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書籍の感想です。今回は「吼えろ道真 大宰府の詩」です。吼えろ道真 大宰府の詩 (集英社文庫(日本) 泣くな道真 大宰府の詩) [ 澤田 瞳子 ]泣くな道真の続編となります。大宰府に左遷の憂き目にあった道真に「泣くな」というタイトルは想像がつくわけですが、今回の「吼えろ」というのは果たして何に吼えるのか。と思ったのですが、そこまで朝廷に噛み付いたり、大宰府に吠え立てたりしているわけではありません。むしろ、「人はどう生きるべきか」みたいなお話かなと思いました。例えば大宰府ナンバー2の小野葛根という人がいるのですが彼はお世話になったナンバー1の叔父のためにイロイロ尽力しようとします。それが大宰府のためでもあると思ったからです。しかし厳密にはその両者は違う。そしてそれを見透かされた対応をされ、初めて自分が間違っているのではないかと感じ始めるのでした。道真は道真で自身の不幸を嘆くような詩を書き散らしながら、実際には、したたかに大宰府に根を下ろして生きていくのです。与えられた場所で精一杯生きていくしかありません。その中でいかに楽しみを見つけるか、この本はそんな道真を描いている気がします。
2023.06.25
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書籍の感想です。今回は「十年屋 5 ひまな時もございます」です。十年屋 5 ひまな時もございます [ 廣嶋 玲子 ]今回の十年屋は十年魔法をほとんど使いません。お客様は来るのですが、結局なんやかんやで預けない事が続きます。腕が震えなくてちょっと残念そうな魔法使いさんです。イロイロな話があるのですが、私は「おもちゃの旅立ち」という話が好きです。ピノは最初は自分勝手な理由で一番好きなぬいぐるみを十年屋に預けるつもりでした。でも、でも、大好きなぬいぐるみ、一番の親友を預けることなんてできるでしょうか?やっぱりできないと決断したピノは預けない決断をします。なのですが、なんと一時的に預かったカラシがこの黒いぬいぐるみを心底好きになってしまっていたのです。一番好きなぬいぐるみ。でももう大きくなった自分は後どのくらい構ってあげられるだろう?そう思った時、ピノは最も良い選択が何であるか気付いてしまったのです・・・十年魔法は使わなかったですが、みんなみんな幸せになったから良かったですね。
2023.06.18
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書籍の感想です。今回は「幸せの条件」です。【中古】 幸せの条件/中央公論新社/誉田哲也 / 誉田 哲也 / 中央公論新社 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】仕事をなんとなく、でこなしてきた梢恵は仕事ができない子で、伝票整理などをやらされていいました。そんな自分を雇い続けてくれる会社に感謝しつつも、仕事がつまらなくて仕方がありません。そんな中、社長がバイオエタノールを精製する装置を発明したということで、梢恵は長野の農家にバイオエタノール用の米を作付けしてもらえるよう交渉する仕事を言いつけられます。そもそも仕事に熱意を持っていない梢恵はいやいや長野に出張するのですが、当然農業のことも知らず、バイオエタノールのことも知らないまま、交渉に当たったために上手く行くはずもない。社長からは契約取れるまで戻ってくるなと言われてしまい、困り果てた梢恵ですが、いくつかの偶然も重なり、ある農家のもとで勉強を兼ねて、手伝うこととなったのです。そんな梢恵と農家の暮らしを描いた作品です。当初梢恵はいやいやだったし、やる気を出そうにも右も左も分からないので手伝うこともできない。ほとんど見て過ごすだけになるのですが、それでも農家が自然を愛し、自然とともに生きていることを痛感します。そして次第に自分も手伝いたい、そういう生活を送ってみたいと思うようになるのです。この小説は2012年の作品ということもありますが、東北の大震災の事が出てきます。梢恵は震災に対して何かできないか考えます。それはわずかなきっかけだったかもしれません。しかし、彼女の価値観を大きく変え、前向きさ、ひたむきさを手に入れるのです。梢恵は長野では自分が必要とされているからと考えますが社長は「本当の意味で自分に必要なのは何か」を見つけたから、と説明してくれます。東京には色々な物があります。たくさん、たくさん。でも、だからと言ってたくさんある=幸せというわけではないのです。例え、物は少ししかなくても、自分にとって必要な物がある場所こそ幸せを感じられる場所なのでしょう。それは梢恵は見つけた。ということですね。ステキ。それと合間合間に農業の問題点、大変さ、そして素晴らしさが盛り込まれています。ページ数多いですが、とても楽しく読めました。
2023.06.17
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード5 王国の漢たち 上」です。オーバーロード5 王国の漢たち [上] [ 丸山 くがね ]シャルティア、コキュートスときて、今回はセバスですね。アニメだとこの辺からだんだんごちゃごちゃしてくる印象です。登場人物も増えてきて、話も複雑になってきて、映像で一回見ただけではなかなか理解も難しいところ。なので、小説読んでちゃんと理解したいですね。今回はアライメントが善にかなり寄っているセバスがつい奴隷であった人間を救ったことで裏組織八本指に粉かけられるという感じですね。セバスもクライムもそしてブレインも分かりやすいのですが、ラナーが難しいですね。見た目、そして、表面上の行動は善そのものなのですが、偽善感も相当です。ややメタボ感のある兄の方が見た目は悪のやられ役風なのですが、どっちが性悪なのか・・・ラナーが何を目論んでいるのかがよく分からなかったので、その辺が今後明らかになっていくことに期待ですね。
2023.06.13
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書籍の感想です。今回は「カフェ飯男子とそば屋の後継ぎ」です。カフェ飯男子とそば屋の後継ぎ~崖っぷち無職、最高の天ざるに出会う。~ (スターツ出版文庫) [ 喜咲冬子 ]タイトルからカフェかそば屋か、とにかく食べ物屋のお仕事小説かと思っていたのですが、ちょっと違いました。自分のカフェをオープンすることを目指していた武士はオープン直前に共同経営者のはずだった先輩にお金を持ち逃げされてしまう。失意の中、自殺しようとしていたところを天ぷらそばに心を奪われてしまいます。というわけで、そのそば屋で働くこととなるわけで、そのそば屋で新たなやり甲斐、生き甲斐を見出していくのかなと思ったんですけどね。話はどんどん不思議系になっていき、幽霊のお腹を満たすために頑張るみたいな話になっていきます。とはいえ、武士も一度は死のうとした身。武士はたまたま死ぬ直前に美味しい食べ物に出会い、留まる事ができましたが、幽霊になってしまった彼ら、彼女らのお腹を満たすことで、武士は自分を見つめ直すようになります。振り返ることもできなかったカフェへの思いも友だちに話すことができ、前に向いて進む力を得たのです。まあまあ面白かったです。
2023.06.11
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書籍の感想です。今回は「泣くな道真 大宰府の詩」です。泣くな道真 大宰府の詩 (集英社文庫) [ 澤田瞳子 ]菅原道真。とっても頭の良い人で栄達をほしいままにしていたのにある時、大宰府に左遷される。そしてそこで悲憤に暮れながら生涯を閉じる。私が知っている菅原道真像はこんな感じです。大宰府天満宮で学問の神様として祀られていますね。さてこのお話は左遷されてきた道真をぐうたら官吏である穂積と女性ながら歌人として名を馳せた恬子などを通して描かれています。悲憤に暮れていた道真の再生物語なわけですが、そうは簡単に事は進みません。大宰府の方が唐物が手に入りやすいと分かり、自身の鑑定の才能を活かすことができると分かってやる気を出したのも束の間、自分が今まで見ていた民の暮らしぶりが、表面的なものに過ぎなかったことを知ります。さらに続けざまに事故で愛息が亡くなってしまいます。憔悴ぶりは更に激しくなるのですが、ぐうたらで名を馳せていた穂積の一言で再度立ち上がることを決意するのです。変わったのは道真だけではなく、穂積も変わり、そして恬子も新たな道を選ぶのです。なかなか面白かったです。
2023.06.10
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書籍の感想です。今回は「思い出のとき修理します」です。思い出のとき修理します (集英社文庫) [ 谷瑞恵 ]タイトルから不思議系の話だと思っていました。ですが、そうではなく、過去の思い出を辿ることで過去の傷ついた人々を癒やしていく話になっています。実際のところ、鄙びた商店街の時計屋に掲げられた看板が「思い出の時 修理します」と書いてあるのですが、時計の「計」の字が取れてしまったためにこんな味わいのある看板になってしまったわけです。味わいがあるだけに先代も、今の店主も、そのままあえて直さずにしています。直せるのは時計たげなのですが、思い出や時そのものも直せることを願っていたのでしょうか。主人公の明里も、現在の時計屋の店主も過去に消化できていない思い出を抱えているのですが、それを抱えたまま様々なお客様(正確には時計屋のお客様ではない場合が多いですが)の思い出を解きほぐしていきます。
2023.06.06
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書籍の感想です。今回は「後宮の烏6」です。後宮の烏 6 (集英社オレンジ文庫) [ 白川 紺子 ]前巻で烏の枷を外すことに成功しました。烏妃は烏を閉じ込めておくための枷であり、更に烏妃は後宮を出ると死ぬ呪いがかかっています。それを解いたことで寿春は後宮を出ることができるようになり、烏が失った半身を取り戻せれば烏は寿春の体から出ていけるようです。利害が一致したことで高峻、寿春らは半身があると思われる島に先遣隊を送ります。そこでは俄に海底火山が噴火の兆しを見せるなど怪しい状況です。一方、寿春は前王室の一族であることが露見してしまいました。前王室の一族は見つけ次第誅殺という法律はぎりぎり廃案にしていたため、即刻死罪というのは避けられたものの、危うい状況です。いつ、誰の政治の道具にされるやもしれず、高峻の苦悩は続きそうですね。次巻の舞台は政治の話として北辺山脈、烏の力を取り戻せるかという話として界島が中心になりそうです。ますます楽しくなって来ましたね。
2023.06.01
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書籍の感想です。今回は「お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課3」です。お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課3 (集英社文庫(日本)) [ 竹林 七草 ]元国民様である地縛霊を楽土を送ることを推進する課で頑張る夕霞のお話の3巻です。今回は単に居座っている地縛霊のお話ではなく、亡くなった奥さんを気遣い、限界集落に居座る「現役国民様」のお話と、恨みが募って妖怪化してしまった地縛霊のお話です。相変わらず夕霞は大活躍なわけですが、そんな中、夕霞の師匠?、先輩である火車の存在が消えてしまいます。火車は妖怪なわけですが、妖怪は人の伝承、思い、文化の中があってこそ存在できます。火車は葬儀(野辺送り)に関係する妖怪で野辺送りが文化としてなくなってしまった現代では火車の存在が薄れてしまうのも、仕方のないところ。しかし、まだまだ一緒に仕事がしたい夕霞は一計を設けて火車を黄泉より呼び戻すことに成功したのです。夕霞のまっすぐな思いと、思い切ったヒラメキで今回も大活躍でした。火車も今後も無理しない程度に頑張ってね。
2023.05.28
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書籍の感想です。今回は「夏の雪に溶けたパスワード 注文の多いパズル」です。【中古】 夏の雪に溶けたパスワード 注文の多いパズル / 雅 孝司, 箱田 真紀 / 富士見書房 [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】うーん、さらさらと読めるのは良いのですが、パズルミステリーという謳い文句なんだけど、パズルではない。いや、パズル問題は出てくるんだけど、事件とは関係ないみたい。ゲレンデで20人もの若者が急に消えるという謎に立ち向かう話が中心になっていて、その点は一つのミステリーではあるけど、パズルミステリーかと言われるとよく分からないです。その消えたトリックもちょっと無理がある気がする。あんなやり方で騙せるものかなあ?犯罪ではない行為が目的なので、全員を完璧に騙せなくても問題ないのかもしれませんが。タイトルの「注文が多い」ってどの辺のことを言っているのか。久斗のよく分からない症状(?)も引っ張ったわりには大したことないし、本筋にも無関係。何かイロイロ中途半端な感じがして物語を純粋に楽しめませんでした。後書きには「シリーズ2作目以降を乞うご期待」と書いてあるので、次巻以降でイロイロ分かる仕組みなのかもしれませんけどね。
2023.05.26
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書籍の感想です。今回は「幽遊菓庵〜春寿堂の怪奇帳〜五」です。幽遊菓庵(5) 春寿堂の怪奇帳 (富士見L文庫) [ 真鍋卓 ]今回は第六天魔王の化身が相手です。第六天魔王と言えば信長だと思っていましたが、信長も名乗ったというだけで、信長=第六天魔王というわけではないのですね。今回は第六天魔王が顕現した半神の女性が名月に恋してしまったので、タイヘンなことになりました。名月は己の不幸を嘆き、玉藻の悪辣さを疎い、人外の方々の理不尽さに呆れます。しかし、名月はそろそろ気付くべきでしょう。人外とは言え、彼のことを愛してくれる方々に囲まれている今の生活こそ「幸せ」という言葉がピッタリだと言うことを。次巻で一応最終巻のはずなんだよなあ。縁に導かれまくった名月はどこに向かうのかな。
2023.05.22
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書籍の感想です。今回は「がんこスーパー」です。【中古】 がんこスーパー ハルキ文庫/山本甲士(著者) 【中古】afb食品メーカーの早期退職という名目のリストラに遭い、早期退職に応じた青葉。早期退職に応じたのは次の転職先が決まっていたからで、しかも商品開発部の課長という悪くない待遇です。リストラをやらないといけない会社にしがみついている必要もないわけで、渡りに船というところ。しかし、急遽社長が変わったとかで弱小スーパーの副店長に出向させられてしまいます。嫌がらせで、青葉が辞めてくれないかな、という、意図が丸見えの所業です。で、そのスーパーもいかにもという感じの小さくて、品揃えも悪くて、従業員の覇気もない。仕方なく、という感じでスーパーで働き始めたのですが、何とか経営を立て直したい。そんな中、小さな幸運が少しずつ皆を変えていき、まず従業員の皆が前向きになってくれます。それだけでお店の雰囲気は良くなっていくのですが、やはり目玉商品がないとお店の経営を改善するまでには至りません。そんな中、小さな出会いから小さなチャンスを掴み取って良いお店にしていくのです。それは利益だけを考えたらバカみたいな提案もあります。しかし、お客さんにとって居心地が良く、また従業員も働いていて楽しいお店というのは何とも魅力的です。青葉が見つけたがんこ野菜が火を付け、その後は他の従業員、パート職員たちの提案もあり、楽しいスーパーになっていく。特に誰を打ち負かすとかではないので、トントン拍子にうまく行き過ぎちゃいますが、まあでも、スカッとして良いかも。
2023.05.20
