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新年、あけましておめでとうございます。さて、元旦とはいえ、私には特に華やかな予定があるわけではない。仕事が始まるまでは、心ゆくまでゲームと読書(そして、あくまで気が向けば勉強も)に勤しむことにしよう。明日からは妹家族が泊まりに来るため、退屈している暇はないはずだ。体力に満ちあふれた姪との触れ合いは、叔母としてこの上なく嬉しいものの、比例して凄まじく疲れることも覚悟せねばならない。ところで、正月の行事というものは、驚くほど地域差があるらしい。私は人生のほとんどを京都で過ごしてきたため、他所の風習には疎いのだが、ネットなどで見かける「他家のお正月」には、しばしば「へぇ、そんなものがあるのか」と新鮮な驚きを覚える。我が家のお雑煮は、白みそ仕立てだ。具材には里芋と大根が入り、仕上げに鰹節をたっぷりと振りかけていただく。京都住まいなら必ず白みそかといえば、そうとも限らない。お雑煮は作る人の出身地に左右されるものであり、近所には「すまし」の人もいた。とはいえ、我が家は両親ともに京都の人間であるため、この白みそ雑煮こそが、私にとっての「正月の味」である。また、わが家や近隣の地域では「お口祝い(おくちいわい)」という風習がある。神社への参拝や親戚の訪問時などに、半紙でみかんやお菓子を包んで渡すものだ。これもてっきりローカルなものかと思っていたが、検索してみると単語自体はヒットするため、決して唯一無二の奇習というわけではないようだ。興味深いのは、比較的近い場所へ嫁いでいった妹の嫁ぎ先では、この「お口祝い」の習慣がないという点だ。みかんを半紙で包むのが苦手な私としては、その手間がないことを少し羨ましく思ってしまうのだが、妹の方は伝統が途絶えたようで少しがっかりしていた。狭いエリアであっても、文化の境界線は意外なところに引かれているらしい。初詣は、地元の神社と寺へ顔を出し、早々に切り上げる予定だ。その後は、荒廃した連邦の地――「Fallout 4」の世界へ飛び込むことにしている。せっかくなので、次世代アプデを含むコンテンツが揃ったバンドル版を導入するつもりだ。PCのスペックやベセスダ特有のバグが少々心配だが、まあそのうち何とかなるだろう。2日までは、おせち料理があるおかげで食事の準備を気に病む必要もない。仕事が始まるその瞬間まで、思いっきり「だらだら」を極めてやろうと思う。そんなずぼらな私ですが、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。《京都白みそ はんなり》特選 京都白みそ 減塩 塩分控えめ 料理に ぬた 酢みそ 洋風の隠し味に 甘い味噌 お雑煮 白味噌価格:828円~(税込、送料別) (2026/1/1時点)楽天で購入
2026年01月01日
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年末年始には何の予定も無いし、たっぷりと本を読むことにした。図書館で十冊もの本を借りた。ハードカバーが多いので返す時が大変だが、それは今は忘れよう。なお借りたのは当然すべてミステリーである。全部は無理だろうが、ちびちびと感想も書いていきたい。今回感想を書くのは、三津田信三の『水魑の如き沈むもの』である。水神を祀る四つの村。奇怪な雨乞いの儀式。湖上の密室殺人。神男たちは次々と……奈良の山奥、波美地方の水魑様を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今, 神男連続殺人の幕が切って落された。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。(Amazonより引用)刀城言耶(とうじょう げんや)は小説家であり、怪奇研究家であり、探偵でもある。先輩の阿武隈川烏の紹介で、担当編集者の祖父江偲と共に、雨乞いの儀式――作中では「増儀(ぞうぎ)」と呼ばれる儀式の取材に行く。儀式が行われる波美の地では「水魑(みずち)様」と呼ばれる水神が信仰されていた。儀式を取り仕切る水利組合、中国から引き揚げてきた不思議な力を持つ親子、美しい娘を巡る人間関係と、様々な要素が絡み合う中で、儀式の担い手である「神男(かみおとこ)」が殺害されてしまう。水使神社の傲慢な当主・龍璽によって、祖父江を人質に取られてしまった刀城は、警察の手も借りずに事件の謎を解くことになる。しかし、そんな刀城の奮闘もむなしく、神社の宮司たちは次々と殺されていく。何度も推理をしてはそれを練り直し、刀城が最後に出した結論は驚くべきものだった。なんと、生贄として捧げられたはずの少女、小夜子こそが連続殺人事件の犯人だと言うのだ。もっとも、推理の裏付けも取れぬまま、波美の地は鉄砲水で流されてしまう。全ては水の底に沈んでしまったが、その地に残った人々は新しく生活を始めていく。刀城はせめて、彼らに穏やかな生活が訪れることを願うのであった。和風ホラーの雰囲気が漂う物語だが、推理小説としてもしっかり成り立っている。探偵である刀城は天才型ではない。とにかく色々な推理を出しては考察し、少しずつ真実に近づいていく。謎を紙に書き出し、思いついた推理は片っ端から披露しては、関係者の意見を聞いて何度も修正する。検証を繰り返していく過程は、探偵というよりも学者のようだ。むしろ、怪奇について考察する過程を推理に応用しているのかもしれない。私自身も妖怪が大好きなので、刀城には非常に好感が持てた。また、水魑様や泥女、一つ目蔵などの怪異の要素も、設定がかなり細かく作り込まれている。推理によっても怪異の存在は否定されず、理屈では説明できない「あやふやな存在」として、しっかりとそこに在る。今村昌弘『屍人荘の殺人』以降、怪異と推理の二本立ての魅力にはまってしまった私にとって、本作はたまらない。私はホラーは苦手だが、文化としての妖怪や怪異は大好きだ。実存を信じたくはないが、話を読み、考察するのはとても楽しいのである。京極夏彦の「京極堂」シリーズを思い出すが、あちらが「不思議なことなど何もない(憑物落とし)」としているのに対し、こちらは「不思議なこともあるが、推理もできる」といった絶妙な距離感である。三津田信三氏の作品は以前『首無の如き祟るもの』も読んだが、あちらも非常に面白かった。首なし死体と村に伝わる「淡首様」の伝説という、古風なミステリ好きなら読まずにはいられないテーマだ。推理部分だけでなく、淡首様の成り立ちや目的など、考察の余地がたくさんあった。もう図書館に返却してしまったので詳細は書かないが、こちらも妖しさに満ちた素晴らしいミステリーである。なお、終盤に登場する「正子」の正体については、読者の間でも小夜子説と正一説があるようだ。個人的には正一説を支持したい。理由の一つは、正一が聞いた予言で「あねがしぬ」と言及されていたこと。もう一つは、流石に小夜子が正子として振る舞った場合、数年前まで村にいた少女の顔を誰も見分けられないというのは、人相の面で無理があるのではないかと思うからだ。とはいえ、もし小夜子が本当に死んでいたとしたら、それはあまりに悲しい。正子の正体が小夜子であっても一向に構わないし、結局のところ、小夜子と正一の二人が幸せになってくれるのであれば、真相がどちらであってもかまわない。私はすっかり三津田信三氏のファンになってしまったので、今回も追加で二冊ほど借りてきた。こちらも出来れば感想を書きたい。ただ、表紙が美麗ながらもめちゃくちゃ怖いので、夜中に読むのはやめておこうと思う。水魑の如き沈むもの【電子書籍】[ 三津田信三 ]価格:1,320円 (2025/12/28時点)楽天で購入
2025年12月28日
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水曜日にyoutubeでパワーレンジャーを視聴し、それを英訳し、ChatGPTに添削してもらっている。毎週続けたいといいつつ2週間ぶりというていたらくである。noteにまとめてます偽物回はもはやお約束。今回は5人全員に偽物がいるのでそれぞれ自分と同じ色と戦っている。本物からすれば自分と同じ色は100%偽物だからだ。ただし自分以外の色のやつは区別がつかないこともあるらしく、イエローがピンクの偽物に騙されていた。これが偽物が1人のパターンだとどうやって見破るかって話になる。そしてこの手の偽物は大体本物の信用を落とすために小細工をする。子供向け番組なので悪事の程度は大したことないものが多いが、今回は街を破壊している。割と被害も大きそうなので最後に誤解が解けて良かった。ところでクリスマスだし特撮好きの皆さまはやはり鮭を食べているのだろうか。新品北米版DVD!『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(シーズン1~3)』『マイティ・モーフィン・エイリアンレンジャー(シーズン3.5)』 Mighty Morphin Power Rangers: The Complete Series!価格:14,375円(税込、送料無料) (2025/12/24時点)楽天で購入
2025年12月24日
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特捜戦隊デカレンジャーで推理要素のあるエピソードを紹介・解説する第3回である。※本考察では、デカグリーン/江成仙一を、作中での呼称にならい「センちゃん」と表記する。 ガス状生命体とシンノー星人ハクタクデカレンジャーの世界は多種多様な能力を持った異星人が存在する。前回解説したバイズ・ゴアも平均身長が5.8㎝という異星人だった。宇宙においては地球の常識など通用しない。今回登場するアリエナイザー、スピリト星人ビョーイもその例にもれず、その正体はガス状の生命体だ。地球人にはスピリト星人の姿すら見えない。その名の通り霊魂のような存在の異星人だが、彼ら専用の操縦マシンもあれば、彼らをいぶりだす薬草も存在する。設定には若干のご都合主義的な部分もあるが、基本的なフレームワークはきちんと作られている。そんなスピリト星人ビョーイに対抗できる存在が、シンノー星人ハクタクだ。神獣の名を冠する彼女は宇宙の薬草に詳しい漢方医である。少々口は悪いが根っこは優しいおばあさんだ。外見で差別された経験があるのか、普段は可憐な少女に化けている。彼女は34話「セレブ・ゲーム」にて再登場するが、地球で漢方屋を営んでいる。その理由は本エピソードを視聴すれば納得できるだろう。エピソード25「ウィットネス・グランマ」の考察 あらすじ地球に怪重機・ハンタージェットが現れた。職務質問をしても応答はなく、中に入ってみるもそこには誰もいない。ただ操縦席に魔法瓶のようなものが置かれていた。操縦者は何処に行ったのかと辺りを捜索するデカレンジャー達。場面は代わって、一人の少女が苦しむ男性を目撃する。紫色のもやもやが男性の身体に入っていく。この紫色のもやもやこそスピリト星人ビョーイだ。ビョーイは男性に憑依し、目撃者の少女を追いかける。センちゃん(デカグリーン)はその少女を保護し、テツ(デカブライト)によって男は撃退される。その後、倒れている男を梅子(デカピンク)が発見し、ジャスミン(デカイエロー)が邪悪な残留思念を感じ取る。遅れてバン(デカレッド)も合流し、少女に化けていたハクタクをデカベースへ連れていくことになる。