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2006年も残すところあとわずかとなりました。本年のネット生活はこの時間で終了します。日記を読んでいただいた方々に心からお礼を申し上げます。コメントをいただいた方やトラバをしていただいた方には特に感謝感謝の気持ちでいっぱいです。つきなみで,昨年と一緒ですが(笑),2007年があなたにとってよいお年であることを願っています。
2006/12/30

「QEDシリーズ」の10作目,高田崇史の「QED~ventus~熊野の残照」(2005)を読んだ。秋の学薬旅行。行き先が熊野ということで桑原崇が最初から参加表明をしていたことは前作「鬼の城伝説」の最後に書かれていたのだが,彼の強い希望で旅行のスケジュール(熊野三山をまわる順番)を変更してしまうということに,いかにも「タタルらしい」と思わされ,最後になって,その順序に意味付けされるところには,いかにも「この作者らしい」と思わされた。今回は,棚旗奈々より4つ年下の神山(みわやま)禮子が語り手となっていて,「もう1つの話」ともからんでおもしろかったのだが,奈々の,「崇の聞き手」として以外のキャラクターがどんどん薄くなっているように感じられ,そこには不満が残った。途中から妹の沙織と小松崎も合流するのだが,奈々よりも沙織のほうが,人間らしく感じられる…といったらちょっといいすぎかな(笑)例によって,熊野をめぐる伝承とそれが意味する歴史の現実の話がたっぷり。ただし,「聞き手」としては奈々ほど優秀ではない(崇の話を真剣に聞いていない)ようで,以前に語られたことをおぼえていない部分が多い!!(笑)そろそろ,最初から読み返すべきかなぁ…などとも思ってしまった。「ventus」とついた作品は,どうやら崇・奈々の話とは別進行でもう1つの話が進むようなのだが,今回の話には「やられた!!」。旅行の同行者である神山禮子にからむ話だったこともあり,最初から「伝承話と事件の話が直接にはからまなそうだ」と思っていたこともあり,逆説的ではあるが,今回初めて作品の中で「事件とウンチク」が融合していると感じられた(笑)しかも,「してやられた」感が,というよりしてやられたそのものだが,好感度をアップ(笑)父が死んでいたり生きていたりするのがおかしいとは思い,「村人の中の父」と「家の中の父」は別か? などとも考えたのだ!!でも,途中にヒントがあり,それをしっかり覚えていたにもかかわらず,あまりにも単純な語り手の入れ替えトリックにひっかかってしまった(大笑)途中で眠くなる部分もあるけれど,これまで読んだことのない人がここから読み始めてもよいかなと思わせる1冊だった。シリーズ前作「QED鬼の城伝説」の日記は,→こちらからどうぞ。高田崇史の他作品はについての日記は,フリーページ 読了本(日本) (高田崇史)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスQED~ventus~熊野の残照 高田崇史
2006/12/30

近ごろ文庫版が新たに出されたので,小峰元の「アルキメデスは手を汚さない」(1973)を(古い文庫で)読んだ。最近はブログを書いているせいで少し減ったのだが,「はやされている」本を読めないという傾向が自分の中にあり,この作品は発売後に人気のあった頃に読むことができず,その後も機会がなく,今回が初読だった。「アルキメデス」という不可解な言葉を残して少女が死に,それをきっかけに1つの家庭が崩壊する話といってもいいだろう(まとめすぎ??,笑)なのだが,読んだ結果からいうと「違和感」ばかりが残った。ここに出てくる「おとな」たちや高校生たちがいかにも「古臭い」と感じられたからだ。この作品よりもかなり前に書かれたものも読んでいるが,「古さ」は感じても「古臭さ」はあまり感じないのに……なぜ??書かれた時代設定を近いものとして知っているせいかもしれない。しかし,当時からいろいろな高校生がいたし,この本に書かれているような大人もいたけれど,そうでない大人もいたし……(笑)アリバイトリックや「絞殺と扼殺」の違いなどがわかりやすすぎたのはもちろんあるが,死んだ柴本美雪の父親といい,探偵役の野村の部下である大塚といい,あまりにも「類型的」でありすぎたことが原因かもしれない。高校生たちの発想も同じ(ここで「同じ」というのは「おやじたちと同じ」ように類型的ということ)。同じような発想をする高校生たちは過去にもいたし,これからも出てくる。ただ,それがすべてではないのに,ここでは「それしかない」という感じになっている。と,ここまで書いて「復刊」の意図がちょっとわかったような気がした。ひょっとして,弁当をセリにかける田中をライブドアの誰かさんか,楽天の誰かさんに見立てれば……などと思ったのではないかな(考えすぎ!! 笑)魅力的だと思ったタイトルそのものも「種明かし」をされたらそれほどおもしろくもなかった。まあ,この作品をずっと「ユーモアミステリ」と思い込んでいた自分も悪いのだが……(笑)小峰元の作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (小峰元)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスアルキメデスは手を汚さない 小峰元
2006/12/29

ネプリーグ2ndStageのファイブツアーズ(漢字の読みの問題)のメモです。Aブロックネプチューンチームレベル1口座,筑波,水戸光圀(←鈴木紗理,庄司智春アウト)レベル2牛耳る,効果覿面,手解きレベル3米櫃,匿う(←堀内健アウト),祠(←原田泰造,名倉潤アウト)答えは,こうざ,つくば,みとみつくに,ぎゅうじ,こうかてきめん,てほど,こめびつ,かくま,ほこら。女史アナチームレベル1芸達者,苦汁,無様レベル2天城峠,魯迅,生温いレベル3憔悴(←松尾翠アナアウト),慇懃無礼,鉈(←戸部洋子,高橋真麻,平井理央,阿部知代アナアウト)答えは,げいたっしゃ,くじゅう,ぶざま,あまぎとうげ,ろじん,なまぬる,しょうすい,いんぎんぶれい,なた。辛口コメンターターチームレベル1家来,雑木林,浅田真央レベル2名誉毀損,細雪,辱める(←蛭子能収アウト),レベル3栗東(←江川達也,倉田真由美,品川祐アウト),霰,抓る(←やくみつるアウト)答えは,けらい,ぞうきばやし,あさだまお,めいよきそん,ささめゆき,はずかし,りっとう,あられ,つね。Bブロック爆笑問題チームレベル1生意気,目録,傘下レベル2桐生,平沼赳夫(←爆笑田中,長井秀和アウト),未来永劫レベル3虐げる,雄蕊(←ガラクタコージョー,橋下徹,爆笑太田アウト)答えは,なまいき,もくろく,さんか,きりゅう,ひらぬまたけお,みらいえいごう,しいた,おしべ。コサキンチームレベル1素行,御機嫌,喜多方レベル2間宮林蔵(←ルー大柴アウト),笑止千万(←関根麻里アウト),頑なレベル3鮒,余所見(←モンキッキーアウト),嘲る(←関根勤アウト)FINAL橇(←小堺一機アウト)答えは,そこう,ごきげん,きたかた,まみやりんぞう,しょうしせんばん,かたく,ふな,よそみ,あざけ,そり。インテリチームレベル1買収,元来,怖気づくレベル2館山,山形有朋,阿鼻叫喚レベル3朴訥,強か,痣FINAL鯑(←湯浅卓1人でクリア,石田純一,高田万由子,麻木久仁子,ふかわりょうは見学)答えは,ばいしゅう,がんらい,おじけ,たてやま,やまがたありとも,あびきょうかん,ぼくとつ,したた,あざ,かずのこ。前回(12/04)分の日記は→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:ネプリーグ
2006/12/28

