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「忘れられない宿/Morereのバックパッカー」では、
なくした指輪の事を気にしながらも心地良くぐっすりと眠る事ができました。
とても良いお天気に小鳥たちの声で目覚めた私は
おじいさんと一緒に朝食を食べてから
宿泊料金$10を支払うと出発の順備を始めました。
おじいいさんは指輪の事をとても気にしてくれている様子で
私の荷造りの間これからの道のりを訪ねてきました。
ここから海に向かうとMahia Peninsula があります。
その半島にあるBeachに行った後Napierへ向かうと告げると おじいさんは
「じゃあーその郵便局止めで手紙を出しておくから取りに行きなさい。」
と言って自転車に大量に積まれた荷物を興味深そうに眺めていました。
9:30出発。
私はおじいさんに「ありがとう」と「さよなら」を元気に言うと、
海に向かって峠を一気に下って行きました。
ほとんどペダルを踏む事もなく次の町(Nuhaka)まで行くと、
大きな道を外れ半島へ続く道の方へ入っていきました。
海沿いの道なので平坦な道のりかと思ったら、
ちょっとしたアップダウンの続く厳しい道になっていました。
周りは家一軒もなく車も通る事はなかったのですが、
とても綺麗に舗装されていました。
時々野ウサギが道を横切るのを楽しみながら何とかMahia Beachまで出ると
やっと平坦な道になり家も見えてきました。
お昼ちかくなった頃雲行きが怪しくなってきたので先を急ぐことに。
1時間ほどBeachを走ったところに今夜泊まる予定の
Motor Campに到着しました。
12:00、Mahia Beach Motor Camp(camping at $8 ) 到着。
ものすごく広いMotor Camp場だったのですが、
ガランとしていて誰一人みあたりません。
雨もパラパラし始め薄暗くなってきたので急いでチェックインしに行きました。
小さな家の中からニコニコしながら優しそうなおばさんが出てきました。
一泊したい事を告げるとおばさんは
「OK!どこでも自由に使っていいわよ♪」
とだだっ広いキャンプ場を指差しながら私に言いました。
どうやら今はシーズンオフなのでお客さんがいないようです。
とっても綺麗で大きなBeachなのでシーズン中はこのキャンプ場も
人でいっぱいになるのでしょう。
キャンプ場の真ん中にキッチンとシャワー室のある小屋があったので
その近くにテントを張ると早速昼食をとることにしました。
すると小学生くらいの男の子が一人入ってきました。
よく見ると大きなキャンピングカーが一台止まっています。
家族でこのキャンプ場へ来ているようでした。
昼食を食べ終わるとどうしても指輪の事が気になったので、
GisbornのYHAへもう一度電話をしてみる事にしました。
キャンプ場から少し離れたところに公衆電話が一台あったので、
喋る事をメモしてから思い切って電話をかけました。
しばらくしてやっと男の人が電話に出たので指輪の事を聞いてみると、
やっぱりなかったとの返事でした・・・
でもやっぱり気になるので明日もう一度Gisbornへ戻り、
自分で探してみる事にしました。
小雨が降っていて薄暗く人の気配さえなかったので
何だかとっても寂しい町に見えます。
Beachの他、特に見る所もなさそうだし雨脚も強くなってきたので、
今日はもう大人しくテントの中で過ごして早めに寝る事にしました。
キャンプ場の受付がこの町唯一のお店になっているようなので、
少し買い物に行くとおばさんが出てきて、
「明日はどこに行くの?」と尋ねてきました。
Gisbonへ行くと言うと、
しばらくしておじさんも出てきて
「明日私達もGisbonへ買い物に行くから乗せていってあげるよ。」と。
私は迷うことなく一緒に乗せてってもらうことに♪
あの一気に下ってきた峠の事を考えると
とてもじゃないけど1日では行けないなと
思っていたので本当に助かりました。
次の日の朝。
チェックアウトを済ませ、
私の大量の荷物と自転車を車に積み込むと9:00出発。
あの峠の途中、
あのMorereのバックパッカーがぽつんと見えてきました。
昨日の事なのに何だかものすごく懐かしく感じます。
2日かけて通った道もあっという間に通り過ぎGisbonの街へ着きました。
おじさん達が買い物するというスーパーで私も降り、
お礼を言うと今日はGisbonに泊まる予定もないので
次の街‘Wairoa'へ行くバスの予約をし
そこで荷物を預かってもらい身軽になった私は急いでYHAへ向かいました。
確かにここの階段に指輪を置いたのですが・・・
やっぱりありません。
もしかしたら下に落ちてるかも・・・
と思い雨が降って来たのですが草の根を掻き分けるように
必死になって探していました。
するとその様子を見ていたのか
ここに宿泊してる男の子が一人トコトコとやってきました。
どこの国かは分からなかったのですが英語で
「どうしたの?何かなくしもの??」と
とても心配そうに話しかけてくれました。
父にもらった指輪をなくした事を話するとその男の子は
「OK!」と言うと雨の中一緒に探し始めてくれました。
私は嬉しかったのですが雨も降ってるから断ろうと思ったけど
もう彼は座り込んで一生懸命目を凝らして探してくれていました。
5分くらい経ったでしょうか・・・
もう2日も前になくしたものだからしかたないと私もやっと諦め付いたので、
彼に「もう見つからないと思うから・・・ありがとう!」と言うと
彼はとっても残念そうに、
私に気を落とさないようにと慰めの言葉をかけてくれました。
もう諦めの決心も付いたので、
雨の降る中YHAを後にしました・・・。
11:30のバスに乗り、
指輪をなくしてから今までいろんな人に助けられた事を思い出しながら、
またあの峠を超え、あのバックパッカーの前を通り過ぎ、
Wairoaへ向かいました。
峠で私を拾ってくれたあのキューイーの人達、
そしてバックパッカーのおじいさんに、
キャンプ場のおじさん&おばさん、
最後に雨の中一緒に指輪を探してくれた青年、
みんな本当にありがとう・・・
そして5日後。
‘Napier’の郵便局でMorereのおじいさんからの
「指輪が見つからなくて残念だったね・・・」
という慰めの言葉と
「力になれなくてごめんね・・・」
という優しい言葉の書かれた手紙を受け取り、
私の「ロード・オブ・ザ・リング」は
THE END...
忘れられない宿. 2 2007.06.24
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