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「毎日更新」読レポ第2122
カール・ロジャーズ
~カウセリングの原点~
著:諸富祥彦
発行:㈱KADOKWA
第9章 ロジャーズの教育論
ソクラテス―キルケゴール―ロジャーズ(1/2)
興味深いのは、「重要なことは他者に直接伝えることではできない」というこの考えについて説明している箇所でロジャーズは、キルケゴールの「実在伝達論」(ないし「間接伝達論」)に言及している点である。
人間が生きていく上で重要な真理は、直接教えることはできない 。キ ルケゴールはそのような認識に立って、「間接伝達」と呼ばれる独特の仕方で、他者に真理を伝達しようとした 。真理を伝えるのはどのような仕方において可能か、その方法原理について探索した。
ここでキルケゴールがとった手法が、ややこしい。それは 具体的には「一見、華やかで素晴らしいけども、ある種の空虚感をそのうちに秘めた人物を巧み描いた小説」を読ませる、という方法である 。たとえば『誘惑者の日記』という作品がある。これをキルケゴールは、わざわざ自分の名前とは違う名前で、つまり仮名を使い世に出している。それによって、その 小説をストーリーの面白さに惹かれて読んでいるうちに、読者が自分自身の存在の空虚感さにみずから気づいて真理を求め始める、という仕掛けになっている のである。人が真理を探究するようにしていく他ない。キルケゴールのこれらの著作には、キルケゴール自身の考えや信念は語られていない。著作の意図も明かさず、異なる著作名(仮名)を使って 文学作品を書き、それを読んだ人が、内面的な真理の探究に向かっていかざるをえなくなる仕掛けをおこなったのである 。
と著者は述べています。
ロジャーズは、キルケゴールの重要な真理を直接教えることはできないと指摘の「間接伝達」と呼ばれるのもに言及した。「毎日更新」読レポ第2245 承認欲求捨て… 2024.11.11
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