ラスト サムライ(The Last Samurai,2003)を見た。「見る前に読む」というのはめったにないのだけれど,ビデオに撮りながらなかなか見れなかったのでついつい読んでしまった日々のあぶく(kiyu25さん)の日記で印象に残ったのが,「それもそのはず。この映画は"ファンタジー"なのだ。パラレルワールドのこういう時代もあったかもねというファンタジー。」そうか!! そう思って見よう。 などと思いながら,りぶらりさんの日記も読み,「和製時代劇でも荒唐無稽なものが山ほどあるので,これをあのハリウッドが製作したと言うことは,高く評価すべきだと思う。」またまた,「そうか!」で,見始めたのだが,とっぱじめがどうやら「加藤清正の虎退治」らしき映像……。「これはひょっとしてとんでもないものを見せられるのではないか!!」と,疑心暗鬼で見始めたのだが,結果,楽しかった。というか,きれいだった。舞台となった時代の日本を忠実に再現しているわけではない。いちいちチェックしなかったが,ツッコミどころはいろいろあったろうと思う。しかし,それをいえば「るろうに剣心」だって背景めちゃめちゃなわりに楽しかいし,さらにようく考えてみると,日本の主力俳優が何人も出ていて,背景をあまりにも「不快」にするはずはない。ところで,今回記事にする気になったのは,勝元の「村」(彼の死後も侵略されていないなどの突っ込みはとりあえずおいておいて,笑)の「きれいさ」が1つにはあるのだが,もしもビデオが残っていたら,村の場面を「英語版」で見てほしいからなのだ。勝元(渡辺謙)はオールグレン(トム・クルーズ)と英語で話すのだが,たか(小雪)をはじめ村の人々は日本語。「アリガト,オカワリ」から始まり,子供たちはアメリカからの闖入者の名前を聞き「アルグレン」といえて喜ぶ。で,そんな彼ら,特にたかさんと話をするトム・クルーズのカタコトの日本語が何ともよいのだ!! 「色っぽい」といっていもいい(笑)吹き替えではその感じは出ていないというか出せないので,ぜひ英語版を聞いてみてほしいということ。渡辺謙や中村七之助(明治天皇)などが英語の台詞でがんばっていたが,トム・クルーズも日本語の台詞でけっこうがんばったんだなどと感心してしまった次第。といいつつ,もちろんほとんどを吹き替え版で見ていたので,真田広之が英語で話す場面があったかどうかは確認していない程度の視聴者でもある(笑)アメリカなどでは,字幕かなぁ,吹き替えでやったのかなぁ? などと思わせるくらい,全体的に日本語が多い作品だった。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━
2006/12/27

「QEDシリーズ」の9作目,高田崇史の「QED鬼の城伝説」(2005)を読んだ。八月の初旬,お盆前に夏休みをとった棚旗奈々は小松崎の取材旅行に付き合う形で,桑原崇,妹の沙織と4人で岡山に出かけることに。「桃太郎と鬼退治」についてたっぷりとお話があるのだが,今回は久しぶりに(笑),崇が「探偵」としての役割を果たしている。吉備津神社の鳴釜神事と同じように,旧家鬼野辺家にも「唸る釜」が伝わり,その釜が鳴ると当主が死ぬいう言い伝えがあり,小松崎の取材は,春に起きた鬼野辺健爾殺害事件に関するもの。関わることを嫌がっていた崇は,結局密室の謎や事件の謎を解いてしまうのだが,自分自身事件の肝腎の秘密は薄々わかり,木梨之軽太子が出て来たときに確信に変わり,といっても丸部(わにべ)とのことには気づかなかったからほんとにわかったとはいえないのだが(笑),どちらかというと「鬼」の話がおもしろかった作品だった。シリーズ前作「QED~ventus~鎌倉の闇」の日記は,→こちらからどうぞ。高田崇史の他作品はについての日記は,フリーページ 読了本(日本) (高田崇史)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスQED鬼の城伝説高田崇史
2006/12/26
毎週,日・月あたりに,スパイウェアとウイルスの定期スキャンを行い,結果を書いています。ソフトは,Spybot S & D,AD-AWARE,SpywareBlaster,AVG Anti-Virus。データ更新今週は,AD-AWAREは,データ(12/18)更新あり。Spybot S & Dは,データ(12/22)更新あり。SpywareBlasterは,データ(12/19)更新あり。スパイウェアスキャン今回は,AD-AWARE,Spybot S & Dの順でスキャンしたが,スパイウェアは検出されなかった。ウイルススキャンデータ更新は自動でかなり頻繁に行われている(最新データ(12/24))。ウイルスは検出されなかった。ウイルスとスパイウェア対策については,ウイルス・スパイウェア対策メモをごらんください。また,スキャン非クリア履歴には,スキャンの検出記録と付加情報のリストがあります。パソコンに関する日記は, パソコン関係 からどうぞ。
2006/12/25

冬狐堂シリーズの3作目にあたる,北森鴻の「緋友禅」(2003)を読んだ。前2作は長編だったが,今回は連作短編。陶鬼陶器に関しての目利きで,宇佐見陶子が「師匠」とも思うツルさんこと弦海礼次郎が自殺。遺骨を引き取るのと死の謎を探るために陶子は萩に向かい,彼と別れるきっかけとなった久賀秋霜の陶器の秘密とツルさんの前身を知る。まわりから,「本性がなっちゃない」と評されるツルさんがとても魅力的に書かれている。「永久の笑み」の少女町澤幸之という中堅作家への陶子の手紙(ファンレター?)という変わった出だしだが,そのことから手紙の相手に仕掛けをしているということはすぐわかる(笑)「掘り徳」こと重松徳治の「掘り師」という仕事が興味深かった。蓮丈那智シリーズ(「凶笑面」の「双死神」)とつながる税所篤の名前も登場。緋友禅久美廉次郎の「糊染めタペストリー」展で作品すべてを120万円で買い取った陶子だが,久美の急死後タペストリーは陶子の手に届かず,しばらくしてその作品が全く別人の手による緋友禅として発表されていることを友人の横尾硝子によって知らされることに……表題を飾るのにふさわしい,魅力ある作品。ちなみに,陶子が親友でカメラマンの硝子と待ち合わせた「世田谷区三宿のとあるバー」は香菜里屋シリーズのバーマン香月圭吾の池尻大橋のバーだろう。奇縁円空円空仏をめぐるとても興味深い話。ということであらすじ省略だが,手抜きでもある(笑)「狐罠」(日記は→こちらから)に出てきた木材業者(銘木屋)の大槻寛二が再登場するが,殺されてしまうのがちょっと悲しい。根岸署の犬猿コンビも再登場。さらに,「芸術潮流」の記事の書き手である某大学助教授は蓮丈那智だろう。シリーズ前作「狐闇」の日記は,→こちらからどうぞ。登場人物をフリーページの北森鴻メモ(緋友禅)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。北森鴻の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (北森鴻)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━公式ホームページ:北森鴻公式サイト 酔鴻思考楽天ブックス緋友禅 北森鴻記事関連のオススメ日記☆なほまる★さん ちょっといっぷく(ハレバレさん)未来の予定~ラビ的(みっつ君) いろんなことを忘れないために(dai583さん)
2006/12/24

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中14作目にあたる,レックス・スタウトの「編集者を殺せ」(Murder by the Book,1951)を読んだ。実はこれ,ものの見事に再読で,再読であることはすぐにわかったのだが,このブログで記事にしていたことは全く覚えていなかった(笑)ニューヨーク市警のクレイマー警部がウルフの事務所を訪れ,弁護士事務所の事務員が殺された事件で被害者がもっていた人名リストのメモを見せるが,その場ではその名前が創作ではないかというにとどめ,クレイマーはあきらめて引き揚げる。数週間後,イリノイで食料品の卸問屋を営むウェルマンが,娘の死を調べるように依頼するが,編集者であった娘から父親への手紙の中に,ベアード・アーチャーというクレイマーのメモにあった名前があったことから,ウルフは2人の死を結びつけて考えるようになり,さらには,もう1つの殺人事件が起こる。依頼料の5千ドルといい,途中で何回かウェルマンに捜査の続行の可否を打診することといい,今回はウルフにしては珍しく,ボッタクラない(笑)「毒蛇」や「料理長が多すぎる」で見せた,大勢を集めて話を聞きだすというウルフの手法は,今回アーチーに任され,弁護士事務所で働く10人の女性から,蘭の花とブレンナーの料理とアルコールを使って,事件の真相に迫っていくことになるが,この場面はなかなか楽しい。女性の相手をするのを嫌がったウルフは,その間ラスターマンに行ってマルコと食事をすることに。また,外出嫌いのウルフにかわって,事件の現場に行ったり,関係者の話を聞きに行ったりするアーチーだが,今回は飛行機に乗ってロサンジェルスまで遠征し,例によって「ならぬ恋」に陥ることにもなる。犯人と連続殺人の動機に意外性があり,ミステリとして読み応えがあった。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス編集者を殺せ レックス・スタウト
2006/12/23

順序が逆になるが「銀座開化事件帖」(日記は→こちらから)の前話にあたる,松井今朝子の「幕末あどれさん」(2004)を読んだ。銀座開化事件帖が明治7年からの話であったのに対し,こちらは明治維新前夜から明治維新直後まで。なんとなく,「開花事件帖」の主人公だった幕臣の次男坊久保田宗八郎が「痛快な活躍」をする話のように思っていたのだが,全く違った(笑)宗八郎は剣道の達人である。講武所に通い,講武所の剣道師範である男谷精一郎の道場にも通って免許皆伝目前にまでなっている。嫂のいる屋敷に息苦しくなって本所亀沢町で一人暮らしをし,講武所の同輩との口争いから講武所も道場も辞めてしまった宗八郎は浅草猿若町の芝居街に入り浸り,ついに河竹新七(後の→黙阿弥,Wik,引退発表後の改名だから「黙」としたのかなあ?)の弟子となって作家への道を目指すことになる。とこうまで書くといかにも宗八郎が主人公のような感じがするのだが,実は違う。タイトルにある「あどれさん」とはフランス語で「若者」のこと。ということで,宗八郎だけではなく,片瀬源之助も,フランス人のインゲレク軍曹も,いや年齢に関係なくその当時を生きたすべての人々が主人公といえる。幕末,明治維新を扱った作品はいくつもあるが,この作者の持ち場ともいえる芝居の世界を1つの場にしたため,江戸の町民からその時代を見るという視点がおもしろかった。長州征伐や鳥羽伏見の戦いは「遠い世界の出来事」でしかなく,勝海舟すら「上の人」としてしか出てこない(情報を知らされないという点では太平洋戦争時の「普通の人」に似ている,笑)。「実は違う」と書いたのは,剣道の達人である宗八郎があまり活躍しなかったことからもくるのだが,最後のほうで官軍の士官を峰打ちしそのため,江戸にいられなくなって蝦夷地入植者の一員として花紫(年季あけの品川の女郎で,元御家人の娘)と船に乗るのだが,ここらへんが「銀座開化事件帖」とつながってくる。ところで,宗八郎のお兄ちゃんである久保田主馬もなかなか魅力的なキャラクターだった。父の早世によって14歳くらいから小納戸役として江戸城に勤めるのだが,将軍の代替わりを気に禄を返上してしまい,横浜で商人の道に進む。なりわいを芝居の世界の求めても武士であることにこだわる宗八郎との対比がよかった。ちなみに,宗八郎に危機を知らせる元同心で市政局の役人笹岡が出てくるが,これは「 家、家にあらず」などに出てきた同心笹岡の子孫(途中で養子が入ってるかもしれないが)なのだろうなぁ。松井今朝子の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (松井今朝子)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス幕末あどれさん 松井今朝子
2006/12/22

今回のタモリのジャポニカロゴスのテーマは,「日本語 きちんと並べましょう! 第3弾」(第1弾,第2弾)。解答者は,関根勤,松嶋尚美,勝村政信,ドランクドラゴン。正解率が65%以上なら,高さ2mの巨大な「ジャポイチ」を見られる!1 2006年の流行語を古い順に並べる「イナバウアー,王ジャパン,ハンカチ王子,ジダン頭突き,番号ポータビリティ,浪速の闘拳(亀田興毅世界王者に),美しい国へ」答えは,イナバウアー→王ジャパンWBC優勝→ジダン頭突き(3)→内田恭子挙式(7/23)→浪速の闘拳→ハンカチ王子(2)→悠仁親王誕生(9/6)→美しい国へ→番号ポータビリティ(2)で,全員正解。2 東海道新幹線が通っている都道府県を順序通り並べる「選択肢なし,路線図あり」答えは,東京→神奈川→静岡→愛知→岐阜→滋賀→京都(6)→大阪,で全員正解。3 夢中の度合いを並べる(ムッシュかまやつ歌)「メロメロ,デレデレ,ウキウキ,クラクラ,ドキドキ,ワクワク,(ムラムラ),キュンキュン」(夢中度が高まるように)答えは,ムラムラ→ワクワク→ウキウキ→ドキドキ→デレデレ→クラクラ→キュンキュン→メロメロだが,5人目の塚地が失敗。正解率67%で見られたジャポイチは,世界一大きいスプーン&フォークだった。だからどうした……だけど(笑)前回(12/12)分の日記は,→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:タモリのジャポニカロゴス
2006/12/21

舞城王太郎の「阿修羅ガール」(2003,an Asura-Girl in Heart)を読んだ。調布を舞台にした女子高校生愛子の話。とっぱじめから,同級生とラブホに行って「減るもんじゃない」と言われたものが減ったり,そのことが原因で学校のトイレでシメられたり,その場で首謀格の美女マキの鼻の骨を折って血だらけにしたり,シメられた原因が相手の佐野明彦の失踪&足の指の送り付けだったり……ネットの「天の声」によって調布一帯で,三つ子を殺した「グルグル魔人」を狩り出すための「キッチンハンティング(中坊狩り)」とそれにからむ暴動(アルマゲドン)が起こったり……とあいかわらず強烈なのだが,今回の作品はこの著者にしては妙にわかりやすい構成になっていた。とはいうものの,第二部「三門」は読んで楽しかったのだが,第一部終わりのマキの金槌が頭に残っていて,「夢の中,夢の中」などと思ったわりに,桜月淡雪の登場など,微妙に現実とリンクしているところが楽しい。ところで,愛子がずっと気にしていた金田陽二の心は年上の沙耶香さんに向いてしまったようだが,美形でない淡雪とどうにかなるのだろうか? まっ,どうでもいいけど(笑)これまで読んできた作品に比べるとインパクトが少なく,それがゆえに賞(三島賞)をとれた(笑)って気もするけれど,この作者が主人公にする女性は強い! という「熊の場所」の「ピコーン!」と同じ感想だけが強く心に残った。日記をアップした後,いくつかのブログを拝見し,もう少し記事を追加することにした(06/12/20)第二部の2つ目「森」をすんなり楽しめた(「崖」のグッチ裕三以下のキャスティングにも笑えた)のは,一部のほぼ最初のころに風呂に入ったアイコがシャスティンからセラピーを受ける場面がけっこう印象的で頭に残っていたから。これで,作者のもつ場は西暁町(福井),調布(東京)にスウェーデンのハデプラ村が加わったといってよいかはわからないが,話を飛ばす分だけ「場所」にこだわっていると思うのは考えすぎだろうか…(笑)第3部が「JUMPSTART MY HEART」となっていたので,本の英語タイトルのハートマークは「Heart」で表記した。ジャンプスタートは,最近あまり見ない(というか,車の運転をしないので現状を知らない)が,バッテリーの上がった車をほかの車のバッテリーにつないでスタートさせること。病院で目を覚ました愛子には,回復でも再出発(これにあたる英単語はない,reboot,resetはちょっと近いけれど違う)でもなく,ジャンプスタートしか残っていないというのは,わかるような気がする。タイトルの「阿修羅ガール」に戻る。「六道輪廻」を辞書で引くと「地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天上」となっている。ジャンプスタートすることによって,愛子は阿修羅から人間になれるのだろうか?や,もともと,どこにでもいる人間の女の子って考え方もあるけれど(笑)舞城王太郎の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (舞城王太郎)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス阿修羅ガール 舞城王太郎記事関連のオススメ日記本格ミステリと旅の写真(☆かよさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君)晴耕雨読2(ばあチャルさん) 和邇乃児さん仮)日記。(ケー16さん) のぽねこさん子育てと買い物日記(まることちょぴんさん) 図書館警察さん
2006/12/20

