医療用医薬品 0
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相模原事件とは2016年に相模原障害者施設で起こった死者19人、負傷者26人を出した障碍殺人事件です。犯人は元職員・植松聖で裁判は2020年(令和2年)3月に横浜地方裁判所における裁判員裁判で死刑判決を言い渡され、自ら控訴を取り下げたことで死刑が確定しています。すぐ逮捕されていますが、初公判が開かれるまでは3年の期間を要しました。その間には被告の精神鑑定が行われています。精神鑑定の結果は「自己愛性パーソナリティ障害」など複合的なパーソナリティ障害があったことが判明したが、「動機の了解可能性」「犯行の計画性」「行為の違法性の認識」「精神障害による免責の可能性」「犯行の人格異質性」「犯行の一貫性・合目的性」「犯行後の自己防衛行動」の面から犯行時には「完全な刑事責任能力を問える状態」であったとされました。精神障害で免責された場合にすぐに野放しになるわけではありません。現在では無罪の判決を出した裁判官が精神病院で入院治療を行うことを指示します。受け入れた精神病院の責任者がその病気が治ったあるいは外来治療でよいと判断した場合には退院が可能です。そのため、治療可能かも問題になります。「自己愛性パーソナル障害」に関しては、そのパーソナリティ障害によって今回のようなことを起こさないかどうかの問題になります。認知行動療法によって、このようなことを起こさないようにすることは可能かもしれません。小児愛に関しては治療が可能かどうかの問題があります。無罪になることはありませんが、刑期を終えても再犯を起こす可能性はなくなりません。このことを手記にしている小児愛の性癖を持つ人もいます。このような場合にはどうすればいいのでしょうか。再犯を起こさないように監視することしかないのでしょうか。立法府は真剣に検討して欲しいと思います。相模原事件でもう一つ問題になったのは被害者の名前を公開するかどうかです。犯罪が行われそれを伝える記事では被害者の本名は明かされませんでした。また、裁判中も本名は隠されていました。しかし、保護者の一人が本名を出すことを要求してそれは認められましたが、本人が未成年のために本名を明らかにして新聞はほとんどありませんでした。犯人は衆議院議長に対して犯行予告を行っており、それをきっかけとして精神病院に措置入院しています。しかし、犯行は実際に行われています。退院可能と判断した医者に関しては責任を問うことはできません。血液検査や脳波検査で判断することはできないからです。また、そのまま、何年も入院させていれば、精神科の長期入院に対する問題に引っかかるかもしれません。ここで問題にしたいのは、一人暮らしを許可したことです。入院するほどではないが、何らかの治療を行う必要がある場合に、日本ではそういう人を預かる施設はありません。人並みに労働はできる場合であればさらに対応する施設は限られていまいます。現在のところ落ち着いているが、いつ変化するか分からない人格障害の場合には就労継続支援施設B型(私がいま在所しているところです)があるかもしれません。A型のように就業を目的とした施設ではなく、就業させると、なにをするか分からない、年齢的に問題があるなどの問題を抱えている(私の場合は自殺)人間に対して仕事の場を提供するなどを行う施設です。この施設は比較的小規模なところが多いです。一人にしなければ、この事件は起こらなかったかもしれません。また、国の役に立たない人間は殺すという考え方に対して私は、きちんと反論することはできません。コロナで医療施設が逼迫した際には、治療のトリアージを検討するべきだという意見も出ました。実際にどちらかを選択しなければならない状況になる前にそれを決めておくことは必要という意見には賛成です。しかし、現在のコロナでの治療に関しては起こりませんでした。(来年の冬に起こるかもしれませんが)。もう少し落ち着いたらトリアージに関しても立法府は検討するべきだと思います。このとき、傷害の有無、生産性などという意見が出ると思いますが、それに関しては私は反対の立場を取りたいと思います。命は地球より重いからという理由ではありません。その言い方はまた、議論すべきでしょうが、私は嫌いです。死は全員に来るべきものであり、同じ症状であれば、ランダムにすべきで他の要因を入れるべきでは無いと思っています。大事故でのトリアージではないのです。今回のCOVID-19感染拡大においては国及び医療機関がいったん収まった後に、なにもしなかったことが問題だと思っています。いまは責任を追及する必要がありませんが、総理大臣と医師会会長はCOVID-19の無作為で感染拡大を招いた責任を取って止めるべきだと思います。人格障害について考えるところをもう少し述べたかったですが、昼休みも終わりましたので、今回はこれぐらいにしておきます。
