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2014年度、14期連続の増益を達成し、売上高、営業利益ともにNTTドコモを抜き去ったKDDI。決して偶然ではなく、新たな顧客を獲得し、着実に囲い込んで好業績をたたき出した。だが、国内市場はスマホの販売が鈍化し、大幅な契約増加は見込みにくい状況にある。今後の成長戦略をどう描くのか。2010年12月の社長就任以降、多くの新戦略を打ち出した田中孝司社長に聞いた。 ――携帯企業は各社とも、端末ランナップや料金プラン、サービスが横並び状態となった。現在の競争環境をどのように考えているのか。"au経済圏"で囲い込む、田中社長の次の一手 ユーザーがスマホに飽きたというのは言い過ぎだが、数年前に比べて優先度が低くなっている。現在のスマホ比率は54%で、ガラケー(従来型携帯)から乗り換える最後のユーザーを刈り取ろうとしているところだ。スマホが売れた良き時代が続いた後、マーケットはゆっくり落ちているが、携帯事業者は次の戦略を打ち出せておらず、何が来るのか待っている状態だ。IoT(モノのインタ―ネット)が来れば面白いのだが、まだ業績を牽引するほどではない。明確に「これが次のトレンドだ」というものがない。 それではどうしていくのか。われわれはauユーザーの「経済圏」を広げることが重要だと思っている。最近は(店頭のタブレット端末などで、食料品や日用品を販売し自宅に届ける)物販サービスや、金融について発表した。ECならアマゾンや楽天があり、リアルでも多くのショップがある。「何をやっているんだ」と思われるかもしれないが、通信以外の新しい市場に出るには強みを磨かなければならない。多様なプレイヤーがいて準備が必要なので、今からやっている。 ■ auショップは変わる必要がある ――なぜ物販サービスに乗り出すのか。 われわれにはauユーザー、auショップ、商品があり、それらをうまく流通させる仕組みが必要だ。auショップは市場が縮小する中では減らさなくてはならないが、力の源泉なので維持したいし、変わっていく必要がある。 簡単に言えば、携帯の周辺機器だけではなく、もっと色々なものを売ればいい。しかし、リアルの領域では、ユーザーが便利に使える仕組みがない。そこで電子マネーサービスの「auウォレットカード」を、決済手段として投入した。クレジットカードは本人確認が必要だし飽和状態なので、マスターカードの協力を得て、どこでも使えるプリペイドカードを作った。.また(ユーザーが利用に応じて獲得した)ポイントは、これまでアクセサリー商品の購入や機種変更などにしか使えなかった。これを、どこでも利用できる仕組みにリニューアルした。物販サービスも、それに合わせて立ち上げているところだ。 社内では、ウォレットカードのユーザー数を増やし、1契約当たりの収入もさらに伸ばそうと言っている。通信だけではなく、オンライン、オフラインで市場を広げる。ユーザーが便利になるように経済圏を育てる、というコンセプトだ。 ――独自コンテンツサービスの「スマートパス」でも、リアル店舗などへの送客に注力していた。 会員向けクーポンをやっている。たとえば映画館に送客する「auマンデイ」。毎週月曜日に映画が1100円で安く見られるので、ユーザーは映画館に足を運ぶ。そうすると提携先も喜んで原資を提供してくれるし、彼らがauショップ向けにクーポンを出すことで相互に送客できる。auの顧客ベースが通信以外の分野のパートナーにメリットを与えることができる。ならば、パートナーとともに経済圏を作っていこうという戦略だ。 実は、「スマートバリュー」(固定回線やケーブルテレビと、スマホのセット割引)も同じだ。われわれがケーブルテレビに送客し、彼らがauのスマホが欲しいユーザーを送客してくれる。ネットワークや通信だけでなく、そのほかの分野でもこうした取り組みを始めたというわけだ。 ■ auユーザーでなくても接点は持てる ――経済圏を広げることで、業績にどんなインパクトがあるのか? 短期的には決済手数料収入が上がっていく。ただ、それだけでは料率が低いので、いくつかのサービスを自社でやる。物販なら粗利を取り込むことができる。現在、個人契約数は約3700万で日本の人口の4分の1の規模がある。ユーザーの消費のうち、一定の割合がau経済圏に入るだろう。 また、auユーザー以外との接点を作るために、「シンドット アライアンス」(ウェブサービス間で互いに送客し合うプラットフォーム。KDDIと関係の深い企業を中心に約20のサービスが参加)の取り組みも進めている。 各サービスには、相互に送客するための共通メニュー画面があり、広告枠もある。まずはその閲覧数に比例した広告収入が入る。それだけではつまらないので、プラスアルファでそれぞれのサービスが抱えるユーザーに商品を販売するなどして収入を上げていく。ここではau以外のユーザーにもアプローチできる。これまでは外部のユーザーにアプローチするには他社から獲得するしかなかったが、いまは携帯市場が縮小しているので、別の方法でやっているわけだ。 ――国際会計基準(IFRS)に移行した狙いは。のれん償却がなくなり、今期決算では280億円程度の営業益の押上げ要因になるが、業績計画達成のためではないか? 海外投資家にとって業績を比較しやすいというメリットもあるが、M&Aがやりやすくなることが大きい。年に一度は減損の可能性をチェックしなければならないが、のれん償却がなくなるので、M&Aを加速できる。今後は自社に足りないピースを埋めなければならない。今期の2ケタ営業増益のためというより、来期以降の成長に向けた準備の要素が大きい。 ――M&Aや出資案件はあまり儲かっていない会社が多いように感じるが、投資の方針は? 早い段階から育てて着実に果実を得る社風だ。海外ではデータセンターを多数保有していて、ロンドンでは1990年に合弁企業をつくった。当時はデータセンターという言葉がなく、通信事業者の家という意味で「テレハウス」と言っていた。現在は同国のインターネットの中核となっている。歴史的に見ても、先を見て準備する文化だ。■ 必要な会社は買収していく 最近はネット周辺のM&Aや出資が多い。シンドットのメンバーにはかなり投資したし、ライフネット生命保険にも投資した。子会社化するケースがあるのは、ボトムからシナジー効果を取り込めるからだ。単なる提携はリスクが少ない分、シナジーも小さい。必須な会社はできるだけ取り込むが、相手もあることなので、戦略に合わせて買収することになる。 グローバルはミャンマーで事業を展開している。すでに800万枚のSIMカードを販売した。たくさんの社員が現地に行っているが、まだまだ大変だ。日本と比べて知見が少ないので、身の丈にあったやり方で一歩ずつ確実にやっていかないと難しい。.
2015年07月11日
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「株は安い時に買え」それは誰で知っている。なら、こういう時に買わないといつ買うのか? 株価が安い時、それはもれなくリスクと恐怖感が伴う時だ。 怖い時に買って、さらに下げてそれでも辛抱して相場が調子を取り戻すまでただただ待つ。それが大儲けの方程式。震災後の日本株などは正にそれだった。
2015年07月08日
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