下北沢八郎の場合

下北沢八郎の場合

2006年04月19日
XML
カテゴリ: デバイス
 菊池誠さんの本を読んで、恥ずかしながら初めてトランジスタのベースの名前の由来がわかった。

 点接触型トランジスタにおいて、針を半導体に立てるが、その半導体が針を立てる土台のようになっているからそれをベースというようだ。学生時代からなんでベースというんだろうと思っていたが、この年になってやっとわかった。遅すぎか? まあ、物事に遅すぎるということはないということで。

 一般的な接合型のバイポーラ・トランジスタのベースはコレクタとエミッタの間に挟まれていて、さらに厚さが数μmととても薄いので、ベースという雰囲気はまったくしない。点接触型から接合型に切り替わるときに、各部分の名称も変更しようという動きはなかったのかな。動作原理が同じだから、形がちょっと違うけどそのままでいこうという話になったのだろうか。

 バイポーラトランジスタの記号の形も、点接触型の形からきていることがわかった。だれも教えてくれなかったよなあ。あの矢印はどこからくるのかとずっと思っていた。

 接合型トランジスタの構造を見せつけられて、あんな薄い部分がベースだと言われても、ぼくみたいになんでよって思うのが普通だろうなあ。でもそこから色んなことを考えるからいいのかもしれないけど。

 他にもMOSトランジスタのソース・ドレイン部を“拡散層”とたぶん今でもいうと思うが、なんでイオン打ち込みで作っているのに拡散層というのだろう思っていた。これはもともと、イオン打ち込みの技術が確立する前のやり方で作ったときの名前がそのまま流用されているようだ。

 不純物を半導体に注入するやり方は、最初は不純物の固体を半導体の上にのせて、高温にして染み込ませるやり方を使っていて、しばらくして固体から気体雰囲気に切り替わったようだ。一番最初からイオン打ち込みで作られていていたら、拡散層ではなく“打ち込み層”とかいった名前になっていたかもしれない。

 まだ名前についてはいろいろわからないところがたくさんある。コレクタやエミッタの由来も知りたい。大体検討はつくが。トランジスタもショックレイあたりが作った造語らしいが、それももっと詳細に知りたい。語源をたどっていけばいろいろなことがわかって面白い。もうちょっと早くそれをやればよかったが、そんなことをいってもしょうがないことだな。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年04月19日 09時04分20秒
コメント(0) | コメントを書く
[デバイス] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

下北沢八郎

下北沢八郎

カテゴリ

カテゴリ未分類

(25)

物理

(0)

半導体

(13)

デバイス

(5)

コメント新着

下北沢八郎 @ いやはやどうもです。  なにも理解せずに返事してしまって、恥…
通りすがり@ Re:ありがとうございます。(04/06) お返事ありがとうございます。くどいよう…
下北沢八郎 @ ありがとうございます。  とてもていねいに説明して頂いて申し訳…
通りすがり@ Re:結局gmはなんの略?(04/06) 電気回路の教科書にあるように、コンダク…
違いがわかる男 @ Re:技術開発について(04/11) こんばんは。 全く何の確証もありません…

バックナンバー

2024年12月
2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: