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2月17日 festa@green(成美教育文化会館)
2月24日 東村山市立大岱小学校
で公演された
『ブンナよ、木から降りてこい』
にご観覧をいただきましてありがとうございました。
宇天那カンパニー
はモモに続いての出演(正確には、クリパの「クリスマスキャロル」があるが)です。
この物語は、水上勉さんの作品なんだけれど、本屋に置いてる所が殆どなくて、ならばブックオフだぁと思ったけど、そこにも置いてなくて、なので原作知らずで、稽古に取り組んだ。というか水上勉さんって結構有名な方だよね。なんで単独コーナーすらないの?って思った。
ネズミ役
台詞が一番多いかも…演出の高階奏さんから言われた時、大丈夫か俺で…なんて思って台本見たら、まぁ多い事多い事、言いにくい事言いにくい事、覚えにくい事覚えにくい事、殆どが1対1の掛け合いばかりだし、感情の作りも複雑で繊細で、アクセントが上手くいかないし、似たようなセリフ、シチュエーションがあって似て非なる台詞間違いするし、観てる人には解らないが掛け合いの相手からしたら、細かい所でリズムが崩れたりすることもあるので、そんなこんなでまぁ苦労した(当者比)。
ネズミは仏様に備えたお餅を和尚さんの目を盗んで食っていた。餅を食うと人間でも喉が渇くので、水を飲んでたら、鳶につかまって、餌置き場にやってきた。ただ、意外といいやつで、男気がありそうだったけれど、いざその場になると覚悟が揺らいでしまう。まぁ私もそんな人間なんで、「情けない」って叫ぶ気持ちも理解できる。で、結局、鳶には食われずに土の上で死んでしまう。その前にブンナに、命の大切さを説く。和尚さんの教えを伝えるかの如く...。本当にいいやつ。まぁだから、ドブネズミのことを嫌いだぁと言う人が多いのに、舞浜のあいつとか、大阪にあるサッカークラブと同じ名前のやつとか、キャラクターになるんだろうなぁ…。
ネズミから見た物語
土の上で死ぬ直前に「助かったよ」という台詞があって、確かに鳶に食われず、土の帰ることができた喜びの表現だと思う。
たまたま1月にカナダの安楽死法の話題がSNSであって、この台詞に注目してた。職業柄PPKの話をすることがあり、病気で長く苦しみながら死ぬくらいなら、安楽死させてほしい…というのは日本でもある。男性7年、女性11年、健康寿命と平均寿命との差があるらしい。この台詞はそんなことをふと思ってしまった。
あと「どうせ俺たちもうすぐ死ぬんです。助けてやりましょうよ。」という蛇に対する台詞。
この掛け合いをしているのが、出演者の中で年齢がトップと2番手という狙ったのか偶然か…、脚本も原作もそういう狙いがあった訳ではないと思うが、老害というか若者から搾取するベテランの問題にも似ているなぁと思ったりした。ただ、もしそういう狙いがあるとすると、蛇もネズミもこれまで社会に貢献してきたんだよ~!って叫びたくなるんだけどね。もっとも、まだまだ隠居しませんぜい、私達は!(←老害というな若者に対する超えてほしい壁になってるんだよ)
で、なぜ鳶だったんだろうか?猛禽類といえばミミズクもいたし(なぜかネズミを前にしてそのまま去っていくが)、鷹でもいいじゃんと思ったが…生態的な問題かもしれないが、これも狙いがあったのかもしれない。
舞台はお寺にある椎の木…お寺にはお坊さんがいる。鳶は、消したはずの煩悩が再び復活して天狗になったお坊さんの姿とのこと(鳶のくちばしが飛び出ている様から天狗の鼻が長いらしい)。ということは、ネズミは天狗になったお坊さんの説教を聞いていたのか?そんなことを考えていた。
11ぴきのネコでにゃん作老人が、ネコたちに「遠慮せずに魚を食べればいい、私達もいずれ、土の下にいる虫どもに食われるのだから。虫どもは草や樹木の滋養分になって、その葉や実が、魚の餌になる。つまり、万物は一体だ」(かなり省略しています)と説いているが、それをダイジェストにしたのが、ネズミの「命をつなぎ合ってる」という台詞。キャスティングする時、狙った?なんて思ったりしたが、まぁきっとそれも偶然だと思う。
2回の公演
大岱小学校は、小学生や未就学児向けのイベントの一環で、照明担当された澤田志穂さんのお子さんが通学されています。お子ちゃま相手だけど、多分、それなりに楽しんでもらえたようだった。因みに私は子供が苦手だったりする(伊武雅刀さんか?)のは、どう対応したらいいのか判らないから…。
多分、子供たちにとってもは、この観劇で即時になにかを感じることは難しいと思う。けれど、思い出として残してくれて、いつかその意味を理解してくれたらいいなと思う(澤田志穂さんがおっしゃってた)。講師の仕事で、学生に対して「この講義は即時に、役立つことはそんなにないと思うが、社会人になって、ここで学んだことが役立つことが10年以内に必ず来ます」ということを言っている。
そういう今じゃないけれど将来役に立つ学びって必要だと思ってる。それは若年層だけでなく、初老の私であっても…。
因みにこの2回の公演の大きな違いのひとつに、小学校公演では、シャボン玉マシンが登場した。観客席からは照明と上手く絡まって幻想的だった…らしい。らしいというのは、このシーン私は死んでいるので、見ることができない。しかも顔に落ちて弾けるシャボン玉に反射的に反応するのをかなり我慢している。Festa@Greenでは困難な演出。
そんなこんなで、色々苦労して、色々迷惑をかけまくって、色々楽しんで、色々喜んでもらえたから良しとしよう。
またいつか、宇天那カンパニーの舞台で…って呼ばれるのか?
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