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にゃあにゃが血統書付きとは知らずに、新聞広告に「仔猫あげます」を見つけたのは、5月初旬でした。3月末は、何とか、主人の再就職先が決まって、ほっとしていた頃です。動物好きな私は、同級生にもらったジュウシマツに始まって、昆虫、沢蟹、カラス貝、ザリガニ、メダカその他、また熱帯魚、文鳥…一時は、蛇や苦手な蜘蛛も飼っていました。よちよち歩きの頃には、祖父と叔父の猟犬を抱いては叱られ、妹が生まれて、僻むというので、セキセイインコを買ってもらい…動物が傍にいなかった期間は、ほんの僅かでした。ああ、この頃、にゃあにゃは、数匹の兄弟猫と共に、生を受け、2カ月足らずで、母猫から引き離され、ペットショップのガラスの檻に入れられる運命も知らずに、母猫の愛情に包まれていたのでしょう。私はと言えば、週に1度、捨て猫が多いという公園を散策して、猫の影さえ、見つけられずに、がっかりして、帰宅するようになっていました。今度こそ、落ち着いて、猫と一緒に暮らせる!実の息子の失職に素知らぬ顔をしていた義両親に、再び、呼びつけられることはないだろうと甘い考えでいました。
2023/03/30
今月は、にゃあにゃが産まれた月です。その頃、我が家はてんてこ舞い。夫の勤務先が自己破産し、退職金の規約は、社員の知らぬ間に規約を変更。退職金規定なしとなっていたため、すぐにでも、職を探してもらわないといけない状況でした。経営の傾きかけた会社に、入社し、満足な昇給もないまま、給与の遅配が始まり、転職をせっついていたのに、職を探そうとしなかった夫。2カ月遅れの給与が当たり前になり、私が働けば、帰りが遅いとむくれられて、辞めざるを得なくなり…「〇〇たぁん、明日、いや、今日から、会社来なくていいって言われた」自己破産の予兆は、もう10年以上前からあったのに。そして、転職先を探そうともせず、たった1枚の履歴書を書いただけで、面接以前にふるい落とされ、戻ってきた履歴書の日付を修正ペンで直して、提出すると主張する夫でした。義父は「あんたの家で、3,4千万、いや、4,5千万出してもらって、暫く遊んで暮らせばいい」3千万以上の大金を、遊び暮らすために、実家に年賀に行く事も許さずにいた嫁の実家に無心しろという義父の言葉に、絶句しました。何度も繰り返された事ですが、どういう神経をしているの!?そのうえ、私の祖母が危篤で、見舞いに行かなければいけない時期でした。にゃあにゃは、そんな時期に、この世に生を受けたのでした。春とはいえ、肌寒い日が続き、我が家は、嵐のような生活の真っ只中でした。人生には、色々なことがあります。何をもって、幸せというのか…それは、その人の心が決めることで、私は、当時の事を、さほど不幸だとは思っておりません。「どうしてる?」と恩師に尋ねられ、笑って「夫の勤務先が自己破産して、転職して、落ち着いたところです」「何で、あなたが、そんな不幸な目に」と泣かれてしまいましたが、自己破産より遥かに辛く思ったことは、数多くありました。夫の転職で、猫を迎えることが出来るようになったのですから、私にとっては、むしろ幸運な出来事でした。春一番が吹き荒れて、穏やかな春の訪れを、心待ちにしていた日々でした。「にゃあにゃ」は、この頃には、まだ、母猫のお腹の中。
2023/03/02
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