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2016年05月14日
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テーマ: ニュース(100344)
カテゴリ: 政治問題
 憲法をテーマにした映画を完成させた監督の松井久子氏について、4月24日の東京新聞は次のような記事を掲載している;



(安藤恭子)


 スクリーンに大きく映し出される国会議事堂。「政府は集団的自衛権の行使容認に突き進み、数の力で強行採決。総理は悲願の憲法改正を成就したいという」。こんな警告のテロップから映画は始まる。

 「憲法の主人公は私たち国民で、権力の暴走を止めるのも私たちのはず。 国のかたちが変わろうとしているのに、無関心で危機感のない人たちが多い日本 は、やっぱり不思議なクニ」。松井さんはタイトルの意味を説明する。

 松井さんは東京都江東区出身。早稲田大文学部を卒業後、雑誌のライターや俳優のマネジャー業を経て、テレビの番組制作会社を設立し、多くのテレビドラマを手がけた。映画の初監督作品は1998年公開の「ユキエ」で、国際結婚の夫婦の愛と老いを描いた。

 その後、フェミニズムを扱ったドキュメンタリーや、認知症がテーマの「折り梅」など社会派映画を制作し、今回が5作目。「憲法は政治的なテーマではなく、生活に根差しているもの。この社会に生きる一人として向き合いたい」と昨年5月3日の護憲集会から撮影をスタートした。

 国会前の安全保障法制反対デモなどにも足を運び印象的な人に出演を交渉。札幌市では昨年6月、「戦争したくなくてふるえる」との印象的なフレーズで安保反対デモを呼びかけた当時19歳の高塚愛鳥(まお)さんを取材した。「お嬢さんが一人で声を上げるっていうのは、ネットが普及した今だからできる自由な運動。かって体験した大学闘争を思い、新鮮に映った」

 作家の瀬戸内寂聴さんは、中国で幼い娘と敗戦を迎えて「殺される」とおびえた体験から「戦争は誰も幸せにならない」と訴える。国民主権をうたう憲法の誕生には 「涙が出た。戦争で死んだ人たちに魂があれば、どれだけ喜んだか」。

 自民党憲法改正推進本部長を務めた船田元氏は「日本を守る他国がやられそうになった場合、助けに行くという憲法解釈はぎりぎりのところ」と改憲の必要性を説く。議席を失っていた2012年に公表された党憲法改正草案には「国防軍という言葉はマイナス。国民投票に耐えられない」と不満を漏らす。

 9条だけでなく、沖縄の基地問題や男女の平等、若者の政治参加など、憲法をめぐる問題を平易に伝えている。

 映画は最後、「あなたはどんな未来を選択しますか」と問い掛ける。松井さん自身はどうか。

 「憲法の前文には、私たちが目指すべき生きる姿勢が書いてある。私自身は9条の理想を守りたいし、個人の自由を保障している他の条文も大切に思う。映画をきっかけに、一人一人が自分ごととして憲法を考え、違う意見の人とも対話を広げてほしい」

 映画は5~6月、渋谷や横浜、名古屋で公開されるほか、参加者10人以上の自主上映会へのDVD貸し出しも行う(劇場公開中の地域を除く)。詳しくば「不思議なク二の憲法」の公式サイト(http:\\fushigina.jp)へ。


2016年4月24日 東京新聞朝刊 11版S 26ページ「映画で語る24人の思い」から引用

 憲法は権力を縛るものですから、その憲法を変えようという声が「縛られる」立場の政治家から出てきたということは、まるで、刑法で取り締まられる立場の泥棒たちが「今の刑法ではやってられないから、変更しよう」と声を上げているようなものです。したがって、自民党の改憲案には賛成できない、これが常識的な判断というものでしょう。松井監督が言うように、国民はもっともっと改憲論に注意を払うべきだと思います。また、上の記事の中でも、瀬戸内寂聴さんのコメントは心にしみます。先の十五年戦争では、政府の命令で多くの国民が戦争に動員されて命を落としました。今の憲法は、国が国民に戦争にいくように命令することを禁止しているわけで、そういう憲法を制定した私たちの考えを天国の戦没者は賞賛していると思います。








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最終更新日  2016年05月14日 15時41分39秒


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