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彼女が他界してから、5ヶ月が過ぎた。
その喪中の葉書がご主人から突然に届いた
予想に反して書かれた文章はあっさりしたものだった。
妻が突然他界し、生前の芳情に感謝しながらも、明年の厚誼を自身にはよろしく
と、引っ越したらしい新しい住所から発信されていた。
文面をしばらく眺めながら、僕は本当の終わりを噛みしめた
そして、数日さかのぼる平日の日中に、一人で
彼女の新しい納骨堂にお参りしたことを思い返していた。
そこは、コンピュータ管理された現代風のハイテク墓所で、
個室の礼拝室に案内されて、ディスプレイで彼女の
生前の写真を見ることが出来る
僕も知る懐かしい写真を見たが、不思議と涙は出なかった。
この明るく乾いた雰囲気を、彼女も気に入っているかもしれない。
妙な納得が、僕の心を落ち着かせた。
住職に説明を聞いたが、永代供養が出来る仕組みだそうだ。
毎年、ここには一人で彼女に会いに来よう
さようなら。君の分も僕は生き抜くことにしたよ
できるなら天国の君への葉書に
そう書こうと思う。