オタモイ遊園地は、小樽市の沿岸部オタモイに昭和初期に存在した遊園地。1936年開園。「オタモイ遊園地」と断崖絶壁に建てられた高級料亭「龍宮閣」を中核施設とした巨大リゾート施設であったが、度重なる災害や戦争による悲運に見舞われ、1952年（昭和27年）に主要施設である龍宮閣が全焼した火災をきっかけに閉園となる。

戦前戦後にそんな一大リゾートがあったとは凄いなあ、しかも、ほぼ個人事業。

小樽で割烹料亭を経営していた実業家の加藤秋太郎が、親交のあった養鯉園主からオタモイ海岸を紹介され気に入ったことをきっかけに、山と漁場を合わせて10万坪を購入、1931年（昭和6年）に遊園地の建設を開始し、1934年に開園。

さらにオタモイの土地5万坪を購入。白蛇弁天堂完成。オタモイの唐門竣工。

はたまたは国有地7万坪の払い下げを受けて遊園地の建設に着手し、食堂「龍宮閣」を着工。

海に突き出た崖上に木造3階建てで建設されたが、長い柱を立て、せり出た床を支える京都の清水寺と同じ懸け造り工法が採用された。

1935年（昭和10年）には弁天閣が完成、「オタモイ遊園地」と「龍宮閣」を中核施設とした今でいう巨大リゾート施設となる。

演芸場や大衆食堂、遊具広場がそろい、夏は海水浴客でにぎわい、1日で数千人が訪れる人気行楽地となった。

断崖絶壁に建てられた高級料亭「龍宮閣」基礎部分。海面から33メートル。

しかし、特に断崖に建つ高級料亭「龍宮閣」人気を集めた。

しかし、わずか4年後の1939年（昭和14年）には雪のため演芸場が倒壊。

しかし、1940年（昭和15年）弁天閣が地滑りで海岸まで流される。

さらに第2次世界大戦の激化により行楽を自重する風潮が強まり、物資不足で経営が行き詰まる。

遂に1942年（昭和17年）加藤は経営を他者へ移譲。

1946年-1947年（昭和21～22年）頃、オタモイ遊園地は再開されるが、1952年（昭和27年）には龍宮閣が焼失した。度重なる災害に見舞われ悲運をたどり、計17年間ほどしか営業できないままに廃墟と化した。

それから70年。

だだっ広い駐車場は、だだっ広い駐車場、ここには錦鯉の泳ぐ池、数々の遊具、相撲場、園芸場などの遊園施設が建っていた。

オタモイ地蔵尊

加藤秋太郎さんの名前も

北海道新聞2021年2月25日【小樽】小樽商工会議所が、昭和初期に道内屈指のレジャー施設として知られた「オタモイ遊園地」跡の再開発を検討していることが分かった。家具・インテリア製造小売りのニトリ（札幌）から２６日に５千万円の寄付を受け、３月にも地質や採算性の調査を始める。（ニトリは面白い社風というか、面白い社長みたい、しかし、問題はC小国べったりのやばさもある。）