ヒット商品応援団

ヒット商品応援団

2006.01.22
XML
カテゴリ: ビジネス
「情報の罠」つづき    2006.1.22.

先日の番外編「情報の罠」を書いた翌日米国からの輸入牛肉に特定危険部位があろうことか入っていたと報じ政府は全面的に輸入をストップした。数ヶ月前、このブログで何回か多くの不安に囲まれ自己防衛的になっている心理市場について書いた。昨年からの耐震偽装という「住まい」への不安、相次ぐ「幼い子供」に対する凶悪犯罪への不安、ライブドア事件に見られる「投資」への不安、勿論「社会保障」への不安や大きな債務を持ってしまった「国」への不安、結果としての増税への不安、そして今回のBSEという「食」への不安。生活者心理は「内側」へ、「納得」を求め、「情報」だけでなく自ら「体験」することの中にしか不安解決の「生活」を見いだせない状況へと進みつつある。
今、こうした「不安」を生活現場、小売り現場で解決していくことが一層求められてくる。「食」を例にするならば、地産地消から更に「内側」に進むのかといった課題であるが、私はやはり何十年、何百年とコミュニティで育てられたところへと一旦戻ることになると思う。先人達の知恵、おばあの経験に学ぶということである。勿論、ただ古いものを古いまま提供することではない。「今」という消費スタイルに作り直すということである。こうした「不安」解決市場として健康をテーマとするならば、周知の通りサプリメント市場は急成長しており1兆円を超えている。昨年話題となったコエンザイムQ10等は話題になったとたんに含有表示記載に満たない商品が一斉に市場に出回った。つまり、不安心理につけ込んで、情報はいかようにも操作でき商売になるという罠にはまりやすい時代にいるということである。例えば、今回のライブドア事件に関し多くのブログに様々な意見が公開されているが、ほりえもんの「出る杭は打たれる」と言った同情論コメントは論外として、糸井重里さんはこうした状況を次のようにコメントしている。
"なんというか、非常に誤解されやすい言い方なのですが、こういう時期に「額に汗して働く」という価値観に、逃げ込んではいけないと思うのです。「額に汗して働く」というのは、価値あることです。しかし、それは目的ではないのだと思うのです。額に汗すること、努力すること、地道にやっていくこと。それらは、姿勢としての美しさを持っています。ですが、くりかえすけれど、それは目的じゃない。1+1が2になるということに、ほっとしていたり甘えていたりしていては、夢も希望もありゃしないのだと思うのです。前に、農業の現場に取材に行ったときに、自然薯をつくっている農家の方が、「こんなに小っちゃい種イモから、こーんなに長い自然薯ができてさ。高く売れるんだもんなー。だーから百姓は儲かるんだよ」と笑いました。農家は損ばかりしてて、辛い仕事ばかりで、という声ばかり聞いていたぼくらは、この笑い声につられて大笑いしました。なにも考えずに、目の前の土を耕すことの尊さに満足していたら、笑えるもんじゃないと思いました。前々から、よく「ほぼ日」で書いてきました。『多忙は怠惰の隠れみのである』という言葉を。どこに狩りに行くかを真剣に考えるからこそ、獲物も手に入るし、たのしみの時間もつくれるのです。”「ほぼ日刊イトイ新聞」http://www.1101.com/home.html」
長い引用になってしまったが、新しい試み、ベンチャーマインドを大切にしたいと考える糸井さんの意見に私は賛成である。「ほりえもん」に対し、一罰百戒的なマスコミに出てくる識者の論調は相も変わらずで、「二者択一」的「二項対立」的論議ばかりで、高度情報化社会におけるビジネスの在り方の本質をついているとは思わない。(前号の番外編をお読みいただきたい)勿論、ルールを逸脱したほりえもんは社会的に指弾されると思う。既にライブドア株を買った個人株主も株価急落という形で「自己責任」を引き受けている。糸井流に言うならば、ほりえもんは何時の日からか種イモを植えないで「長い自然薯」だけを手に入れる罠にはまってしまったと思う。しかし、パラダイムが大きく変わろうとしている今、ベンチャーと言おうが言うまいが新しい試みは続けていかなければならない。私はそうかたくなに信じている。そして、どんな種イモを植えたらよいのか、時間を惜しんで考え抜いている多くの起業家を応援したいと思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.01.22 18:42:15
コメント(0) | コメントを書く
[ビジネス] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Calendar

Profile

ヒット商品応援団

ヒット商品応援団

Comments

くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
farr@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: