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September 25, 2024
カテゴリ： 海外のミステリー＆ファンタジー小説
みなさんこんばんは。中国で日本人の少年が殺された事件が波紋を呼んでいますね。今日は短編集を紹介します。
いろいろな幽霊 (海外文学セレクション)
The Ghost Variations One Hundred Stories
ケヴィン・ブロックマイヤー
東京創元社
日本では百物語がよく知られている。百番目の話をした時、そこに…という話だが、欧米ではそんな恐怖はなんのその、100コンプリートの方が大切なようだ。ちなみに翻訳者解説では、百物語に言及されている。
「かつて書かれた中でもっとも恐ろしい幽霊譚」
一つの本を何度翻訳しても、一言一句同じ文言になってしまう。ホラーというよりコメディっぽい。しかし気になるのは翻訳本のタイトルがバラエティ豊かな点である。タイトルはいわば読者の心をとらえるキャッチコピーでもあるのに、これだけ違ってしまうのはいかがなものか。
もともとのタイトル『ナンシー・ジャンの貪欲な仮面』
ナンシー・ジャンという人が、貪欲な性格を隠しているから仮面なのかな？
以下翻訳本のタイトル
『きこりと雪女』日本昔話？
『汝の血を水のごとく飲むがゆえに』主人公ヴァンパイアかな？
『わが腕の中へ、わが口の中へ』『森の暗い胃袋』とりあえず何かを食べたいのかな？ひと？
『なぜだ、いとしい人、なぜだ』チャンドラーを狙ってる？
『やもめのチューと夜半のささやき』ナンシー・ジャンはどこへ行ってしまったのだろう。というか、主人公は誰。
「人口調査」
世の中は貸借対照表みたいに、きっちりバランスが取れていないといけないそうだ。いわく、想像上のものと、実際に存在するものの数が同じであるべきだ、と。そこで、天秤が一方に傾くと、神様は人間を幽霊に戻したり、その逆をやったりと大忙し。最後に二人分だけ現実パートが多くなった。そこで神様が一つ想像上のものとしたのは。このオチはなんだか昔話みたい。
「注目すべき社交行事」
特定の人にではなく、ほぼすべての人に姿を見られている幽霊の話。15歳の少女が、思いを寄せていた医師と商人の娘が結ばれる様を見て、法律事務所を出ていく時に召使とぶつかる。声をかけられた召使に対してとっさに取ったリアクションが気に入らず、何度も少女はバリエーションを加えながらやり直しをする。失恋した当の相手に執着するのではなく、過去のいち行動に執着するあたり、年齢も考えると、恋に恋していただけのような。
「ゾウたち」
ああこれも幽霊なんだな、ゾウたちにとっては、という話。
「マイロ・クレイン」
「マイロ・クレインを錯乱させる署名にサインを」と言って回っている老人が声をかけたのは当人だった。しかし老人は「あなたはマイロ・クレインじゃない！」と納得しない。不条理劇みたい。
「アクション！」
有名作品をいくつも作ってきた監督が、次に作ろうと考えたのは、とても見られない映画だった。なぜその映画は“見られない”のか？映画は見てもらってこそなのに、見てもらえないことにこだわるのは矛盾しているのだが。
「さらなる諸動物」
人物がどんな二種類の動物を合わせたものか明らかにする薬が出回る。証拠と判定に納得できる人たちは薬パーティを開き、お互いの動物ミックスを当てるように。ひところ流行した動物占いみたい。
「来世と死の事務処理機関」
亡くなった人が、幽霊として来世にいたいなら、25ドル払うよう言われる。えっ六文銭じゃないのか。いや、あれは行くまでに使う金のはず。死後も金を要求されるなんて、えげつないなぁ。というか、これ、幽霊を対象にした新手の詐欺では。いや、幽霊を騙して得って何だ。手持ちの金ってその世界で使える？とりあえず要求された人は、二度目まで払う。するとある時、お金未払いです。払わないと追い出しますよ！と言われる。追い出されてさっさと転生するのもいいのでは。
「風景を損なうもの」
木々は風景を損なうものとして、片っ端から切り捲って箱モノを立てていた男が、木にリベンジされる話。これはこれで面白いな。
