ヒット商品応援団

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2021.09.26
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カテゴリ: ビジネスブログ

ヒット商品応援団日記No797毎週更新) 2021.9.26.




首都圏をはじめとした感染者数が急激に減少している。この理由についてやっとTVメディアも感染症専門家に質問するが「まとも」な答えを行い得る専門家はほとんど皆無である。8月のお盆休み以降人流は増えているのに感染者数は逆に減少に向かっている、その理由を問うているのだが、これまで人流の増減は感染者数の増減とパラレルな関係にあるとし、人流抑制の対策をとってきたが、まるで逆の現象が現れてしまった「事実」に誰も答えられないのが現状となっている。唯一答えようとしていたのは東京都のモニタリング会議で繁華街における夜間の滞留人口が減少しているからであると。これも何故夜間人口が減少したのか、その理由を説明してはいない。

私は数ヶ月前から生活者・個人は政府自治体による緊急事態宣言による行動抑制にはあまり影響を受けず、独自なシグナルに反応していると指摘をしてきた。そのシグナルであるが今年の正月明け第3波の場合は「感染者数が初めて2500名に及んだ」というシグナルであり、第四波の時は大阪における感染者の急増により「自宅療養者に死者が出た」という事実、今回の第五波においては「8月上旬感染者数が5000人を超え、入院できない状態、自宅療養者が急増、入院すらできない状態」というシグナルによって強く「行動の自制」が働いた結果であると。もう一つの理由があるとすれば、高齢者へのワクチン接種効果により感染者が減少しているという事実であろう。つまり、生活者・個人はこれまで1年8ヶ月の学習から明確に行動を抑制したり、緩めたりしているということだ。つまり「シグナル」に反応してハンマー&ダンスを自身で行った結果であるということである。

その「ハンマー」という自制行動の一つの「数字」として5月の百貨店売り上げ・客数はあまり良い表現ではないが、次のように見事なくらい減少している。

『8月の売上高は前月同月比15.9ポイントダウンし11.7%減、入店客数も是年同月比17.4ポイントダウンの13.8%減』

こうした減少はコロナによるだけでなく、大雨という自然現象もあってのことだが、百貨店だけでなくSC(ショッピングセンター)も前年同月比▲11.6%と大きく減少となっている。昨年4月第一波の緊急事態宣言の時の消費の落ち込みほどではないが、生活者・個人が「自制」した生活行動はこうした消費結果を生んでいるということだ。

こうした現象は規制の対象となった飲食店においても如実に現れている。現在は自民党の総裁選に話題が移ってほとんど報道されていないが、毎日新聞によれば、8月上旬都心の繁華街で計500店を目視調査すると、4割超は時短営業をしていなかった。またそのほとんどが酒類を提供していると報じている。つまり、居酒屋や飲食店も独自な判断によって8時以降営業したり、休業したり、ハンマー&ダンスを行っているということである。しかも、こうした繁華街において大きなクラスターが発生したという事実はない。

何故こうしたことが起きているかはこの1年8ヶ月間違ったアナウンス・報道に惑わされてきたことからである意味自己責任において判断・行動しているということである。例えば、感染者が急増し始めた8月上旬、あの8割おじさんこと京大の西浦教授は「東京だけで1万人を超える」との試算を発表している。現実はその半分であったが、多くの「学者」の予測はほとんどが外れている。狼少年ではないが、こうした予測を信じて行動変容することなどほとんどないであろう。生活者・個人の判断基準があるとすれば臨床という現場を持った感染症の専門家・医師の発言だけである。来院する患者の行動履歴など感染防止に役立つ発言には耳を傾けるということだ。

既に緊急事態宣言延長の期限が迫っている。全面解除に至るかどうかわからないが、旅行代理店や観光業者は報道されている通り既に動きはじめている。その中心はワクチン摂取者を主対象とした特典付きの10月以降の「旅行」である。またシルバーウイーク期間では首都圏の近場、箱根や鎌倉・湘南、日光あるいは高尾山などへの行楽、マイカーによる移動が中心となっていて高速道路は渋滞j状態となっている。しかし、ある意味リスクを回避した慎重な行動となっている。つまり、近場でオープンエアーな場所へ自家用車で移動するという自己防衛に基づいた慎重な「楽しみ方」である。コロナ禍1年8ヶ月ハンマーばかりの日々であったが、やっとダンスができるようになったということである。

政府は飲食店や大規模イベント、あるいはライブハウスなどでの実証実験が計画されていると報道されている。これは1年8ヶ月時短や人数制限、飲酒規制など多くの感染防止の規制策が実施されてきたが、その効果の検証が明確な数値を持って行われてこなかった。本来であれば保健所に集められて膨大な感染者の行動履歴や濃厚接触者との関連などビッグデータ解析が行えたはずであった。しかし、周知のように保健所を介在させるシステムのため対応が不可能になり、重要な情報を得ることができなかった。この実証実験はやって欲しいが、どのように感染するのかしないのか、ワクチン効果はどの程度なのか、その明確なデータを持った「根拠」を示してほしい。その根拠が不鮮明であることから多くの生活者・個人の納得が得られないのだ。政府自治体のコミュニケーション不足や説明力の無さはこうした「根拠」がないことによる。その表れと思うが、第一波から第五波まで一度も反省を含めた総括がなされていない。更に言うならば、分科会も同じで科学的な根拠は感染症という病気に関するものだけで、ウイルスの感染とは「人」が運ぶことから生活者・個人のコロナに対する「意識と行動の変化」をデータを持って明らかにすることが不可欠であった、しかし、こうした分析はほとんどなされないままの1年8ヶ月であった。せいぜい公開されたのは「人流」という名のもとで繁華街や観光地の人出情報だけである。勿論、人流と感染との相関関係は明らかにされないままであったが。

ところで「日常」に向かって生活者・個人は行動を始めていると書いたが、今回のシルバーウイークの楽しみ方を見ても分かるように慎重である。ただ日常の中心を占めている「食」は変化していくあろう。極論であるが、デリバリーとテイクアウトあるいは冷凍食品やレトルト食品といった食生活から、今までの「普通」に戻るということである。例えば、久しぶりに朝食には干物に白いごはん、豆腐のみそ汁、漬けもの、といった食生活である。ハレとケという言い方をすればケに戻るということであり、普通回帰とでも呼びたくなるような日常である。コロナ禍1年8ヶ月、直接規制の対象となった2つの業種、飲食と旅行から普通回帰が始まるということだ。

そして、蕎麦好きであれば新そばを求めて少し足を伸ばすであろう。また、サンマは今年も高いが、ブータン産の松茸は安く手に入るので松茸ご飯を作る家庭もあるだろう。日常とは「旬」を食べることであり、余裕を持って季節に向き合えるということだ。

飲食店を始め旅館やホテルの顧客の迎え方にもお得の提供もあるが、季節の花などをテーブルに一輪添えることだ。これもまた日常のサービスであったはずである。アクリル板があっても、席と席との間隔が離れていても、入り口では消毒液を用意したり、・・・・・・・・・つまり、感染防止は万全にしながら以前のように心が届くサービスを心がけるということだ。日常を取り戻す第一歩は季節の旬から始まる。(続く)






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Last updated  2021.09.26 12:53:46
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くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
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