デカベースで白鳥スワンの分析により怪重機に乗っていたのがスピリト星人ビョーイだと判明する。デカレンジャーはハクタクに協力を要請するも、人を外見で判断する地球人に協力したくないと言われてしまう。しかし、その直後、ハクタクはデカベース内で何者かに狙撃される。誰かがビョーイに憑依されてると気付いたセンちゃんは、ハクタクを連れてデカベースから外へ逃げ出す。センちゃんは誰が犯人だと推理を巡らすも、発信機によって後をつけられアブレラの部下からの攻撃を受けてしまう。上級戦闘員のイーガロイドすら現れ、何とか撃退するもセンちゃんは怪我で満身創痍となる。ハクタクの隠れ家に避難し、怪我を押してシンキングポーズで推理する。解決策を思いついたセンちゃんはデカレンジャーのメンバーを呼び出し、「この中にビョーイに憑依されたやつがいる」と指摘。取りついているか分かる薬があると丸薬を差し出した。この丸薬を飲むとくしゃみが出るが、取り付かれた人間はくしゃみが出ない。そう言って薬を飲んだセンちゃんは何度もくしゃみをする。皆も薬を飲むが、バン以外のメンバーは誰もくしゃみをしなかった。しばらくすると、バンだけがくしゃみをし始めた。そこでセンちゃんは「ビョーイが乗り移ってるのはバンだね」と指摘。丸薬が単なるビタミン剤だと知ったビョーイは、センちゃんの指摘に驚愕し暴れ出す。センちゃんの罠に引っかかったビョーイを、ハクタクは自分を囮にして外へ誘い出した。センちゃんがハクタクの指示でビョーイをあぶりだせる薬草を狙撃し、その煙によってビョーイはバンの身体から追い出されてしまう。ビョーイは逃亡。怪重機に乗って逃げようとするが、ジャッジメントによりデリートされ、一件落着となった。推理小説的要素の考察「ウィットネス・グランマ」は、センちゃんの頭脳と正義感がいかんなく発揮された名作である。自身の怪我よりもハクタクの身を案じるその優しさに、ハクタクだけでなく視聴者もときめいてしまうだろう。(それが災いしてラストで玉手箱によりおじいさんにされてしまうのだが)スピリト星人ビョーイの憑依能力については、第19話「フェイク・ブルー」のウージョン星人ジンチェも似た能力を持っている。こちらは精神を入れ替える能力だ。ホージーが当初疑われたのは、過去に『フェイク・ブルー』で肉体を乗っ取られた経験があるためである。「ウィットネス・グランマ」の推理小説的要素としては、「犯人当て」があげられるだろう。仲間の内の誰か一人に宇宙人が憑依している。地球人には憑依している宇宙人は視認できない。ハクタクもビョーイを見ることはできても、乗り移っているかは分からない。ハクタクの身を守るためにも不用意に仲間に接触できない。そんな状況において、誰が犯人かを当てなくてはいけないのだ。テツはビョーイが乗り移った男を追いかけ、梅子は第一発見者。ジャスミンは倒れた男に触れているし、バンは合流するまで時間があった。ホージーは過去に肉体を乗っ取られたことがある。ホージーが疑われた理由はこじつけであるが、後は皆に機会があったと言える。地球人にはビョーイが見えない以上、推理から犯人を見つけなくてはいけない。そこで出てくるのが、「犯人のみが知っている情報」を逆手に取る要素だ。センちゃんはビタミン剤を、ビョーイを特定できる薬だと偽って皆に飲ませる。「くしゃみが出たら大丈夫、くしゃみが出ないならそいつが犯人だ」と指摘したのだ。勿論これは罠である。このやり口は刑事コロンボや古畑任三郎が有名ではないだろうか。私は刑事コロンボの「5時30分の目撃者」を思い出した。ミステリーとしては非常にベタな罠であるが、ビョーイの立場からすれば引っかかるのは仕方ない。なにせ周りは自分以外全員が敵であり、正体がバレれば袋叩きにされかねない状況だ。ビョーイからすれば、正体が露見するプレッシャーが大きかったのだろう。犯人だからこその不安を上手く利用したセンちゃんの頭脳には脱帽である。ところでビョーイは、センちゃんにトリックを見破られた時点で、別の人物に乗り移るという手段はなかったのだろうか。もっともハクタクの隠れ家は人里離れたところにあったし、ハクタクの薬草が無くとも宇宙警察ならスピリト星人を確保することはできただろう。人に乗り移る隙に逮捕されても困るし、ハクタク排除に気を取られていたのかもしれない。「ウィットネス・グランマ」のセンちゃんは実にかっこいい。強さと賢さと優しさがしっかり描かれており、ハクタクが惚れるのも納得してしまう。なお、玉手箱での老人化は最後にはちゃんと戻るので大丈夫だ。(ロマンスグレーのセンちゃんもなかなか魅力的ではあるが)この考察はあと2回ほど書いてみる予定だ。他にもこの特撮作品のこの話がミステリーっぽいよと思う話があればぜひ教えて欲しい。【note有料記事の告知】本考察の最終回はnoteにて有料コンテンツとして販売させていただく予定です。無料記事を読んで「面白い」「考察が深い」と感じてくださった方は、よりディープな特典が付いた最終章のお買い上げをぜひご検討ください。特捜戦隊デカレンジャー 全50話セット 【DVD】価格:9,800円(税込、送料別) (2025/12/22時点)楽天で購入
2025年12月22日
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先日、文房具を新調するために京都駅の伊勢丹へ足を運んだ。デパートという場所は、どうにも敷居と値段が高く、用事もなしにふらりと立ち寄ることは滅多にない。今回は母から譲り受けた商品券という「後ろ盾」があったからこそ、重い腰を上げたのである。久方ぶりに訪れた京都伊勢丹は、館内の至る所にクリスマス用の装飾が施されていた。地元のスーパーで見かけるものとは一線を画す、洗練されたオーナメントや華やかなディスプレイ。それらを眺めているうちに、ふと思いついたことがある。「こういう場所なら、本場のシュトーレン(シュトレン)が売っているのではないか」ドイツの伝統菓子「シュトーレン」とは?シュトーレンとは、ドイツに伝わる伝統的なクリスマス菓子だ。洋酒にじっくり漬け込んだナッツやドライフルーツを生地に練り込み、焼き上げた後には真っ白な粉砂糖をたっぷりとまぶす。その姿は「坑道」を意味する名の通り、あるいは産着に包まれた幼子イエスを模しているとも言われる。12月に入ってから、クリスマスを待つ4週間の間に少しずつスライスして食べていくのが、ドイツ流の伝統的な食べ方だという。私は、無類の甘いもの好きである。この記事にも書いてあるそれも、洋酒の香りが効いたものとなれば、なおさら好ましい。私自身は極度の下戸で、アルコールを飲み物として受け付けることは体質的に叶わないのだが、お菓子やチョコレートに閉じ込められた「酒の残り香」だけは、どういうわけか美味しくいただけるのだ。また、私は異文化に対する知的好奇心が強い。和菓子や和食とは異なる、ヨーロッパの伝統菓子が持つ独特の「重厚な味」には、抗いがたい魅力がある。シュトーレンを食べたことがない「二つの理由」しかし、実を言うと――私はまだ、シュトーレンを食べたことがない。憧れは人一倍あるのに今日まで手を出せずにいるのは、ひとえにお値段と「食べ方のルール」という壁が立ちはだかっているからだ。1. デパート価格という壁まず、シュトーレンはそれなりに値が張る。決して買えない金額ではないが、日々の買い物ついでに「ひょい」とカゴに入れるには、少々勇気が要る価格帯だ。一本丸ごと、あるいはハーフサイズでの販売が主である以上、相応の値段になるのは道理なのだが、自分の財布事情を鑑みると、どうしても足踏みしてしまう。2. 「ちびちび食べる」ができない性格そして何よりの問題は、私の性格にある。シュトーレンは本来、毎日少しずつ味わうべきものだが、私にはそれができない。目の前にご馳走があれば、一気に完食してしまうか、さもなくば「もったいない」と大事にしすぎて手を付けられないかの二択なのだ。 溜め込み癖はまるで「冬前のリス」あまりにもったいぶりすぎて、食べるタイミングを失うことすらある。初めて自分でハーゲンダッツを買った時のことだ。最高の一杯にするために「ふさわしい日」を選んでいたところ、気づけば一週間以上も冷凍庫に鎮座し続けていた。戸棚の奥から、賞味期限の切れたカチカチのクッキーを発見したこともある。冬に備えてドングリを溜め込み、その場所を忘れてしまうリスやハムスターの習性に近い。かといって、シュトーレンを欲望のままに「一気食い」するのは、健康上のリスクが大きすぎる。あの砂糖の山とバターの塊が、どれほどの高カロリーを秘めているかは容易に想像がつくからだ。いつの日か、私が左うちわで暮らせるほどのお大臣になり、値段を気にせずシュトーレンを買い求められるようになったなら。その時は、誰かと暖かな食卓を囲み、一切れずつ分け合いながら、聖夜を待つ時間を楽しもう。今はまだ、華やかな京都伊勢丹のショーケースを眺めながら、そんなささやかな夢を膨らませるくらいが丁度いいのかもしれない。【ポイント 5倍 】 クリスマス シュトーレン お菓子 送料無料 お歳暮【シュトレン】プレーン・抹茶・ショコラ 約260g 2〜4人用 最高級マジパン使用 ドイツ伝統菓子 パンドエッセ価格:2,484円(税込、送料別) (2025/12/19時点)楽天で購入
2025年12月19日
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しばらく間が空いてしまった。気候や気分によって創作や仕事にむらがある。本当は良くないと分かっているが、自分のことであってもままならぬ。それは物語の中でも一緒らしい。今回感想を記すのは、飛鳥部勝則の**『黒と愛』**である。奇妙に傾く狂気の城、奇傾城――血と内臓と腐肉が主題の絵画が集う一室に幽霊が出没する噂がたち、「探偵」亜久は心霊特番に協力して城を訪れる。遅れて「霊能リポーター」役の女子高生、全身黒服の少女・黒が現れ、亜久にそっと囁いた。「あなたは、鋏が好きですか」……やがて密室状況で、黒と親しい男がくだんの部屋で首を切断された。これは幽霊の凶行か? 呪わしく美しい純愛(変愛)本格ミステリ(Amazonより引用)心霊番組の撮影のため「奇傾城」を訪れた撮影クルー一行。友人の崔川に頼まれて撮影に同行することになった亜久直人は、不思議な魅力を持つ少女、示門黒に出会う。怪しげな城主の北条夏夫と、その従者である渕沼カネに出迎えられ、「奇傾城」の中に入るが、そこは外見だけでなく中身すら歪んだ異形の城であった。復員兵の幽霊が出ると噂のある部屋「絵画の間」にプロデューサーの蒲生が泊まることになる。亜久は放送作家の桜井康彦と「ブランコの間」を体験する。部屋が一回転するという仕掛けに驚いていると、崔川が蒲生の様子がおかしいと言い出した。内側から鍵が掛けられ、何度呼び掛けても返事がない。仕方なくカネがチェーンソーでドアを壊すと、中には首を斬られた蒲生の死体と小刀が転がっていた。蒲生の身体は椅子に縛り付けられており、自殺とは思えない。どうやって密室の中で蒲生を殺したのか、犯人は復員兵の幽霊なのか。探偵として亜久は謎を解き、桜井康彦が犯人だと指摘する。北条の指示で康彦を地下牢に閉じ込めるが、悪天候で撮影クルーは「奇傾城」から出ることができない。その一方で、「康彦」という人物の回想で示門黒との関係が描かれる。奇妙な行動を繰り返す黒にどうしようもなく惹かれる康彦は、徐々に正気を失っていく。撮影クルーの一人であった杉崎廉が異形であふれた「奇傾城」を爆破し、悪天候と爆風の中、黒は「康彦涼子」に殺されそうになる。甲虫の異形と化した杉崎が全てを破壊し、崔川、亜久、黒だけがなんとか生き延びることができたのだった。最後にもう一度どんでん返しがあるが、こちらは少々蛇足の感がある。人と獣を掛け合わせた奇形のクリーチャーが出てくるが、密室の謎や犯人についてはミステリーの要素が強い。ブランコの仕掛けを使った密室トリックはなかなか斬新だ。首を切断した動機は幽霊を否定したいというものだったが、これはいまいち分からなかった。幽霊を否定したいなら、他に方法がありそうなものである。人物を勘違いさせる叙述トリックは驚かされたが、実は犯人に直接繋がるものではない。黒を中心とした人間関係は大事な要素であるし、動機に大きく関わってはくるのだが、涼子が男であろうと女であろうと事件は起こっていただろう。登場人物たちは皆、示門黒に魅了されていくのだが、この辺りもいまいち共感できなかった。容姿はものすごい美少女らしいし、常識を外れているからこその退廃的な魅力はあるだろうが、あまりにぶっ飛びすぎている。ロープを舐めたり死体を隠し持ったりは流石にちょっと……と思ってしまった。というか、後者は完全に犯罪である。しかもこのキャラクターは作ってた節もあるらしい。中二病をものすごく重くしたみたいなもんだろうか。ある種の防衛反応だと思うので黒だけが悪い訳ではないだろうが、周りももうちょっと、注意するなりカウンセリング勧めるなりしたれよと思ってしまった。とはいえ私が一番注目して楽しみにしていた部分はそこではない。最も楽しみにしていたのは杉さんこと杉崎廉の大暴れである。冒頭の回想は杉崎のものであった。死んだ少女のかたき討ちのため、彼は「奇傾城」に乗り込む。爆弾で地下を破壊し、怪物たちを葬っていく。これがとてつもなく恰好いい。蹴りで怪人の首を吹き飛ばし、手刀でその胸を貫く。圧倒的な強さは戦場で培った技術と強い信念によるものか。同作者の『ラミア虐殺』の時よりも強くなっている気がする。杉崎の内心はあまり描写されていない。でも何となくわかる気もする。上手く言語化できないのだが、同情や共感、それよりももっとあやふやな何かが彼の背を押したのではないだろうか。この話はあちこちに仮面ライダーのパロディが差し込まれている。緑川ルリ子は初代仮面ライダーのヒロインだし、玉木純子はV3のヒロイン珠純子からだろう。高校教師に本郷がいるし、小野寺正太郎は石ノ森章太郎の本名と一字違いだ。杉崎に倒された八人の怪人たちも同モチーフが仮面ライダーに登場している。(仮面ライダーの怪人モチーフは多いので被らない方がおかしいかもしれないが)以下は同モチーフの怪人たちだ。カニ怪人:カニバブラートカゲ怪人(渕沼カネ):トカゲロン(怪人たちを引き連れて出てくるあたりも同じ)ジャガーマン、蜘蛛男はそのまま同名の怪人大コウモリ:蝙蝠男蛾人間:ドクガンダーアルマジロ人:アルマジロンサイ怪人:サイギャング他にも三葉虫の怪人やサボテンの怪人も仮面ライダーにいるので、お好きな方は照らし合わせてみるのも楽しいかもしれない。『黒と愛』は逆転の物語だと思う。黒と白、愛と殺意、生と死、男と女、人と怪物など対となる要素が反転していく。まるでブランコの部屋が回転するようだ。不思議で退廃的な雰囲気に酔う人もいるかもしれないが、好きな人は凄く好きな作品になるだろう。恋愛小説ではないので、紹介文で勘違いせぬようにだけご注意を。黒と愛 (ハヤカワ文庫JA) [ 飛鳥部 勝則 ]価格:1,540円(税込、送料無料) (2025/12/16時点)楽天で購入
2025年12月16日
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ミステリー好きとは因果なものである。「首なし」「生首」「バラバラ死体」「密室」「どんでん返し」など、物騒な単語に心惹かれてしまう。現実は傷口を見るのも嫌なのだが、物語の中では別である。残虐な描写が好きなのではなく、そういう描写にこそ、きちんと論理的な裏付けが与えられるのが好きなのだ。狂人の行いに見えたそれを探偵が論理的に紐解いていく。死体の在り方がぶっ飛んでいるほど、論理とのギャップに強く魅せられてしまうのである。今回感想を記すのは、門前典之の**『首なし男と踊る生首』**である。「殺人計画書」通りに、不可解な状況で人が殺されていく。いったい誰が「計画書」を書いたのか。そして生首は目の前で、生前の恨みをはらすかのように飛びまわる。かつて刑場だったその地の呪いなのか……。(Amazonより引用)クロスウエディングという会社が結婚式場を建築する工事に関わることになった宮村。打ち合わせを終え、所長の平松と飲んでいたが、悪天候で現場が心配になり、二人は現場へ向かうことにする。大雨の中、現場を見回っていると、平松所長が廃屋の中へクロスウエディングの幹部が入っていくのをたまたま目撃する。その直後、土砂崩れが起こり、廃屋の入り口は大岩で塞がれてしまった。重機を用いて岩をどかし廃屋に入ると、そこには斧を持った首なし男と、赤く爛れた生首が存在していた。直後に鉄砲水が起こり廃屋は流されてしまう。そして同じ頃、工事現場にケーブルを盗みに来ていた若者は、血の滴る生首を竹林で見つけていた。警察に連絡するも死体が見つからないことで、当初は真剣には取り合ってもらえない。しかし三日後、竹林で再度生首が見つかり、さらに山の上の井戸から三人の変死体と一体のバラバラ死体が発見される。クロスウエディング社長の自宅からは**「殺人計画書」**が見つかる。犯人は社長なのか?首なし男の正体は?生首を移動させたトリックは?宮村は共同経営者かつ探偵である蜘蛛手に連絡し、これらの謎が解き明かされていく。実は、この事件では被害者と犯人が途中で入れ替わっていたのだ。生首は二つあり、廃屋の中で行われたのは殺人ではなく**「事故」**であった。死体の胴体が偶然斧を掴んでしまったことで、首なし男が首を切ったような構図が出来上がってしまったのである。その地に伝わる処刑人の伝説とたまたま同じような状況になったこと、生首の状態が似通っていたこと、「殺人計画書」によって事態がややこしくなっていたのだ。犯人たちは伝説になぞらえるつもりは無かったが、偶然と合理を突き詰めた結果、図らずも「見立て殺人」のようになってしまった。発見者の若者たちが地元出身であったため、処刑人伝説と重ねて見てしまったのも一因であろう。犯人も死んでしまったため逮捕者はおらず、結末はまさに**「人を呪わば穴二つ」**である。宮村と蜘蛛手のやり取りと、若者たちの更生が物語の最後に少しだけ清涼感をもたらしてくれた。門前典之の本はまだ三作目だが、既に大分ファンになっている。死体を徹底して**「素材」として扱う作風は、倫理的にはちょ~っとぶっ飛んでいるが、私的にはかなり好みだ。時にバカミスと言われかねないとんでもトリックだが、私はミステリにリアリティを求めるタイプではない。むしろとんでもトリックであればあるほど、最後に理由が説明されるシーンのカタルシス**が感じられる。また死体の突飛さに目が行きがちだが、部屋を入れ替えてDNAを誤魔化すなど技巧派トリックも用いられている。生首の描写や殺人計画書の内容など、伏線もきちんと張られている。とはいえ結末が結末なので、犯人を予想できた人は少ないのではなかろうか。むしろ予想できた人はどうやって推理できたのか教えて欲しいほどである。今回の犯人の行動力には憧れないが、感心する。前回読んだ『屍の命題』は死者は六人だが、犯人一人当たりの手間はあくまで殺人一人分だ。今回の犯人は、井戸から脱出するために土とセメントを積み上げ、死体を固定し、もう一人の犯人に復讐し、殺人計画書を書き足す…と、二日間でむちゃくちゃ働いている。ミステリの犯人というのは行動力がすごい。三十分の散歩すらめんどくさいと思う私からすると、雲の上の人間だ。復讐心や欲望は、それだけ人を動かせるのかもしれない。首なし死体のお約束、死者の入れ替えトリックも用いられている。密室や首なし死体など本格要素とバカミス要素がマッチしていて実に気持ちいい。倫理と合理のギャップに翻弄されたい人にはお勧めの一冊である。余談首なし死体の謎解きの部分で『Skyrim』というゲームを思い出した。『Skyrim』ではフィニッシュムーブ発動により敵の首を切り落とすことがある。この時、生首がポーンと吹っ飛んで転がっていくことがあったのだ。流石に武器の上に首が乗っかったりはしなかったが、物理演算しだいでは立ったままの首なし死体は普通にありえそうだ。このゲームは自由度も高くめちゃくちゃ面白いので、久しぶりにプレイするのもいいかもしれない。ネズミとキリンの金字塔 (論創ノベルス 26) [ 門前典之 ]価格:2,420円(税込、送料無料) (2025/12/8時点)楽天で購入
2025年12月08日
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最近、長らく低空飛行だったメンタルが多少安定したのだろう、久しぶりに本を読めるようになってきた。鬱がひどいときは短編小説ですらなかなか読めなかったものだ。とはいえ、読んでいるのは相変わらず推理小説ばかりで、それがメンタルに本当に良いのかは分からない。まあいいだろう。推理小説は、カロリーを気にする必要のない「脳みその嗜好品」だ。読めば読むほど楽しく、知的好奇心を満たしてくれる。夢中になって夜更かしして、翌日の生活リズムを崩さないようにだけ気を付ければいい。ところで、長めの本や集中して読み込む必要がある推理小説を読むなら、飲み物は必須だろう。特に肌寒い季節や夜、温かいドリンクを飲みながらまったりと読書に耽る時間は至高だ。個人的にミステリー読書のお供におすすめの飲み物を、そのムードと一緒に紹介していこう。☕ 集中力を高める定番ドリンク・コーヒー定番中の定番である。カフェインの覚醒作用を期待してか、シャーロック・ホームズをはじめ、多くの名探偵や作家にも愛飲者が多い、ミステリーのムードを盛り上げる一杯だ。淹れたての濃いブラックコーヒーは、五感を研ぎ澄ませ、複雑な推理に没頭させてくれるだろう。ただし、カフェインが苦手な人や夜間の読書には注意が必要だ。その場合は、この後で紹介するハーブティーやホットミルクが心強い味方になってくれる。コーヒーをゆっくり淹れる行為自体も、読書前の良い儀式になる。・お茶(紅茶・緑茶・ハーブティー)日本ミステリーや、静かで侘び寂びを感じる作品なら、熱い緑茶が雰囲気が出るだろう。渋みと香りが、物語の奥深さへと誘ってくれる。一方、洋風の古典ミステリーや、ヨーロッパが舞台の作品を読むなら、紅茶がおすすめだ。特にアールグレイのような香りのいいフレーバーティーは、読書時間が一気にお洒落になる。ストレートで飲むか、ミルクティーにするかで気分を変えるのも良い。もしカフェインを避けたいなら、カモミールやペパーミントといったリラックス効果の高いハーブティーを試してみてほしい。心地よい香りで心が落ち着き、かえって推理がはかどるかもしれない。🍮 脳と心を癒やす甘いお供・ホットココア食物繊維が豊富で、集中力持続に役立つポリフェノールも摂取できる優れものだ。砂糖の適度な甘みは、疲れた脳にエネルギーを与え、複雑なトリックの解明を助けてくれるかもしれない。物語が佳境に入り、少し疲れを感じ始めたときなどには最高のパートナーだ。・ホットミルク夜でも時間を気にせず飲める、究極のリラックスドリンクである。牛乳に含まれるトリプトファンは安眠を誘う効果があるため、寝る前の読書には最適だ。蜂蜜やメープルシロップを入れて甘くするのも美味しいし、バニラエッセンスを少し垂らせば、名探偵が事件の合間に取る「休息」のムードが出る。✨ シンプルに集中力を保つ・白湯(さゆ)デトックス効果があるだけでなく、体温を上げてくれる。何より、味や香りが一切ないため、読書の邪魔にならないという最大の利点がある。本の内容に集中しすぎてうっかり零してしまっても、被害が最小限に済むのも地味に重要なポイントだ。究極のミニマリズムで読書に没頭したいときにおすすめだ。🍷 余談:お酒との付き合い方推理小説を読む際、頭はしゃっきり冴えわたっていた方がいい。そのため、酒類は個人的にはお勧めしない。ワインをくゆらせながら暖炉のそばで読書をする、というのは絵にはなるが、物語後半で伏線を見落としては元も子もないだろう。私は酒に弱すぎて飲めないが、もし飲んだ方が逆に想像力が豊かになり、読書が進むという人がいるなら、もちろん飲んでもいい。結局のところ、何を読もうが何を飲もうが(健康に害が無い範囲なら)自由なのだから。じゃあ断定口調で書くなと言われてしまいそうだ。しかし、この「だ/である」調の文体が一番書きやすいのである……ちゃ、ちゃんと「個人的に」と書いているので、どうかお目こぼしください。森永ココア( 200ml×24本入)【森永 ココア】[紙パック 常温保存 飲み切りサイズ 持ち運び]価格:2,253円(税込、送料別) (2025/12/7時点)楽天で購入
2025年12月07日
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やはり地元よりも京都市内の図書館の方が様々な蔵書がある。昼食を抜いてでも図書館に足を運んだのは、他でもない。今回探していたのが、「横溝クズ選手権」でランクインを果たした犯人が登場する、横溝正史の**『幽霊男』**であったからだ。ハードカバーの本は少々分厚く、整理されていない鞄がパンパンになってしまったが、今度からは本用の鞄を持って行くことにする。今回感想を記すのは、横溝正史の**『幽霊男』**である。神保町の裏通りにあるヌードモデル仲介業「共栄美術倶楽部」に初めて現れた異相の男、その名も佐川幽霊男。彼の依頼を受けたモデルが、ホテルの浴槽の湯の中で殺され、そしてさらに……。猟奇マニアたちの秘密の巣でもあったその倶楽部に金田一探偵が登場。右往左往しながらも、欲望に溺れて落ちたマニアたちの犯罪を鮮やかに解決! 妖気漂う原色怪奇曼陀羅。(Amazonより引用)「共栄美術倶楽部」に現れた「幽霊男」は、何とも不気味な風貌の男である。滑るような歩き方や、三本しか歯のない口も相まって、見る者を怯えさせる。この異相の男(佐川幽霊男)は、実は真犯人とは別の変装した人物であった。真犯人はこの「幽霊男」を利用し、乙女の血を求める連続殺人を起こしてしまうのである。真の正体は、吸血嗜好を持つ画家・津村一彦であろうか。さらに事件の裏には共犯までいるという。小指のない男、蜘蛛の入った容器、生き人形など、怪奇要素が多岐にわたる。しかし、怪奇趣味の中にもきちんと本格ミステリの要素は存在する。蝋人形を運び込む手口や、都築貞子を殺す際のアリバイ工作などである。探偵の目の前で人形を運ぶ手法は大胆としか言いようがない。そのくせ、最後に逮捕される際には醜く泣きわめき、実に往生際が悪い。自分の有能さを鼻にかけ、調子のいい時には残虐に振る舞う。だが逮捕されると途端に言い訳に走り、他人に罪を擦り付けようとするのである。作中ではきたならしい卑劣な魂とまで言及される真犯人の人間性こそが、本作の目玉であろう。私が『幽霊男』を読みたかったのは、この犯人が「横溝クズ選手権」にてランクインしていたからである。ちなみに第一回で6位であったという。(なお、この選手権の第一位は『悪魔が来りて笛を吹く』の新宮利彦であり、なんと3冠を飾っている。)地元の図書館には『幽霊男』が無かったため諦めていたが、今回京都市の図書館に立ち寄った際、偶然見つけてすぐさま借り入れた次第である。なるほど、クズ選手権ランクインも納得の悪人であった。自分の欲望のために四名もの人間を殺害しておきながら、逮捕されると「私ではない」とごねる姿は甚だ見苦しい。自分は安全圏にいるのが分かって好き放題する態度は、わがままな子供のようである。彼の欲望のために殺された女性が哀れである。頭脳明晰で行動力があることが、さらに質を悪くしている。マダムが救われたのがせめてもの救いである。真犯人を好き放題させた最初の「幽霊男」の犯行動機は、ディクスン・カーの『帽子収集狂事件』を思い出した。承認欲求は時として大事件の引き金となる。この辺りは今の時代にこそ胸に留めておくべきかもしれない。金田一探偵は、この妖気漂う怪奇な事件の中で、右往左往しながらも、真犯人の歪んだ欲望が引き起こした猟奇的な一連の犯罪を鮮やかに解決してみせた。怪奇でエログロな雰囲気が際立っており、夜中に一人で読むと背筋がぞわぞわするであろう。ところどころで辻褄が合わないのではないかと思う点もあるが、江戸川乱歩の作品群が好みの読者であれば楽しめる一冊である。幽霊男 金田一耕助ファイル10 (角川文庫) [ 横溝 正史 ]価格:902円(税込、送料無料) (2025/12/5時点)楽天で購入
2025年12月05日
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特捜戦隊デカレンジャーで推理要素のあるエピソードを紹介・解説する第2回である。🌟 ジャスミンの超能力について解説の前に、デカイエローことジャスミンの特殊能力について説明しておこう。ジャスミンはエスパーである。人との接触、または物体を通じて、それに触れていた人の思いを読み取ることができるのだ。むやみに力を使わないように、普段は手袋を付けている。ミステリーにおいては反則ともいえる能力だが、デカレンジャー本編において超能力だけで事件が解決することはない。直接触れないと能力を使えない、アリエナイザーの特殊能力で妨害されることもあるなど、読み取れる情報には限度があるようだ。とはいえ、非常に便利な能力であることに変わりはない。今回紹介するエピソードでもジャスミンの超能力が解決の鍵となるのだが、超能力を直接使うわけではない。 「ジャスミンが超能力者である」という事実が、犯人の行動を読み解く鍵となるのだ。🕵️ エピソード20「ランニング・ヒーロー」の考察📺 あらすじエネルギー研究所が爆破され、犯人からデカベースに通信が送られてくる。犯人は正体不明の凶悪アリエナイザー、バイズ・ゴア。彼は地球破壊爆弾を仕掛けたと宣言し、デカレンジャーに対し「爆弾探し」のゲームを仕掛けてくる。地球を守るため、バン(デカレッド)がプレーヤーとして指定された場所に向かう。タイマーを止めると、中から「8」と書かれた紙が出てきた。犯人から連絡が入ったため、バンはジャスミンに携帯とヒントの紙を渡して犯人を探ろうとするが、どこからか狙撃されてしまう。ルール違反のペナルティとして、バンは変身も車も禁止され、ひたすら走るはめになる。大きなスタジアム、飲食店の植木鉢など、必死にタイマーを探し続けたバンは、次に「▽」「M」というヒントを手に入れる。バイズ・ゴアのふざけた態度に携帯を叩きつけそうになるが、「連絡が取れないと困るのは君だ」と言われ、何とか思いとどまる。セン(デカグリーン)がヒントから爆弾の位置を割り出すが、戦闘員の妨害に遭い、謎は解けず爆弾は起動されてしまう。しかし、爆弾はバン以外のデカレンジャーによって解体されていたのだ。爆弾があったのはポイント371。実は「8」「▽」「M」は半分に折ると「3」「7」「1」となるという暗号だったのである。最後の紙は「二つに折られていた」こと自体がヒントであった。そして、バイズ・ゴアの居場所も判明する。それはなんと、バンの持っていた携帯電話の中。バイズ・ゴアの正体は平均身長5.8㎝の小型宇宙人、ゲルマー星人だったのだ。💡 推理小説的要素の考察このエピソードには、二つの推理小説的要素がある。1. 「暗号」の面白さヒントに書かれた「8」「▽」「M」を半分に折ると「3」「7」「1」になるという暗号は、なぞなぞとしては分かりやすい部類であろう。梅子(デカピンク)が鏡を使うシーンも伏線として機能している。暗号を用いた推理小説は、江戸川乱歩『二銭銅貨』やコナン・ドイル『踊る人形』が有名だ。暗号物は、法則を理解できるかどうかが面白さのポイント。地球破壊がかかっている状況では冷静に考えるのは難しいから、この難易度でも十分スリリングで面白い話になっている。2. 「意外な犯人」と伏線の強化犯人が携帯の中にいるというのは、通常の推理小説ではまずありえない、特撮だからこそ出せる斬新なトリックである。しかし、短い時間の中でも伏線はしっかりと張られている。重要なのが、ジャスミンと携帯の関係だ。バンがジャスミンに携帯を渡そうとした瞬間、犯人側は焦って狙撃した。エスパーであるジャスミンが携帯電話に触れれば、犯人の居場所が即座に露見する可能性があったからである。エスパーの存在に気づき、それを警戒した犯人側の行動自体が、犯人の正体(すぐそばで聞いていた小型宇宙人)を暗示する伏線になっていたのだ。また、最大の伏線は、バンが携帯を地面に叩きつけようとしたのを止めたシーンである。ひょうひょうとした態度のバイズ・ゴアが、この時だけはやけに焦った声を出すのは、この携帯の中こそが彼の隠れ場所だったからだ。「小さな体でどうやって爆弾を仕掛けたのか」「爆弾が爆発したら犯人も死ぬのでは」という疑問は残るが、これは宇宙船でもある携帯が耐衝撃構造だった、あるいは携帯の中にワープ装置などの先進技術があったと解釈すれば、十分に説明がつくであろう。🎬 まとめ「ランニング・ヒーロー」は、全キャラの見どころ盛りだくさんの非常に豪華な話だ。惑星を爆弾で破壊するという規模の大きさ、犯人の斬新さ、最後のロボ戦も含めて30分とは思えない密度である。手に汗握るストーリーが好きな方は是非見て欲しいエピソードである。この考察はあと3回ほど書いてみる予定だ。他にも、この特撮作品のこの話がミステリーっぽいよ、と思う話があればぜひ教えて欲しい。【note有料記事の告知】この考察シリーズは、あと数回(全5回を予定)で完結する。本考察の最終回はnoteにて有料コンテンツとして販売させていただく予定だ。 無料記事を読んで「面白い」「考察が深い」と感じてくださった方は、よりディープな特典が付いた最終章のお買い上げをぜひ検討して欲しい。特捜戦隊デカレンジャー コンプリートBlu-ray1【Blu-ray】 [ (特撮) ]価格:10,560円(税込、送料無料) (2025/12/4時点)楽天で購入
2025年12月04日
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毎週水曜日にyoutubeでパワーレンジャーを視聴してそれを英訳、ChatGPTに添削してもらってる。今回はエピソード37「Clean-Up Club」だ。noteにまとめてます当時の学生がビデオで撮影して発表なんてハイテクだなとも思うけど、前も科学の発表とかやってたし、アメリカの学生はそのぐらい出来ちゃうのだろうか。原作みたいに子供との絡みはなし。まぁリタはパンドーラ様ほど子供嫌いを公言してないっぽいしね。それでも清掃活動をやってたりで、元の話と多少関連付けようとしてる感じはあるのかな?そういえばレンジャーたちが生身で戦闘しているシーンなんだが、いつの間にかビリーがむっちゃ動けるようになってた!ゴーレム兵の頭上をぐるんと越えてて、いやぁ成長したなぁ~。(おばちゃんの視点)新品北米版DVD!『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(シーズン1~3)』『マイティ・モーフィン・エイリアンレンジャー(シーズン3.5)』 Mighty Morphin Power Rangers: The Complete Series!価格:14,375円(税込、送料無料) (2025/12/3時点)楽天で購入37話で
2025年12月03日
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地元の図書館から連絡がきたので、うきうきしながら本を取りに行った。この本はわざわざ京都市内の図書館から取り寄せてもらったのだ。『屍の命題』はバカミスとして必ず名前が挙がる作品である。特別貸し出し用のカバーが分厚くて少々読みにくくはあったが、それでもその手間をかけただけはある名作(迷作?)であった。今回感想を書くのは門前典之『屍の命題』である。とある湖畔の別荘に集められた6人は、やがて全員が死体となって発見された。なぜか死亡時刻も死因もバラバラだった。「犯人」は何を意図していたのか。究極の「雪の山荘」ミステリついに刊行。(楽天ブックスより引用)雪の山荘で起こった連続殺人事件。最終的に全ての人間が死んでしまう点は、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』のようだ。しかしそこはやはり門前典之氏である。腕の無い死体や、胴体を切断された死体が出てくるのだ。しかもそれらは単なる雰囲気づくりではない。作中で篠原が見た「巨大な甲虫の亡霊」もインパクトがある。大きな甲虫がもぞもぞ動くのを想像すると、中々に気持ちが悪い。もっとも、気持ち悪さで言えば正体の方が気持ち悪いかもしれない。なぜならそれはストレスからくる幻覚でも見間違いでもない。なんと切断された雅野医師の上半身が動いていたというのである!足跡の無い雪の密室や毒のカプセルなど、本格要素もきちんとある。前者は屋根からのラリアットというだいぶとんでもなトリックであるが、一方で後者は毒を入れるタイミングなどから論理的に犯人を導けるようになっている。後半部分は探偵が推理するパートだ。探偵である蜘蛛手は、その卓越した推理力でもって、手記と少々の現地調査から事件を解いてみせる。事件の犯人は同一人物ではなく、各人が犯人であり、同時に被害者でもあったのだ。つまり、各殺人の犯人は、直前に被害者であった人物なのである。篠原に殺された蓑田が京華を殺し、京華が鷹舞を殺し、鷹舞は雅野を殺す...と、ドミノ倒しのように連鎖していくのだ。最後の篠田は自殺だが、彼を追い詰めたのは阿武澤となる。こうして犯人と被害者はぐるりと円を描くように巡るのだ。最後に美島夫人が女装した美島教授であったことも暴かれて、事件は解決する。ハードカバー版で読んだのでちょっと読みにくかったが、しかしそれが気にならない程に面白かった。吹っ飛んだ腕が凶器になったり、上半身だけ這い回ったりとか「無理だろ」と思いつつも、実は理屈はきちんと通っているのである。リアリティはないかもしれないが、理屈の上では破綻していないのだ。この荒唐無稽さと理屈がぎりぎりで融和している感じが、バカミスと言われる所以であろうか。個人的にかなり好みの作品だ。犯人が被害者になるのではなく、被害者が犯人になるというのも斬新だ。「物騒なピタゴラスイッチみたいだ」というのが私の感想だった。そしてそんなとんでもトリックからは、人間のじとりとした悪意が見えてくる。「死ぬ前にあいつを道連れにしてやる」という思いが次の事件を起こすのだ。それに気づけば、プロローグの蓑田の内心の意味も変わってくる。最初は助けを求めて手を伸ばしたのかと思っていた。しかし本当は、蓑田は京華を殺すつもりで腕を伸ばしたのだ。京華には少し同情するし、美島教授の動機にはどん引だが、結局のところそれらは些細なことなのだろう。本の中でも書かれている通り、インパクトのある話こそが推理小説で大事なことだ。そう意味では、この本は大成功だ。もしインパクトのある話が読みたいなら、『屍の命題』はピッタリであろう。【中古】 屍の命題 / 門前典之 / 原書房 [単行本]【宅配便出荷】価格:30,224円(税込、送料別) (2025/12/2時点)楽天で購入
2025年12月02日
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特捜戦隊デカレンジャーは、2004年から2005年にかけて放映されたスーパー戦隊シリーズの一作である。「デカ」とは刑事のことで、宇宙警察・地球署において異星人の起こす犯罪を解決するのがストーリーだ。刑事ドラマをベースにしていることもあり、中にはミステリー要素のある話も存在する。ところで、私は特撮も好きだしミステリーも好きである。そこでデカレンジャーのエピソードの中から、推理要素のあるものを紹介・考察してみたい。素人分析ではあるが、愛と情熱は込めるので、少しでも面白いと思ってもらえれば幸いだ。デカレンジャーにおける犯罪と裁判の特殊性まず最初に、デカレンジャーにおいて罪を犯すのは「アリエナイザー」と呼ばれる異星人たちだ。彼らは地球人にはない特殊能力や科学技術を持っているため、犯罪の手段も地球の常識が通用しないものが多い。またデカレンジャーは刑事であるが、重犯罪者はその場で抹殺している。逮捕権だけでなく、生殺与奪の権も握っているのだ。これを作中では「デリート許可」と呼んでいる。デリートするか否かは宇宙最高裁判所が決めているので、一応司法判断は経ているようだ。ただ、証拠の有効性などは地球の制度とは異なっていると思われる。デリート許可が下りなかった事例もあるので、証拠の精査や調査などはされているらしい。アニオタWikiによると、時空の歪みなどを利用して素早く処理しているだけで、地球時間で8カ月ほど裁判をしているようである。他にも特撮ゆえのお約束や独自の物理法則、法律もあると思われるが、この考察では出来るだけ「推理要素」に焦点を当てていく。それでもつじつまが合わないことがあれば、ご指摘いただきたい。第1回:エピソード06「グリーン・ミステリー」の考察あらすじ街中で異星人が車を壊して暴れていた。彼はジューザ星人ブライディ、両手が鎌の形状をしたカマキリに似た異星人だ。ブライディは車が気に入らないと、手に付いた鎌で切断していた。デカレンジャーはブライディを止めようとするが、逃げられてしまう。そしてまた車の切断事件が発生。今度はなんと女性が一人死んでいた。死んだ女性はリドミハ星人カーミヤ。買い物に出ていた姉のカーサスはカーミヤの死に悲しむが、手に持っていた冷凍ピラフは結露で濡れていた。また、リドミハ星人は空気中の水分を集められると分かる。バン(デカレッド)はブライディが犯人だと決めつけるが、セン(デカグリーン)はそうとは限らないという。ピラフの解け具合、車の切断面、リドミハ星人の能力…それらを総合してセンが指摘した犯人はカーサスだった。彼女は水をウォーターカッターとして武器にしたのだ。正体を現したカーサスをジャッジメントでデリートして一件落着となる。ミステリー的視点からの分析話のメインはバンとセンのデカレンジャーとしての在り方や、センが決める時はちゃんと決める熱い男である点だと思う。マイペースな昼行燈に見えて、その実、優秀な頭脳と熱いハートを持つセンはなんとも魅力的だ。しかし、私はあえてミステリー的視点からこの話を考察したい。特撮ドラマではなく推理ドラマとして「グリーン・ミステリー」を見た場合、二つの推理小説的要素がある。一つは「意外な犯人」だ被害者カーミヤは車ごと切断されて殺されている。そして物語の序盤でブライディはその手に付いた鎌で車を切り裂いている。普通に考えれば犯人はブライディだ。しかしミステリーとして見ると、逆に彼は犯人ではありえない。(ただし、推理小説は読者の裏を書くために必死なので、怪しい人物が犯人であるパターンもある。)そして30分ドラマの都合上、登場人物はそれほど多くない。後付けで犯人が湧いてくるのでない限りは、犯人はカーサスしかありえないのだ。もっとも、そう判断するにはメタミステリ的な視点で物語を見る必要がある。カーサスは一見優しげな美女で、バンの怪我口を水で洗ってくれる。そして被害者は彼女の妹で、その死に悲しむ様子も見せていた。短い時間だが、ちゃんと犯人に見えないような描写がなされている。そんな彼女が犯人だと分かるのは、冷凍ピラフの解凍具合からだ。近所のスーパーに行っただけにしては冷凍ピラフが溶け過ぎていた。犯人には見えない人物を物証で追い詰める話の流れは、最後の犯人の豹変具合も含めて「意外な犯人」のお手本のような話である。もう一つは「意外な凶器」だ被害者は車ごと切り裂かれているが、その凶器は鎌ではなく「圧縮した水」であった。作中でも言及されているが、工業用ウォーターカッターは実在しているし、どんなものか知っている人もいるだろう。「水」を凶器とした推理小説も多い。ただ、ウォーターカッターを凶器として使ったものはないのではなかろうか(私が知らないだけかもしれないが)。専門の機材や、犯行現場が濡れてしまうなどの証拠が残るため、地球人には使いにくいトリックなのだろう。カーサスは水を操れるので、この辺りの問題を解決できる。特撮ゆえに利用できる斬新で「意外な凶器」だ。切り口の照合でブライディの容疑を晴らすなど、推理要素も抜かりがない。まとめ「グリーン・ミステリー」は、センというキャラクターの推理力と情熱を描いた名エピソードだと思う。そして同時に、推理ドラマとしても非常に良く出来たエピソードである。エイリアンの能力や冷凍ピラフなど、伏線はきちんと張られているし、アリエナイザーの能力が判明する流れはどこかコロンボ味もある。特撮好きはもちろん、推理小説好きも面白いと思えるはずだ。30分なので、お試し感覚で一度見てみてはいかがだろうか。この考察はあと3、4回ほど書いてみる予定だ。他にも、この特撮作品のこの話がミステリーっぽいよ、と思う話があればぜひ教えて欲しい。特捜戦隊デカレンジャー コンプリートBlu-ray1【Blu-ray】 [ (特撮) ]価格:10,560円(税込、送料無料) (2025/12/1時点)楽天で購入
2025年12月01日
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私はチョコレートが大好きである。アイスクリームはついチョコ味を選んでしまうし、お菓子でも毎回チョコレートを手に取ってしまう。以前は地元の業務用スーパーで特大サイズを買ってちびちび食べていたのだが、いつの間にかなくなってしまった。商品自体が無くなったのか、店が置かなくなっただけなのか。地元の業務スーパーは品ぞろえが安定しないのでいまいち分からない。昨今の物価高もあって、お菓子も段々高嶺の花になりつつあるが、チョコレートの無い人生は考えられない。昔、『烈火の炎』という漫画にとんでもないチョコレートジャンキーがいたことを思い出す。流石にあそこまでのジャンキーではないが、漫画を読んだ時にちょっとだけ「分かる。チョコって美味しいもんな。」と思ってしまった。まあ、そのぐらい好きなのだ。最近のお気に入りは「濃厚な満足感チョコメロンパン」そんな私の最近のお気に入りは、ヤマザキの濃厚な満足感チョコメロンパンである。ココア生地のメロンパンにチョコクリームとチョコレートが入っている。似たような商品は、ローソンやファミマでも見たことがあるが、どれも常にある訳ではないので、見かけたら買うようにしている。特にチョコレートがゴロゴロ入っている奴がいい。健康に悪いので無制限に食べる訳にはいかないが、私はこういうチョコ盛りだくさんのお菓子やパンが大好きなのである。「べつやくれい」さんの記事で体験する「脳チョコ」の世界さて、皆さまはデイリーポータルZというサイトをご存知だろうか。面白い企画や記事を紹介されているサイトで、私もたまに拝見している。そこにべつやくれいさんというライターさんがいるが、その方が「100%チョコレートパフェ」という記事を書いている。全てチョコレート味のパフェを作るという、なかなかぶっとびかつ魅力的な記事だ。個人的に私もかなりやってみたい。中年が試すには(財布と胃腸両方の点で)ハードルが高いが、自分で好きな物をいろいろ乗せるのは楽しそうだ。脳みそが脳チョコになる感覚をぜひ味わってみたい。この他に食べ物系の記事をまとめた**『ばかスイーツ』や『ばかごはん』は書籍化されているが、どちらもとても面白い。べつやくれいさんのちょっと目つきの悪い味のあるイラスト**と企画がいい感じに調和している。気楽に読んでケラケラと笑えるし、食い意地の張った私には興味深い内容も多かった。どうやら2022年に新刊を出されているようで、こちらも近いうちに買わせていただこうと思っている。ばかスイーツ/バーゲンブック{べつやく れい アスペクト クッキング お菓子 スイーツ 生活 人気 ワールド}価格:990円(税込、送料無料) (2025/11/27時点)楽天で購入
2025年11月27日
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週1ペースでパワーレンジャーを見てストーリーを英作してChatGPTさんに添削してもらってます。今回は36話「Birds of a Feather 」。空手少年が出るけれどトミーではなくザックがメイン回。まぁトミーはジュウレンジャーのブライなんで仕方ない。ブライは42話で退場してるから…トミーは生きてるけどね?!キバレンジャーとして復活するのはいつになるのやら。noteの記事です。どうして空手大会を高校っぽいところで開催しているのか?普段彼らがたむろしているジュースバーでやっているのかもしれない。というかイベントやってるのだいたい同じ場所だな。これはまぁドラマでもあ良くあること。スーパー戦隊にもいつもの場所ってあるし。新品北米版DVD!『マイティ・モーフィン・パワーレンジャー(シーズン1~3)』『マイティ・モーフィン・エイリアンレンジャー(シーズン3.5)』 Mighty Morphin Power Rangers: The Complete Series!価格:14,375円(税込、送料無料) (2025/11/26時点)楽天で購入
2025年11月26日
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飛鳥部勝則「ラミア虐殺」この本の話は知っていたし、ストーリーも犯人も知っていた。それでも読みたいと思って図書館の書庫から探し出した。その理由は簡単だ。私は特撮が大好きだからである。今回読んだのは、飛鳥部勝則の『ラミア虐殺』だ。隔絶された雪の別荘で殺人が起こるという設定は、クローズドサークルの定番中の定番である。だが、普通のクローズドサークルとは少し状況が違う。閉ざされた空間で人が死んだにもかかわらず、登場人物たちはまるで慌てないし、危機感もない。怪しげなメッセージカードがあっても、それについて深く探ろうともしない。カードの意味に気づいている者もいたが、犯人探しをすることはなかった。外部から来た探偵役が多少気にかける程度だ。なぜこれほど事件に対して無関心なのか。一つは登場人物たちの性格によるだろう。彼らは皆自分勝手で他人に興味がない。身内が死んでも、その死を悼んだりはしない。せいぜい、月岡まことの死に月岡麻二が悲しんだくらいだ。それ以外は、「死んで当然」「屑だ」「因果応報だ」などと、ボロカスな言いようである。そしてもう一つは、登場人物の半数が人外の力を持っているからだ。たとえ殺人犯に襲われても、返り討ちにできる。それを理解しているから危機感が無い。作中の登場人物曰く、「犯人が分かる必要はない。自分以外の全てを殺せばいいから」だという。とんでもない暴論である。本の背表紙には「背徳の本格」とあるが、確かに普通のクローズドサークルでは、ここまでの極論は出せないだろう。犯人はたまたま人外の人物を襲わなかったが、もし5人のうちの誰かを襲っていた場合、そこで事件は終わっていたであろう。協力もしないし、捜査もしない。そんな状況で、ただただ人が死んでいく。雪に閉ざされた山荘は、人倫に囚われない化物たちの「蠱毒」だ。それでいて、殺人自体には人外の力は働いていない。あくまで推理小説の枠ははみ出していないのだ。スキーを使ったトリックは「なるほど」以上の感想はなかったし、性別誤認についてはストーリーに関係するほど重要な部分ではない。そもそも私は既にこの本のネタバレを読んでいる。だから、推理小説としてはさほど楽しんではいなかった。しかし、この本自体はものすごく面白かった。それは、私が特撮のクリーチャーが大好きな人間だからである!探偵の杉崎廉は、甲虫の改造人間である。彼は北条製薬の作った強化薬で人外の力を手に入れた。左手は異形のまま戻らず、常に黒手袋を着用している。この設定だけでもう杉崎を好きにならざるをえない。明らかに仮面ライダーである。初めて変身した時の相手が蜘蛛モチーフというのも、初代のオマージュではなかろうか。これでモチーフがバッタであったなら、石ノ森プロに訴えられるレベルだ。つっけんどんな態度だが、依頼人はきちんと守ろうとするし、傭兵時代も撃たれた沢口を助けていた。北条秋夫には殺人マニアだなんて言われていたが、むしろ登場人物の中において一番優しくてお人好しに見える。自分の力を恐れ、依頼人の手を握り返すこともできないのだから(この辺りも初代仮面ライダーを思い出させる)。戦いを好むわけではないが、戦闘能力はかなり高い。怪我をした状態で蛇女であるカオリと、鷲の力を持つ宏を倒している。この戦闘描写はなかなか過激で迫力がある。昆虫の外骨格を「軽くて強靭な鋼鉄の鎧」に例えるのは、むちゃくちゃかっこいい。グラップラー刃牙で「虫が人間サイズだと最強だ」なんて言われていたが、杉崎はそこに歴戦の傭兵の判断力さえ持ち合わせている。異形の力と人間の心を持つ最強の甲虫、ある意味犯人と対極の存在だ。彼の存在そのものが、この小説の大きな魅力であった。『ラミア虐殺』において、犯人は普通の人間であった。しかし、その思考や殺人の動機はまさに「化物」と呼ぶにふさわしいものである。この日まで事件が起こらなかったのが不思議なほどだ。あまりに自分勝手な物言いもあって、最後まで同情も共感もできなかった。彼女を見ていると、人間と化物の差は外見ではない、その精神性なのだと思う。私自身、自己中心的な方であるが、せめて化け物にならぬ生き方だけはしたいものだ。ラミア虐殺 (光文社文庫) [ 飛鳥部勝則 ]価格:1,210円(税込、送料無料) (2025/11/25時点)楽天で購入
2025年11月25日
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京都市の図書館で本を借りられるようになった。やはり地元とは蔵書の量が違う。今回読む予定だった門前典之氏の本も地元には置いていなかったので、借りられてとても嬉しい。しかも洋書まで借りられた。貸出期限内に全て読めるかは分からないが、原語版『ABC殺人事件』も楽しみである。今回読んだ本は門前典之『友が消えた夏 ― 終わらない探偵物語』。タイトルだけだと青春ドラマのようだが、爽やかなのは序盤だけ。途中からは不穏な描写が容赦なく続く。探偵の元に持ち込まれた事件記録。それは鶴扇閣という古い洋館で起きた連続殺人事件の記録だった。そしてその合間には、女性がタクシーに拉致される事件が挟まれるように描写される。一見すると全く別の二つの事件が、やがて一つに収束していく。その中で、犯人の失われた記憶も徐々に蘇ってくる。だが記憶を取り戻した犯人は後悔よりも先に、また新たな「リセット」を図るのだ。ラストまで気の抜けない展開で、続きが気になる終わり方である。門前典之氏は「死体の扱い方が斬新」な作家らしい。『友が消えた夏』でも、首を切ったりガソリンで焼いたりと、最低でも9人は死んでいる。文庫サイズで9人はかなり多い方ではないだろうか。もっとも、他の作品に比べればまだマシらしい。氏の作品は「バカミス」としても名前が挙がっていたので、いずれ全部読んでやろうと思っているが……不安と期待が半々である。犯人の動機はかなりぶっ飛んでいる。こんな理由で殺されたらたまったものじゃない。ハンデを抱えながらも殺人をやり切るバイタリティと知性があるのに、ある意味で根拠のない占いを盲信している。最後に記憶を取り戻して「ケケケ」と笑う姿はかなり怖い。作中の描写からして、かなり頭が良く魅力的な人物だったのだろう。だからこそ、この壊れっぷりとエゴが恐ろしく見える。どうやったらこんなぶっ飛んだ犯人を思いつけるのだろうか。探偵役の蜘蛛手と、ワトソン役の宮村もいいキャラクターだ。小言を言い合いながらも、最後に奔走する蜘蛛手の姿からは、本当は宮村を大事にしているのが伝わってくる。エンディングでは宮村がどうなったのか分からず不安になるが、最新刊『ネズミとキリンの金字塔』にも登場しているらしい。もっと二人の掛け合いを見たいと思っていたので、無事なようで一安心だ。ずっしりと重たい事件のミルフィーユが気になった方は、ぜひ読んでみてほしい。オクトパスマンの正体や、最後まで回収されない伏線らしきものも含めて、非常に続編が気になるところである。オクトパスマンの正体について(絶対外れてるだろう考察)本編では名前さえ分からない謎の犯罪者「オクトパスマン」。長身で手足が長く、額に梵字のタトゥーを彫っている。なぜか犯人である友子に異常な執着を見せる。敵対者かと思いきや、孝裕を助ける場面もある。私は、このオクトパスマンと犯人は姉・弟ではないかと思うのだ。エンディング1で、男は「額に怪我をした」と言っている。そしてオクトパスマンも額に入れ墨がある。最初は父親かとも思ったが、オクトパスマンは鶴扇閣事件の時点で18歳。そもそも父親を殺して逃亡しているのに、車の事故で両親を失うのはおかしい……と一度は思った。だが、よく考えれば事件の時系列は明かされていない。もし母親が再婚していたりすれば、「母のために父親を殺す」と「事故で両親をなくす」は両立し得る。事故のときの「母さんまで殺す気か」というセリフにも、どこか違和感があった。(自分だけじゃなく)母さんまで殺すのか?と聞いているのか、あるいは(父は既に死んでいるのに)母さんまで殺すのか?という言い方にも取れる、どちらとも取れる言い方。この「視点が定まらない言い方」に妙な引っかかりを覚えたのだ。オクトパスマンが犯人を親の敵だと思っているのだとしたら、孝裕を同じ復讐者として助ける理由にもなる。「今度こそ犯人を追い詰める根拠となる」という言い方も、一度追い詰め損ねた経験があるかのようだ。犯人は死者として姿を消したのだから、鶴扇閣事件で追い詰められたわけではない。タクシー拉致事件だと考えることもできるが、両親の事故や別の事件で逃げ延びた可能性もある。犯人だけが叔父に引き取られた事情も、どうとでも考えられるだろう。犯人は中学生以前の記憶がないので、オクトパスマンを覚えていなくても不自然ではない。まあ、所詮は素人の与太推理である。思いついてしまったので書き足しただけだ。普段は推理小説で考察はしない方なので、自分でも珍しい。レンコンより穴だらけの推理な気もするが、「外れ推理」を楽しむのも推理小説の醍醐味ではなかろうか?友が消えた夏〜終わらない探偵物語〜【電子書籍】[ 門前典之 ]価格:880円 (2025/11/21時点)楽天で購入
2025年11月21日
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英語の学習と趣味を兼ねてyoutubeでパワーレンジャーを視聴し、あらすじを英訳してChatGPTに添削してもらうってのをやってます。noteにまとめてあるのでご興味ある方はどうぞ。noteの記事ジュウレンジャーとの違いを比較しながら見るとなお面白い。この話のモデルであろう「ブライ死す…」は割と有名な話ではなかろうか。当時はらはらしながら見てたら思いっきりブライ死すと言われてめんたま飛び出た方もいるのでは?週1~2くらいのペースで視聴予定…あくまで予定…【中古】【輸入品・未使用】パワーレンジャー:グリッドの英雄:伝説のレンジャー:トミー・オリバー価格:19,919円(税込、送料別) (2025/11/19時点)楽天で購入
2025年11月19日
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図書館で借りた最後の本が、この『有栖川有栖に捧げる七つの謎』だった。私は好きなものは最後に食べる派だが、この本はまさにメインディッシュである。なにせ私は10代の頃から有栖川先生のファンなのだ。エラリー・クイーンの『エジプト十字架の謎』を読んで以来、私はずっと論理系ミステリーに夢中になっている。有栖川先生とクイーンの関係については、ぜひ調べてみてほしい。作風や名前の由来まで含めて、面白い発見がたくさんある。今回感想を書くのは、有栖川有栖『有栖川有栖に捧げる七つの謎』。予想をはるかに超える名編ばかりで、「ここまでやりますか!?」と叫びたくなる。――有栖川有栖、思わず脱帽である。(Amazonより引用)本作は、有栖川有栖デビュー35周年を記念して、7人の作家が“捧げた”トリビュート短編集だ。“トリビュート”とは敬意を表するという意味(検索結果による)。有栖川有栖をテーマに各作家が書き下ろしたもので、バリエーション豊かで読み応えがある。火村&有栖シリーズ、山伏地蔵坊、江神二郎シリーズ、さらには『マジックミラー』のオマージュまで。元ネタを知っているほど楽しめる構成で、35周年にふさわしい贅沢な一冊だ。もちろん、有栖川作品を読んでいなくても、参加作家の力量が高く、十分に面白く読める。以下、各話の簡単な感想を。・縄、綱、ロープ火村シリーズの完コピ二次創作のような完成度。原作の中に紛れても違和感がないほどで、火村と有栖のやり取り、ラストのセリフ回しまで原作そのもの。推理部分も非常に満足度が高い。・クローズド・クローズ火村と有栖が女子高に潜入する——もうその導入だけで面白い。序盤で真野女史が登場するのも嬉しいファンサービス。殺人事件は起きないが、女子高生たちの友情と葛藤が丁寧に描かれ、ラストはしっとりと情緒的。タイトルは“服(clothes)”と“閉じる(close)”を掛けた言葉遊びだろう。・火村英生に捧げる怪談タイトルは『火村英生に捧げる犯罪』のもじりか。短い怪談の謎を火村が理屈で解き明かしていくが、最後の話には本物の幽霊が出てくる。とはいえ、きちんと論理が成立しているのがミソ。ラストに登場する“心霊探偵”が有栖川作品のキャラと知り、後書きで驚いた。・ブラックミラー火村は登場するが、有栖は出ない。随所に『マジックミラー』のネタが散りばめられている。余呉湖の事件とは、あの作品のことだろう。編集者・片桐が両方に出るので、世界線が繋がっている可能性も。この話の火村は、酒の影響もあってか少し言い回しがきつい。相手が有栖でないと塩対応なのかもしれない。・有栖川有栖嫌いの謎有栖川有栖の“本”そのものが題材。紙の本でなければ成立しないトリックが光る。トリビュート企画でこのネタは大丈夫なのかと心配になるほどだが、後書きの有栖川先生はむしろ楽しそうだった。・山伏地蔵坊の狼狽シリーズ未読だが、非常に魅力的な設定。不思議な山伏が語るミステリというだけで惹かれる。『ブラジル蝶の謎』へのオマージュもあり、蝶の標本に囲まれた死体の描写が幻想的。・型取られた死体は語る物騒なタイトルだが、実際には殺人は起こらない。ミステリ同好会の先輩が仕掛けた、悪趣味な“いたずら”の顛末である。注目すべきは動機の部分で、登場人物たちの感情の揺れが見どころ。学生時代の有栖の最後のセリフが、不思議に爽やかな余韻を残す。文庫サイズの短編集とは思えない充実ぶりで、気づけば一気に読了していた。クオリティの高い同人アンソロジーのようでもあり、これが商業出版で読めるのは贅沢の極み。正直、このレベルの同人誌がイベントで1000円なら即買いである。(実際、これより薄くて高い同人誌はたくさん持って…ごほんごほん。)とにかく、有栖川作品が好きなら、読んで損は絶対にない一冊だ。有栖川有栖に捧げる七つの謎 (文春文庫) [ 一穂 ミチ ]価格:1,067円(税込、送料無料) (2025/11/18時点)楽天で購入
2025年11月18日
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私は卵が大好きだ。半熟のトロトロ卵も好きだし、しっかり火の通ったゆで卵も好き。ラーメンを作る時は必ず卵を落とすし、残り物は何でも卵とじにしてしまう。とりわけ好きなのは半熟の目玉焼きだ。熱々のご飯に半熟の目玉焼きを乗せ、とんかつソースをたっぷりとかける。とろとろの黄身とソースを絡めたご飯の、何と美味しいことか。焼きたてのソーセージや味付けのりを添えれば、下手な外食よりよほど満足度が高い。野菜が足りないのが気になるなら、葱入りの納豆でもつけておけばいい。想像するだけで頬が緩むほど、私は目玉焼きご飯が好きだ。毎食食べてもいいと思えるくらいに。しかし卵好きとはいえ、毎日何個も食べようとは思わない。むしろ一日に食べる卵は二個までと決めている。外食で卵をたっぷり使った料理を食べた日は、それ以上卵を食べないよう調整する。お金の問題ではない。コレステロールでもない。――子供の頃に読んだ絵本のせいだ。その絵本を何歳で読んだのかも覚えていない。内容もほとんど覚えていない。ただ、強烈に覚えている場面がある。そこには卵が大好きな王様がいた。王様は毎日のように卵をたくさん食べ、ついに食べすぎてお腹を壊してしまう。私はその描写にショックを受けた。欲望を抑えられずに自滅する……子供心にそれが恐ろしくてたまらなかったのだ。私はADHDとASDの特性があり、報酬系のコントロールが苦手だ。今でも夜更かしをやめられなかったり、ゲームをずるずる続けてしまったりする。だからこそあの王様に自分を重ねてしまったのかもしれない。「自分も欲望をコントロールできず、痛い目を見るかもしれない」という不安。その感覚は妙にリアルだった。絵本の物語の細かい部分は忘れてしまったのに、王様がお腹を壊す場面だけは今でも覚えている。昔話には欲に負けて破滅する話が多い。私が思い出すのは日本昔話の「宝の下駄」だ。転ぶと背が縮む代わりに小判が出る下駄を巡り、子供は必要なだけ転ぶが、欲深い大人は転びすぎて虫になってしまう。ここでやめておこうと思っても「ついもう一回」を繰り返してしまう――私はよくやらかす。夜更かし、ゲーム、お菓子など。だからこそこういう話が妙に怖い。胸の奥に不快感と恐怖がじっとりと居座る。今でもこの感情の扱いが苦手で、嫌な予感がする話は避けるようにしている。調べてみると、私が読んだ絵本は「おうさまシリーズ」らしい。どの巻だったかは思い出せないが、有名なシリーズのようだ。この絵本を読んだ人の中には、私と同じ気持ちになった人もいるのかもしれない。【送料無料】ぞうのたまごのたまごやき/寺村輝夫/和歌山静子価格:1,430円(税込、送料無料) (2025/11/17時点)楽天で購入
2025年11月17日
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パワーレンジャーの存在を知ったのは何年前だろうか。まだ妹が結婚して家を出る前だったから、最低でも五年以上前だ。サブスクなど使っていなかった私は、TUTAYAで特撮DVDを借りるのが日課だった。その日借りたのは侍戦隊シンケンジャー。小林靖子脚本の和風戦隊で、敵怪人のデザインも含めて私好みの作品である。そのDVDにパワーレンジャーSAMURAIが収録されていた。シンケンジャーのついでくらいの気持ちで観たパワーレンジャーSAMURAIだが、これが実に面白かった。ストーリー自体はシンケンジャーをなぞっているのだが、元の出来が良いので面白いのは当然だ。さらにSAMURAI独自のアレンジが入り、別方向の魅力が生まれていた。・ほんのり勘違いされた日本文化アメリカ制作の侍というだけで察する人もいるだろう。私と妹が最初に抱いた感想は「なんか忍者混じってない?」である。手裏剣こそ投げないが、衣装も動きもどこか忍者っぽい。変身時には鉢金付きの覆面を着用しているし、どう見ても忍者だ。室内装飾や侍文化の扱いも妙にちぐはぐだ。そもそも三百年前という設定なら鎖国中ではないのか。戦隊ロボや変身アイテムをアメリカに持ち出すのは色々アウトだろう。幕府にばれたら切腹では済まない。当時の志葉家は何を考えていたのか。ツッコミ始めるとキリがない。だがこのズレが関西人のツッコミ気質に刺さってしまった。画面に向かってツッコミを入れた時点で、もう作品の勝ちである。歴史ドラマなら許されないズレだが、子供向け番組ゆえの緩さが逆に魅力になっていた。・オリジナルキャラクターの魅力初代シリーズにも登場したバルクとスカルの息子スパイクが登場する。シンケンジャーには該当するキャラはおらず、完全にSAMURAIのオリジナルのコメディ枠だ。彼らは毎回SAMURAIに憧れて的外れな修行をしている。WASABIと叫びながら竹刀でチャンバラする姿に姉妹そろって吹き出してしまった。だが私はこの二人が結構好きである。強くも賢くもないが、ナイロックに立ち向かうガッツがある。特にセラータが世界をひっくり返そうとした時、瘴気が噴き出す穴を大量のチューインガムで塞ごうとするのだ。やり方は脱力ものだが、自分を顧みずガムを噛み続ける根性はすごい。