「QEDシリーズ」の8作目,高田崇史の「QED~ventus~鎌倉の闇」(2004)を読んだ。QEDにventusがついた初めての作品。ventus(風)という言葉は,これまでに読んだシリーズのどこかで目にした覚えがあるのだが,どの作品のどんな場面かは思い出せない(苦笑)気になるのは,奥付で「ヴェンタス」というルビがふってあること。日本でラテン語を読む場合,tusは「トゥス」ととするのが普通(例えばアウグストゥス,「タス」と読むのは英語の読み)なのだが,あえて「タス」としたのには何か意味があるのだろうか!?閑話休題,これからも閑話(笑)ventusとつけたものがこの作品以降何冊か(現在3冊)あるのだが,「番外編」ほどではないにしても,シリーズのほかの作品とどこかが違うはず。といっても,1冊読んだだけでは確定できないのは当然なので,いくつかの予想だけを書いておくことにする。☆「タタル」が「殺人事件」に全くかかわらない☆巻頭にカラーの地図がついている「いくつかの」と書いたわりに,中身がなかった(笑)けれど,読みながら,今回の作品はこれまで以上に歴史ウンチクと現実の事件の乖離が激しかったと感じたのは確か。「稲村モールド」の竜願寺信久を源頼朝に見立てたらしいことはわかるが,「つながりが薄い」なぁ!!(笑)高田版「鎌倉案内」としては,自分自身の大昔の思い出や思い入れもあって,とてもおもしろかった!!!結論となった鎌倉源氏が北条一族の傀儡説はあたりまえすぎてちょっと不満。北条以外(鎌倉党は別として)の思惑や陰謀がもっとからんでいればよかったのに,ってそうなるとフィクションが勝ちすぎるか?北条家が「平氏」であったから,「将軍の座」を狙うことができなかったことにも触れてほしかった。といっても,昔どこかで読んだだけの不確定情報だが,徳川家は将軍になるために「源氏(新田氏)」の家系をでっち上げたということも同時に読んだような気がする(笑)今回は棚旗奈々に比べ,妹の沙織が生き生きとしていた。探偵役の桑原崇が「熊ツ崎」と呼ぶ小松崎を「くまさき(熊崎)さん」と呼んではばからない(最後のほうで,本名をきちんと知っていることはわかる)彼女に,フリーライターとなった(今回から??)小松崎とのロマンスを期待してはいけないだろうか(笑)ところで,この本を読み,ガイドブックとして鎌倉を散策(自転車も使い,疲れたパートナーを気づかい……)されたラタナコーシンさんの「 鎌倉紀行」がとてもおもしろかった。本に書かれた世界を改めて見直し,味わうことができた。シリーズ前作「QED龍馬暗殺」の日記は,→こちらからどうぞ。高田崇史の他作品はについての日記は,フリーページ 読了本(日本) (高田崇史)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスQED~ventus~鎌倉の闇 高田崇史記事関連のオススメ日記日々のあぶく(kiyu25さん)
2006/12/19
毎週,日・月あたりに,スパイウェアとウイルスの定期スキャンを行い,結果を書いています。ソフトは,Spybot S & D,AD-AWARE,SpywareBlaster,AVG Anti-Virus。データ更新今週は,AD-AWAREは,データ(12/12)更新あり。Spybot S & Dは,データ(12/15)更新あり。SpywareBlasterは,データ(12/08)更新なし。スパイウェアスキャン今回は,Spybot S & D,AD-AWAREの順でスキャンしたが,スパイウェアは検出されなかった。ウイルススキャンデータ更新は自動でかなり頻繁に行われている(最新データ(12/17))。ウイルスは検出されなかった。ウイルスとスパイウェア対策については,ウイルス・スパイウェア対策メモをごらんください。また,スキャン非クリア履歴には,スキャンの検出記録と付加情報のリストがあります。パソコンに関する日記は, パソコン関係 からどうぞ。
2006/12/18

北森鴻の「暁の密使」(2006)を読んだ。ジャンルは,著者ホームページに「歴史ミステリー」とあったから,「ミステリ」でいいのだろう。明治時代(日露戦争前夜)にチベット入りをめざした浄土真宗東本願寺派の僧侶能海寛(のうみゆたか,→ウィキペディア)についての物語。鎖国状態にあり,最後の秘境といわれた西蔵(チベット)に入り,「法主からの親書をダライ・ラマ13世に届けて,仏教の原点である西蔵経典を学び,それを日本に持ち帰りたい」という彼の熱情は,当時の中国(清)やそれを取り巻く諸外国,さらには日本政府などの思惑により翻弄されることになる。当時の中国は英国の商社や宣教師を尖兵として奥地まで蚕食されている状態だが,特に憎ったらしく思わせるように描かれているのが,阿片戦争のきっかけを作った英国商社ジャーデン・マセソン社(笑)日本政府とのつながりまで持ち,「情報戦」で圧倒的であるだけでなく,ネパール兵士を雇い入れて組織した廓爾喀(ごるが)旅団という武力集団まで持っていて「荒事」をやってのける。まあ,その存在があるために,ストーリー後半の盛り上がりが出てくるのだけれどね(笑)揚用(ヤンヨン)・洪(ホン)組と明蘭(ミンラン)・義烏(イーウー)組とがそれぞれの思惑を持ちながらも能海に惹かれて,彼を自然と守ろうとしているのはよかった。いや,それどころか最大の敵であるマセソン社のヤンセンすら最後の最後まで(と,ここがミソでもあるのだが)彼に好意的であった。日露戦争の開戦が戦うためではなく停戦条約を結ぶためであり,そのために,日本と西蔵の同盟は必要なものから邪魔なものに変わったというくだりはなかなかおもしろかった。北森鴻の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (北森鴻)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━公式ホームページ:北森鴻公式サイト 酔鴻思考楽天ブックス暁の密使 北森鴻
2006/12/17

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中16作目にあたる,レックス・スタウトの「黄金の蜘蛛」(The Golden Spiders,1953)を読んだ。おそらく,ウルフがもっとも安く依頼を引き受けた事件だろう。停車している自動車の窓を拭いて小遣いを稼いでいる12歳の少年ピーター・ドロサスが,ウルフの事務所にキャデラックに乗った女性が助けを求めたという事件を持ち込み,100ドルを手に入れて山分けしようと言う。少年は翌日そのキャデラックにはねられて死亡。クレマー警視からは同じ車が別の人間をひき殺していることを知らされる。少年の貯金箱にあり,母親がウルフのもとに持ち込んだ4ドル30セントで事件を引き受けることになり,アーチーが自分の金をたしてキャデラックの女性がつけていた黄金の蜘蛛のイヤリングの情報を求める新聞広告をタイムズ紙に載せたことから,新たな殺人事件が起こり……まあ,そのほかに,ローラ・フロムが手付金として渡した1万ドルを手に入れたり,ほぼ同じころに鉄工業者から彼の息子探しで礼金をたっぷり搾り取ったりはしているのだが(笑)この作品でギャゼット紙のロン・コーヘン(自分の読んだ限りでは)が初登場。また,クレマーが警視,ロークリフが警部,パーリー・ステビンズが警部補とそれぞれ昇格しているが,実際に昇格したのか翻訳のせいなのかは不明(「編集者を殺せ」の解説でクレイマーは警部と訳されているが原書では警視とあった,ちなみにそこでのステビンズは巡査部長)。今回はウルフが使う3人の探偵たちがそれぞれ自分の判断で動いて成果をあげ,アーチーも拳銃の腕前を見せる場面があり,脇役好きの自分には楽しい1冊だった。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス黄金の蜘蛛レックス・スタウト
2006/12/16

