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2024.05.26
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「毎日更新」読レポ第2085

カール・ロジャーズ

~カウセリングの原点~

著:諸富祥彦
発行:㈱KADOKWA

第7章 「静かなる革命」
 ロジャーズの「政治哲学」(1/5)

 『パーソナル・パワー―個人のうちなる潜む力とその革命的なインパクト』(Carl Rogers on Pesonal Powr:Inner Strength and its Revolutionary Inpact)(Rogers,1977)は、ロジャーズが自らのすべての仕事の意義を「政治」という観点でとらえ直した本である。

 「カウンセリングのロジャーズが政治?どういうこと?立候補でもしたっけ?」そう思われた方もいるかもしれない。ロジャーズが自分の仕事の「意義」を「政治」という視点からとらえ直したことが、その後の彼の仕事を大きく変えたのである。

 そのきっかけは、ある大学院生から「クライアント中心療法の政治についての質問」をうけたことにある。ロジャーズが「クライアント中心療法に政治などないよ」と答えると、その大学院生はゲラゲラ笑いだした。ロジャーズはたずねた。「なぜそういう質問をしたの?」。学生は次のように答えたという。「臨床心理学のエキスパートになろうと3年間大学院で頑張りました。正確な診断を下すことを学んだのです。 クライアントの態度と行動を変化させる種々の技法を学んできました。解釈と指導という名前の巧妙に操作する仕方も学びました 。その後 先生の著作を読み始めたのですが、僕が学んできたことすべてが反対なのです 先生は力(パワー)は自分にはなく、相手の中にあるとおしゃり続けてきました 。先生は、 僕が3年かけて築きあげた権力と統制の関係を完全に逆転させてしまったのです 。それなのに先生は、クライアント中心療法には何の政治もないとおっしゃるんですか!」

 ロジャーズは率直であり、どこまでも柔軟である。 聞き流しても仕方ない一学生との、このちょっとしたやりとりで、大きな気づきを得て、それが後の仕事の流れを変えていくことにつながったのである 。この出来事をきっかけに ロジャーズは、「自分はその専門家としての活動を通じて、実はずっと、ある政治を実践してきたのだが、そのことを十分に認識していなかった」と自覚し始めた 。もちろん、ここでロジャーズが言う、「政治」は、いわゆる政党政治ではない。心理学的・社会的用法におけるそれである。

と著者は述べています。

 ロジャーズはある大学院生からの「クライアント中心療法の政治についての質問」を受けた。その大学院生は、「クライアントの態度と行動を変化させる種々の技法を学んできました。解釈と指導という名前の巧妙に操作する仕方も学びました。その後先生の著作を読み始めたのですが、僕が学んできたことすべてが反対なのです。先生は力(パワー)は自分にはなく、相手の中にあるとおしゃり続けてきました。先生は、僕が3年かけて築きあげた権力と統制の関係を完全に逆転させてしまったのです。」と言った。
 ロジャーズは、「自分はその専門家としての活動を通じて、実はずっと、ある政治を実践してきたのだが、そのことを十分に認識していなかった」と自覚し始めて、その後のロジャーズは、ロジャーズが言う、「政治」は、いわゆる政党政治ではない。心理学的・社会的用法において活動へと変化していた。
 それは、私はロジャーズは上下関係など関係なく、率直であり、どこまでも柔軟である思考をもっていたからだと思う。まさしく、自己生成論、人間変化の論です。その自己生成論、人間変化は、率直であり、どこまでも柔軟である思考をもつことで変化して自己成長していくのだと思う。年齢を重ねると、自分の成功体験などから、ついつい自分の正しさに執着ぎみになる。まずは、自分の正しさを横に置いて、相手の話を肯定的に受容することです。自分の正さと相手の話しを受容して聞いたコトとを置いて、自分で選択することです。それには、相手の話を肯定的に受容することです。肯定的に受容とは、正しとか間違いとかの一切をもたずに相手の話しを受け取ることです。キャッチボールみたいなものです。





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Last updated  2024.05.26 16:50:41
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