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2024年09月02日
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テーマ: ニュース(100340)
カテゴリ: ニュース
靖国神社の宮司や崇敬者総代に定年退職した自衛隊幹部が就任するという異常な事態について、元文科官僚の前川喜平氏は、8月18日の東京新聞コラムに、次のように書いている;




 日本国憲法の政教分離は国家神道の否定に眼目があるが、それは何より「軍教分離」でなければならない。現人神(あらひとがみ)とされた天皇を大元帥と仰ぎ、軍国主義に突き進んだ軍部が、国民を戦争に駆り立てた精神装置が靖国神社だからだ。

 防衛省は自衛隊の部隊参拝を禁止しているというが、木原大臣の参拝はむしろそれを促進するだろう。自衛隊員の集団参拝は次々と明るみに出ている。 靖国神社の崇敬者総代に元陸上幕僚長、宮司に元海将が就任するなど、旧軍へ回帰する危険な事態が進んでいる。

 石橋湛山は1945年10月に発表した論考で、靖国神社の存続は「我が国の国際的立場に於て許さるべきや」と問い、国民にとっては「唯だ屈辱と怨恨(えんこん)との紀念として永く陰惨の跡を留むる」ことになるとして、「之れを一掃し去ることが必要であらう」と論じた。

 靖国神社は国家から切り離して宗教法人にするのではなく、むしろ神道から切り離して国立の平和祈念公園か何かにすべきだったのだ。
(現代教育行政研究会代表)


2024年8月18日 東京新聞朝刊 11版 19ページ 「本音のコラム-靖国神社廃止論」から引用

 この記事が言うように、靖国神社は「現人神である天皇を守るために命を犠牲にした国民を神として崇める」という神社だったのだから、戦争に負けて侵略戦争を反省し、陸軍省・海軍省を廃止し、天皇が「自分は神ではない」と宣言したときに、靖国神社も同時に廃止するべきであったと思います。戦後80年になるというのに、今どき自衛官を退職して靖国神社の宮司に就任するなどという「事態」が始まっているからには、今からでも「靖国神社廃止に向けた議論」を始めるべきだと思います。靖国神社を廃止した暁には、現在ある社屋は解体し、神社の敷地は「戦没者祈念公園」として、立派な追悼碑を建てるのが良いと思います。それにしても、戦争に負けたその年に靖国神社廃止論を発表した石橋湛山氏は、「靖国神社の存続は国民にとって唯だ屈辱と怨恨との紀念として永く陰惨の跡を留むる」ことになるだけだから廃止するべきだと主張したとのことであるが、また確かに戦没した日本軍兵士は、勇敢に戦って戦死した兵士はごくわずかで、大部分は当時の日本政府や軍上層部の戦争指導の不手際で、食料武器弾薬を継続的に供給できなかったために飢死した兵士が5割以上もいたという「事実」は、遺族に伝えられていないせいか、はたまた、「親族がこのような立派な神社に祀られるのは名誉だ」と思い込んでいるせいか、石橋湛山氏が憂えた「屈辱と怨恨との祈念」にはなっていない点が、当時の「靖国神社廃止論」の弱点と関連しているのかなと思いました。





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最終更新日  2024年09月02日 01時00分09秒


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