中篇集である,舞城王太郎の「熊の場所」(2002)を読んだ。あいかわらず,グロくてバイオレントなのだが,背景にある「強さ」が先へ先へと読ませてくれる。まあ,これまでと一緒だが(笑),「暗闇の中で子供」よりストーリーにまとまりがあった。熊の場所ランドセルに猫の尻尾を入れていたまー君への恐怖を「僕(沢チン,西暁小学校5年生)」が克服していく話。タイトルはアメリカで熊に襲われた経験をもつ「僕の父親」の,「恐怖を消し去るには,その源の場所に,すぐ戻らねばならない」という言葉による。その言葉どおり,すぐにまー君の家に行き,サッカーなどを通して「友達」になった僕が,彼の家に泊まるようになり,夜,「まー君に殺されるかもしれない」という「ワクワク」感はある種エロティックでもある。一つ下の学年の上田修士と何匹かの犬の失踪事件が解決したあと,東京に行ったまー君は,30歳くらいで西暁に戻り,彼にとっての「熊の場所」である涸れ井戸の中で,猫の骨とともに死体で見つかる。まー君にとっての恐怖は「猫を殺す自分」だったのだろう。バット男舞台は調布。金属バットを振り回すが,結局相手から蹴られたり殴られたりしてしまう年齢不詳の「バット男(為国重夫)」,「僕」の高校時代の友人でバスケット馬鹿の大賀祐介,同じ高校で中学の時の同級生であり,大賀と付き合っていた梶原亜紗子3人の「捩れた愛情」の物語,なのかな?(笑)時には2人から別々に相談を受けたりするものの,常に「外側」に自分を置いているくせに「バット男」のバットが振るわれることを望み,振るわれたバットに執着していた「僕」は,就職して,家庭を持っても,バット男の影から逃れることができない。弱い者がさらに弱いものを見つけて叩くシステムを知ってしまった悲劇か……しかし,亜紗子と博美は為国と暮らしているのだろうか?博美はバットウーマンにならずにすんでいるのだろうか?ピコーン!舞台は西暁町。喧嘩しか知らない赤星哲也をフェラチオの1万本抜きで「まとも」にしようとし,自分は医院でのバイトと大検の勉強に励む智与子が,哲也の突然の死と死体の異常な様子の謎を解く話。智与子の強さのみが印象に残った。舞城王太郎の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (舞城王太郎)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス熊の場所 舞城王太郎
2006/12/15

Vシリーズ9作目にあたる森博嗣の「朽ちる散る落ちる」(2002)を読み終わった。英語タイトルの「Rot off and Drop away」は日本語タイトルと微妙に違い,日本語のほうは「ちる」を核としたほぼ同じ内容の言葉の繰り返しに「枯葉」のイメージを加えているのに対し,英語タイトルは,「腐って(朽ち落ちてでも同意),取り残される(「自分から離れる」ほうが近い)」。また,各章タイトルは漢字を変えた「かける」で統一されているが,それぞれがうまく章の内容と合っていて驚いた。以下,ネタバレ注意!です(笑)今回は,練無に根来機千瑛までも加わったアクションシーンもあり(リィ・ジェンと自分との比較をして,杏奈をも思い「強さ」を考える練無もよかった),あわやへっ君の誘拐? という場面もあり,ハラハラドキドキしながら読んだのだが,よ~く考えてみると,「現在」では周防教授の傷害事件以外ほとんど何も起こらなかった(笑)保呂草や紅子たちが再び超音波研究所に行ったのが,前の事件の1週間後ということから,時間的には,「六人の超音波科学者」(日記は→こちらから)の直後。ちょっと横道にそれるが,「六人」と「朽ちる」との時間的接近から,間にはさまれた「捩れ屋敷の利鈍」が,時系列から外れていることがわかる。そういえば,S&Mシリーズでも8作目の「今はもうない」(日記は→こちらから)はちょっと「ずれた」話になっていた。プロローグに「偶然と必然」について書かれているが,もっとも大きな偶然が,練無,紫子,保呂草が紅子の家の近くのアパートに一緒に住んでいること。もっとも,これは作者による「必然」ともいえるのだが(笑)保呂草が遊園地の観覧車で各務と藤井の依頼を受けるが,この遊園地はあの時のあの遊園地だろか?(笑)大きな事件がなかったわりに,今回のストーリに緊張感があったのは,駒として動く4人&愛知県警の後ろに,見えない「糸(思惑)」があったからだ。保呂草の後ろの各務&藤井苑子。紅子の後ろの小田原(&纐纈&土井)。練無の後ろの纐纈。藤井苑子の後ろの組織&徳郎。そしてCIA。CIAといえば「宇宙船の謎」はおもしろかった。「解決」の仕方も,いかにも紅子的というか森博嗣的であったし(笑)最大の謎であった地下の密室での死は,「落下」によるものだった。この死は,組織との関係を考えると,英語タイトルの「Rot off and Drop away」に完全に一致しているともいえる。一方,日本語タイトルに合っているなぁと感じたのが,土井博士の死。「若いときに研究から得た興奮を,そして満足を……片鱗にでもよいから再会したい……だがついに,そんなものはなかった」という「遺書」の言葉はいかにも「枯れていった」感じだ。ところで,紫子と練無のキャッチボールで使ったグローブからへっ君のイニシャルが「S.S.」だとわかる。なるほど……,というか知ってはいるのだけれど(笑)また,へっ君は紅子と七夏の関係には気づいているようだった。練無と森川君のデートもなかなかよかった。森川君,誘えばランチタイム・ショーに同伴してくれる女の子もいそうだけれど,思いつきもしないのだろうな。誘った女の子と話すネタもなさそうだし(笑)七夏から「田中」としてしか認識されない鑑識の係員加藤君が電気系統に強いことを示し,面目躍如。なかなかよいキャラクターだ。保呂草が苑子に「古い価値」のものとして渡した徳郎の指輪を,「新しい価値」として平気で電源を切ってしまった苑子はどのように受け止めたのだろうか?お礼として纐纈家にある名画のどれでも持っていってくれというのは,とても気前がよいけれど……。彼女の息子はひょっとして,そこで育てられているのだろうか?Vシリーズ前作の「捩れ屋敷の利鈍」についての日記は,→こちらからどうぞ。時代・場所,登場人物をフリーページの森博嗣メモ(朽ちる散る落ちる)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。森博嗣の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━著者ホームページ:浮遊工作室 (ミステリィ制作部)楽天ブックス朽ちる散る落ちる 森博嗣記事関連のオススメ日記cascade0920さん フォッカーといえば・・・・(ベローソフさん) TORAJAでちょっとひとやすみ(Haginoさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君)
2006/12/14

今回のタモリのジャポニカロゴスのテーマは「秋の一斉取締り! 日本語間違い看板」(11/07)に続いて,「日本語間違い看板 冬の一斉取締り!」。解答者は,関根勤,松嶋尚美,梨花,インパルス。正解率が75%以上なら,「ジャポイチ」(2億70万円(2007年にちなむ)の福袋)を見られる!間違い看板を正しく直す☆募集 「60才まで手伝って下さる方」 委細面談答えは,「60才までの年齢で手伝って下さる方」など。☆「漁師直売所」答えは,「漁師による直売所」など。☆無断駐車禁止 発見したら 「金一万円申し上げます」答えは,「金一万円頂きます」など。「申し受けます」かと思ったのだが,話題に出てこなかったのでよいかどうかは不明。☆「部外者以外立入り禁止」答えは,「部外者立入禁止」または「関係者以外立入禁止」。正解率71%。ということで,客と視聴者だけ見ることができた「ジャポイチ」は,「高級時計10点(1028万1250円引き)」だった。前回(12/05)分の日記は,→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:タモリのジャポニカロゴス
2006/12/13

