薬剤で対処しようとしてもきりがありません。 ださないことが肝心です。対策ですが、薬剤を使用しない対策として ● 有機物をどうしても使いたい場合は完熟させてから使用 ● ピートモスで土づくり して、無機質のミネラル肥料を使用 というような方法があります。 タネバエ被害に苦労されている方には、お薦めの方法です。 ちなみに ミネラルとは無機質の鉱物のこと。有機質ではありません。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 8, 2020

暖冬傾向のなかでのハウス作物の施肥管理。2019年12月25日分のDМより、暖冬傾向のなかでのハウス作物の施肥管理の おはなしと なります。 上記の分のなかにあり、このブログの追肥管理でも ❝安全でよく効く❞という表現を使って、文中に でてくる多木有機液肥ですが、 電気伝導度計で希釈液を測定してみますと、上記のグラフの数値にありますように一番下にある 無機液肥と比較してEC値が低い傾向にあるのがわかります。 EC値があがらない = 植物体にやさしいということを数値で表した実例 と いうことで紹介させていただきました。また根の張りの不良と徒長や葉の厚みを増す対策としてマグホスやカルミタスのマルチの内側や、通路部分への追肥施用もひきつづきおすすめしていますので、興味を持たれた方は こちら をご覧ください。 作物の生育に応じた基本的な追肥の考え方である「いまどんな肥料 をやればいいのか」の回は こちら です。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 7, 2020
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