2021年03月01日
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プレグジットが完了して2週間。イギリスはCOVID-19の変異型の流行で大変みたいです。いくつかの都市では外出禁止令(ロックアウトと私はいっていました。自粛により強い処置としてロックアウトというとあまり厳しく感じないので、これからは外出禁止令ということにします。単に趣味の問題です。)が出ているようです。イギリスでは既にマスクをしていないことに対する罰則があります。しかし、どこでマスクをしなければ罰則になるかの判断が難しいことから、有名無実化している状態です。しかし、COVID-19の変異型の流行がマスクをしなかったことによるかはまだデータが確定していません。オランダで比較試験を行っています。この結果、ヨーロッパではマスクが取り入れられていますが、全員が受け入れているわけではありません。「だって ぶんけんよんでも ますくしてても かんせんするひとおるもんね するしないかは うちの じゆうじゃけん」なのでしょう。だから罰則が必要になりますが、法律がきちんとしていないと有名無実になります。厚生労働省や経済産業省は分かっているでしょうが担当大臣は理解しているのかな?ここで話が変わって天然素材は合成物よりもいいと言い切る、えせエコロジストにひと言。あほか 天然物は成分量が一定せぇへんから 合成スルンや 下手したらロットごとに有効成分の吸収量が夾雑物によって変わるかもしれへんから、医療用医薬品は苦労して合成スルンや、天然物だけ入っているサプリメントをのむやつは博打やっているのとおんなじや。最後に機能性食品血圧が130mmHgを超えているから、宣伝している機能性食品を食べようと思っている方、こちらの報告書を読んでからにしても遅くはありません。(やめときとわたしはいいたい)機能性食品はそのパッケージごとにお薬手帳に貼付することができるようなシールを添付することを提案します。特定保健用食品もおなじ。理由は上の報告書参照。報告書では自分でメモするように提言していますが、意識の低い人にそんなこと低減しても効果があまりないと思うので、お薬手帳用のシールを提案します。
2021年01月15日
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日本では同調圧力が強いので、マスクをする従ってCOVID-19の発生率は低いという人がいます。これは山本七平の「空気の研究」で詳しく検討されています。わたしはこれに一つ加えたいと思います。同調圧力が強い故に、同調圧力がかからない場では無茶苦茶するということです。それを代表する諺が「旅の恥はかきすて」です。英語では似た言葉に「what happens in Vegas、stays in Vegas」という言葉があります。英語では博打をする場所限定ですが、日本語では自分が住んでいる場所以外ではめちゃくちゃするということです。公共の福祉と基本的人権は日本国憲法では以下のように記載されています。第12条〔自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止〕 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。第13条〔個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉〕 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。第22条〔居住、移転及び職業選択の自由、外国移住及び国籍離脱の自由〕 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。② 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。第29条〔財産権〕 財産権は、これを侵してはならない。② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。COVID-19の感染防止のために営業時間の短縮などを自粛するように自治体の長や政府が要請しています。また、マスクの着用などを勧めています。マスクの着用をしない人間には罰則を与えようとする法律の改正論が上がっています。営業時間の短縮は私有財産の侵害ですが、この場合には憲法で正当な補償をしなければならないと記載されています。「正当な」というのはなにかは法律によって定めると憲法学者は述べています。