幸田露伴『五重塔』 つかこうへい『蒲田行進曲』 の読後感
変な取り合わせかもしれない
でも、たまたま2冊を続けて読んだら似て似つかない2冊なのに
「サドマゾの世界がおんなじだ」と思ったのが印象
教科書に出てくる幸田露伴『五重塔』内容は十分知っている、はず
『五重塔』、教科書の場面は
嵐の中、作りかけの五重塔で大工十兵衛がすっくと立って、夜叉のように守り通す
が強く残っている
いやいやそれはわたしの理解不完全読み不足、ポイントはそこにない
技術はあるのに小才のきかないのっそり大工十兵衛が
力量世慣れすぐれている親方・師匠の源太を押しのけて
なんとしても五重塔の塔を棟梁になって作る権利を得たかった
義理も人情もへったくれもない、エゴイズムの
そのすさまじい、ごり押しの場面はサディスティックでもあり
願いかなって塔を作り出していく場面はマゾヒスティックでもあるのである
文豪幸田露伴さんの文学性に不謹慎かもしれないけども
片や、つかこうへい『蒲田行進曲』映画や芝居で有名である軽快な蒲田行進曲が頭に浮かんでくるほど
大好きな<銀ちゃん>こと俳優銀四郎にいびられ可愛がられ
銀ちゃんが妊娠させた元スター女優小夏を押し付けられ結婚した
<ヤス>ことしがない大部屋の哀しきピエロの苦しみ
原作を初めて読んで映画と違い
前半はヤスの独白、後半は小夏の独白さすが直木賞文学、軽快なテンポでたたみかけるようなすこぶるSMで
堪能してしまったのだが(アレ、アレ
偶然に読み継いでしまっただけなのに大発見であった
* 林真理子の『白蓮れんれん』は次の機会に
よみがえり 2023年12月21日
こういうエンタメが好き 2023年12月19日
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