音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2020年04月19日
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テーマ: 洋楽(3407)
フィンランド発のバンド、デビュー作


 北欧はフィンランド発のハノイ・ロックス(Hanoi Rocks)。1980年にマイケル・モンローのバンドにアンディ・マッコイ(この人は既にスウェーデンで別のバンドでデビューしていた)が加入して結成されたパンクおよびグラム・ロックのバンドであった。結成の翌年、彼らは本盤『白夜のバイオレンス(原題:Bangkok Shocks, Saigon Shakes)』でデビューを果たした。

 全米に売り込むのは、これよりもさらに3年後のことだったので、本盤を制作した時点ではまだまだローカルなバンドであったことも確かだろう。なので、演奏に粗削りな部分があるのも事実なのだけれど、そうした垢抜けない部分も含めてハノイ・ロックスの魅力という風に思うのは、筆者だけではないように想像する。つまりは、決して悪い意味ではなくて、“ちゃちさ”や“雑さ”もぜんぶひっくるめて彼らの魅力だったと言えるんじゃないだろうか。

 収録曲の中でやはり目立っているのは1. 「白夜のトラジディ」 。北欧だからって、とりあえずアルバム名もシングル曲も “白夜”っていう日本語タイトルの案直さはいかがなものかと思うけれど、粗削りで、必ずしも完成度が高いわけではないことがかえって勢いがあることにつながっている。

 このナンバー以外に、個人的好みで何曲か注目したいものを挙げておきたい。カッコいいワウが印象的な2.「ヴィレッジ・ガール」は、このバンドの将来性が窺えたナンバーだと思う。4.「ネバー・リーブ・ミー(ドント・ネヴァー・リーヴ・ミー)」は、後にリメイクされるのだが(正直、出来は後のヴァージョンの方がよい)、アンディ・マッコイの曲作りのセンスの良さが見てとられる。ハノイ・ロックスらしさが典型的に表れたロック・ナンバーとしては、5.「ロスト・イン・ザ・シティ」や7.「涙のサンシャイン」が特にいいと思う。

 周知の通り、何よりも残念なのは、ドラマーのラズルの急死(1984年、自動車事故による)によってバンド活動が止まり、その翌年には解散して、文字通り“伝説のバンド”と化してしまったことであった(ただし、本盤制作時はまだドラムはラズルではなく、前任のジップ・カジノだった)。ちなみに、後の2001年、バンドは再結成し、『トゥエルヴ・ショッツ・オン・ザ・ロックス』など数作を残したものの、結局は2009年に解散してしまっている。




[収録曲]

1. Tragedy
2. Village Girl
3. Stop Cryin’
4. Don't Never Leave Me
5. Lost in the City
6. First Timer
7. Cheyenne
8. 11th Street Kidzz
9. Walking With My Angel
10. Pretender

1981年リリース。



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Last updated  2020年04月19日 08時45分04秒
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