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2016年07月05日
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カテゴリ: 社会問題
 年老いた妻の介護に疲れた夫が起こした殺人未遂事件について、6月26日の東京新聞は、次のように報道した;




 逮捕容疑では、同日午前零時40分ごろ、自宅一階の寝室で、○○さんの鼻や口を手で押さえるなどして、殺害しようとしたとされる。調べに同容疑者は「妻を殺そうとしたのは間違いない。10年ぐらい介護し、疲れたのでやってしまった」と容疑を認めているという。

 署によると、同容疑者は「妻の首を絞めて殺した」と自ら110番。駆け付けた署員が介護用ベッドの上であおむけに倒れている○○さんを発見した。夫妻は2人暮らしで、自宅敷地内の別棟に長男家族が住んでいる。

 ○○さんは約10年前から体力が衰えて歩行が難しくなり、同容疑者が主に介護に当たっていた。○○さんは4月から同県鶴ケ島市内の老人保健施設に入所していたが今月上旬、自宅に戻っていた。


2016年6月26日 東京新聞朝刊 11版S 29ページ「殺人未遂容疑で87歳の夫を逮捕」から引用。尚、文中の加害者被害者の氏名は引用者の判断で伏せ字とした。

 この記事が示すような、介護に疲れた人が引き起こす不幸な事件は時折ニュースとして伝えられます。その一方で、行政から我々に伝えられる「介護の心得」は「自助、互助、共助、公助」となっており、最も優先されるのは「自助」、自発的に生活課題を解決すること、となっています。そう言われるとどうしても、自分の妻のことは自分で面倒見なくては、という思考回路に閉じ込められて、上の記事のような悲劇に行くつくことになるのではないかと思います。十分な経済力があって、大家族で生活できるような立場の人々であれば「自助」を最優先で快適な生活を送ることは可能かも知れませんが、上の記事に見るような、同じ敷地内に息子夫婦が別棟に住む、といった程度の「経済力」では、とても満足な「自助」は難しいのであって、私たちは、もっと「公助」の門戸を広げるべきだと思います。乳幼児の保育と高齢者の介護は社会が担う、そういう社会を、私たちは目指すべきだと思います。








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最終更新日  2016年07月05日 19時56分48秒


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