マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

マンハッタン狩猟蟹の逃げ場

2008年09月10日
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カテゴリ: 2008年08~12月読書
[1] 読書日記


  「となり町戦争」の 三崎亜記 の新作、
  といっても発行されたのは半年近くも前だけど、



「鼓笛隊の襲来」(光文社)

  を読了。
  「 阪急電車 」の下に積んであったので、勢いのまま。

   < 赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。
    鼓笛隊は、通常であれば偏西風の影響で東へと向きを変え、
    次第に勢力を弱めながらマーチングバンドへと転じるはずであった。
    だが今回は、当初の予想を超えて迷走を続け、
    徐々に勢力を拡大しながら、この国へと進路を定めた。


  という書き出しではじまる表題作をはじめとした、
  SF的シチュエーションのワン・アイデアを軸を展開される短編集。

  一編が20ページ程度の長さだというのも大きいと思うが、
  画集を眺めているような、詩集を読んでいるような感覚で、
  あっという間に読み終わる。

  そして、絵画や詩を見ているとき同様に、
  例えばこの「鼓笛隊」とは○○の事を現わしているんだろうな、
  という自由な解釈が楽しめる作品も多く、楽しめた。

  ただ、
  どうしても自分の書きたかったことを説明せずにはいられなかった、
  と見受けられる箇所も多く、
  そこは読者の裁量に委ねても良いんじゃない、と感じる部分も多々あった。

  それに、
  これを遺伝子と言おうか、重力と言おうか、
  読んでいて「村上春樹」をチリチリと感じ、
  作者の次の作品ではなく、村上春樹の小説を読みたくなった。  





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最終更新日  2008年09月10日 19時39分17秒
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