感覚的には正当な補償ということを真剣に立法府が考えて、行政府が実行することになります。たとえば、自粛前から赤字の業者が、自粛によって時間制限がかけられた結果、赤字が小さくなった場合に「正当な補償」は発生するのでしょうか?一律のお金を配ることは「正当な補償」でしょうか。自粛は求めているだけで、義務化しているわけではないということから「補償」は発生しないという考え方もあります。しかし、素人詐欺師を輩出させた法律のようにやはり去年の売り上げに対して「補償」するという方法をとるべきであると思います。民主主義の大前提は多数決であり、しかも少数の権利を守るためには「寛容、討論、譲歩という民主的過程」を経なければならないことは自明であるように思いますが、少数派の行動に関してはなにも議論がありません。今回のトランプ支持派の議会乱入事件は民主主義に反するものではなく、(民主主義にあっているとはいいません)民主主義が想定していなかった暴動なのかもしれません。多数決で負けたものはその差がたとえ1票差であっても多数派に従わなければなりませんが、多数派はその差が小さいほど「譲歩」を求められるという考え方は間違っているでしょうか。私は上記のように考えています。日本では自民党が多数派ですが、多数派が長期間政権を担うと色々問題が生じるというのは分からないではないですが、自民党は1度政権から落ちています。どちらかというと安倍政権が長すぎたのかもしれません。説明責任という言葉を有名無実なものにしてしまったことに対して安倍政権は今後の評価で決して高い物にはならないでしょう。もう一つの問題は野党が与党の代替にならないことです。例えば、自民党大会が行われているところがテロで爆破されたときに野党は政権を担えるでしょうか。本来の対案を出し、妥協点を見つけるというやり方をやっていれば、自分の言葉に縛られてにっちもさっちもいかなくなった民主党政権のようなことにはならないでしょうが、今を見る限り、政権を取る前の民主党のやり方と同じで自民党の問題を出すだけで、妥協点を見つけられるような対案を出しているとは思えません。日本が世界に誇る官僚制度は今は隠したくなるような状態です。政治の問題に関しては全て小選挙区制が間違っていたと思います。参考資料「空気」の研究【電子書籍】[ 山本七平 ]価格:693円 (2021/1/13時点)楽天で購入高いなぁ。古本屋を探せば100円あるいは50円で手に入るかもしれません。日本国憲法 これはリンク先いらないですよね。基本的人権と公共の福祉に関する基礎的資料 基本的人権の保障に関する調査小委員会民主主義の原則 – 多数決の原理と少数派の権利 Bureau of International Information Programs “Principles of Democracy”
2021年01月13日
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高血圧は血圧を下げると心血管障害で死ぬ可能性が低くなることが、大規模なコホート研究でで確かめられています。ただし、血圧を下げるために用いられた薬剤は利尿剤とカルシウム拮抗剤です。また、未治療のコホートから血圧がどれぐらい上昇すると心血管障害で死ぬ可能性が高くなるかも計算上出ています。データで見ると血圧が低いほど心血管障害で死ぬ可能性は低くなっています。しかし、心血管障害で死んだ人の数は110mmHgの層で一番多くなっています。これは母数がこのあたりの血圧を持っている人が最も多いからです。言い換えると可能性は低くなりますが、心血管障害で死ぬ可能性は0にはならないからです。日本では心血管障害で死ぬ人の総数は減っています。日本は世界で有数の平均寿命が長い事で知られています。高血圧は4000万人ぐらいいて、そのうち1000万人ぐらいは診察も治療も受けていない。この人たちに治療を施すことで、心血管障害で死ぬひとが減らせると言っている専門家が多いですが、これは製薬会社に利益を与えるだけとしか見えません。細かく見ていけば、高血圧治療により心血管障害が減るかもしれませんが、(実際には減らないと考えています。)平均寿命から考えるとそろそろ女性では伸び悩んでいることから、そんなレベルの話では無いと思います。表題と違うと声がとんできそうです。前書きで高血圧は下がると減るという話で実はにしようと思ったのですが、高血圧の話をすると止まらなくなりました。もうひとつだけ付け加えると、高血圧の薬は某武田製薬工業を除くと国内メーカーでは利益を上げる分野ではなくなっています。だから、「利益を与えるだけ」というのは「利益を与えて、見返りを期待している」ということです。見返りを渡すことを考えるような製薬会社はいません。(ここは言い切ります)で、糖尿病の話です。