他
「進路指導カウンセラー」「手斧、数本の燭台、針刺し、シルクハット」「記憶喪失」「きのうの長い連なり」「ヒッチハイカー」「願い事」「遊び方」「運命の天秤」「どんなにささやかな一瞬であれ」「集まり」「ミラ・アムスラー」「白馬」「ミツバチ」「木々の納骨堂」「空から降ってくるもの」「作中で太鼓が鳴る物語」「お砂場計画」「再生可能資源」「十三回の出現」「死亡記事」「中間地点」「時の巡り」「ヒメハヤ」「前後に揺れる物語」「小さなロマンスとハッピーエンドを含むタイムトラベルの物語」「ファンタズム対スタチュ」「足跡」「乗客たち」「新たな生、新たな文明」「暗黒は震えつつ通り過ぎた」「プリズム」「彼の女性性」「人々がいて、彼らはかつて生きていた」「第一一五連隊の兵士たち」「円い堀が魚の安らぎとなるように」「スペクトル」「あらゆる家の鍵、あらゆる消火栓、あらゆるコンセント」「壁」「遊びの時間「生涯にわたって」「いっしょに連れていく」「霧の向こうにちらちら見える物語」「一生分の接触」「二番手」「かくもたくさんの歌」「音響の問題」「香り」「野原で解けていく雪の泥くさいにおい」「道具学」「陽射しがほとんど消えて部屋が静かなとき」「男のようなもの」「ささやかな感情」「現実の小さな崩壊」「異常派と尋常派」「不動産」「どちらが結晶、どちらが溶液」「無数の奇妙な結合と分離」「携挙」「６６６」「失われて見出され」「鏡の中のもう一人の男」「アポストロフィ」「鏡の中の男」「回転式改札口」「実話」「弾丸とそれを避けるために必要なもの」「膝」「彼女が忘れようとしている男」「永遠」「遅すぎた」「居残り」「あなたの靴が好き」「幽霊の仮の姿」「困惑の元」「見えない、さわれない」「幽霊兄弟」「第二の実話「人生」「非凡な才能」「遺伝性疾患」「空港のターミナルからの祈り」「孵化」「左右対称」「インコ」「婉曲表現」「およそ八十グラム」「幽霊文字」「言語学の問題」「夕暮れとほかの物語」「電話」「数」収録。
いろいろな幽霊 （海外文学セレクション） [ ケヴィン・ブロックマイヤー ] 楽天ブックス
いろいろな幽霊 (海外文学セレクション)
The Ghost Variations One Hundred Stories
ケヴィン・ブロックマイヤー
東京創元社
日本では百物語がよく知られている。百番目の話をした時、そこに…という話だが、欧米ではそんな恐怖はなんのその、100コンプリートの方が大切なようだ。ちなみに翻訳者解説では、百物語に言及されている。
「かつて書かれた中でもっとも恐ろしい幽霊譚」
一つの本を何度翻訳しても、一言一句同じ文言になってしまう。ホラーというよりコメディっぽい。しかし気になるのは翻訳本のタイトルがバラエティ豊かな点である。タイトルはいわば読者の心をとらえるキャッチコピーでもあるのに、これだけ違ってしまうのはいかがなものか。
もともとのタイトル『ナンシー・ジャンの貪欲な仮面』
ナンシー・ジャンという人が、貪欲な性格を隠しているから仮面なのかな？
以下翻訳本のタイトル
『きこりと雪女』日本昔話？
『汝の血を水のごとく飲むがゆえに』主人公ヴァンパイアかな？
『わが腕の中へ、わが口の中へ』『森の暗い胃袋』とりあえず何かを食べたいのかな？ひと？
『なぜだ、いとしい人、なぜだ』チャンドラーを狙ってる？
『やもめのチューと夜半のささやき』ナンシー・ジャンはどこへ行ってしまったのだろう。というか、主人公は誰。
「人口調査」
世の中は貸借対照表みたいに、きっちりバランスが取れていないといけないそうだ。いわく、想像上のものと、実際に存在するものの数が同じであるべきだ、と。そこで、天秤が一方に傾くと、神様は人間を幽霊に戻したり、その逆をやったりと大忙し。最後に二人分だけ現実パートが多くなった。そこで神様が一つ想像上のものとしたのは。このオチはなんだか昔話みたい。
「注目すべき社交行事」