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中7作目にあたる,レックス・スタウトの「我が屍を乗り越えよ」(Over My Dead Body,1940)を読んだ。ストーリーに第二次世界大戦前の国際的陰謀もがからんでいるという点でやや異色の一冊。独特の訛りがあり,カルラ・ロヴチェン(ロヴチェンは「黒い山」という意味のモンテネグロの名山)と名乗る女性がウルフの事務所を訪れ,自分と一緒にモンテネグロからアメリカにきたネヤ・トルミッチがダイヤモンドを盗んだという嫌疑を晴らしてほしいという。彼女の「フヴァラ・ボーグ(神に感謝する)」という言葉を聞き,いやな「モンテネグロの女」を思い出したウルフは彼女を追い返してしまうが,夕方再び現れた彼女は,ウルフの署名入りの書類を出して,ネヤがウルフの娘だから彼女を助けなければならないという。2人が働くニコラ・ミルタン教習所(ダンスとフェンシング)にアーチーが同行するが,ダイヤモンドの盗難事件が被害者のカン違いであったとして解決するのと入れ替わるように,殺人事件が起こる。事件の進行は本を読んでいただくとして,今回おもしろかったのは,ウルフの前半生について本の中で語られていたこと。「外国に主体があるものの仕事を米国でしているものは国務省に届けるべし」という連邦法規の件で事務所を訪れる,ストーリの中では道化回し的なFBI職員のスタールに答える形で,ウルフがかつて(25年前)オーストリア政府の仕事をしていたこと(「料理長が多すぎる(日記は→こちらから)」でも少し触れられていた),その後,モンテネグロ陸軍に入っていた(1916年まで)ことが明らかにされた。スタールに対し,ウルフは「私はこの国(アメリカ)で生まれました」と答えているが,ほかの本で自分が移民であると言っていることや,母親がハンガリーにいることから,この部分は単にスタールをからかっただけで,実際にはモンテネグロ生まれと考えるほうが自然だろう。ちなみに、1921年モンテネグロに行ったウルフは3歳の女の子を養子にしたが,その後モンテネグロにいられなくなってアメリカから送金。彼女を預けていた夫婦が革命分子として逮捕・銃殺され(8歳のとき),その後3年間の送金は着服され,少女を探しにモンテネグロまで行くが行方がわからないまま,逮捕され,退去命令を受けた。ところで,「外出嫌い」のウルフだが,「料理長が多すぎる」に登場したマルコ・ヴィクチッチ(ヴュクシック)の店(ラスターマン)には出かけるようで,教習所長であるニコラ・ミルタンとは,そこで会ったことになっている。また,ウルフが使う探偵のうち,ジョニー・キームズには前半で連絡をとるだけで,実際には活動していない。この頃から,探偵はソール・パンザー,フレッド・ダーキン,オリー・キャザーの3人で固まってきたようだ。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス我が屍を乗り越えよレックス・スタウト
2006/12/12
毎週,日・月あたりに,スパイウェアとウイルスの定期スキャンを行い,結果を書いています。ソフトは,Spybot S & D,AD-AWARE,SpywareBlaster,AVG Anti-Virus。データ更新今週は,AD-AWAREは,データ(12/06)更新あり。Spybot S & Dは,データ(12/08)更新あり。SpywareBlasterは,データ(12/08)更新なし。スパイウェアスキャン今回は,AD-AWARE,Spybot S & Dの順でスキャンしたが,スパイウェアは検出されなかった。ウイルススキャンデータ更新は自動でかなり頻繁に行われている(最新データ(12/10))。ウイルスは検出されなかった。ウイルスとスパイウェア対策については,ウイルス・スパイウェア対策メモをごらんください。また,スキャン非クリア履歴には,スキャンの検出記録と付加情報のリストがあります。パソコンに関する日記は, パソコン関係 からどうぞ。
2006/12/11

舞城王太郎の「暗闇の中で子供」(The Childish Darkness,2001)を読んだ。「煙か土か食い物」(日記は→こちらから)の続編のようでもあるが,書き手が四郎から三郎にかわっているため,「全く別の物語」が語られることになる。おおざっぱにいうと,序盤は「煙か土か」で野崎博が起こした事件を引き継いでナスカの地上絵と惑星探査機に描かれた絵を完成しようとした2組(3人)の話,中盤は「殺ジャワクトラ神」連続殺人,終盤は河路夏朗の襲撃の話となるが,全体を通して,自傷衝動にかられる布施由里緒,猿江楓を始めとする三郎の同級生たち,二郎その他奈津川家の人間などとかかわりながら,「大人になりきれない」三郎について語られることになる。全編を通して,「ある種の事実は嘘でしか語れ」ず,それが「物語」であるという姿勢が貫かれているので,読み終わっても,「奈津川家に起こった事実」が何であったのかはわからない。三郎によると,「ジャワクトラ神=河路夏朗」は二郎ではなく,二郎と同時期に姿を消した河合陽二であり,二郎は家族の腹の中におさまっているのだがそれが「事実」なのか?また,病院から抜け出した三郎たちの母がどこに行ったのか? また,誰といるのか?そもそも,「殺ジャワクトラ神」連続殺人の最初の被害者である橋本敬は,高野祥基によって窒息死させられたのであり,それがどのような経緯で西暁中学校で上村の息子の「達磨落とし」にされたかの経緯も語られることはない。暴力的なシーンや残虐なシーンが多いのだが,書き手の語り口がそれを妙に「乾いたもの」にしているので,「目を覆いたくなる」ような感じがしない。この作者独特の文体によるものだろう。不思議な読後感を残す作品だった。舞城王太郎の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (舞城王太郎)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス暗闇の中で子供 舞城王太郎記事関連のオススメ日記未来の予定~ラビ的(みっつ君) フォッカーといえば・・・・(ベローソフさん)
2006/12/10

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中5作目にあたる,レックス・スタウトの「料理長が多すぎる」(Too Many Cooks,1938)を読んだ。ネロ・ウルフのシリーズの中でもっとも有名でかつもっとも読まれている作品だろう。1937年4月上旬。シリーズで初めて,ウルフが鉄道での旅行をする(「若造」のころはオーストリア政府の密命でスペイン→アルジェと動き回っていたこともあるらしい)。行き先はウェスト・ヴァージニア州のカノーワ・スパー(チャールストンの近く)。5年に1度開かれる「15人の巨匠」の会に主賓として呼ばれ,料理を堪能し,会の締めくくりとして「高級料理に対するアメリカの貢献」という主旨でスピーチをするためである。この事件でウルフは報酬(何人かからの違う形の提示で,最高5万ドル)を受け取らない。これでウルフを「無欲な人間」などと思ってはいけない(笑)いちおう,「客だから」とか「自分が狙われたから」ということで,事件を「無料」で解決してしまうのだが,実はもっともほしいサン・レモの「コリドーナ」の料理長からソーシス・ミニュイ(ソーセージ)のレシピを,周到な根回しの上で手に入れているのである。今回も,ウルフの「聞き上手」が存分に発揮された。相手は料理長の1人の妻である中国人と,滞在したホテルの給仕,コックなどを含めた黒人たち。ウルフ自身が「移民」であることもあり,黒人たちから事実を聞きだす場面は(実はウルフの説得が空振りもするのだが)説得力があった。年代と国柄を考えると,口を閉ざす彼らの気持ちはストレートに伝わってくるし,「ひょっとして今でも?」などと思わせるところもあった。なお,主賓であるウルフは「カノーワ・スパー」の料理長から招待されるのだが,アーチーも同じ資格で料理のテーブルにつけるように招待してくれたのが,ウルフの友人でニューヨークのレストラン「ラスターマン」のオーナーシェフのマルコ・ヴュクシック。彼はウルフがファーストネームで呼ぶ「身内」以外の2人のうち1人ということだが,その後の作品にも名前がよく登場する。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス料理長が多すぎるレックス・スタウト
2006/12/09