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書籍の感想です。今回は「スキル【錬金術】と【調停者】で領地防衛」です。スキル【錬金術】と【調停者】で領地防衛~使えない魔獣使いと追放されたので、気楽に無人島開拓はじめます~ (グラストNOVELS) [ 富士伸太 ]追放されて、その先で活躍する系の話はありますが、今回は転生ものでもありました。まあ、転生の部分は軽めで、要は主人公の錬金術の理解の早さの理由付けみたいな感じで使われていただけですが。でも錬金術は化学である、というのは納得です。ある意味、当時の最先端の化学なわけで、理屈を知らない人から見たら、魔法に見えたことでしょう。さて、話の本筋は強力な魔獣が巣食う島に辿り着いた500名ほどの元奴隷の方々が様々なスキルを駆使して、暮らしていくという話なのですが・・・まあまあかな。調停者というクラスは独特で少し面白いけど、少し、かな。争わない、という調停を結ぶ分かりに、恩寵を得るという周りくどさはどうなんだろう。主人公のタクトの目標が世界平和みたいなので、ピッタリとも言えなくもないですけどね。
2023.05.19
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書籍の感想です。今回は「天下人の軍師 黒田官兵衛、水の如く泰然と 下」です。天下人の軍師<下> -黒田官兵衛、水の如く泰然と-【電子書籍】[ 今岡 英二 ]上巻でほぼ天下統一を果たした秀吉。となると、官兵衛の出番もないはずで、そうなると下巻は不遇な話になるのかと思ったのですが、さにあらず。今まで通り飄々と荒波を乗り越えていきます。実際、天下統一を果たした後の秀吉は暗愚で、疑心暗鬼の塊と言えるような状態で、粛清の嵐が吹き荒れます。しかも石田三成に目の敵にされた官兵衛は度々苦境に陥りますが、出世に欲がない性格と、己の奸智で何とか切り抜けます。朝鮮に3度も出兵したのに無事に帰ってこられたのは運も強かったのでしょう。戦では負けないとしても、なれない風土で病気になる可能性もあったわけですからね。そんなこんなで何とか乗り越え、遂に秀吉が身罷られると事態は一気に次の天下人決定に向けて動き出します。三成の仲が悪い黒田家は必然的に徳川陣営となりますが、官兵衛は九州で戦っていて、関ヶ原の戦いには参加していないのですね。ただ、関ヶ原の戦いには息子の黒田長政が参加しており、調略に戦にと大活躍だったので、安泰と言えそうです。そんな活躍を見たのち、のんびりと余生を過ごしつつ、永眠。秀吉を良く輔け、戦場では一度も負けず、息子を名君に育てた官兵衛はすごいですね。
2023.05.18
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書籍の感想です。今回は「謎解き広報課」です。謎解き広報課 [ 天祢涼 ]タイトルから広報課に持ち込まれた謎を主人公が解き明かしていく、みたいな作品を想像していたのですが、ちょっと違いました。主人公である結子がなぞを解き明かすのですが、謎は本質ではありません。田舎の町役場に就職した結子の配属先は広報課です。役場が刊行する広報紙を担当することになります。この広報紙の話がものすごく本格的です。しかもただのお知らせだけでなく、町を愛してもらえるような紙面作りを上司から要求されて大わらわです。「謎解き」は取材の中で「自主防災会を突然解散すると言い出した会長の真意」とか、「頑なに取材を拒否するイラストレーターの真意」とか、「撮ったはずの写真がこつ然と消えてしまったが、誰が消したのか」とか、取材の中で遭遇します。本質ではない、というのは謎を解いても必ずしも広報紙の原稿は完成しないからです。インタビュー取りたい防災会が解散してしまえばインタビューが取れず、紙面も埋まらない。解散する理由が分かってもそれだけではだめなわけで。後を継ぐ若者の心を掴み、彼らの取材をとって何とかミッションクリアです。でもこれはこれで面白かったです。ある理由で、結子はまったくやる気なかったのですが、広報紙を楽しみにしている人々の声を聞くうちに広報という仕事に喜びを感じ、しゃにむに頑張る自分を認められるようになるのも良い展開でした。
2023.05.14
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード4 蜥蜴人の勇者たち」です。オーバーロード4 蜥蜴人の勇者たち [ 丸山 くがね ]今回はコキュートスのお話です。前巻のシャルティアもですが、コキュートスも攻撃力は図抜けているものの頭が高いというか、柔軟性に乏しいところがあります。また将としての経験も足りません。そんなコキュートスを総大将としてリザードマンの集落を攻撃したわけですが、攻め手はゾンビやスケルトンなどかなり弱く、何も策を考えずに、しかも敵の戦力の調査もしないコキュートス軍は敗北を喫します。しかし、コキュートスはなぜ自軍か敗れたのか考えることができました。失敗から学ぶことって多いですよね。もちろんコキュートスが動けば負けることはありえないわけですが、部下を動かすためには何が必要なのか良く分かったことでしょう。それにしても、ある意味、ただ蹂躙されるだけのはずのリザードマンの集落が活き活きと描かれます。コキュートスの方が悪役に思えちゃいます(笑)ザリュースとクルシュが凄く良い味です。
2023.05.13
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書籍の感想です。今回は「透明な夜の香り」です。透明な夜の香り (集英社文庫(日本)) [ 千早 茜 ]ギフトとも言えるような嗅覚を持つ男性のもとで働くようになった一香という女性のお話です。もっと香りに関する調香師の楽しい話をイメージしていたのですが、なかなか重い感じでした。まず一香が引きこもりっぽいのですが、理由が明らかにされないまま無気力というか反応が鈍いというか。で、抜群の嗅覚をもつ男性、朔も依頼されればどんな臭いの香水でも作ってしまうのです。その臭いに刺激されて、依頼者が破滅することが分かっていても、「本人が選ぶことだから」と意に介しません。彼も過去に暗いものを持っており、人との関わり方が分からないのかもしれませんが、なかなか極端です。だからか、読み終わっても、「うーん」という印象でした。何か複雑な気持ちです。
2023.05.11
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書籍の感想です。今回は「まず牛を球とします」です。まず牛を球とします。 [ 柞刈 湯葉 ]「未来職安」「横浜市SF」の作者さんの作品です。どちらも好きな作品ですが、今回の作品はまあまあかな〜。短編集なので、面白いものもあったのですが、冒頭の作品はどうにもディストピア過ぎて好きになれなかったです。私が好きなのは「令和二年の箱男」という作品です。箱男、とあるので、箱の中に入るのだろうというのは想像できます。しかし、この「令和二年」というのもポイントなのはなかなか面白いです。ちょっとしたきっかけでダンボールをすっぽりと被ることになった男。その姿のママ外に出てみます。普通なら不審者として連行されるところですが、「コロナが恐いので」と釈明するとお巡りさんも渋々解放してくれました。その後ふらふらと町を歩いていたら、動画に取られ、ネットで公開されるとあっという間に話題になってしまいます。ダンボールを被っているので、彼自身が晒されれたわけではありませんが、どんどん話題となり、真似する人が続出する事態になります。様々な事件も起き、SDBなんていう言葉も生まれるくらいです。SDBはソーシャル・ディスタンス・ボックスの略(笑)悪ノリもここに極まれり、です。ちなみに、彼は有名になりたいわけではないので、「SDBを最初に始めたのは俺だ!」などと言いません。自分だけのものだったダンボールがみんなのものになってしまったのは少し悔しいけど、それを覆そうなどとは思わないのです。そして、盛り上がりに盛り上がったSDBは唐突に廃れます。十分に廃れてから、彼はダンボールを被って町を歩くようになります。そんな彼に向けられる目。そしてそれに対して彼の感慨。いいなあ〜世捨て人になったわけではない。真面目にふざけてる感じです。
2023.05.09
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書籍の感想です。今回は「幽遊菓庵〜春寿堂の怪奇帳〜四」です。幽遊菓庵(4) 春寿堂の怪奇帳 (富士見L文庫) [ 真鍋卓 ]相変わらず巻き込まれる名月ですが、今回は玉藻の過去が語られます。なぜ玉藻は酔狂にも和菓子屋なんぞやっているのか。それは昔交わした約束であり、自分を変えた人間への興味もあるのかもしれません。名月はそれに巻き込まれてしまっているわけですが、しかし名月自身にこれらの縁が良い影響を与えていることも事実な訳で一方的に使われているわけではありません。お互いがお互いに良い影響を与えているのですね。それにしても、今回はあずきの巻でもありました。役立たずなだけでなく、商品のお菓子までつまみ食いするあずきはマイナス要素だったわけですが、今回、講習会で玉藻と名月を助け、更には常闇杉を倒すべく、立ち向かった時に、あずきが持っていた宝珠が活躍することになります。もうあずきを猫の手以下なんて言わせないよ、やる時はやる子だよ!はてさて、いつまでミラクルは続くのかね。楽しかった〜
2023.05.07
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書籍の感想です。今回は「蒼のファンファーレ」です。蒼のファンファーレ [ 古内 一絵 ]風の向こうへ駆け抜けろの続編に当たります。前巻で中央の重賞を勝ち、桜花賞に挑戦することができた瑞穂とフィッシュアイズ。地方の馬でも、そして女性騎手でも中央と渡り合えることを示したわけで、物語としては一つの終わりを迎えたわけです。しかし、実際には重賞一つ勝ったくらいでは世間の見る目は変わらない。まぐれだと言われ、相変わらず女性騎手をアイドル的に広告塔として使われる日々。そんな状況を打ち砕くために、瑞穂はG1への出馬を目指すようになります。しかも今度こそ勝つことが目標です。いやー、面白かったです。一番良いシーンは失語症だった誠が愛する馬の危機を救うために、勇気を振り絞って言葉を発するシーンですね。以前、テレビで「風の向こうへ駆け抜けろ」って放送したことありますが、あの時はレース中に誠が叫ぶのですが、それよりもこちらの方が良かったです。緑川厩舎が一体となって、フィッシュアイズを守ろうとしたことが、フィッシュアイズにも伝わり、それによってフィッシュアイズも瑞穂の期待に応えようと頑張ることができたわけです。フィッシュアイズ、良く頑張ったね。
2023.05.06
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書籍の感想です。今回は「本好きの下剋上 第四部 貴族院の自称図書委員9」です。本好きの下剋上 第四部「貴族院の自称図書委員9」(9) [ 香月美夜 ]あー、とうとうフェルディナンド様がアーレンスバッハに旅立ってしまいました。暴走気味のマインちゃんの真の意味での保護者は彼しかいません。とても良いコンビで恋愛感情とはまた違う確かな絆がありました。マインちゃんのいう「家族みたいなもの」ということなんですかね。そんな保護者兼師匠てあるフェルディナンドがいなくなってマインちゃん大丈夫でしょうか?ハルトムートは有能で神官長としては申し分ないですが、マインちゃんを止めることはできなそうです。むしろ「聖女伝説の始まり」とか言って助長しそうだし。はぁ。心配ですね。それにしても、聖典が盗まれた時はどうなることかと思いましたが、マインちゃんの「本への愛」で見事に野望を打ち砕きます。本に関することなら、僅かな違和感も見逃さないマインちゃんの力(?)が遺憾なく発揮されましたね。次巻はまた貴族院でのお話です。楽しみ♪
2023.05.05
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書籍の感想です。今回は「遺跡発掘師は笑わない 出雲王のみささぎ」です。遺跡発掘師は笑わない 出雲王のみささぎ (角川文庫) [ 桑原 水菜 ]遺跡発掘師西原無量が活躍するシリーズ2巻です。今回は出雲を舞台にして、3種の神器にまつわるお話です。神器の一つである勾玉の本物が出雲に隠されているというお話で、南北朝時代に後醍醐天皇が持ち出したとされる神器。後に統合されるときに、返還されたのですが、返還されたのは偽物で、本物は未だ出雲にあると。その行方と、その神器に縛られた一族のお話です。まあ面白いは面白いのですが、地名も山盛り、出てくる逸話もてんこ盛りだし、秘密の後ろにさらに新しい秘密が出てくるという感じで、途中からちょっと分からなくなっちゃいました。途中からは細かいとこは気にせず、無量と忍、そして萌絵の奮闘ぶりを読んでました。萌絵にカンフーでもっと活躍してもらいたい(笑)
2023.05.04
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書籍の感想です。今回は「天下人の軍師 黒田官兵衛、風の如く迅速に 上」です。天下人の軍師<上> -黒田官兵衛、風の如く迅速に-【電子書籍】[ 今岡 英二 ]黒田官兵衛の半生を描いた作品です。黒田官兵衛、名前はもちろん知っているのですが、それ以外はあんまり知らなかったので、とても楽しく読めました。もともと軍師って好きです。まあ、それは戦国時代ではなく、三国志の軍師たちなんですけどね。諸葛亮とか、司馬懿とか、周瑜とかね。徐庶とか、鳳統とか、楊修とか、そんな方々も好きです。はてさて、黒田官兵衛ですが、豊臣秀吉のもとで活躍した軍師なのですね。元は小寺家の家老でしたが、毛利家につくか、織田家につくか、というところで、小寺家に半ば裏切られるような形となってしまいます。囚われの身となったものの、織田家への忠節を守り抜き、復帰後、正式に秀吉の軍師となり、活躍していくのです。ちなみに同じく軍師として有名な竹中半兵衛も秀吉の軍師的な立場だったんですね。厳密には秀吉も半兵衛も信長の直参であり、同格みたいなのですが、半兵衛が秀吉を支援することが多かったようです。そんな軍師の先達である半兵衛からの薫陶と持ち前の才能もあり、官兵衛はぐんぐん力を発揮し、秀吉を天下人まで押し上げるのでした。物語を読むと、官兵衛は戦上手な軍師というよりかは調略上手という印象ですね。戦わずして勝つとこを良しとして、敵味方問わず、気持ちを察して、その選択が適切であると誘導していくのが上手い感じです。別に騙しているわけではなく、今で言うwin-winな案だからこそ、相手も騙されてやろうと思うのでしょうね。すごいです。
2023.05.02
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映画見てきました。ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービースーパーマリオブラザーズの映画です。感想ですが、まあまあ面白かったです。ストーリーとしては特にひねりはありません。ピーチ姫と結婚したいクッパが攻め込んでくるのをマリオやルイージ、ドンキーの活躍して迎え撃つというある意味お約束な展開です。お約束な展開ではあるのですが、ゲームの中で見たシーンが随所に出てきて、ワクワクします。このワクワク、なんだろうって思ったんですが、ゲームが上手い人のプレイを見ているような感じでゲームを彷彿させるところがワクワクするのかなと思いました。個人的にはマリオたちがカートのチューニングするシーンがすごくツボでした。マリオが好き、ゲームが好きという人なら楽しめると思います。少なくとも「あんなのマリオじゃない」などとは決して思いません。
2023.05.01
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書籍の感想です。今回は「とある小さな村のチートな鍛冶屋さん2」です。とある小さな村のチートな鍛冶屋さん(2) (レジーナ文庫) [ 夜船紡 ]メリアは村の外れでのんびりと鍛冶屋をやりたいだけなのですが、周りがそれを許してくれません。メリアの作る武器は王国のどの鍛冶屋より優れているのです。これだけでも貴族や商人からすれば放っておけるわけもないですが、さらに眷属の加護を受け、魔族と親交があるとなれば政治的にも重要な意味を持った存在なのです。というわけで王様に会いに行くことになり、ある陰謀に巻き込まれることになります。眷属のおかけで何とか解決することができましたが、平穏な生活とかは無理っぽいですね。
2023.04.30
