Chain Reading

Chain Reading

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

ぶっく1026

ぶっく1026

Calendar

Comments

タクロウ@ ガラスのうさぎ像を見た二宮駅前 僕は東海道線の二宮駅前にあるガラスのう…
乗らない騎手@ ちょっとは木馬隠せw あのー、三 角 木 馬が家にあるってどん…
もじゃもじゃ君@ 短小ち○こに興奮しすぎ(ワラ 優子ちゃんたら急に人気無い所で車を停め…
地蔵@ 驚きのショックプライスw コウちゃんがこないだ教えてくれたやつ、…
ヒゲメタボ@ クマたんと呼ばれてます(^^; 最近はこれが流行ってるって聞いたので …

Freepage List

2006.01.27
XML
カテゴリ: 思想

(たちばな出版)
本日の一言-----------------------
「彼(大塩平八郎)が力説した、性善説に立脚した「太虚に帰一せよ」とい
う一点は、社会倫理を根本からとらえなおすことをせまられている今日、
一つの「思考の型」として、我々に示唆を与えてくれるものがあるのでは
ないだろうか。
 わたしたちは、あまりにも多くのものを身につけすぎているのではない
か。身につけたものが生活の手段になっていることを考えると、身につけ
るものがまだ足りないかのようである。しかし、人間らしく生きるために本
当にそれは必要不可欠なものなのだろうか。」

 -吉田公平(まえがきより)
----------------------------
 下巻では上巻よりも大塩平八郎の主張が強くでてきています。何度も
繰り返し、「太虚に帰一せよ」と述べています。これは、雲ひとつない大空
のように、一切の二義的・非本質的なものから解放された本来の自己に
なるようにということのようです。

 興味を引いた個所がいくつかありました。
ひとつは、読書についてです。有名な朱子の言葉が引用されています。
本来、朱子が経書の解釈を強引に解釈したといわれ、陽明学は反対の
立場をとることが多いようですが、大塩平八郎はさすがに大人物です。
 反対の立場の人だからといって、むやみに攻撃したり、さげすんだりし
ていません。きちんと経書を読んで、内容を理解している人は違います
ね。

 朱子の読書の態度です。
 ・「主体性をもって読書したならば、読むほどにためになる。読書して知
  識を博くするというのであれば、書を閉じたら茫然となる。」

 ・「聖人賢者の言葉を読みながら、心に理解できず、わが身のものにな
  らなければ、その人は書店を営んでいるにすぎない。ましてや読んだ
  書籍が聖人賢者のものでない場合にはいうまでもない。このようなや
  りかたで人々を教導して、教化が実行されて風俗が善くなるように期
  待したいとおもっても、その実現は困難である。」

 ・「文字の意味を解釈し、文章の主旨を明らかにするのは、そのようにし
  て道をのべようとするからである。そうでなければ、文字の意味を解釈
  したところで、何の役に立とうか。」

 ・「書籍を読み学問をするのは、もともと心(人格)を陶冶しようとするから
  である。現今は心を陶冶できないばかりではなく、心を外に向けてはし
  らせて、休息もさせないから、逆に心を陶冶するための阻害要因となっ
  てしまっている。いったい、これでは心(実践主体)をとてつもなく迷わせ
  惑わすということになってしまうではないか。」

 ・「聖人賢者の心映えは、単に紙に書かれていることを読むだけで、どう
  してわかるだろうか。」

 ・「ぜひとも自分自身にひきつけて推究しなければならない。」

 ・「一句読んだならば、ぜひともこの句を自分は今後どのような場で実践
  できるかを体認すべきである。」

 ・「(前略)このように実践することをわきまえないと、書籍とわたしとは無
  関係なままにおわり読書しても何も利益がない。」

 ・「・・・漠然と読書して博識になるよりは、熟読して精緻に思索したほうが
  良い。(後略)」

 大塩平八郎もこの朱子の本の読み方に賛同しています。
”本を読む-内容を自分なりに考えて理解する-自分なりに実践する”と
いうプロセスが重要で、本を読んでも自分で考えず、実践しないのなら博
識になるだけなので、意味はないと厳しく戒めています。

 こういう言葉、耳が痛いですねー。

 この著作を書いた大塩平八郎は、飢饉の襲った大阪の町で私財をなげ
うって人々のために尽くし、幕府にも救援を要請しましたが聞き入れられ
ず、やがて「大塩平八郎の乱」へとつながったのです。

 自分で正しいと信じたことを実践したのです。

目次

大塩平八郎の陽明学(吉田公平)

本文 

一、性善上より道を行ひ

一三八、湯潜庵曰く、「聖賢の

箚記跋(一)
箚記跋(二)
箚記跋(三)

附・佐藤一斎に寄せた書簡

●for Chain Reading

「洗心洞箚記(上)」 吉田公平(たちばな出版)
 *紹介済み

・「小説 大塩平八郎」安達勝彦(耕文社)

・「大塩平八郎」宮城公子(ぺりかん社)

・「大塩平八郎 構造改革に玉砕した男」長尾剛(ベストセラーズ)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.01.27 14:51:48
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: