音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年01月25日
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テーマ: 洋楽(3407)
1番ではなくとも聴き逃せない好盤


 ボストン(Boston)は、バンドというより実質的にはトム・ショルツ(Tom Scholz)のプロジェクトといってもよい。1976年の デビュー作 、1978年の セカンド作 を発表した後は、マニアックで完璧主義な制作作業のため、永らく作品を発表出来ず、レコード会社から契約不履行で訴えられるなどした。そんな経緯の末、8年ぶりに出たサード作が1986年の 『サード・ステージ』 だった。

 これでボストン復活かと思いきや、次の第4作となる本盤『ウォーク・オン(Walk On)』まで、さらに8年を要した。途中、ベスト盤のリリースを挟んだものの、さらにその次の『コーポレイト・アメリカ』までもさらに8年かかることになる。つまり、80年代、90年代、00年代と結果的にオリジナル策は1枚ずつしかリリースせず、第3作から第5作まで8年おきという、リスナーの年齢層や音楽業界の動向が入れ替わってしまうほどの間隔を空けながらのスローペースで作品を発表した。

 さて、あるアーティストやバンドの作品には“1番ではないが外しがたい好盤”というのがしばしばある。ボストンの場合も、ベストの作品はというと、ファンの間でいろんな声があるにせよ、ほぼ最初の3枚のいずれかの議論になるだろう。でも、だからといってこの第4作は等閑視できず、個人的には当時繰り返し聴いたし、今でも時折聴きたくなって取り出してくる作品だったりする。

 本盤の特徴はいくつかあるが、最も大きいのは、ヴォーカルが交代していること。ブラッド・デルプはソロ活動に専念しており、フラン・コスモがヴォーカルを務めた。往年のファンはデルプじゃないと、と思うかもしれないが、この人のヴォーカルがまた秀逸で、高音にも滅法強い。次に第3作までクレジットされていた“シンセ不使用”の表示が消えている。これは、初めてストリングスのアンサンブルが3.「リヴィン・フォー・ユー」で使用されていることによる。

 アルバムはボストンらしさ全開の1.「アイ・ニード・ユア・ラヴ」で幕を開ける。ハードな音を期待する向きには受けのよさそうな2.「サレンダー・トゥ・ミー」が続くものの、全体としてはややポップな方向性の音作りとも言えそう。何と言っても聴きどころなのは、「ウォーク・オン・メドレー」と題された4.~7.である。表題曲の5.「ウォーク・オン」を軸とし、インスト曲の4.と6.を含むメドレーは、聴きごたえ十分な内容だと思う。ちなみに、トム・ショルツ自身の言葉(ライナーの解説)によると、5.は“世界中が座ったままでいる時、正しいものに立ち上がる人たちに捧ぐ”曲なのだとか。

 結局、ボストンはこの後も次作の発表までまた8年間かかることになる。そうして8年後にリリースされた第5作(2002年)、さらにはデルプの死(2007年)を経て、今度は11年の間隔を空けて出た第6作(2013年)へと続く経緯もいずれ取り上げたいと思う。


[収録曲]

1. I Need Your Love
2. Surrender to Me
3. Livin' for You

Walk On Medley:
4. Walkin' at Night
5. Walk On
6. Get Organ-ized
7. Walk On (Some More)

8. What's Your Name
9. Magdalene
10. We Can Make It"

1994年リリース




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ウォーク・オン [ ボストン ]




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Last updated  2018年01月25日 08時23分49秒
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