音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年08月06日
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カテゴリ: ジャズ

最近ウイントン・マルサリス率いるリンカーン・センター・オーケストラのCDが定期的に出ている。
音源はコンサートのライブでレーベルはこのバンドの自主レーベルであるBlue Enine Records
昨年後半にもサルサの巨匠ルーベン・ブラデスとの​ 共演版 ​をリリースしていた。
メジャー・レーベルからのリリースではないので露出は少ないが、当ブログは以前から気が付いたときに購入している。
話題には上がらないが、技術的には最高水準であり、あとは楽しめるかどうかだ。
かつてのウイントンの音楽と同じように評価が分かれるだろうが、今回は素晴らしい演奏で、多くの方に評価される内容だろう。
今回のリリースは、8/2に出たばかりで、出来立てのほやほや。
Prostudiomater(加)から税込み$16.26で購入した。
カナダドルなので約\1300と激安。
CDしかない時代だったら、苦労して集めたものが、今では本国で発売と同時に安く買えるというのは、本当にいい時代になったものだ。
コレクターは希少品を苦労して探して探して手に入れるというのも一種の楽しみだろうが、今となってはレア物以外はその苦労が懐かしく感じられる時代になってしまった。
今回の演奏はラテン+ニューオーリンズ・ジャズ+エリントンみたいな感じの、最近の彼らの追及している音楽の一つだが、わかりやすい音楽でとても楽しめる。
テーマは作曲家がアメリカで活躍した画家たちの絵にインスパイアされた曲を集めたもの。
当ブログは知っている画家はロメール・ベアデンくらいなものだ。
ブランフォード・マルサリスが「Romare Bearden Revealed」というアルバムでトリビュートしていたので覚えている。
インスパイアされた画家は、以下の5人。
Stuart Davis (1892–1964)
Sam Gilliam (1933-)
Romare Bearden (1911–1988)
Wifredo Lam (1902-1982)
Winslow Homer (1836-1910)
Piet Mondrian 1872-1944)
Norman Lewis (1909-1979)
CDではどうなっているかわからないが、インスパイアされた作品がなんであるかが分かると、有難かった。
どの絵が該当するかはわからないが、ネットで検索すると沢山ヒットするので、是非参照していただきたい。
メンバーのソロはばらつきがなく高水準。
最初の「Stuart Davis for the Masses」は3曲からなる組曲。
第1曲はラテン色がかなり強いが、ヴィンセント・ガードナーのトロンボーン・ソロが強力。
「New York For Stuart Davis 」はダン・ニマーのピアノのソロがフィーチャーされているが、存在感が薄く、ホーンに負けている。
「Blue Twirl For Sam Gilliam」がエリントン色が濃く、エリントン風の分厚いハーモニーと黒人の体臭が感じられる。
「Bearden (The Block)」の後半で歌っているのはウイントンだろうか。
「Air, Earth, Fire, Water」はパカッションがフィーチャーされたエリントンのジャングル・スタイルの曲。
他の曲とはちょっと毛色が違い、シリアス調。
個人的には、あまりあまり面白くなかった。
ウイントンのジャングル・スタイルのトランペットが炸裂する。
ギタリストのビル・フリーゼルの「Homer’s Waltz」は、アメリカ写実主義の代表的な画家のひとりであるウィンスロー・ホーマーにささげられたワルツで、まったりとした雰囲気とエリントン風の分厚いハーモニーが心地よい。
ビル・フリーゼルはマッカートニーやポールサイモンなどの録音セッションでウイントンとは共演しているようだが、ジャズ畑での共演はあるのだろうか。
同じくフリーゼルの「Homer’s Blues」での速いフレーズのテクニカルなソリは聴きもの。
Walter Blandingのテナーの音がバスクラみたいな太い音を出していて面白い。
「The Repose in All Things」は穏やかなイントロから始まり、途中からスピーディーな展開になる。
リズミックなテーマが印象的で、このアルバムでは最もビッグバンドらしい作風の曲。
アルトとトランペットのソロも軽快だ。
最後のノーマン・ルイスにささげられた「Twilight Sounds」 はニューヨークの喧騒を思わせるような掛け合いにはじまり、近代的な都市としてのニューヨークの冷たい肌触りや、ジャングル・スタイルまでで出てくる。
さしずめジャングルのような混沌とした都市ということであろうか。
ビクター・ゴインズのバスクラ・ソロがいい。
なお、スペシャル・ゲストの中に佐渡岩男という方の名前がクレジットされていた。
バタ・ドラムス(Bata drums )というキューバの両面太鼓の担当の一人で、こういうところで日本人の名前を見つけるのはとて嬉しい。  

The Jazz at Lincoln Center Orchestra with Wynton Marsalis :JAZZ AND ART

1. Doug Wamble :Stuart Davis for the Masses: The Mellow Pad   
For Stuart Davis   
Solo: Vincent Gardner (tb)   
2. Doug Wamble:Stuart Davis for the Masses: Garage Lights For Stuart Davis   
Solo: Marcus Printup (tp), Sherman Irby (as)   
3. Doug Wamble:Stuart Davis for the Masses: New York For Stuart Davis   
Solo: Dan Nimmer (p)   
4. Vincent Gardner:Blue Twirl For Sam Gilliam   
Solo: Wynton Marsalis (tp), Ted Nash (as), Elliot Mason (tb)   
5. Chris Crenshaw:Bearden (The Block) For Romare Bearden   
Solo: Dan Nimmer (p), Victor Goines (ts)   
6. Papo Vasquez :Air, Earth, Fire, Water (Orisha Medley) For Wifredo Lam   
Solo: Papo Vazquez (tb), Wynton Marsalis (tp)      
7. Bill Frisell(arr. Andy Farber) :Winslow Homer: Homer’s Waltz For Winslow Homer   
Solo: Walter Blanding (ts)   
8. Bill Frisell(arr. Andy Farber) :Winslow Homer: Homer’s Blues   
For Winslow Homer   
Solo: Wynton Marsalis (tp), Walter Blanding (ts), Dan Nimmer (p)     
9. Tim Armacost :The Repose in All Things For Piet Mondrian   
Solo: Sherman Irby (as), Ryan Kisor (tp)   
10. Sherman Irby :Twilight Sounds    For Norman Lewis   
Solo: Victor Goines (bass cl), Wynton Marsalis (tp)   

THE JAZZ AT LINCOLN CENTER ORCHESTRA WITH WYNTON MARSALIS   

SPECIAL GUESTS:   
Papo Vazquez(tb)   
Iwao Sado, Xavier Rivera,Anthony Carrillo( Bata drums)





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Last updated  2019年08月06日 21時01分28秒
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