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rose_chocolat @ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2010.07.07
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カテゴリ: 洋画(は行)

原題: IL PAPA DI GIOVANNA

監督・脚本・原案 : プーピ・アヴァーティ

出演 : シルヴィオ・オルランド 、 フランチェスカ・ネリ 、 アルバ・ロルヴァケル

鑑賞劇場 : ユーロスペース

公式サイトはこちら。



<Story>


1938年、第二次世界大戦開戦前夜のイタリアはボローニャで慎ましく暮らすカサーリ家。
美しい母デリア(フランチェスカ・ネリ)に憧れと劣等感を抱く17歳のジョヴァンナ(アルバ・ロルヴァケル)は内気な性格で恋愛にも縁遠い。
高校の美術教師である父ミケーレ(シルヴィオ・オルランド)は、ひとり娘を溺愛するあまり、進級をエサに人気男子生徒のダマストリとの仲を取り持つ。
事情を知らず、初めての恋にはしゃぐジョヴァンナだったが、そんな矢先、校内で女子生徒の他殺体が発見される。

ボローニャの夕暮れ - goo 映画
ボローニャの夕暮れ - goo 映画




<感想>

イタリア映画祭には行かなかったので、公開を心待ちにしておりました。 ようやく鑑賞。



最初は、ジョヴァンナに対して、親がきめ細かな愛情を注いでいるのか? 
とも思うのだけど、
話が進んでいくにつれ、どうもおかしいと思い始める。
第2次大戦中とはいえ、親が子に、しかも17歳の子に対して払う注意にしては、濃すぎるように見えてくる。
そしてその理由が明らかになるにつれ、この家族に存在する「軋み」が浮き彫りになってくる。


ジョヴァンナの資質については、専門的な知識を持っていないのでここでの明言は避けるが、劇中のいくつかのエピソードを見る限り、生まれつきのものであることは予想される。
それが、母への羨望や自分へのコンプレックスとともにはっきりとした形になってきたのではないだろうか。
内的・外的要因がともに存在している。
母のようになりたくて、でもなれない自分が歯がゆくて。 そして想いを寄せる男子には常に一方的になり、それを阻害するものに妄想を抱く。。
様々な悪循環が重なった末の出来事になってしまった。


そんな娘に対して、ミケーレはただひたすら励ましたり鼓舞したりと、最後までかばう姿勢を見せるのに対して、
デリアは徹底的にジョヴァンナを避ける。
我が子なのに我が子ではないかのようなスタンス。 何故こんなに、両親なのに対応が分かれるのだろうか。


ミケーレとデリア。
この夫妻の間に流れる空気感が、どうにもチグハグな印象がある。
夫婦なら、周囲に感じさせる一体感があることが多いのだけど、この夫婦はそれが希薄だ。
一緒に過ごした年月が長くなると、今更寄り添ってなんて。。。 というような照れくささとも違う。
ミケーレはデリアに寄り添っていきたいという姿勢が見えるのだが、デリアの心の立ち位置がわからない。
パーティーで他の男とダンスをしているデリアは明らかに、ミケーレと過ごしている時の彼女とは違う。
努力しても努力しても、いくら歩み寄っても、歯車がかみ合わない夫婦というものは、実に哀しいものがある。
そんな現実をミケーレは悟ったのではないだろうか。


ミケーレの決断にも関わらず、デリアの心中の本当のところは見えてこない。
生活を共にしようとした男への態度もそうだし、
最後の決断にしても、あれほど避けていた娘なのに、それが本心とも思えない。
このあたりの心の定まらなさ、ひとつところに落ち着けない性分は、もしかしたらジョヴァンナに受け継がれているものなのかもしれない。 
そして、似たものを持つ母と娘は、互いを自分の鏡として見てしまうから、互いに嫌悪する部分がよくわかる。 故に相互に理解しがたく、またその反動として常に互いを意識することになってしまったようにも受け取れる。


だから最後の決断をしても、それが本当に正しいことなのかは観客から見たら非常に疑問である。
それがいいことなのかもしれないし、取り返しのつかないことになるのかもしれない。
いくら歳月を挟んだとしても、繋がらないものは無理なのかもしれないし、
あるいは歳月がつなぐものがあるのかもしれない。
それは彼らにしか分からないこと。
家族に対しての無償の愛情と、それとは背中合わせのその無情さ、無慈悲さ。 
それらが乾いたタッチで淡々と描かれていることにより、一層深く観る者に感じさせる作品でした。








今日の評価 : ★★★★ 4/5点















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Last updated  2010.07.12 21:13:50
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