糖尿病が心血管病のリスクファクターである事はだれも疑いません。データもあります。しかし、血糖値を下げても心血管病の可能性は低くなりません。これも試験を行ってデータで確認されています。じゃあ、糖尿病の一次予防(病気にならないように生活習慣を改める)と言うことになるのですが、そう考えない人もいます。それが、今回紹介しようと思った文献です。A cardiovascular disease-linked gut microbial metabolite acts via adrenergic receptorsNemet I et al. Cell 2020;180:862-77.です。この人たちは、糖尿病は代謝異常と考えて、糖以外の代謝物に目をつけて研究を行っています。その結果心血管病に関連する糖尿病で特有の代謝物を発見したということです。この物質はフェニルアセチルグルタミン(PAGln)です。この血中濃度が高い人は明らかに心血管イベントが高いことをコホート研究(観察期間3年)で明らかにしています。この物質は腸内細菌叢で作られる化合物であることは、抗生物質を投与した人でのフェニルアセチルグルタミン(PAGln)が低下することから裏付けられています。この著者の結論では、糖尿病→原因不明→フェニルアセチルグルタミン(PAGln)を作る腸内細菌の増加→循環血液中のPAGln増加→血小板の交感神経を活性化し、血栓形成→心血管障害との仮説を提出しています。普通の腸内細菌ではフェニルアラニンをフェニル酢酸にする細菌が優性でフェニル酢酸は門脈に取り込まれず、糞便中に排泄されます。血小板の交感神経を活性化することが問題である事から、βブロッカーが効果があるのではと提言しています。βブロッカーはかつては高血圧によく使われていましたが、最近はあまり使われていません。糖尿病が腸内細菌叢に影響するのか、腸内細菌叢が糖尿病を引き起こし、さらに心血管障害を引き起こすのかに関しては今のところ誰も確かめていません。薬剤費を減らして食品で一次予防を行うためにこの文献はとっかかりになるのではないでしょうか。高血圧に関しては以下にまとめて書きました。保険財政改善への提言。高血圧症治療の降圧剤は保険適用対象を絞るべき
2021年01月08日
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尾崎誠司氏の「選手の不倫に罰を与えるのは専門家の統治組織がやることではない」という記事は面白かった。べつに不倫がどうこうという話ではなく水泳連盟がなにをすべきであったかに対してのコメントから医学教育の徳倫理偏重に対する疑問に対する日頃からの考えを述べたものです。 専門家はその専門において力を発揮すべきであり、倫理性によって専門性が犯されてはならないと言うことです。 例えば「COVID-19の感染が広がる中、医者が看護婦と合コンを行った」ということに対して、看護婦と合コンを行ったことは別に攻められることではなく、COVID-19を広げないためには3蜜を避けるべきだという専門家が出している方針を専門家が破ったことを責められるべきということです。 医学教育では「医師は、まず立派な人間でなければならない。立派な人間として、患者から尊敬や信頼の対象となることがまず大切である」が基本スタイルになっているそうです。尾崎氏はこのことに関して非常に気持ちの悪さを感じているそうです。 理由は医師は権威者として患者よりも強者の立場にたってはいけないということと述べられています。全く賛成です。専門知識の欠如を人柄で補ってはいけないともいえるからです。 マスコミは医者に権威を感じています。ですから、薬害などの可能性があると声高に医師を責めます。「人として後ろ指をさされるような行い」として責めて、専門家的な視線にたった発言を抑えてしまいます。過去のエイズ薬害、イレッサの間質性肺炎(これは薬害ではありません)に関しての裁判記録や学会での総括(文献になっています)をみれば明らかです。 国民視線という言葉があります。これって、単純にマスコミや野党の目線であることが多いと思います。例えば、原発に関して国民はどう思っているのでしょうか。6分4分ぐらいで原発廃止の人が多いかと思います。しかし、のこり4分も国民なのです。 少数意見を取り入れることが重要ならば民主主義の原則である多数決はどうなるのでしょうか。というのは一種の詭弁です。法律が成立するかどうかは多数決で決定しますが、その法律が少数例の権利を侵すものであるならば、法案を多数決で否決すべきべきだと思います。 今日読んだ本なんとなく 半村良の太陽の世界(電子書籍だと18巻合本)を再読したくなった。どれだけかかるか。海王ダンテ(11)【電子書籍】[ 皆川亮二 ]価格:660円 (2020/10/22時点)楽天で購入
