音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年07月04日
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カテゴリ: ジャズ

以前出ていたブラッド・メルドーの「After Bach」(2018)の続編を聴く。
バッハは平均律やパルティータからピックアップした5曲、それ以外はバッハにインスパイヤされたメルドーのオリジナルという構成。
その中にはバッハのゴルトベルク変奏曲に似た?「アリア」と称する曲と、6つの即興が含まれる。
この即興はジャズ的なアドリブは「Jazz」というタイトルの第5変奏と続く「Finale 」のみで、他はクラシックの意匠を纏った即興だ。
不協和音が混じったシニカルなテイストを感じさせる即興は、メルドーの才気のほとばしりを感じさせる。
オリジナルでは「After Bach: Toccata」が14分余りの力作。
この曲は「Three Pieces After Bach」という組曲の終曲だ。
激しい部分とゆったりした部分が交錯する曲で全体に暗いムードが漂う。
ミニマル風に同じリズムが執拗に繰り返される部分もあり、ここいらへんはメルドーの真骨頂だろうか。
「After Bach: Cavatina」は宗教的な気分の感じられるバッハ風の曲だが、途中から不協和音が入り、変容していくところがメルドーらしい一筋縄ではいかないところで、思わずにやっとさせられる。
バッハはクラシックのピアニストに劣らない出来。
アゴーギクはごくわずか。
概ね速めのテンポだが、軽やかで、のんびりとした気分が横溢しているところは、クラシックのピアニストには出せない表現だろう。
アルバムの最後はオリジナルの「後奏曲」で、穏やかに終わる。
録音は太い音でダークで低域に重心が置かれている。
高域の透明な線の細い録音だと、大分印象が変わってくる気がする。
ところで Barbara Renner という方がクレジットされているが、ピアノの調律担当のようだ。
普段は調律師の名前がクレジットされることは殆どないと思われる。
敢えてクレジットされているということは、彼女の仕事の重要性の表れかもしれない。
今回の録音場所であるマサチューセッツ州ウースターの atMechanics Hall 所属の調律師のようだ。
ピアニストが専属の調律師を雇っていることは結構あることだが、ホール専属の調律師がいる
とは知らなかった。

Brad Mehldau:After Bach Ⅱ (Nonsuch 7559790077)24bit96kHz Flac

1.Brad Mehldau:Prelude to Prelude
Johann Sebastian Bach:
2.Prelude No. 9 in E Major from the Well-Tempered Clavier, Book I, BWV 854
3.Prelude No. 6 in D Minor from the Well-Tempered Clavier Book I, BWV 851
4.Brad Mehldau:After Bach: Toccata
5.Johann Sebastian Bach:Partita for Keyboard No. 4 in D Major, BWV 828: II. Allemande
6.Brad Mehldau:After Bach: Cavatina
7.Johann Sebastian Bach:Prelude No. 20 in A Minor from the Well-Tempered Clavier Book ,
8.Brad Mehldau:Between Bach
9.Johann Sebastian Bach:Fugue No. 20 in A Minor from the Well-Tempered Clavier Book I, BWV 865
Brad Mehldau:
10.Intermezzo
11.Variations on Bach’s Goldberg Theme: Aria-like
12.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation I, Minor 5/8 a
13.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation II, Minor 5/8 b
14.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation III, Major 7/4
15.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation IV, Breakbeat
16.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation V, Jazz
17.Variations on Bach’s Goldberg Theme - Variation VI, Finale
18.Johann Sebastian Bach:Prelude No. 7 in E-Flat Major from The Well-Tempered Clavier Book I, BWV 852
19.Brad Mehldau:Postlude

Brad Mehldau(p)
Barbara Renner (instrument technician)

Recorded April 18-20,2017 and June 21,2023 atMechanics Hall,Worcester,MA





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Last updated  2024年07月04日 15時05分35秒
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