ECMが今年で創立50周年になったお祝いにPresto Classicalでセールを行っていた。 その中から、3点ほど入手したが、なぜか3点ともブレイ・ファミリー?のアルバムだった。 本当は「エスカレーター・・・」が欲しかったのだが、残念ながらバーゲン対象にはなっていなかった。 いずれもロスレスで、意外に音がよかったポール・ブレイ(1932 - 2016)の「When Will The Blues Leave」についてひとこと。 1999年3月にスイスのルガーノで行われたコンサートをスイス放送協会の協力のもとにECMがCD化。 当ブログが入手したのはロスレスのflacでなんと\890というバーゲン価格。 例によって24bit192kHzのflacに変換して聴いている。 ピアノは少し固い感じだが透明感があり、ピーコックのベースの音がずしんと体に響くのが心地よい。 ドラムスも楽器の質感がよくとらえられている。 最新録音といってもおかしくないサウンドで大満足。 ブレイは時々刺激的なプレイをして、予想していたとはいえ、やってくれる。 ブレイの「Mazatran」やコールマンのタイトル・チューンは曲というよりは簡単なメロディーなので、アドリブ一発で曲が成り立っているようなもの。 ブレイのプレイはインパルス時代のキース・ジャレットのような、才気ばしっている感じがする。 1932年生まれなので録音当時67歳なのに、年を感じさせない勢いが感じられるのはキースとはだいぶ違う。 楽しめたのは、意外にもバラード。 自作の「Flame」の心に染み入るメロディーと刺激的なアドリブ、共作の「Dialogue Amour」の耽美な美しさなど、ブレイらしいプレイに満ちている。 「Dialogue Amour」の後半、テンポを少し速め、ブレイの個性的なソロが続く。 硬質な叙情とでも言うべきだろうか。 最後のガーシュインの「I Loves You Porgy」はソロ・ピアノでアンコールだったのかもしれない。 最初はトリッキーな始まり方だったが、途中からはテンポを落として、じっくりとアドリブを展開している。 バラードらしくないアプローチがなかなか面白い。 最後に弦をじゃらんと鳴らしているのが、いかにもブレイらしく、しゃれている。 ピーコック作の「Moor」はフリーっぽい曲で、前半のピーコックのロング・ソロが楽しめる。 ベースの豊かなサウンドも聴きもの。 ジャズには珍しくブックレットが付いていて、とても有難い。 同じメンバーによるスタジオ録音の「Paul Bley With Gary Peacock」 (1998)とのダブりは「When Will The Blues Leave」のみ。 残念ながら「Paul Bley With Gary Peacock」 はセール対象ではなかった。 セールは12/2までで、まだ余裕があるので、ご興味のある方は是非ご覧になっていただきたい。 https://www.prestomusic.com/jazz/promotions/ecm
Paul Bley;Gary Peacock;Paul Motian:When Will The Blues Leave
1.Paul Bley:Mazatlan 2.Paul Bley:Flame 3.Paul Bley:Told You So 4.Gary Peacock:Moor 5.Paul Bley:Longer 6.Paul Bley, Gary Peacock:Dialogue Amour 7.Ornette Coleman:When Will The Blues Leave 8.George Gershwin:I Loves You Porgy
Concert recording by RSI, March 1999 Aula Magna STS, Lugano
An ECM Production in collaboration with RSI Radiotelevisione svizzera, Lugano