特定の人にではなく、ほぼすべての人に姿を見られている幽霊の話。15歳の少女が、思いを寄せていた医師と商人の娘が結ばれる様を見て、法律事務所を出ていく時に召使とぶつかる。声をかけられた召使に対してとっさに取ったリアクションが気に入らず、何度も少女はバリエーションを加えながらやり直しをする。失恋した当の相手に執着するのではなく、過去のいち行動に執着するあたり、年齢も考えると、恋に恋していただけのような。
「ゾウたち」
ああこれも幽霊なんだな、ゾウたちにとっては、という話。
「マイロ・クレイン」
「マイロ・クレインを錯乱させる署名にサインを」と言って回っている老人が声をかけたのは当人だった。しかし老人は「あなたはマイロ・クレインじゃない！」と納得しない。不条理劇みたい。
「アクション！」
有名作品をいくつも作ってきた監督が、次に作ろうと考えたのは、とても見られない映画だった。なぜその映画は“見られない”のか？映画は見てもらってこそなのに、見てもらえないことにこだわるのは矛盾しているのだが。
「さらなる諸動物」
人物がどんな二種類の動物を合わせたものか明らかにする薬が出回る。証拠と判定に納得できる人たちは薬パーティを開き、お互いの動物ミックスを当てるように。ひところ流行した動物占いみたい。
「来世と死の事務処理機関」
亡くなった人が、幽霊として来世にいたいなら、25ドル払うよう言われる。えっ六文銭じゃないのか。いや、あれは行くまでに使う金のはず。死後も金を要求されるなんて、えげつないなぁ。というか、これ、幽霊を対象にした新手の詐欺では。いや、幽霊を騙して得って何だ。手持ちの金ってその世界で使える？とりあえず要求された人は、二度目まで払う。するとある時、お金未払いです。払わないと追い出しますよ！と言われる。追い出されてさっさと転生するのもいいのでは。
「風景を損なうもの」
木々は風景を損なうものとして、片っ端から切り捲って箱モノを立てていた男が、木にリベンジされる話。これはこれで面白いな。
他
「進路指導カウンセラー」「手斧、数本の燭台、針刺し、シルクハット」「記憶喪失」「きのうの長い連なり」「ヒッチハイカー」「願い事」「遊び方」「運命の天秤」「どんなにささやかな一瞬であれ」「集まり」「ミラ・アムスラー」「白馬」「ミツバチ」「木々の納骨堂」「空から降ってくるもの」「作中で太鼓が鳴る物語」「お砂場計画」「再生可能資源」「十三回の出現」「死亡記事」「中間地点」「時の巡り」「ヒメハヤ」「前後に揺れる物語」「小さなロマンスとハッピーエンドを含むタイムトラベルの物語」「ファンタズム対スタチュ」「足跡」「乗客たち」「新たな生、新たな文明」「暗黒は震えつつ通り過ぎた」「プリズム」「彼の女性性」「人々がいて、彼らはかつて生きていた」「第一一五連隊の兵士たち」「円い堀が魚の安らぎとなるように」「スペクトル」「あらゆる家の鍵、あらゆる消火栓、あらゆるコンセント」「壁」「遊びの時間「生涯にわたって」「いっしょに連れていく」「霧の向こうにちらちら見える物語」「一生分の接触」「二番手」「かくもたくさんの歌」「音響の問題」「香り」「野原で解けていく雪の泥くさいにおい」「道具学」「陽射しがほとんど消えて部屋が静かなとき」「男のようなもの」「ささやかな感情」「現実の小さな崩壊」「異常派と尋常派」「不動産」「どちらが結晶、どちらが溶液」「無数の奇妙な結合と分離」「携挙」「６６６」「失われて見出され」「鏡の中のもう一人の男」「アポストロフィ」「鏡の中の男」「回転式改札口」「実話」「弾丸とそれを避けるために必要なもの」「膝」「彼女が忘れようとしている男」「永遠」「遅すぎた」「居残り」「あなたの靴が好き」「幽霊の仮の姿」「困惑の元」「見えない、さわれない」「幽霊兄弟」「第二の実話「人生」「非凡な才能」「遺伝性疾患」「空港のターミナルからの祈り」「孵化」「左右対称」「インコ」「婉曲表現」「およそ八十グラム」「幽霊文字」「言語学の問題」「夕暮れとほかの物語」「電話」「数」収録。
いろいろな幽霊 （海外文学セレクション） [ ケヴィン・ブロックマイヤー ] 楽天ブックス
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