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書籍の感想です。今回は「お迎えに上がりました。国土交通省国土政策局幽冥推進課2」です。お迎えに上がりました。 2 国土交通省国土政策局幽冥推進課 (集英社文庫(日本)) [ 竹林 七草 ]人間でありながら、霊を視ることができ、霊と意思疎通ができる朝霧夕霞が国土交通省職員として頑張る2巻です。もともとは単に霊と意思疎通できる貴重な存在として雇われたわけですが、彼女の人(?)を想う気持ちが多くの人を動かし、様々な事件を解決して行きます。今回、オッパショ石を運ぶ必要がありました。オッパショ石とは「おんぶ」をせがむ石のことでおんぶして歩いていくと、どんどん重くなっていくという妖怪(?)のことです。そんなオッパショ石を運ぶために、キャリアカーやクレーンまで用意することになりました。提案したのは彼女ですが、わずか一日でそれを手配した上司の辻神の手腕が凄いのかと思ったら、1巻で問題を解決したことで恩を感じていた人が「夕霞が困っているのなら」ということで動いてくれてのでした。情けは人の為ならず、ですね。さて、本編も楽しいのですが、後書きを国土交通省国土政策局局長が書いているのが面白かったです。後書きも飛ばさずにぜひ読んでみましょう♪
2023.04.29
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード3 鮮血の戦乙女」です。オーバーロード3 鮮血の戦乙女 [ 丸山 くがね ]今回はシャルティアのお話です。アンデッド(真祖のヴァンパイア)であるシャルティアが精神支配を受けてしまうというお話です。これ、アニメでもあったのですが、シャルティアに精神攻撃を仕掛けた者が誰だったのか良く分からなかったのですが、法国の方々だったんですね。でアインズがニグンを捕まえてしまい、さらには情報系魔法にカウンターをしたために厄災の竜王が復活したのだと勘違いして、精鋭と秘宝を持ってきちゃったわけです。そんな人々の前にシャルティアが現れれば竜王ではないが、コヤツが元凶だと判じてもおかしくない。そしてワールドアイテムの力の前にシャルティアは陥落。しかし、死に際にアイテムの行使者を倒すことができたため、命令する人がいない。かくてアインズに反旗を翻したものの積極的な行動を取らない最強のヴァンパイアが誕生したわけです。しかしアインズにはその変の事情はわからないわけで、精神支配をされたことで、色々な情報を引き出されることを恐れ、シャルティアを倒すことを決意します。倒して復活させれば精神支配がない状態で復活できると踏んだわけです。後半はアインズとシャルティアとの一騎打ちです。敢えてマジックキャスターであるアインズが一騎打ちという不利な状況に身を投じたのは「自分で解決したい」というわがままと「部下同士が戦う姿を見たくない」というものでした。しかし近接戦闘も得意なシャルティアに勝ち目があるのでしょうか?アインズ様、なかなかの戦上手です。マジックキャスターなのだから、MPさえなくなれば雑魚同然、だから人のMPやスキルを使い切ってでもアインズのMPを使い果たさせようとした。お互いMPがない状態なら後は近接戦闘の強い方が勝つ。つまりはシャルティアが勝つ。はずなのですが、そう思わせる作戦だったんですね。MPもスキルもない状態のシャルティアになら勝てる武装を準備しておいて、そこに誘い込む。シャルティアは見事にはまってしまいました。なかなか面白かったです。
2023.04.25
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書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?#05」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05(5) (角川スニーカー文庫) [ 枯野 瑛 ]前巻で獣になってしまったヴィレムですが、過去、最初の獣そのものがヴィレムなのかと思ったのですが、それは違うみたいです。最初の獣はアルマリアなのですが、アルマリアに休息を与えたヴィレムが今度は最初の獣になってしまったということのようです。ただししょーのおかけで記憶を封印することで何とか獣になることを止めている状態です。一方、この世界の真実も明らかになります。獣とは何か。何故人間族が獣に変化してしまうのか。星神様は何をしたのか、トゥルーワールドは何をしようとしていたのか、そしてトゥルーワールドの意図を知らないアドベンチャラーたちは「悪の組織」だと思い込み、トゥルーワールドを壊滅を追い込んでしまい、その結果どうなったのか。そして妖精たちがなぜ、どこから生まれてくるのか。一見バラバラな事象が見事に絡み合い、そして誰も悪意などなく、自分の希望を叶えようとしただけ。なのに、だからこそ、世界は滅んだ。そんな世界に(辛うじて)生きるヴィレムは妖精たちが少しでも生きやすい世界になるように、と願って自分の命を使うのでした。ただ、だからこそ、ラストは必要だったのかな?アイツはだれなのさ!ヴィレムの話はこれで終わりみたいですが、新章(?)があるみたいですね。アイツは出てくるのかな?
2023.04.23
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書籍の感想です。今回は「迷犬マジック」です。迷犬マジック (双葉文庫) [ 山本甲士 ]迷子のワンコが転がり込んできた家に小さな奇跡がやってくる話です。4つのお話が収録されているのですが私はサムライミュージシャンの話が好きです。サムライミュージシャンって何?って話ですが、三味線で洋楽を弾きこなす路上ミュージシャンこそがサムライミュージシャンなのだ!外国の見物客に「サムライ」と言われたのに気を良くして作務衣を着るようになったのがきっかけです。でも人気があるわけではなく、燻っていました。そんな時にマジックがきたおかげでマジックとの掛け合いが話題となり、人気が爆発することになります。場所を貸してくれた商店街にも人が集まるようになり、活気が戻ってきて、多くの人に感謝されるのでした。そんな活躍が目に止まり、あるお笑い系の芸能事務所から声がかかります。マジックと一緒にです。しかし、その途端、マジックはサムライミュージシャンの元を去る仕草をします。マジックと離れたくないけど、マジックは去ってしまうのです。当然芸能事務所の話は無しになっちゃいます。マジックが去って路上ライブに来る人も減りました。でも彼はめげずにライブを続けます。お世話になった商店街のためにも。そんな彼に本当の幸運が舞い降りてくるのです・・・マジックが「最初のそんな話に乗っちゃダメ」って言ってたんだな、と思えて嬉しくなります。ミュージシャンならミュージシャンとして評価してくれる人のところに行かないとね。他の3編も素敵なお話です。マジックがスーパーワンコということですね。飼った本人だけでなく、周囲の人も巻き込んで幸せにしていくのが、良いです。
2023.04.20
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書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?#04」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#04(4) (角川スニーカー文庫) [ 枯野 瑛 ]前巻ですべての力を使い果たした状態で地上に取り残されたヴィレムとネフレン。そのまま死んじゃったらこの4巻はないわけですが、生き返ったわけではなく、500年前の世界が広がる場所で目が覚めます。会いたかったアルマリアに声を掛けられ、若干心を揺らされつつも、ここが何らかの夢とかそんな世界だと思いを持ちます。時間軸としては獣の発生する少し前。この夢はヴィレムに何をさせたいのか?この夢の中で獣の発生を阻止したところで現実が変わるわけではありません。しかし目の前にいるアルマリアはどこからどう見てもアルマリアであり、虚構の世界とは言え、アルマリアを見捨てるという選択肢は考えられません。そしてついに始まる世界の終わり。アルマリアを救うべくヴィレムが採った行動は・・・これってヴィレムがあーなってこーなっちゃうってことですよね?過去の出来事を見せていて、ヴィレムがどう動こうと結果は変わらないものと思っていたのですが、ヴィレムもこの物語の一員として予定されていたんですかね。タイムパラドックス的ではありますが、ヴィレムの行動によってあーなって、未来(現在?)がこうなっちゃったのかなあ。ちなみにスウォンは何か知っている風だったけど、ここまで把握していたのかな?さて、次巻で完結ですが、どうなるのかな。夢の世界が崩壊したことで、ヴィレムは現在に戻ってこれるのかな?
