音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2019年10月02日
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20世紀の終焉…と言いつつも変わらぬ詞とサウンド


 1998年にリリースされた“世紀末”というタイトルのアルバム…。冷静に考えればあまりにベタというか、いかにもわかりやす過ぎるのだけれど、これでよしとなってしまうのが、老舗バンドと言えるのかもしれない。これまで本ブログには何度か登場しているのだけれど、EL TRIはロック解禁前の1960年代から活動を続けてきたアレハンドラ・ローラをリーダーとし、1980年代にメジャー・デビューしたメキシコのバンド。その12枚目のスタジオ作(ライヴ盤を含めると15枚目のアルバム)となったのが、本盤『フィン・デ・シグロ~世紀末(Fin de siglo)』というわけである。

 “世紀末”だから特別かと言うと、実は劇的にそんなことはなく、既に貫禄のついた1990年代の彼ら独特のサウンドをそのままに踏襲した作品に仕上がっている。以下、注目したい曲と個人的好みの注目曲をいくつか挙げてみたい。

 2.「ノスタルヒア(郷愁)」は表題の“世紀末”のノスタルジーをテーマにした詞のナンバーで、シングルとしてもヒットした。5.「キエン・ダ・ウン・ペソ・ポル・ミス・スエーニョス(誰が我が夢に金を出してくれるのだろうか)」は、メキシコの大作曲家アルマンド・マンサネロ(マンサネーロ)のナンバーだが、始めから終わりまで完全にEL TRI節に仕上がっている。8.「エル・ブルース・デル・タクシスタ」はメキシコシティを走り回るタクシー運転手をテーマにしたナンバー。ユーバー全盛の今となってはこれもまた郷愁を誘う(笑)。それから、外せないのは12.「トド・セ・バレ(すべてオーケー)」。密かにこの歌と演奏は本盤中ベストと言ってもいいのではないかと思っている曲だったりする。

 全体としては、前作 『クアンド・トゥ・ノ・エスタス』 (1997年)、前々作 『オジョス・エン・ラ・ボルサ』 (1996年)から続くサウンドと路線を踏襲しつつ先に進めたもので、まとめて“三部作”と呼んでもいいような気がする。このバンドは、人生の様々な側面を歌ったり、社会を皮肉ったりという内容の曲が売りではあるけれど、スペイン語がわからなくとも、特にこの時期のEL TRIは単純にロック音楽としてカッコいい曲が随所に見られる。そういう意味でも、本盤は上記2作と共に聴いてみる価値のある盤だと言えるように思う。


[収録曲]

1. Todo me sale mal
2. Nostalgia
3. El voceador
4. El futuro del mundo
5. Quién da un peso por mis sueños
6. Cásate o muérete
7. Gandalla
8. El blues del taxista
9. El Viagra
10. No hay pedo
11. Amarga Navidad
12. Todo se vale
13. Cotorreando con la banda
14. Razas gemelas

1998年リリース。





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Last updated  2019年10月02日 06時35分39秒
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