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恥ずかしいのはどちらだ。 金をやっているのだから言うことを聞けというのは、何とも品性に欠ける発想である。 大学の交付金は文科相の私財ではない。国民の税金を使わせてもらっていることへの感謝は、もっと実質的な研究、教育の成果によって具体化すればよい。大学とは、独立した研究者がものを考え、知的に自立した人間を育てる場である。
反抗と刷新は表裏一体である。旧弊に反旗を翻すのは、若い世代の役割である。 明治時代後半、維新を知る世代はいなくなり、若者は学校制度の中で立身出世のための学問に専念するようになった。
この時、ジャーナリストの三宅雪嶺は「独立心を憎むの官吏が教育を監督し、独立心を憎むの教員が授業を担当していては」、独立心を持つ人間は育たないと慨嘆していた。そして、当時の教育が「有識有能の奴隷精神」を涵養(かんよう)すると批判した。
せっかく18歳選挙権を実現しても、高校生の政治活動を届け出なければならないというお達しを促す県もあると報じられている。現代の教育行政を担当する官吏も、よほど奴隷精神が好きなのだろう。
(法政大教授)
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