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源氏物語〔34帖 若菜 216〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。様々な養生や呪いを試みても効き目は見えず、回復の望みは無く、この病人はただ心細く見えるばかりで、その様子を院は深く悲しんだ。もはや他のことに心を向ける余裕もなく、法皇の賀の準備も中止せざるをえなくなった。法皇の寺からも、夫人の病を気遣って、丁重な見舞いの使いが何度も訪れた。病状は相変わらずで、二月もそのまま過ぎていった。院は言い尽くせないほど心を痛めておられ、せめて環境を変えればとお考えになり、病の女王を二条の院へ移された。六条院の人々は、まるで大きな厄難が降りかかったかのように深く悲しみ、冷泉院もまた大層心を痛めておられた。この夫人に万一のことがあれば、六条院は必ず出家されるであろう――それは誰の目にも明らかであったため、大将なども真心を尽くして、夫人の病が少しでも快方に向かうよう奔走していた。院が命じられる祈祷のほかに、大将は自らの願いとしても祈祷を行わせていたのである。
2026.05.03
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源氏物語〔34帖 若菜 215〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。院に心配をかけぬよう、激しい苦痛をこらえながら朝を待った。やがて熱まで出て容体は明らかに悪くなったが、院が早く帰ってくるように促すこともせずにいるうち、女御のもとから夫人へ手紙を届けに来た使いに、女房が病のことを伝えてしまったため、それを聞いた女御が驚いて院に知らせた。胸を騒がせながら院が戻ってくると、夫人は苦しそうに横たわっていた。院がどんな具合かと声をかけ、夜着の下に手を入れてみると、身体はひどく熱を帯びている。昨日話題に上った厄年のことも思い出され、院は恐ろしさを覚えた。粥などを作らせて持って来たが、夫人は見ることすら嫌がった。院は一日中病床に付き添って看病を続け、菓子の一つも口にせず、起き上がらないまま数日が過ぎていった。このままどうなってしまうのかと不安になり、院は数えきれないほどの祈祷を始めさせ、僧を呼んで加持も行わせた。どこが特に悪いというわけでもないのに、夫人はひどく苦しみ、苦悶が顔に現れた。
2026.05.02
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「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。楽器を押しやらせ、そのまま宮を寝かせた。一方、対のほうでは、寝殿に泊まるこうした夜の習慣として、女王は遅くまで起きており、女房たちに物語を読ませて聞いていた。人生のありさまを写した物語の中には、情に迷いやすく、何人もの恋人を持つ男を相手にして、絶えず悩み苦しむ女が描かれていることが多い。たいていの場合、最後には二人だけの落ち着いた生活に行き着くようになっている。しかし自分はどうだろう、年を重ねてもなお、一人の妻として完全に落ち着くこともできずにいるではないか、院の言葉どおり自分は運命に恵まれているのかもしれないが、誰もが最も耐えがたいと感じる苦しみを背負っている。このように、一生背負って生きねばならない定めなのではないかと思うと、情けなくてならない、そんなことを次々と思い続けた末に、夫人は夜が更けてからようやく寝室に入った。ところが明け方近くになって急に具合が悪くなり、胸の痛みが激しく起こった。女房が心配して院に知らせようと言うのを、夫人は止めた。
2026.05.01
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