音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2019年09月04日
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カテゴリ: クラシック音楽

このところ歌ものが続いているが、今回もサンドリーヌ・ピオーの新譜。
この方は昨年のレコード・アカデミー賞の受賞作で初めてお耳にかかった歌手。
新作が出ているのを知ったのもレコード芸術の月評で取り上げられたからだ。
アルファ原盤だったので、もしかしたらと思って、HighresAudioのサイトを覗いたら、ハイレゾがリリースされていた。
24bit48kHzでブックレットはついていないが、$12.8と格安だったので、即ダウンロード。
192kHzにアップコンバートして、NASにコピーした。
キャッチコピーが「ピオーがピリオド楽器による管弦楽団と歌う、フランス近代歌曲集」
というもの。
コンセプトはオーケストラがプライベートサロンからコンサートホールに移った当時のフランスの歌を祝うリサイタルとのこと。
古楽器によるフランス音楽のサウンドに興味のある方は触手を動かすかもしれない。
当ブログは、この組み合わせに特に興味を惹かれたわけではないが、前作がなかなか良かったので、その繋がりで聴いたようなものだ。
注目のサウンドだが、以前レクシェルの演奏でベルリオーズの夏の夜を聴いていたので、あまり違いは感じなかった。
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュのサウンドが古楽器のゴツゴツした質感のサウンドではないのも、理由の一つだ。
古楽器といいながら、サウンドのエッジが丸みを帯びているのが大きい。
また、しなやかな表現はさすがにフランスの楽団と思ったものだ。
ブレンドしたサウンドが作曲当時の雰囲気を伝えていて悪くない。
ピオーのヴォーカルは悪くはないが、フランス語自体の陶酔は味わえなかった。
発音がきついのだ。
ベルリオーズ以外は初めて聞いたが、どの曲もフランスの歌曲らしい柔らかな感触で、聞いていると気持ちがよくなる。
サン=サーンスは4曲。
テンポの遅い曲とリズミカルな曲が2曲づつ。
リズミックな「蝶々」「駆け落ち」が楽しい。
「蝶々」のあたかも蝶がヒラヒラ舞っているように感じられるフルートの速いパッセージが印象的
作曲家の腕の冴えが感じられる。
「駆け落ち」は題名とは裏腹に快活な曲で、解放された恋人のうきうきした気分を表しているのだろうか
歌詞が分からないのであくまでも当ブログの感想
ジャン・ポール・マルティーニ (1741 - 1816)「愛の喜び」はメロディーはよく知っているが、それはエルビスの「「好きにならずにいられない」の原曲だと知ったのはこの項を書くために調べてわかったこと。
原曲はリズミックで楽し気だが、歌詞は『不実な恋人についての愚痴』( wiki だそうだ。
古楽器のサウンドがマッチしてとても気持ちがいい。
ただ、ドイツ人のためか、フランス人の作品に比べると少し重い。
track6,11,15,17はオケのみの曲。
ピエルネの「昔日の唄」は原曲が『我が小さき友たちのためのアルバム』とうピアノ組曲の中の一曲でそれを管弦楽にアレンジしたもの。
淡い色彩の爽やかな小品。
有名な「鉛の兵隊の行進曲」もこの曲集に含まれている。
テオドール・デュボア (1837–1924)はフォーレの前のパリ音楽院院長で、作品はたくさんあるが、数曲を除いては現代ではほとんど取り上げられないそうだ。( wiki )
デュボアの作品は4曲取り上げられている。
詩情豊かで穏やかな音楽だがスケールが大きい。
管弦楽の「星たちに」は繊細で実に味わい深い。
アレクサンドル・ギルマン (1837-1911)の「静寂が語るのは」はリズミックで楽し気な雰囲気が伝わってくる
バンジャマン・ゴダール はおびただしい作品を残しているが、今ではほとんど忘れ去られているそうだ。
「Grave ma non troppo lento」は5楽章からなる交響曲「ゴチック風」(1874?)の第3楽章。
哀愁を帯びた旋律がゆったりとしたテンポで流れていく5分ほどの曲。
美しいが、単調でそれほど面白くない
ということで、知らない曲が多かったが、聴けて良かったと思わせる一枚。

サンドリーヌ・ピオー『恋の相手は…』19世紀フランスの管弦楽伴奏付歌曲集

(追憶)
1.サン=サーンス:恍惚
2.サン=サーンス:蝶々
3. ボルド:朝の散歩
4.ベルリオーズ:墓場にて(『夏の夜』 H.81より)
5. マスネ:詩人と幽霊
6. ピエルネ:昔日の唄(『我が小さき友たちのためのアルバム』 Op.14より)
7.デュボワ:話し相手は、恋の相手は

(欲望と誘惑)
8.ベルリオーズ:ヴィラネル(『夏の夜』 H.81より)
9.デュボワ:沼への散歩(『水上の音楽』より)
10.ヴィエルヌ:立派な白い蝶々が(3つの歌曲 Op.11より)
11.デュボワ:星たちに
12.ギルマン:静寂が語るのは(12のモテットより)
13.デュボワ:柳の下で(『マルジョリの歌集』より)
14.サン=サーンス:愛しあいましょう
15.ゴダール:きわめてゆったりしたワルツ
16.サン=サーンス:駆け落ち
17.ゴダール:荘重に(ゴシック組曲 Op.23より)
18.マルティーニ:愛の喜び(管弦楽編曲:ベルリオーズ)

サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ track1-5,7-10,12-14,16,18)
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ
ジュリアン・ショーヴァン(ヴァイオリン&指揮)

録音時期:2018年3月 フランス東部ロレーヌ地方メス、アルスナル音楽堂





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Last updated  2019年09月04日 21時22分12秒
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