Vシリーズ8作目にあたる森博嗣の「捩れ屋敷の利鈍」(2002)を読み終わった。英語タイトルの「The Riddle in Torsional Nest」の「riddle」だけれど,「なぞなぞ」とか「謎」の意味ではなくて「抜け穴」という意味。「利鈍」は例によって「riddle」との語呂合わせだが,熊野御堂家の事件に関連して,たしかに鋭いものも愚かなものもいて,辻褄はあっている。プロローグで保呂草が「今回の物語は,多少これまでと趣が異なっているかもしれない」と語っているが,「大いに」趣きが異なっている(笑)なにしろ,大学院生の西之園萌絵が国枝先生のお供つきで登場しているのだから……この作品ではエンジェル・マヌーバ(「魔剣天翔」(日記はこちら)でも登場)の盗難事件と,その持ち主である熊野御堂譲の殺害事件が2本柱となるが,殺害事件の犯人にはちっとも心が向かず,ひたすら周辺事項を楽しんでしまった。著者自身,動機を最後まで明かしていないなど,似たような傾向があるような気もする(笑)以下はS&MシリーズとVシリーズなどの関連を知らない方にとってはネタバレになりますのでご注意ください。無難にメビウスの帯から。メビウスの帯は,帯を1ひねり(180度回転)して表と裏を合わせて輪にしたもの。ある所を始点に帯の端にそった線を引くと,(もとの)表,裏とすべてをたどってから始点に戻る。したがって,帯のセンタラインにはさみを入れて切り,2つの輪にしようとしても,大きな1つの輪(捩れている)ができる。帯を2ひねり(360度回転)させ,表と表を合わせて輪にすると,帯の端にそった線は片側をたどるだけで始点に戻る。この場合,センタラインにはさみを入れて切ると,つながった2つの捩れた輪ができる。メビウスの帯の建造物を見た翌朝の国枝の感想は,どうして一周で「90度」ねじらなかったか? という疑問だった。そうすれば,「床も壁も天井も,全部連続になるのに」という理由からだが,「紙の帯」からは出てこないこの発想がおもしろかった。エンジェル・マヌーバスカイ・ボルト(Sky bolt,稲妻)またはフライト・ファザ(Flight feather,主翼)ともよばれ,マスカヴィ・ママ(Mascovy murmur,モスクワ公国のささやき)という大振りの宝石が填め込まれている工芸品。短剣の形を擬しながら,剣が鞘から抜けない点がAngel maneuver(天使の軍事演習)という名前にふさわしいと保呂草は喜んでいた。鞘や鎖を含めて1つの銀から作られたもので,本来どこにも継ぎ目や接着面がない。って,ここらへん,保呂草はもともと知っていたはずだ!!エピローグとプロローグエピローグで,保呂草は紅子から「西之園萌絵に手を出さない」ことを頼まれ。保呂草自身,全く異存なく紅子の要求を受け入れた。ということで,「τになるまで待って」の日記で,赤柳がもしかして「保呂草かな?」などと書いたのだが,この部分は撤回せざるを得ないだろう。約束を破ると,紅子さん怖そうだものね(笑)プロローグにも,気になるところがあった。「この物語に登場する私の古い友人(おそらく,向こうは私のことを友人とは認めたくないだろうが)は,一流の道具に拘る,道理をよく承知した人間だった。私は彼が好きだ。……」の部分である。この物語に登場する男性は,熊野御堂譲,宗之,保,光岡と佐竹(執事とコック),演出家の倉知と助手,岐阜県警の刑事たち,スケボーの少年,それに電話出演の犀川創平だけだ。その中で「向こうが思っていなくても古い友人」でありえるのは……Vシリーズ前作の「六人の超音波科学者」についての日記は,→こちらからどうぞ。時代・場所,登場人物をフリーページの森博嗣メモ(捩れ屋敷の利鈍)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。森博嗣の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━著者ホームページ:浮遊工作室 (ミステリィ制作部)楽天ブックス捩れ屋敷の利鈍 森博嗣記事関連のオススメ日記読書日記&たわごと(cascade0920さん) 田ライダーさんフォッカーといえば・・・・(ベローソフさん) 読んだり書いたり(にわとり7128さん)未来の予定~ラビ的(みっつ君) 読書日記&たわごと(cascade0920さん)
2006/12/08

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中4作目にあたる,レックス・スタウトの「赤い箱」(The Red Box,1936,7)を読んだ。1936年3月末。外出嫌い(少なくとも年一回,メトロポリタン蘭展覧会には出席するらしい)のウルフが珍しく殺人事件のあった洋装店に出向くところから話が始まる。毒入りのアーモンド菓子を食べたモデルが死んだ事件で,関係者が口を閉ざし,依頼人のリュー・フロストも,犯人が自分が想定していた人間と違うらしいことに気づき,依頼を取り下げようとする。そんな中で,洋装店の経営者で一流デザイナーのマクネヤーがウルフの事務所を訪れ,アスピリンの中に混ぜられた青酸カリを飲んで死亡する。マクネヤーが来訪したのは,知り合ったばかりのウルフに「赤い箱」を遺贈するとともに,遺言執行人とするためだったが,事件解決の手掛りが入っているはずの「赤い箱」がどこにあるかをいう前に死んでしまった……けっこう「見えやすい」話で,ミステリを読みなれた人には犯人や動機がかなり早い段階でわかってしまうかもしれない。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス赤い箱レックス・スタウト
2006/12/07

今回のタモリのジャポニカロゴスのテーマは,「幸せ組VS負け犬 大和撫子はどっちだ!? スペシャル」。解答者は,幸せ組…小川菜摘,千野志麻,山口もえ負け犬…麻木久仁子,松嶋尚美,杉田かおる勝利チームは「ジャポイチ」(「うわ! 触ってみた~い!!」)を見ることができる!カンタン日本語対決!☆6人の中でいちばん「がんばっている」人は?「がんばる」の本来の意味は,「年をとっている(眼が張る)」。☆6人の中でいちばん「ごねそうな」人は?「ごねる」の本来の意味は,死ぬ,くたばる。☆女房と( ? )は新しいほうがよい。☆年上の女房は( ? )を履いてでも探せ。答えは,畳,金(かね)のわらじ。家事用語対決☆ふり洗い答えは,絹などを水面に対して直角に振るように洗う。☆まつり縫い答えは,裾の部分を折り返し,下から針を上げるようにして縫う。☆ワイシャツとセーターをそれぞれ「吊り干し」と「平干し」のマークで処理(解答省略)。負け犬組が見ることのできた「ジャポイチ」は「ビクーニャ毛布(315万円)」。前回(11/28)分の日記は,→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:タモリのジャポニカロゴス
2006/12/07

イーデン・フィルポッツの「灰色の部屋」(The Grey Room,1921)を読んだ。田園作家として著名であった(読んでいません,笑)フィルポッツが60近くになって初めて書いた推理小説。デヴォン州にあるウォルター・レノックス卿のチャンドランズ屋敷には「灰色の部屋」と呼ばれる閉ざされた部屋があり,過去にその部屋で2人が不可解な死に方をしていた。ウォルター卿の甥ヘンリーとの意地の張り合いで,「灰色の部屋」で一夜を過ごしたウォルター卿の娘メアリの夫トーマス・メイは翌朝死体となって発見される。それをきっかけに,その部屋が次々と不可解な死を呼ぶのだが……カーター・ディクスンのヘンリ・メリヴェール卿シリーズのファンなら「赤後家の殺人」に似ているなぁと思うかもしれない。実際,自分の場合,それに思い至ったとたんに「灰色の部屋」の謎がわかってしまった。もちろん,ストーリーの展開は2作それぞれ違うので,メイントリックがわかってもおもしろさを損なうことはなかった。また,自分が読んだ順番と違って,書かれたのは「灰色の部屋」のほうが10年以上前であることも,ここで断っておいたほうがいいだろう。舞台としてあいかわらずイタリア(ここでは湖水地帯ではなくヴェネチアだが)が登場するのは,いかにもフィルボッツらしい。イーデン・フィルポッツの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (イーデン・フィルポッツ)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス灰色の部屋イーデン・フィルポッツ
2006/12/06

ネプリーグ2ndStageのファイブツアーズ(漢字の読みの問題)のメモです。ネプチューンチームレベル1宮殿,苦い,利根川レベル2一対,楠木正成,清々しいレベル3羊頭狗肉,慟哭,羊歯FINAL一粁(←高田純次,堀内健,ビビる大木,原田泰造,名倉潤アウト)答えは,きゅうでん,にが,とねがわ,いっつい,くすのきまさしげ,すがすが,ようとうくにく,どうこく,しだ,いちきろめーとる。スターダストチームレベル1側近,御歳暮,函館レベル2不味い,二葉亭四迷(←野々村真,山口もえアウト),万物流転(←岩崎ひろみ,魚住りえアウト)レベル3執拗,目敏い(←板東英二アウト)答えは,そっきん,おせいぼ,はこだて,まず,ふたばていしめい,ばんぶつるてん,しつよう,めざと。前回(11/27)分の日記は→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:ネプリーグ
2006/12/05
毎週,日・月あたりに,スパイウェアとウイルスの定期スキャンを行い,結果を書いています。ソフトは,Spybot S & D,AD-AWARE,SpywareBlaster,AVG Anti-Virus。データ更新今週は,AD-AWAREは,データ(11/27)更新あり。Spybot S & Dは,データ(12/01)更新あり。SpywareBlasterは,データ(11/20)更新なし。スパイウェアスキャン今回は,Spybot S & D,AD-AWAREの順でスキャンしたが,今回は,AD-AWARE,Spybot S & Dの順でスキャンして,スパイウェアは検出されなかった。ウイルススキャンデータ更新は自動でかなり頻繁に行われている(最新データ(12/03))。ウイルスは検出されなかった。ウイルスとスパイウェア対策については,ウイルス・スパイウェア対策メモをごらんください。また,スキャン非クリア履歴には,スキャンの検出記録と付加情報のリストがあります。パソコンに関する日記は, パソコン関係 からどうぞ。
2006/12/04

「帽子から飛び出した死」(日記は→こちらから)に続いて,クレイトン・ロースンの「天井の足跡」(The Footprints on the Ceiling,1939)を読んだ。奇術師のマーリニが探偵役をするシリーズの2作目となる。舞台はマンハッタン,ブロンクス,クイーンズを隔てるイースト・リヴァーの中にある,(架空の)スケルトン島。スケルトン家で行われるマダム・ラプールの降霊術のトリックを見破ってほしいというワトラス大佐(2人とも「帽子から」に登場)の依頼を受けたマーリニ。ブロードウェイの劇作家となっているロス・ハートとともに島に行くと,スケルトン家の女主人であるリンダ・スケルトンの死体と「スケルトン船長(リンダの祖父の祖父)の幽霊」に遭遇することになる。降霊術,幽霊だけでなく,沈没船のトレジャー・ハンティング,サーカスのアクロバット,詐欺,ギャングといろいろな意味で,サービス盛りだくさんの作品。ただ,そのせいで作品全体がややぼやけたイメージになっているのが残念。リンダの死に関する仕掛けは,偶然にも,最近読んだ「毒蛇」の大学総長の死に似ているのだが,ほかの要素が多い分こちらのほうがわかったときの印象が薄かった(もちろん,読んで損をしたとかいうレベルではありません,笑)。ちなみに,前作で警部だったガヴィガンは警視として登場し,この事件の功績で,副本部長に昇進した。巻末の森英俊の解説は,クレイトン・ロースンの作品について詳しいとともに,EQMMの編集者としての彼の一面も書かれていて,非常に興味深い。クレイトン・ロースンの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (クレイトン・ロースン)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス天井の足跡クレイトン・ロースン記事関連のオススメ日記ミステリの部屋(samiadoさん)
2006/12/04

ネロ・ウルフが登場する長編33作品中3作目にあたる,レックス・スタウトの「ラバー・バンド」(The Rubber Band,1936)を読んだ(けっこうはまってしまいました,笑)。1935年10月,沿海物産会社社長のアンソニー・ペリーが3万ドル盗難事件の最有力容疑者であるクララ・フォックスの無実を明かしてほしいと依頼にくるが,その後全く別の,荒唐無稽な依頼を持ち込んだクララの話を聞いて,ウルフはペリーの依頼を断ってしまう。彼女がほかの2人(3人目はその時点で殺されていた)と依頼したのは40年前にイギリス人を助けた対価として100万ドルを得たいというもので,10%をウルフに渡すという。さらに殺人があったり,外交問題が絡んだりもするのだが,この作品では,警察・検察のオタオタぶりがおもしろかった。惚れっぽいアーチー以上にウルフがクララに惚れこんでしまったらしいところもおもしろかった。残念なのは「タイトル」だが,この作品についてではない。この作品のタイトルは「輪ゴム団」でもよかったような気もするが,「ラバー・バンド」でもOK。戻って,1作目の「毒蛇」はいただけない。本作が「ラバー・バンド」でよいならば,わけがわからなくても,原題通り「フェル・ドゥ・ランス(←毒蛇の名前)」としてほしかった。登場人物などをフリーページのレックス・スタウトメモ(ネロ・ウルフシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。レックス・スタウトの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (レックス・スタウト)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスラバー・バンドレックス・スタウト
2006/12/03

シリーズ4作目にあたる森博嗣の「フラッタ・リンツ・ライフ」(2006,Flutter into Life)を読んだ。これも,自分なりのまとめの意味もあって,ネタバレなしに書けないので,悪しからず。ここでは,「僕」が草薙から栗田に変わり,「スカイ・クロラ」での謎の1つであった,栗田が基地から「消えた」経緯も語られることになる。舞台は「スカイ・クロラ」と同じ基地に移り,草薙は大尉に昇進,基地の指揮官となっていて,栗田と同室のパイロットとして土岐野も登場している。「ナ・バ・テア」,「ダウン・ツ・ヘヴン」の基地からは栗田と整備士の笹倉が草薙とともに異動したが,「フーコ」の存在から2つの基地があまり離れてはいないことが伺われる。第1話の「3」で栗田が「一年以上彼女と飛んでいる」とあることから,「ナ・バ・テア」からそれほど時間が経過していないこともわかり,後に登場するミズキの成長が極端に速いこともわかる。また,「ナ・バ・テア」で草薙の出産にかかわった相良医師(2人)を父と兄とする生物医学研究者,相良亜緒衣の登場で,キルドレが新薬の副作用で生まれた人間であることと,現在はその薬が禁止されていて,これ以上キルドレが生まれることはないことが明らかにされる。キルドレを普通の人間に戻す技術を発見した彼女は「組織」から逃げているのだが,キーであり「実証例(草薙はすでにキルドレではなくなったようだ)」である草薙水素の母親の葬儀の場で彼女を殺そうとして失敗し,警察に捕まる。葬儀の場には水素の娘ミズキも来ていて,護衛としてその場にいた栗田と話をするのだが,栗田は相良に撃たれて負傷。それ以降,基地に戻ることはなかった。案外軽傷だった栗田の次の任務は,危険な最前線での戦闘。これはキルドレの秘密を知った栗田の口封じだろうが,その結果,彼の機は「黒い猫」マークの敵機(ティーチャの機)に傷つけられ,不時着して重傷を負う。ストーリはここで終わるのだが,そこで「はて?」と考えてしまった。大人にならず,飛行機で堕ちることによってしか死ぬことがないと思っていたキルドレだが,飛行機の操縦ができないくらいの重傷を負ってしまった場合,どうなるのだろうか?ちょっと気になる。次作がシリーズ最終話となるようだ。シリーズについての日記は,それぞれ,1作目「スカイ・クロラ」,2作目「ナ・バ・テア」,3作目「ダウン・ツ・ヘヴン」からお読みください。時代・場所,登場人物(機種)などをフリーページの森博嗣メモ(フラッタ・リンツ・ライフ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。森博嗣の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━著者ホームページ:浮遊工作室 (ミステリィ制作部)楽天ブックスフラッタ・リンツ・ライフ 森博嗣記事関連のオススメ日記日々のあぶく(kiyu25さん) 猛読醉書(かつきねえさん)☆なほまる★さん フォッカーといえば・・・・(ベローソフさん)
2006/12/02

「赤毛のレドメイン家」(日記は→こちらから)に続いて,イーデン・フィルポッツの「闇からの声」(A Voice form the Dark,1925)を読んだ。ロンドン警視庁を引退した名探偵ジョン・リングローズは,半生記を執筆しようと訪れたホテル「旧領主邸」で夜中に子供の泣き声を耳にして目を覚ましてしまう。同宿の老婦人ベレアズ夫人と,付き添いのスーザンから声の主が1年以上前に死んだ少年だと聞かされたリングローズは,少年の死を追求するうちに,さらに大きな犯罪が行われたことを知ることになる。イングランドでの舞台はイギリス海峡に面しているが,「赤毛のレドメイン家」よりやや西にあたる。また,1年近くかけて解決される中で,舞台は北イタリアのコモ湖周辺にも移動し,この作者が本当にこの2つの場所が好きであることもわかる(舞台が近いだけで登場人物やストーリーは全く違う)。「赤毛のレドメイン家」に冷徹なおもしろさがあるとすれば,こちらには「あたたかさ」ある。イーデン・フィルポッツの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (イーデン・フィルポッツ)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス闇からの声イーデン・フィルポッツ
2006/12/01
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