その後も、皆でテレビを観る。 「真相報道バンキシャ!」だったか、業務再開へ向けて奮闘する陸前高田市の老舗醤油醸造業者の映像が流れた。 その時、誰かが一言。 「あっちの方は復興に向けて進めるからいいよな。こっちはまだ遠くへ避難しなければならない人がいっぱいいるのに…」 それはそうなのだが、地震や津波での死者数は、「こっち」よりも「あっち」の方が明らかに甚大なのだ。住民が被った被害は「あっち」も「こっち」も悲惨極まりないものなのだが、特に今月に入ってからの県内世論に触れると、復興に向けた前進が始まっている「あっち」よりも現在進行形で被害が続いている「こっち」の方がより悲惨だという論調が、だいぶ目立つようになってきた。だからこそ、こちらの日記で批判的に書いた「I love you & I need you ふくしま」が多くの県民に受け入れられる素地があるのだろう。 「他県のことなんか目を配る余裕なんかない!」そうかもしれない。しかし、被災地に優劣などない。あるのはあくまで「質」の違い。同じ被災者だからこそ、他県の被災者への温かいまなざしもまた、忘れてはならないと思う。