2020年10月22日
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今年になって3番目のADHDの治療薬「インチュニブ®錠1mg・3mg」が発売されました。類似薬効比較方式(Ⅰ)で補正加算はなしです。(比較薬はストラテラです。)最初にでたコンサータも1日薬価は同じくらいです。コンサータはメチルフェニデートの徐放剤です。メチルフェニデートそのものはリタリン錠という名前で抗うつ剤、慢性疲労、ナルコレプシーの治療薬として用いられていました。日本でも1961年に薬価収載され、再審査も終了しています。うつ病の抑うつ作用に関しては、現在発売されている最も新しい薬よりも即効性で確実な効果を示します。しかし、リタリンには依存性があり、またうつの場合には症状改善時に自殺企図のリスクが高まります。実際に依存性を持ったうつ病患者が自殺したことが問題になって、リタリンに関してはナルコレプシー以外の効能はなくなりました。ここで問題にすべきはリタリンの処方を漫然と行っていた医者の方にあります。コンサータはADHDの問題行動を抑えるのに切れ味がありますが、12時間の徐放性ですが、血中から消失するとその効果は消えます。ですから、朝、学校へ行く前に飲むと、ほぼ正常な学校生活を送ることは可能ですが、帰ってきて効果が切れるとまた家庭で問題行動を起こします。結局コンサータにしても対処療法であり、ADHDという病気を治すものではありません。今のところはADHDの子供が問題行動を抑えることは、年齢を重ねることによって徐々に改善することが分かっています。認知行動療法によってその効果は促進することも明らかになりつつあります。問題は注意欠陥に関して、年齢を重ねることによっても改善しない場合が多いということです。脳の一部に遺伝性ではない欠陥があるということが分かっていますので、現在の脳に関する研究がさらに進めば根治療法が見つかるかもしれません。コンサータはリタリンと成分が同じことから悪い薬であると断言する方がたくさんおられます。くすりは逆さまから読むとリスクとよめるようにどんな薬も副作用が存在します。また切れ味の鋭い薬ほど、副作用が強いことはよくある事です。コンサータは効果がある間には食欲不振が続き、給食を食べることができない場合が多くあります。しかし、学校に行っている間だけ効果を示すような服用をしているかぎり依存性となる可能性はかなり低くなります。土曜日曜に関しては休薬していても問題はありません。漫然と使うと大変危険な薬である事は間違いありませんが、学校で問題行動を抑えることだけに絞ればかなり有用な薬です。コンサータに続くストラテラとインチュニブに関しては即効性は認められていません。最低2週間飲み続けてやっとすこしおとなしくなる程度です。長期投与によってスコアが改善するようなデータが示されていますが、先ほど述べたように年齢を重ねることによってスコアは改善します。対処療法の薬はステロイドと同じで漫然と使うのではなく、必要最小限に使うことが大切です。また、お医者さんや臨床心理士の方は薬の性質とその他の認知行動療法(ADHDでいえばペアレントトレーニングやソーシャルスキルトレーニング)を重視して、本人が社会生活を送れるような行動療法に力を入れる必要があると思います。時間がかかり、実際に質の高い認知行動療法を行える人材が病人に対して少ないことは明らかです。働き方改革にはソーシャルスキルトレーニングが必要な人に行き渡る政策も必要かと思います。
2017年08月13日
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ある受容体が病気の原因である事が分かると、抗体医薬品は比較的すぐにできます。当然 安全性試験をクリアする必要があるので、一定の時間が係りますが、スクリーニングにかかる時間は低分子医薬品に比べてとても少なく済みます。問題になるのはその製造コスト。オプジーボは別の理由(対象疾患の患者数が少ない)があってとんでもないコストですが、他の抗体医薬品の原価そのものが高いことが問題です。最初の成長因子に対する薬剤「グリベック」は抗体医薬品ではありません。低分子医薬品です。成長因子の受容体の構造が明確になるに従って、抗体ではなく、低分子医薬品を見つけることは容易になっているのではないでしょうか。受容体における連続反応の一部を抑えるだけでも効果がある可能性があります。実際にADHDの治療薬は脳神経に直接働きかけるものと、周りから攻めているものに分類されます。脳神経を直接攻めると依存性が出るので、問題があることは分かっていますが、依存性を低くする一点に絞っても低分子医薬品の出番は残っている と 思うのはもう古いのかな?
2017年07月19日
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浅草の老舗すき焼き店がA5の霜降り肉の店で取り扱いをやめることがニュースになっていました。人間にも霜降り肉がある事はご存じですか?人間の筋肉には脂肪は蓄積することはないので、霜降り肉はないと思われていましたが、加齢、肥満および運動不足により筋肉にも脂肪が蓄積することが明らかになってきました。一般的に脂肪が蓄積するのは皮下と内臓周囲です。筋肉や脾臓、肝臓などに蓄積する脂肪を「第三の脂肪」として注目が集まっています。この「第三の脂肪」はインスリンの抵抗性を引き起こすことから糖尿病の危険因子として注目を浴びています。(内臓脂肪にもその効果があるため、一部混乱しているネット記事があります。筋肉に注目すると、糖尿病の危険因子となるだけでなく、見た目の筋力の低下につながることが分かっています。測定するには超音波で測定することが可能です。人種間で差があることは分かっており、黒人は白人に比べて蓄積する度合いが少ないことが明らかになっています。モンゴロイドはどの程度かは分かっていませんが、人口あたりの糖尿病罹患率が高いことから霜降り肉になりやすいのかもしれません。名古屋大学の高齢者を対象とした研究では男性にのみ筋肉の脂肪量と年齢が比例することが分かりました。高齢男女64歳のデータですので、女性は高齢者になる前に筋肉に脂肪がたまっている可能性があるので、実験計画の見直しを行わないとこの結論は統計的には正しいかもしれませんが、間違った実験計画による、間違った統計結果の可能性があります。
2017年02月15日
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現在の治療ガイドラインはエビデンスに基づいて作成されています。一番エビデンスレベルの高いのは複数のDBTを統合解析で従来治療よりも優れているというもの、DBTで優れているもの、単独試験で優れているものがエビデンスがあるものといわれ、オピニオンリーダーの個人的意見や症例報告はエビデンスには値しないと決まっています。エビデンスに値しないものは売り出したいためにネットなどで症例報告だけをのせて効果があるかのように宣伝しています。エビデンスに値しないものに関してはその通りだと思いますが、エビデンスレベルの高いものが本当に今選択すべき治療でるかどうかは、新薬の開発が次々と行われている場合には、分からない場合があります。エビデンスを高めるためには時間がかかります。そのため、古い薬ほどエビデンスレベルが上がる可能性があるということです。しかし、患者さんに使う場合は、その時にその患者さんに一番効果がありそうなものがにのるべきと考えます。治癒が望めない癌の治療で、新薬開発が進んでいる分野では毎年ガイドラインが更新されています。そこでは必ずエビデンスレベルが記載されています。肺がんのように手術不能例の5年生存率がほぼ0に近いような場合には患者の状況によって選択肢が異なる場合があります。例えば働き盛りの場合と平均健康寿命を超えている人では自ずと治療法が異なるはずですし、働き盛りの場合でも本人の生き方によって1年でいいから仕事がしたいという人と、仕事はやめてできるだけい来たいという人がいるでしょう。それによって、当然治療法は変わります。テーラメード治療というのは患者さんのがん細胞の成長因子免疫阻止具合から最適化するものと定義されていますが、本当は寝たり起きたりになっても長生きしたいという人と、1年でいいから社会生活を送れる(できればできるだけ長く)という注文に応えることもできて初めてテーラメード治療とよぶことができると思います。
2017年02月13日
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頭のいい子どもというのは言い過ぎかもしれませんが、将来的に脳に由来する精神疾患を予防するためにはどうするかについて少し考えてみます。人間の知覚、思考、記憶など、脳の高次機能をつかさどるのは大脳皮質です。胎児期に大脳皮質が作られる時、脳室帯というところにある神経幹細胞が、分裂して神経細胞を多数(約600個といわれています)生み出します。神経幹細胞は、放射状グリア細胞とも呼ばれていて、大脳皮質の表面に向けて長い突起を伸ばしています。この突起を伝って、神経細胞は大脳皮質の表面の方へ移動してきます。知覚のうち視覚の神経系が完成するのは小学校入学頃である事が分かっています。しかし、思考、記憶などに関しては私の知識の範囲ではいつ頃完成するかは知りません。しかし、乳児でも母親を見分けることから既に神経系としては完成しているのかもしれません。6ヶ月の乳児に正義感が存在することを示した臨床試験が先日報道されていました。(この件で正義感を示さなかった乳児のその後を知りたいのは私だけ?)大脳皮質は6層の神経層からできており、各層の厚さの違いから大脳皮質の部分ごとの役割が決まっているといわれています。