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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.06.25
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カテゴリ: 文芸

 若き日の村上さんから、現在の村上さんに向かって、
『風の歌を聴け』 から、ハッキリと一歩前進していることが分かる作品。
 「村上ワールド」の片鱗が、随所に見受けられる。

 僕と双子の不思議な関係。
 ピンボール・マシーン「スペースシップ」との再会に至るまでの
 何とも言えないワクワク感。
 そして、寂寥感に押しつぶされてしまいそうな「鼠」等々。

もちろん、 『海辺のカフカ』 のレベルには、まだまだ遠い。
ボリュームだって、たったの176ページだから、あっと言う間に読めてしまう。
それでも、この本には、私を引き付けるフレーズが、たくさん出てきた。
それは、こんなところ。

  「そうさ、猫の手を潰す必要なんて何処にもない。
   とてもおとなしい猫だし、悪いことなんて何もしやしないんだ。
   それに猫の手を潰したからって誰が得するわけでもない。
   無意味だし、ひどすぎる。
   でもね、世の中にはそんな風な理由もない悪意が山とあるんだよ。
   あたしにも理解できない、あんたにも理解できない。
   でもそれは確かに存在しているんだ。
   取り囲まれているって言ったっていいかもしれないね。」(p.92)

これは、ジェイが鼠に言った言葉。
理由のない悪意……
確かに、山のように存在している気がする。
次は、僕が事務所の女の子に言った言葉。

  「僕は不思議な星の下に生まれたんだ。
   つまりね、欲しいと思ったものは何でも必ず手に入れてきた。
   でも、何かを手に入れるたびに別の何かを踏みつけてきた。
   わかるかい?」(p.105)

このことに、僕は三年ばかり前に気付き、
それ以後、もう何も欲しがるまいと思ったという。
これからも、誰にも迷惑をかけずに済むから、一生そうやっていこうと。
それに対する、女の子の言葉が、

  「本当にそう思うんなら、
   靴箱の中で生きればいいわ」

僕が言うように、確かに、とっても素敵な意見だ!
そして次は、鼠がジェイに言った言葉。

  「それでも人は変わりつづける。
   変わることにどんな意味があるのか俺にはずっとわからなかった。(中略)
   そしてこう思った。
   どんな進歩もどんな変化も結局は崩壊の過程に過ぎないんじゃないかってね。
   違うかい?」(p.137)

そして、ジェイは答える。

  「違わないだろう。」

これは、よく分かる。
まさに、真実……。
しかし、後日、鼠はジェイにこう語るのだ。

  「ずいぶん考えたんだ。
   何処に行ったって結局は同じじゃないかともね。
   でも、やはり俺は行くよ。
   同じでもいい。」(p.164)

あぁ、これこそが人生、っていう感じ。
読後の満足感が、一作目に比べ、格段に大きくなった二作目だった。





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Last updated  2009.06.25 23:39:53
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