ふらふらになりながらガムの塊を押し込む姿は間抜けではあるが、確かにヒーローだった。・メガモードとショウグンモードSAMURAIオリジナルの強化フォームも心惹かれた。メガモードはロボ騎乗時限定のフォームで、裃のようなアーマーをまとい全体的にマッシブだ。これがまたかっこいい。ショウグンモードはブルゾードを仲間にする過程で得た完全オリジナルの強化形態で、甲冑のような重厚なアーマーが特徴だ。細身でスタイリッシュな戦隊スーツが多いからこそ、ごつめの強化フォームが余計に映えたのだと思う。【中古】【未使用・未開封品】パワーレンジャー サムライ 12インチ ショーグン レッド レンジャー w/アーマーパワーレンジャーSAMURAIが気に入った私は、TUTAYAで追加料金を払ってスーパーSAMURAIも含め全話を視聴した。だが他のパワーレンジャーシリーズはなかなか見られなかった。YouTubeには見当たらず、サブスクもなし。(私が見つけられなかっただけかもしれないが。)東映特撮ファンクラブなら視聴できるらしいが、月九百六十円は出せず、泣く泣く諦めた。再びパワーレンジャーに関心を持ったのは、最近体調が良くなり英語を勉強したくなったからだ。どうせなら好きなものと絡めてモチベを上げたいと思った。YouTubeで全話は見られないが、元のジュウレンジャーは知っているのでストーリーはそれなりに追える。やっぱり私は特撮が好きだ。いつか左うちわのお大臣にでもなって、吹替なしでパワーレンジャーシリーズを見てみたいものである。【中古】【非常に良い】パワーレンジャー SAMURAI VOL.1 [DVD] 9jupf8b価格:16,410円(税込、送料別) (2025/11/16時点)楽天で購入
2025年11月16日
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地元の図書館で本の取り寄せをお願いした。手間はかかるけれど、やっぱり京都市の図書館は蔵書のレベルが段違いに高い。今回は、門前典之『屍の命題』と法月綸太郎『法月綸太郎の新冒険』を申し込んだ。(なぜか『法月綸太郎の冒険』だけは申し込めなかった。)『法月綸太郎の新冒険』というタイトルは、きっと『エラリー・クイーンの新冒険』へのオマージュだろう。法月綸太郎シリーズはエラリーがモデルになっている部分が多いので、多少手間をかけてでも読みたかった。そもそも私がエラリー・クイーン好きになったのは、小学生の頃に読んだ『エジプト十字架の謎』がきっかけだ。最後に読んだのはかなり前だが、当時のインパクトはいまでも忘れられない。細部はさすがに覚えていないので、今回は他の方のネタバレを参照しつつ改めて感想を書いてみる。ちなみにエジプト十字架とはいわゆるアンクというやつだ。遊戯王の死者蘇生のカードを想像してもらえれば分かりやすい。遊戯王 死者蘇生 15AX-JPM38 シークレット 【中古】物語は、クリスマスの早朝。ウェストヴァージニアの村の丁字路で、T字の道標にはりつけられた首なし死体が発見されるという衝撃的な幕開けだ。その後さらに3人が同じように殺され、全米を震撼させる大事件へと発展する。しかも「T」の意匠をまとった連続殺人。これに挑むのが若きエラリー・クイーンである。(あらすじはAmazonより要約)初めて読んだ時、私は本当に震えた。はりつけの首なし死体が次々と出てきて、謎の宗教団体やエラリーの恩師まで絡んでくる。小学生の頃は分からなかったが、アメリカをまたにかけるスケールの大きな事件だ。追跡劇の最後には飛行機まで使われ、クイーン家の財政が破綻しそうになったという描写には今読むと少し笑ってしまう。ところが、この大事件の核心を突くのは「ヨードチンキの瓶」という小さな証拠である。もちろんヒントはほかにもあるが、真相に至る鍵はこの小瓶だ。恐ろしい事件と、つい見落としそうになる“ささいな物”の組み合わせ。このギャップがたまらず、私は一気にロジック重視のミステリに魅了された。真相が明かされた時、恐怖はすっと消え、論理が美しくつながる快感だけが残った。以来、「首なし死体」と聞くとトリックの方が気になってワクワクしてしまう人間になってしまった。(もちろんフィクション限定で)このトリック自体は、現代ならDNA鑑定で簡単に暴かれてしまうだろう。でも、“論理を積み上げていく面白さ”は時代が変わっても美しいままだ。だからこそ、有栖川有栖や法月綸太郎のように、エラリーを下敷きにした作品が生まれ続けているのだろう。一本の論理の糸がぴたりと繋がる、その瞬間の気持ちよさには、古典も現代も関係ないのかもしれない。エジプト十字架の謎 (創元推理文庫) [ エラリー・クイーン ]価格:1,100円(税込、送料無料) (2025/11/15時点)楽天で購入
2025年11月15日
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ざくざくアクターズというゲームを御存じだろうか。たくさんの仲間を集めて国を作っていく非常に面白いフリーゲームだ。個人制作とは思えないボリュームと泣かずにはいられないストーリー。私がこのゲームに費やした時間は余裕で100時間を超えるだろう。本当に名作なのでRPG好きはぜひプレイして欲しい。しかし今回話したいのはざくざくアクターズについてではない。このゲームは出来ることが多く、国の特産品を開発できたりする。その特産品の一つが「王国ランチ」だ。でっかいプリンにたこさんウィンナー、目玉焼きハンバーグにナポリタンと、子供の好きなものをみっちり詰め込んだゴージャスなランチである。このゲームには鴨ねぎそばやフルーリーなど美味しそうなものがたくさん出てくるが、私が一番食べたいと思ったのが「王国ランチ」だ。ゲームの中の料理ではあるが、料理自体は全て現実にも存在している。味にこだわらないのなら市販品でも再現できないだろうか。いや、むしろ自分だけの「王国ランチ」ならぬオリジナルお子様ランチを作ってみたい。以下は私の理想のお子様ランチ妄想である。まずは旗を挿すごはん部分だ。チキンライスが最初に思い浮かぶが、私はオムライスが大好きである。出来れば卵がトロリととろけるオムライスがいい。ソースはデミグラスソースもいいが、好きなものを詰め込むならカレーだ。子供向けの甘口カレーよりも少々辛口の濃いめのカレーが理想だ。付け合わせは何がいいだろう。お子様ランチならエビフライは必須だ。大人になるとたこさんウィンナーより大きめの唐揚げが嬉しくなる。ポテトサラダでもいいのだが、お子様ランチっぽさを考えるとフライドポテトの方がしっくりくる。好きなものだけを詰めこむなら野菜は不要…と言いたいが、彩りを考えるならブロッコリーぐらいは添えておきたい。スープはオニオンスープが一番好きである。硬めのクルトンをたっぷり入れてざくざくの食感を楽しみたい。デザートはお腹具合と相談したい。30代後半にもなると胃もたれのダメージも馬鹿に出来ないからだ。夢のメニューを食べるなら腹八分目は物足りないが、はち切れるほど食べても楽しめない。程よい満腹を目指して盛り付けていこう。デザートを付けるならプリンアラモードがいい。生クリームとアイスクリームは好きなだけ盛るのが自分流だ。せっかく自分で盛り付けるなら、見た目よりも満足度を追求したい。贅肉のことはこの瞬間だけ忘れておく。飲み物は何がいいだろう。お子様ランチのドリンクならジュースだが、私は甘いドリンクでご飯を食べるのがいまいちしっくりこない。緑茶もいいが洋食ならフレーバーティがお洒落だ。食後ならデザートの代わりにクリームソーダも美味しそうだ。想像するととてもおいしそうだ。それなりにお金がかかるが、冷凍食品やテイクアウトを活用すればほどほどの値段で実行できそうだ。大事なのは味というよりも「好きなものをたっぷりと一皿に詰め込む」ことだ。子供の頃の憧れと大人の食欲を組み合わせて昇華させた「夢」のお子様ランチ。一度食べてみたいものである。なお「大人のお子様ランチ」と検索してみると結構お店が出てくる。興味のある方はぜひ探してみよう。お気に入りの一皿が見つかるかもしれない。楽天総合ランキング1位獲得!訳ありギガ盛!国産鶏の唐揚げ2kg (1kg×2袋) | 送料無料 から揚げ からあげ アウトレット 成型肉 福袋 送料込 業務用 惣菜 冷凍食品 お弁当 おかず お子様 チキン 売れ筋 運動会 大容量 お買い得 人気価格:4,800円(税込、送料無料) (2025/11/14時点)楽天で購入
2025年11月14日
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本日noteにあげた文章をこちらにも上げます。本当は文章全部上げたいのに何故かエラーが出て進まない…仕方ないのでリンクだけ貼っときます。今村昌弘『魔眼の匣の殺人』(ネタバレあり)――推理と怪奇の共存|greenpってなんやねん…(´・ω・`)魔眼の匣の殺人 [ 今村 昌弘 ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/11/13時点)楽天で購入
2025年11月13日
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前からやりたいな~とは思ってたんですが、遂にブログ始めて見ました。わー、どんどんぱふぱふ~~(゚∀゚ノノ"☆パチパチパチ読んだ本の感想とか動画の感想とかnoteのネタなんかをまとめる予定です。Xもnoteもやってるけど色々やってみたいですし、フォントやデザインもおいおい整えられたらいいな。私のデザインセンスで出来るかはひっじょうーーーーーに怪しいですが。特撮系のネタやら英語学習やら推理小説感想やら徒然と書いて行けたらと思います。あるいは発達障害なもんでその辺りの日々とかも書くかもしれません。とはいえ障害系は自分も生き方を模索してる途中ですんで大したことは書けないかもですが。腐女子ではありますがそっち方面はあんまり語らない予定。とはいえ芯まで腐っているので多分はみ出てくることもあるでしょう。人生の半分以上腐ってますんでね。出来たらスルーしていただけると幸いです。とりあえずなんか書こうかな?というわけで本日noteにあげたパワーレンジャー34話の英作リンク貼っときます。マイティモーフィンパワーレンジャー シーズン1 エピソード34「The Green Candle, Part I」|green英語学習と趣味を兼ねて、パワーレンジャーを視聴して英作、それをchatGPTに添削してもらってます。パワーレンジャーはジュウレンジャーをベースにオリジナル要素をミックスしたドラマ。ドラマ部分は向こうで撮影し、戦闘シーンはジュウレンジャーから切り抜かれています。そのせいで戦闘シーンやロボ戦闘は明らかに背景が違ってますが、これはこれで面白いのでOKです。オリジナルキャラクターもいい味出てますしね。問題はyoutubeでは切れ切れにしか視聴できないことです。これ吹き替えなしで全話見たかったらどうしたらいいんでしょう?シーズン2からはオリジナルストーリーらしいのでめちゃくちゃ見たいのですが…いつかアマプラとかで配信してくれますように!!
2025年11月12日
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