ブロードマンの脳地図とよばれ、大脳皮質のある部分が損傷を受けた場合に、体にどのような障害がでるかという事実からほぼ正しいことが分かっています。さて本題です。この代の皮質の6層はどのようにしてできるのでしょうか。これにはリー林とよばれるタンパク質が関与していることが分かっています。最近の慶應大学の研究ではこのタンパク質が神経細胞同士の接着を一時的に強くすることを明らかにしました。培養細胞のレベルですが神経細胞にリーリンタンパク質を添加するとN-カドヘリンにより神経の接着が強まりますが、これは一時的Dら宇ことが明らかになっています。この一時的というのが重要で、マウス胎児で接着を強めたままにすると脳の層構造が乱れることが明らかになっています。これを人間で考えてみると、大脳皮質の6層構造は胎児の間に作られることが推測できます。ただし、その大脳皮質と体の各部分との神経ネットワークは、少なくとも視覚ネットワークは出産後に作り上げられると推定されます。きちんとしたリモコンは胎児の時に出来上がるので、リモコンがきちんとできるためには少なくとも有害物質、アルコールやニコチン、PM2.5あるいはそれより小さいものは胎児に届かないようにすべきかと思います。リモコンとリモコンによって動くものに関しては少なくとも視覚は出生後6年近くかけて整備されます。これもプラスマイナス1年ぐらいの個人差があります。これを他の思考や記憶に当てはめるならば、小学校では少なくともプラスマイナス1年以上の差がある可能性があります。平均値が分からないので今の一律な教育が正しいのかどうか分かりません。少なくとも2年遅れまでは、許容することで子どもの教育を勧めていくべきかもしれません。私の頭のいい子どもに成長するために必要なのは一律な教育ではなく、成長の早い子どもには飛び級を、遅い子どもには落第というと悪い響きがあるので、時間を与えるという他の呼称を考えた方がいいと思いますが、そうすることによって、全体としては、18あるいは20歳になれば、ある水準にはすべての人が達するのでは無いかと思います。後は個性に任せて、いろいろな分野に進めばよいと思います。
2017年02月08日
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少子化は解決すべき問題なのかを少し考えてみました。少子化の原因は経済格差の増大と子育て環境の劣悪化が問題となっているのは間違いではないでしょう。そうすると病気でも対症療法をいくら行っても、経済的に続けることができなくなった途端にまた悪くなってしまいます。根治治療を行えば治る病気もありますが、老衰という病気ではない死も存在します。その老衰を先延ばしするのがアンチエイジングですが、細胞の若返りが必要です。その手段としては今ある細胞のサイクルを早めるということになります。これが、経済格差や子育て環境の改善とも考えられます。もう一つは別の細胞を移植することです。これは移民を受け付けるということに当たります。この場合には拒絶反応に対する準備をしっかり行っていないと、死にいた得る場合があります。また骨髄移植した細胞が肝臓などでも生育することが認められているので、一部の業務に対して移民を行うことは政策的には無理があると思います。根本的な疑問として少子化でも構わないのではないかという考え方もあります。AI、ビックデータの利用によって、無くなる仕事はあっても、増える仕事はないでしょう。Amazonの実験ではレジ打ちがなくなるわけで、副作用としてレジ打ちの労働力が減ることが上げられています。AIの進化により、健康診断の結果は自動的に判断されるでしょうし、いわゆる総合診療(どの専門医にかかればよいか判断する診療)は健康診断の結果あるいはウエアラブル端末による経時的な本人のデータの蓄積により、現在よりも効率的に判断されることになります。医療現場しかよく分かりませんが、データマネージャーや統計部門も、AIに仕事を奪われる可能性が高い職種と思います。手術ロボットの進化により、手術技術の習得する必要のある人は減っていく可能性も高いと思います。非常に優れた外科医の技術をロボットに置き換えることは、初心社の外科医を患者を対象に技術を向上させることよりも倫理的には上のような気がします。AIは判断ができるということですから、この国をどんな方向に向けていくのかという目標を設定するヒト以外は、その目標を実現するための方法を最適化するのはAIの方が優れている可能性があります。東京で今騒がれているブラックボックスをなくすには官僚やスタッフの一部をAIに置き換える事により、指示、問題解決法の選択理由はすべてログを残すことで可能になります。少子化に予算を集中するのか、AIによる労働力の減少に予算を集中するのかは、大阪万博(あるとしてですが)までには決めておく必要があると思います。これが未来に対する政治の責任と思います。最初の大阪万博が日本経済の繁栄を招いた時と一致したので、今度の大阪万博が日本人の幸福度を上げる時と一致して欲しいと思います。
2017年02月07日
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