2023.04.16
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書籍の感想です。今回は「誰でも30分で絵が描けるようになる本」です。誰でも30分で絵が描けるようになる本 たった「4つのステップ」で、驚くほど絵が上手くなる! [ マーク・キスラー ]絵が激しくヘタなフラットとしては非常に興味深いタイトルです。さっそくチャレンジ。・・・感想ですが、「30分で絵が描けるようになる」わけではなく、「お題の絵を30分で描く本」という感じです。お題は25個用意されていて、どこから始めてもOKです。皮を剥いたバナナなんていうお題があってとてもじゃないですが、私の腕では描けないものでしたが、本に載っている手順に従って描いていくことで、30分くらいでバナナの絵を完成させることができました。ただこれは書かれた手順通りに手を動かしただけで、決して絵が描けるようになったわけではありません。30分でコツが掴めるわけではないので、習熟するためには何度もバナナを書く必要があると思います。他にパプリカやスマホ、サイコロ、テディベアなどを描いてみましたが、同じ感想です。30分で描いた、でも描けるようになったわけではない。全体的な書き方としては四角や丸などで大まかな形を描き、その後整形、さらに影をつけて仕上げていくという感じです。
2023.04.15
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書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?#03」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#03(3) (角川スニーカー文庫) [ 枯野 瑛 ]ああ、クトリが壊れていく。そして、最悪の真実が待っている予感。獣は人間族が生み出した、のではなく、人間族に対して行った人体実験の結果生み出された変異種っぽい。となると・・・怖いから想像するのやめよう。もしそうだったらヴィレムが可哀想すぎる。でも、ヴィレムは死んじゃったのかな?流石にあの状況で生き残れるはずもないんだけど。はてさて、次巻に続く。
2023.04.15
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書籍の感想です。今回は「転生したら最強種たちが住まう島でした1」です。転生したら最強種たちが住まう島でした。この島でスローライフを楽しみます(1) (SQEXノベル) [ 平成オワリ ]転生物ですが、転生前がブラック企業というのはお約束なのかな。転生前が辛い状態だから、手違いだろうが強制的だろうが、ある意味ラッキーなわけです。その上、今回は手違いだったこともあり、希望を叶えてくれるとのこと。何でも希望を聞いてくれると言うのであればめちゃくちゃなチート能力を希望しても良いところですが、希望は健康な体と人が周りにいない環境。その環境でも生きていける健康で怪我をしない体を希望しただけなのに結果として超チートな能力を手に入れます。何しろそこは神獣であるフェンリルやベヒモス、スザク、古龍種であるバハムート、吸血鬼の真祖などおよそゲームであればラスボスであってもおかしくない者が住む島だったのです。確かに人は住んでないけどね(笑)これらの種族と暮らしていくには凄い無敵ボディを持っていないとね(笑)理屈としては合ってる気もするけど、スタート地点が斜め上を行っててなかなか面白いです。
2023.04.11
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書籍の感想です。今回は「オーバーロード2 漆黒の戦士」です。オーバーロード2 漆黒の戦士 [ 丸山 くがね ]相変わらずの規格外の能力を発揮するアインズ。今回はアニメでもありましたが、フルプレートの戦士「モモン」として活躍する回です。フルプレートを装備している状態では魔法はほぼ使えないわけで、魔導師メインのアインズからしてみれば両手縛られているような状態です。そんな状態でも無双しちゃうんだから、ハムスケじゃないけど心酔しちゃうかもね。ちなみにアインズのアライメントはどちらかと言うと悪なわけで、しかも異業種なわけだから、人間が不幸になろうが知ったこっちゃない。なのですが、今回街を救う結果になったのは偶然が重なったに過ぎません。カジットとクレマンティーヌにとっては運が悪かったとしか言えません。次巻、シャルティアが反旗を翻す事態となります。アインズ大好きなシャルティアが謀反なんてありえないはずなのですが、楽しみですね〜
2023.04.08
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書籍の感想です。今回は「上流階級富久丸百貨店外商部3」です。上流階級 富久丸百貨店外商部(3) [ 高殿 円 ]静緖が外商部で頑張るお話の第3巻。どこで買っても同じ商品が手に入る世の中。そんな中でもあえて外商から買ってもらうためにはどうしたら良いか。外商で買うような方々はお金持ちな方々ばかり。お金より、時間が大事。また人生のイベントを彩りたいと思っている。そんな人々に寄り添う静緖は多くの顧客の心を掴み、大きな売上をあげていく。そんな中、今後の人生をどうすごしていくのかみたいな話が中心になっていきます。転職するのか、家を買うのか、母親と同居するのか、居心地の良いルームメイトとの同居を続けるのか。などなど。同時にネットでの中傷されている顧客のサポートや中学受験する息子のサポート、さらには終活とも言うべきお別れ会のお手伝いと広く関わっていきます。そんなの百貨店の店員の仕事なの?とも思いますが、人生の様々なイベントにこそお金をかけたいお金持ちの方々は結果的にこれでもかとお金を使ってくれるのです。凄い。
2023.04.07
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書籍の感想です。今回は「翼をください」です。翼をください【電子書籍】[ こかじさら ]ファッションメーカーに入社した新人女性社員がお仕事頑張るお話です。とは言っても、失敗して、怒られて、理不尽に怒り、信頼できる先輩を見つけ、少しずつ少しずつ一人前に近付いていくという感じです。いきなり今までにないアイデアで会社を変えていくなんていう話も痛快ですが、この本はもっと地に足が着いた感じです。悪く言えば地味ですが、これも悪くない。背が高いことと声がデカいことだけが取り柄(?)だと思っていた彼女が終盤、大きなプロジェクトに抜擢されたのも、今までの地道な頑張りが認められたから。大変な仕事にめげずに、陰口も言わず、投げ出さなかったから。そういう頑張りを見てくれている人がいるよ、というエールなんだと思います。なんですけど、オーラスにライバルと思っていた同期の女性に悲劇が訪れます。彼女とケンカしてすれ違うこともあった。認め合い、今後、ライバルとして切磋琢磨していこうと誓いあった矢先の出来事です。うーん、ここはどう捉えたら良いんだろうなあ。ちょっと複雑です。
2023.04.05
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書籍の感想です。今回は「とある小さな村のチートな鍛冶屋さん1」です。とある小さな村のチートな鍛冶屋さん(1) (レジーナ文庫) [ 夜船紡 ]神様のミスで寿命前に死んでしまったメリアは異世界への転生を希望する。生き返ることも打診されたけど、ブラック企業で働いていたメリアは元に戻りたいとは思えなかったのです。で、転生先で鍛冶職人としての人生を謳歌することになるのです。類まれなる鍛冶能力だけでもチートなのに、モンスターが出ない彼女専用のダンジョンを備えた鍛冶工房とかずるいよね。材料も集め放題です。しかもそんな彼女を守るために神獣の眷属と心を通わせることもでき、眷属からさまざまな効果を受けることができるのです。チート過ぎね。でも、神様も考えがあったみたいで、今は忌み嫌われている魔族と他の種族との関係を改善したいと考え、それにメリアが貢献してくれればって思っているみたいです。結果的にメリアは魔族にも気に入られ、村人たちからも受け入れられ、幸せな生活を手に入れたのでした。
2023.04.02
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書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?#02」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? #02【電子書籍】[ 枯野 瑛 ]終末シリーズ2巻です。この巻で新たな事実が判明します。それは元にした人格からの侵食があり、20歳くらいまでしか生きられないというものです。しかも20歳というのは何もしなかった場合の話であって魔力を熾して活性化させ続けていると、リミットはどんどん短くなっていくのです。獣との戦いからなんとか生還したクトリたち。しかしクトリは限界を超えるほどの魔力を熾して、浮遊島を叩き割り、何とか獣を地上に蹴落とすことに成功しました。クトリはそこまでして生きて帰ってきたのです。ヴィレムとの約束を守るために。しかし、それはわずかばかりの命を残して帰ってきたに過ぎなかったのです。それなのにヴィレムに心配かけさせたくないクトリたちは本当のことをヴィレムに伝えませんでした。そのせいで軍の本部に呼ばれてしまったヴィレムはクトリたちを家で迎えてあげることができなかったのです。そして・・・相変わらず重いですね。私は好きですが、どういう結末が待っているだろうなあと悩みます。ちなみにヴィレムは凄い人だったんですね〜才能はあまりなかったのに、努力と工夫で超常の力を手に入れた人です。そして聖剣の調整能力は他の追随を許さないレベルとのこと。さらりと調整する姿が描かれているのでそういうものかと思っていたのですが、本来は専門家がチームを組んで何とかメンテナンスできるもの。当時の技術は失われているので今は誰もメンテナンスできないものが聖剣なのです。それをヴィレムは一人でさらりと調整しちゃう。どんだけ貴重な存在かということでしょう。そんな彼を巻き込んだ大反攻作戦。妖精たちに入れ込み過ぎていて、できれは戦いに向かわせたくないヴィレムはその誘いを断ります。しかし、地上にはヴィレムにとって大切な何かがあるようです。それは次巻以降で明らかになっていくのかな。
2023.04.01
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書籍の感想です。今回は「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」です。終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (角川スニーカー文庫) [ 枯野 瑛 ]世界観に引き込まれる。そして聖剣もステキ。弱いのに世界を支配していた人間族。他種族のような筋力があるわけでもなく、エルフのように強い魔力があるわけでもなく、ドラゴンのような絶対的な力があるわけでもない。それなのに人間族は世界を支配していた。そんな人間族は獣を呼び寄せてしまった。17匹の獣の力は規格外とも言うべきもので、一年を待たず世界は滅んだ。住めなくなった地上を離れ、人々は浮遊島に逃れた。「人々」の中に人間族は含まれていない。人間族は滅び、猫族や爬虫人、緑鬼族が細々と暮らす。そんな世界。ヴィレムはたったひとり残った人間族。まだ地上に人間族が暮らしていた頃、敵と戦っていた英雄ともいえる存在だった。彼が数百年も経ったこの世界にいるのは偶然も大きい。最後の戦いで力を使い果たしたヴィレムは石化してしまい、そのまま何百年も捨て置かれていたのです。そんな展開だから、ヴィレムが活躍して世界を救うのかと思ったら、そうはならず。なぜなら彼の体はボロボロで本当は動くこともやっとだから。だから魔力を燃やして聖剣を振るうなんてことはできないのです。そして現在、その聖剣を振るうためだけに生かされたレプラカーンと呼ばれる妖精族。彼女たちは聖剣を振るい、それでもだめなら聖剣で魔力を暴発させて敵を倒すのです。そんな自爆も前提の戦い方にヴィレムの心も次第に動かされていくのです。でもヴィレム自身は戦えないので、聖剣の使い方を教えるのが精一杯。そして獣との戦いに送り出すこととなるのです。彼女の帰りを願ってバターケーキを焼くのでした。絵と文体はすごく軽いのに扱っている話はすごく重いです。そんなところも魅力です。戦いに向かったクトリは帰ってくるのかな?2巻が楽しみです。
2023.03.30
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書籍の感想です。今回は「本好きの下剋上 短編集1」です。本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 短編集1 [ 香月美夜 ]普段はマインちゃん視点がメインなのであまり語られる事のないマインちゃんの見えないところで起きている事、思っている事が語られます。お話にはタイトルの他に〜視点という言葉がつき、誰の目線で語られるのか分かるようになっています。そんな中でクリステル視点というのはちょっと面白かったです。「クリステル?誰?」と思ったのですが、「エーレンフェストの中級モブ貴族」という説明に納得(笑)普段は影に隠れる彼女たちにも色々ドラマがあるものです。さて、短編集なのですが、「娘は犯罪予備軍!?」というちょっと過激なタイトルのお話がとても面白かったです。まだ小さかった頃のマインちゃんは魔力の制御もうまくできないので本のために頑張って作っていた粘土板を破壊された怒りで暴走してしまいます(笑)しかし、事情を知らないギュンターは周囲の皆に迷惑をかけたマインちゃんに森行きを禁じます。森行きを禁じられたマインちゃんは熱で朦朧とする中、絶望し、粘土板を踏んづけた子への復讐計画を考えてはニマニマするのでした。そりゃギュンターじゃなくても、犯罪予備軍かと心配するし、トゥーリが泣いてマインちゃんの森行きを懇願するわけです。マインちゃん恐るべし。でも、マインちゃんが自分を抑えられるようになったのはルッツ、ベンノ、フェルディナンドのおかげだね。まあ、短編も楽しいけど、本編の続きが読みたいな。
2023.03.28
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書籍の感想です。今回は「比翼は万里を翔る 金椛国春秋」です。比翼は万里を翔る 金椛国春秋(10) (角川文庫) [ 篠原 悠希 ]朔露との戦いは遊圭の献策もあり、何とか押し返すことに成功させたわけですが、遊圭の結婚の話はなかなかでした。困難がさまざまのしかかってきて延び延びになってたわけですが、いよいよ都に戻り、明々の両親も呼び寄せ、後は仲人を決め、祝言を上げるだけ。のはずなのですが、なぜか仲人を誰も引き受けてくれません。というのも、前巻で活躍した沙洋王から娘を、と縁談を申し込まれてしまったからなのです。そんな話が漏れ聞こえてきたら、明々との縁談の仲人など誰も受けてくれるわけがありません。明々とその家族は実家に帰っちゃいます。遊圭は官位を賜り、平民の明々を正妻に迎えるにはまた壁が厚くなりました。しかし遊圭はぶれません。沙洋王を敵に回そうが、後ろ盾がなくなろうが、明々への愛を貫くことに決めたのです。何年かけても、平民を正妻に迎えることを禁じる法律を変えてやろうと誓いつつ、戦場に向かいます。そして何とか、朔露を押し返し、玄月と再開したとき、玄月から絶妙なアドバイスをもらいます。え、そんなやり方あるの?それ、玄月最初から知ってたよね。玄月も人が悪い。自分が想い人である少月と一緒になることができ、余裕ができたのかな。ラスト、遊圭と明々の祝言のシーンで終わるのはとても素敵でした。今までの仲間たちの囲まれ、それはそれは幸せいっぱいだろうなあ。良かったね、遊圭、明々。
2023.03.25
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書籍の感想です。今回は「マイナススキル持ち四人が集まったら、なんかシナジー発揮して最強パーティーができた件」です。マイナススキル持ち四人が集まったら、なんかシナジー発揮して最強パーティーができた件 (SQEXノベル) [ 小鈴危一 ]もう、タイトルのまんまですね。以上って感じです(笑)なんですが、最悪なそれこそパーティーメンバーから嫌われそうなマイナススキルを持った面々がだんだんうまくはまっていく様は楽しいですね。特に最初のアイテムドロップ率減少・特と首級の簒奪者という組み合わせのところです。首級の簒奪者ごあるとドロップ率上昇系のスキルが判定されなくなってしまいます。普通ならマイナススキルなのですが、「上昇」ではなく、ドロップ率を変動させるスキルが判定されなくなるのでは?と考えたわけですね。面白いです。そんなこんなで四人でお互いがお互いのマイナスを補い合うものだから、良い感じに良いパーティーができたわけですが、最下層でラスボスと戦う際、そのシナジー効果だけで、勝ちましたというわけではないところもとても良かったです。これなら、この先も一緒にパーティー組みたいよね〜
2023.03.23
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書籍の感想です。今回は「臥竜は漠北に起つ 金椛国春秋」です。臥竜は漠北に起つ 金椛国春秋(9) (角川文庫) [ 篠原 悠希 ]前巻で人質救出作戦を成功させ、ルーシャンを安心させた遊圭。ルーシャンは家族が囚われたままだったら十分に手腕を発揮できなかったわけで、遊圭の功績は非常に大きいです。とはいえ、もし失敗してたら最悪ルーシャンは寝返りすら考えていたわけで、そんな理由は公にはできません。遊圭はまた一生の秘密が増えました・・・そんな遊圭と一緒に向かった先で玄月は敵の手に落ちてしまいます。切れ味鋭い美貌で珍しい獣と雪深い中に暮らしていた玄月はまじない師の類だと思われ、厚遇を得ることができました。しかし、脱出の機会は訪れません。玄月は次第に朔露の大王と言うべき存在を暗殺するためにここにいるのではないかと思うようになります。そんなところに遊圭がやってきます。遊圭は太守の命に背いて玄月救出のために敵地に忍び込んできたのです。何とか話す機会を得て、暗殺は悪手であることを説きます。それは玄月が命を落とすだけではなく、彼の帰りを待つ少月のためであり、さらには戦争を止めることにも繋がらないのでした。必死の説得で暗殺は思いとどまったものの、玄月の救出はできず、玄月はさらに敵地の奥深くに移動されてしまいます。遊圭は一度都に帰り、明々との祝言に向け、準備を進めるのでした。官位を得ると平民の明々を妻に迎えられなくなるのでもうこのタイミングで祝言をあげるしかありません。色々邪魔が入ったけど、今度こそケッコンできるのかな?いよいよ、次巻で完結らしいです。楽しみですね。
2023.03.22
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書籍の感想です。今回は「遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠」です。遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠 (角川文庫) [ 桑原 水菜 ]「笑わない」というタイトルですが、主人公の西原無量はちょっと愛想がないくらいで、笑わないというほどではありません。特に今回は幼馴染の忍が現れたことで、彼の前では笑顔も多め。まぁ、そんな感じで少しタイトルには違和感ありますが、お話としては面白かったです。遺跡発掘に関するアレコレも分かりやすく挟み、更に出土品がどう天皇家の出自と関わってくるのか、つまり今回の発見が事実だとしたらどんな凄いことか分かりやすく述べられていて、先へ先へと読む手に力が入ります。お話は発掘だけではなく、殺人事件、大手企業内の権力争いが更には他国からの経済戦争なども絡み、なかなか壮大でした。ヒロインである永倉萌絵はただの事務員だと思っていたら実は少林寺拳法の達人というのはちょっと面白かったです。実はさり気なく序盤に伏線張られていたんですが、あまりに些細だったので忘れていたので、思わずなるほどと思っちゃいました。この二人の今後の展開も気になりますね。
2023.03.19
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書籍の感想です。今回は「博物館の少女 怪異研究事始め」です。博物館の少女 怪異研究事始め [ 富安陽子 ]「怪異」と書かれていますが、怪異感は薄めです。冒頭にちょっと出てくるのと、ラストにちょっと出てくるくらいです。ただ、別につまらないわけではなく、明治の文明開化の時期に活き活きと頑張る少女、イカルの姿が描かれます。イカルは不幸にも父と母を相次いで亡くし、遠縁の親戚を頼って東京にやってきます。父は道具屋をやっていて、花嫁修業よりもイカルの好きな勉強や道具の見立てなどを好きにやらせていました。そんなこともあり、上野の博物館の怪異研究所で働けることになりました。東京の親戚の叔母さんに花嫁修業を朝から晩までやらされて息が詰まりそうだったイカルは大喜び。ところが、その怪異研究所で収蔵品が盗まれるという事件が起きます。その事件を調べるうちに長崎に古くからある隠れキリシタンの村の話を聞きます。それが、事件に関わってきて・・・収蔵品を盗んだ犯人自体はすぐにわかるのですが、彼がなぜそんなことをしたのか、なぜ不老不死などというものが存在すると考えたのか・・・さり気なく描かれた伏線が見事でした。面白かったです。イカルの今後の活躍もっと読んでみたいな〜
2023.03.16
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書籍の感想です。今回は「風の向こうへ駆け抜けろ」です。風の向こうへ駆け抜けろ [ 古内 一絵 ]少し前にドラマ化されてテレビで放送されていましたね。ドラマも観たのですが、小説も読んでみました。瑞穂はまだまだ数の少ない女性ジョッキーです。そんな彼女が配属された地方競馬の厩舎でだんだん調教師や厩務員、そして競走馬と心を通わせ、夢を叶えていくという感じです。調教師、厩務員、そして競走馬もそれぞれ傷を抱えていて特に調教師の緑川は何もかもに絶望しています。面倒を見ないといけない厩務員かいるので仕方なく調教師を続けていますが、勝つ気などまるでありません。上のやる気が伝播したかのようにみんなやる気がありません。それが瑞穂の熱意に押され、変わっていくのです。しかし、人が変わっても、良い馬が簡単に手に入るわけがありません。そんな状況を変えてくたのが、フィッシュアイズであり、厩務員の誠でした。二人(一人と一頭)が少しずつ心を開き、本来の力を発揮し始めるさまは痛快ですね〜とても良い小説でした。
2023.03.12
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書籍の感想です。今回は「東京藝大仏さま研究室」です。東京藝大 仏さま研究室 (集英社文庫(日本)) [ 樹原 アンミツ ]仏像の修復などの研究をしている通称「仏さま研究室」のお話です。そんな変わった研究室があるのはさすが藝大という感じですね。さて、私、昔ながらの技術とか、職人さんとか大好きです。古い作品の修復をテーマにした小説はいくつか読んでいますが、修復するに当たって「作った当初の思想をできるだけ維持」して、「現状維持に努める」というところは共通しています。修復に出して、キンピカになって戻ってきたら、悲しいと思う依頼者もいるわけで、善意であっても要注意なわけです。さらに「可逆性」というのも面白いところ。将来、より良い修復方法が見つかるかもしれないから超強力な接着剤で貼り付けるとかは推奨されないわけですね。この小説でもこんな話とか、仏像の歴史とかそういう知識もふんだんに盛り込みながら、研究室で苦悩する四人の学生の話が展開していきます。誰も彼も自分なりの悩みを抱えていてとても良かったです。1話の主人公まひるは別の大学で学んでいて、院から藝大に入ってきた異色の存在です。なので気後れしていて、自分に自身がなくて、でも持ち前の明るさで文字通り仏像の方からまひるのところにやってきてくれたでした。ちょっと堅いと思うところもありますが、学生の苦悩と仏像の奥深さを味わえてとても面白かったです。
2023.03.11
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書籍の感想です。今回は「神様たちのお伊勢参り9 縁結び神社に誘惑の香り」です。神様たちのお伊勢参り(9)縁結び神社に誘惑の香り (双葉文庫) [ 竹村優希 ]以前、天の兄貴分である仁を救うために過去に行き、未来を変えたことがありますが、今回はその逆です。何者かにより、過去が変えられ、オウイガツが消えかけているみたい。というわけで、過去に行き、事の真相を確かめに行きます。過去に行くとなればツクヨミノミコトです。新月または満月をつなぐ力のあるツクヨミノミコトは神様たちでもなかなかお目にかかれないレアキャラですが芽衣には親切です。というか、神様たちみんな芽衣に親切なんですけどね。さて、この中で出てくる盟酒(うけいざけ)というのはこの小説の創作ではなく、実在(?)するお話みたいですね。https://enkieden.exblog.jp/17550238/この逸話を見事に良いお話に昇華させております。全体的には天と芽衣のイチャイチャ話が多いようにも思います。もう両思いなことは分かったんだから、そう何度も想いを語り合わなくても良いかなとはちょっとだけ思います。
2023.03.07
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書籍の感想です。今回は「悩み相談、ときどき、謎解き?2占い師ミス・アンジェリカの消えた街角」です。悩み相談、ときどき、謎解き?2 ~占い師 ミス・アンジェリカの消えた街角~ (メディアワークス文庫) [ 成田 名璃子 ]前巻で傷心のアンジェリカこと、田中花子ですが、多くの方の好意もあり、東北に旅行に行くことになります。単なる気晴らしに過ぎなかったのですが、そこで花子は占い師であった祖母からの過去からの手紙を受け取るのです。その手紙は花子が失敗して、落ち込んで、かの地を訪れることを予見していたかのようにスバリと状況を示し、そして泥んこになってその先に進むことを促すのでした。戸惑いつつも、占いを再開する花子。そこで彼女をミス・アンジェリカを心待ちにしている人々がたくさんいることを知るのです。そして花子はこれからも人とか関わって良いんだ、失敗して当たり前、まだ人と関わるのに慣れていないんだから、だから失敗から学んで行けば良いと教えられるのです。おせっかいな誠司のおかげ(?)でこれからも花子は厄介事に首を突っ込むことになるんでしょうね。その厄介事を少しだけ楽しく思えるようになったのかな?花子の再生物語でもあり、なかなか楽しかったです。
2023.03.05
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書籍の感想です。今回は「俺だけ使えるチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師になっていた」です。俺だけ使えるチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師になっていた~ハズレスキルと思っていましたが、【鑑定】【異空間収納】【スキル付与&剥奪】で敵なしです~ (グラストNOVELS) [ 青山 有 ]タイトルがいかにもラノベっぽいラノベです。とてもさくさくと読めました。錬金術師という職はありますが、自分の工房か必要だったり複雑な魔法陣を編まないといけないとか制約がありそうなものですが、主人公のたくみは異空間収納の中で錬金ができてしまうのです。しかも離れた人でも物でも収納できる上、鑑定し、鑑定で見つけたスキルを剥奪して、別のものに付与までできてしまいます。攻撃力そのものはありませんが、無敵と言っても良いですね。何しろ、遠くから収納してスキルを根こそぎ奪ってしまえば、出てきた途端、丸腰になってしまうのです。回避も非常に難しく、初見では対応できません。ちょっとダーク(過激な?)な女神に召喚されたたくみは悪い奴を退治しながら、女神様の目的である神聖石を集める旅に出るのでした。たくみは強すぎですが、それを使って悪を退治していく様はスカッとします。
2023.03.04
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