今が生死

今が生死

2013.02.04
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カテゴリ: 仕事
2日ぶりで今家に帰ってきた。寝る前に今日の明け方のことを書かせて頂く。朝4時頃救急受け入れを要請されて受け入れた。47歳女性で意識が朦朧として足に力が入らないという。顔色も悪くかなり重症だった。救急要請してから救急車が当院にたどり着くまでに1時間以上かかっていた。

その人が救急要請したのは午前3時頃、救急隊は受け入れをお願いして次から次に救急病院に電話するも次々に断られた。中には電話しても全然出ない病院もあった。そして消防の管轄外だがもしやと思って我が病院に電話してきたのが7つめの病院だった。ナースは「管轄外だから断ってもいいですよね」と言っていたが、断れば8つ目の病院に電話することになりそこだって受けてくれるとは限らない。

「そんなに断られているならウチで診るしかないだろう」と私の病院で引き受けたが、世の中救急病院の看板を掲げていてもその内容はお寒いものだなと思った。私の病院だって専門の医師がいないからとかベッドがないからとか今救急の別の患者を診ているからなどと言って断る場合もある。でも少なくとも私が当直の時はほとんど断らないで受けるようにしている。

今回のケースについて考えてみた。一つには時間帯だ。午前2時~4時頃はちょっと仮眠を取りたい時間帯で「他で診てもらえばいい」となってしまたのかもしれない。第2は救急隊の状況説明だと思う。下痢している、腹痛があるなどわかり易い症状を言えば多くの病院で対応してくれたかもしれないが、足がフラフラする、意識が朦朧では捉えどころがなく、自分は専門ではないと断わられてしまったのかもしれない。

いずれにしても受け入れたので、吐いているとのことでCT検査や血液検査、胃カメラ検査を行った。胃の出口に病変があり、食べ物が流れなくて腹痛や嘔吐が起こったと考えたが検査結果はそれらは否定的であった。吐き気どめや痛み止めの薬を点滴液の中に入れて点滴したら随分顔色も良くなって午後3時頃にはかなり元気になってよかった。

当直している人たちは眠くて大変かもしれない。でも救急外来に来る人たちは、その何倍も苦しんだのだろうし眠いとも思う。

その人たちのことを思って、救急受け入れを安易に断ることはしないでもらいたいと願う。





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Last updated  2013.02.04 22:26:49
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