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2019.04.07

日本児童・青少年演劇劇団共同組合制作「ちゃんぷる〜」

カテゴリ：こども劇場／例会

　日本児童・青少年演劇劇団共同組合制作　　

　ちゃんぷる〜
〜私が幽霊！？修学旅行〜

　作：西上寛樹
　演出：大澗弘幸（劇団風の子）
　音楽：菊池大成
　美術：児玉真理（人形劇団プーク）
　振付：若林こうじ（太鼓と芝居のたまっ子座）
　舞台監督：叶　雄大（アートインAsibina）

　二葉むさしが丘学園体育館
　開演14:00

　＜出演＞
　勝部祐子（イッツフォーリーズ）
　クラウンYAMA（青い卵）
　大谷恵理子

＜あらすじ＞
　中学2年の華蓮にとって、班行動を伴う修学旅行はウザイの一言。同じ班の愛梨とはまったく
　かみ合わず、ガイドの話もつまらない。
　しかし、修学旅行の途中で華蓮の様子が急変、気を失ってしまう。すっかり別人と化した華蓮
　には、なんと幽霊がとり憑いていた！？
　幽霊は華蓮の体を使って走り、歌い、お菓子を食べる。愛梨ともすっかり気が合うようだ。
　華蓮と違って修学旅行をエンジョイするこの幽霊はいったい何者なのか、華蓮の意識が深く
　沈んだ夜、幽霊のありし日の記憶がよみがえる。

　今回は客席の周囲360°が舞台という特殊な会場デザインゆえ、開演に遅れると中に入れません！開演時刻までに余裕を持って行くのは常識ですが、自分比でかなり早めに家を出ました。楽勝でセーーーーフおかげで数名の方と個人的にお喋りもできて良かったです。

　平土間仕様の客席の中央にも花道のように通路が設けられていました。息づかいが直に伝わる近距離での演技には「自分も一緒にストーリーに入っている」ような感覚を覚えました。役者さんの動きに合わせて体の向きを変えながら観るのも最初はちょっと大変だな〜と思いましたが、観ているうちに慣れました通常の舞台ではあくまでもこちらは観る側、傍観者ですが、この作品ではそうさせない狙いがあるのだなと実感したのが終盤のガマの場面です。

　華蓮にとり憑いた幽霊のキクさんの導きで、慰霊塔の洞窟が沖縄戦当時の外科壕になります。会場の体育館が暗転し爆撃音が響く……ここはガマの中か。目の前に大勢の負傷した兵隊と必死に看病するキクさんたちひめゆり学徒、必死に生きようとする島民がいるのだと想像力をフル稼働しました。暗闇と爆音だけで十分すぎるほど恐ろしいです。でも、熱気も蒸せる湿気も臭い……そう、人が焦げる臭いや腐る臭いや糞尿……地獄ですね。恐ろしいです。現代に生きる私たちは想像することしかできないけれど、少しでも想像することが大事だと思いました。

　終演後には舞台鑑賞部の活動として、いつもの今心地アンケートを実施。涙目の「感動した」に投票する人が多かったけれど、私は何だか清々しい気持ちだったのでニコニコ「笑顔」に入れました。だってキクさんは華蓮ちゃんの「体を借りて」だけど、楽しみにしていた修学旅行に行けて平和な世なら普通にできたはずのこと（お菓子を食べたり、歌ったり）を叶えられて、やっと成仏できたでしょうし。おそらくクラスでも「浮いた」３人組が旅行を通してお互いを認め、心を許しあえる関係になったのも嬉しかったし。そういえば一人何役やりました？「青い卵」の山ちゃんの芸達者ぶりには笑わせてもらいました