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「低能」「バカじゃないの」「頭おかしいわよ」「気持ち悪い」・・・言葉の一つ一つに傷ついた。でも今にして思えば、当時「死ね」という言葉だけはみんな絶対に言わなかったような気がする。
家に帰ってしょげていると、当時同居していた祖父が喧嘩のいきさつを聞いて私に話しかけてきた。「何と言われた?」「バカ、アホ、気持ち悪い・・・」
そして「それでお前は本当にバカになったのか?」と尋ねた。
少し考えた。相手から「バカ」と言われたからといって、言われる前よりバカになったわけではないはずだ。そう思って「バカにはなっていないと思う」と言うと、祖父は「それじゃあ、そんなに腹を立てる必要はない」と言った。
「もし相手がお前を「バカ」と言って、それでその瞬間から本当にバカになってしまうのなら、必死に訂正させなければならない。でも相手がどんなに「バカ」と言ってもその瞬間から本当にバカになるわけではないのだから気にする必要はない。
人からけなされたからといってその瞬間から自分がダメな人間になるわけではないし、人から褒められたからといってその瞬間から素晴らしい人間になれるわけでもない。今いる自分は今いる自分のまま。言われる前も言われた後も何も変わりはしない」
祖父との不思議な会話が頭の中を行ったり来たりしている内に、腹を立てていたことをすっかり忘れてしまった(笑)。
言葉はもろ刃の剣。人を生かしもすれば殺しもする。人の言葉に簡単には傷つけられない手立ても必要だ。祖父はその手立てを一つ、私にくれたのだと思う。
あけましておめでとうございます 2013.01.01 コメント(12)
人に叱ってもらえる人に 2010.12.04 コメント(16)